第12話 汐理ちゃんのコメントを

「汐理ちゃんは、どう感じたかな?」
 アナウンサーの栃尾貴美がニュースを伝えた後、島津が汐理に向かって尋ねた。
「うーん、とっても難しい問題ですけど…、私たち一人一人が、自分の頭で考えることが大切なんだと思いました。」
「ホントにそうだね。」
 島津がニッコリ笑って頷き、ジャーナリストらしい視点でニュースを解説する。
 ニュース・タイムでの汐理のポジションは、特集コーナーのレポーターから昇格し、レギュラーとして島津の隣に座るよ
うになった。天気予報を担当するとともに、時折、ニュースについても感想を述べるのだ。その範囲は広く、事件、事故
のニュースだけでなく、政治や経済に関するニュースでも、彼女が感想を述べることがある。どんな話題を振られても、
汐理のコメントは知的でいて、若者らしく瑞々しいものであり、それが番組の新たな魅力となっていた。
「では、汐理ちゃんからお天気のお知らせを…。」
「はい、それではお伝えします。明日は全国的に暖かく、過ごしやすい一日になりそうです…」
 カメラがアップで映し出した汐理は、以前の何倍も魅力的になっていた。もともとの清楚な美しさに加えて、表情や仕
草に女らしい色香が漂うようになっている。原稿に目を落とした時の、伏し目がちの表情などは、切なくなるぐらいに可
憐だ。
「では、また明日。」
 天気予報が終わると、島津がカメラに向かって一礼し、エンディングテーマが流れる。
 カメラが引いて、レギュラー陣を映し出す。島津の右に貴美、左に汐理の姿があり、3人が談笑する様子が映って番
組が終了した。
「汐理っ!」
 オンエアが終わった途端、島津が厳しい声で言った。放送中と違って、呼び捨てである。
「はい!」
「今日は、本番で2回噛んだな。それに、もっとしっかり声を出さないとダメだろう。」
「はい、すみません…」
 二人のやり取りを聞いて、貴美が眉を顰める。アナウンサーの彼女から見て、島津の言っていることは、言い掛かり
に近いものだ。しかし、彼女が口を挟むことは許されていない。
(これも、彼女が選んだ道なのかもね…)
 島津に接近することで、汐理は成功への階段を昇っている。彼の強力なプッシュがあって、来月からはゴールデンタ
イムのクイズ番組のアシスタントをはじめ、いくつかのレギュラー番組が決まっていると聞いた。そうであれば、これは、
あくまで島津と汐理の問題なのだ。
「ここで発声練習だ。」
 ニヤリと笑って島津が言った。汐理が今にも泣き出しそうな表情を浮かべる。
「えっ…、ここで…ですか?」
「そうだ。さあ、まず腹から声を出すトレーニングだ。」
 汐理は一瞬ためらった後、深呼吸して、大きな声を出した。
「オ・マ・ン・コーっ!」
 スタッフたちが一斉に汐理を見た。事情を知らないADたちが、驚きの表情を浮かべている。清純で知的なアイドル
が、女性器の隠語を大声で叫んでいるのだ。
「オ・マ・ン・コーっ!」
 声を出しながら、汐理の顔は見る見る赤くなっていく。目には涙が滲んでいる。
「どんな単語でも動揺することなく、正確にはっきり発音する必要があるんだぞ。」
「ち××、ま××、ち×こ、ま×こ、×んこ、××こ…」
「よし、次は早口言葉…」
「ふぇらちおあなるぱいずりなかだしおーけー、ふぇらちおあなるぱいずりなかだしおーけー…」
 恥ずかしい言葉を延々と繰り返す汐理。その様子を、島津は満足げに見ている。番組のスタッフたちも好奇心を隠せ
ない様子だ。貴美はいたたまれなくなって、そっとスタジオを抜け出た。
「最後は息使いの練習!」
「はぁ…、はぁ…、あん、あん…、はぁ、はぁ…」
「もっと気持ちを込めて!」
「はぁ…、はぁん…、あん、あんっ…、はぁ、はぁ…」
 目を閉じて声をあげる汐理の姿は、まるで自慰行為をして、身悶えしているように見える。あまりのエロチックさに、ス
タジオにいるスタッフは皆、股間が熱くなるのを感じた。
「もっと!」
「はぁん…、あんっ…、いく、いくっ、イクぅ…」
 淫らな声をあげさせられ、ようやくトレーニングが終わった。島津がスタジオを出て行くと、汐理はその場に顔を伏せて
泣き出した。

「お疲れさまでした。」
 警備員にもきちんと挨拶をして、汐理がTBC放送の通用口を出ると、ATプロの車が待っていた。
「ホテル・オータキに行って。」
 汐理の後からせかせかと乗り込んで来たマネージャーの池尻美津子が、運転手にそう告げる。途端に汐理の表情が
曇った。
「そんな、露骨に嫌な顔をしないの。」
「でも…」
 ここのところ週に二、三日、汐理は仕事が終わると、自分の部屋に戻らず、ホテルに行って一夜を過ごす。そこには、
島津が待っているのだ。
「まあいいわ、でも、島津さんの前では、絶対にそんな顔をしちゃダメよ。」
「…はい…」
 汐理は沈んだ声で返事をした。
 ニュース・タイムを放送しているTBC放送のスタジオとホテル・オータキとは同じ町内にあり、それほど距離が離れて
いるわけではないのだが、車はわざと遠回りをしてホテルに向かった。裏道から表通りに出ると、やがて、エントランス
がライトアップされた高級ホテルが姿を見せる。
 ホテルに着くと、美津子はフロントを通らず、そのままエレベーターに乗り込んだ。汐理を連れて、指定された部屋に
向かうのだ。
「池尻です。到着しました。」
 美津子がドアをノックすると、すでに部屋着に着替えた島津が顔を出した。
「遅かったじゃないか。待ってたぞ。」
 そう言うと、島津は汐理を室内に招き入れる。
「それじゃあ、明日は7時に迎えに来るわね。」
 美津子は、因果を含めるような視線を向けて汐理にそう言うと、丁重に島津に挨拶をして出て行った。
 島津は部屋の奥にあるソファに腰を降ろした。
「よろしくお願いします…」
 汐理はそう言って、島津の見ている前で服を脱いでいく。部屋に着くと裸になり、翌朝解放されるまで何も身につけて
はならない、これが、島津が定めたルールだった。愛人と言うよりは、セックス・ペットと呼ばれるにふさわしい扱い…、
それが、汐理が得た成功の代償だった。
 全裸になった汐理は、島津の膝に乗り、キスをする。これも決められた手順だ。島津は汐理の胸に手を伸ばした。柔
らかな乳房が強く揉まれ、淫らに形を変えていく。



 濃厚なキスの後、島津は汐理を床に座らせた。汐理が跪いて島津の部屋着の裾を開き、トランクスを脱がせる。肉棒
が飛び出した。膝立ちでにじり寄ると、ムッとする臭いが鼻をつく。いつものように情事を終えてからシャワーを浴びるつ
もりなのだ。
「失礼します…。」
 そう声をかけると、汐理は嫌悪感と戦いながら、おずおずと舌を這わせていった。既に硬くなり始めた肉棒が、みるみ
るうちに大きく勃起する。
「そうだ…、裏側もしっかり舐めるんだ…」
 言われるまま、先端から王冠部、笠の裏へと舌を這わせていく。唾液に濡れたが怒張が、赤黒く光っている。汐理は
島津の肉棒に指を添えて、Oの字に開いた口に咥えた。
「指でしごきながら吸うんだ。舌を使うのを忘れるな」
 汐理は指を怒張に絡めながら陰茎を吸い、亀頭に舌を押し付けてしゃぶる。島津が満足げな吐息を吐いた。

 ちょうどその頃、高級クラブのVIPルームで、演歌の帝王、西郷公彦が怒りに声を震わせていた。
「何だと?汐理が、島津に抱かれたと言うのか!」
「はい、おそらく…。」
 ご注進に及んだのは、TBC放送のディレクターである。
「なにしろ、島津氏は、水沢汐理のことを愛人のように扱い、楽屋はおろかスタジオでもイチャイチャしておりまして、もう
見ておれません。」
 ディレクターは、多少の誇張を交えて、二人の痴態をこと細かに報告する。実はこの男、もともと島津に含むところが
あり、汐理のファンでもあったことから、こうして告げ口することで、西郷に取り入るとともに、島津と対立させようと思っ
たのだ。
「うーむ…」
 そう唸った西郷の顔が、怒りでどす黒くなった。そのまま卒倒するのではないかと、ディレクターが不安げに見ている
と、西郷は怒りに震える声で、吐き捨てるように言った。
「あの小娘、ワシを馬鹿にしおって、目にもの見せてくれよう!」
 ディレクターは自分の目論見が外れたことに気づいた。可愛さ余って憎さ百倍…、西郷の怒りの矛先は、島津よりも
むしろ汐理の方に向かってしまったようだ。汐理の可憐な姿が脳裏に浮かび、後悔の念が胸に浮かんだが、全ては後
の祭りであった。

「さあ、ここに座りなさい。」
 島津はおもむろに立ち上がると、汐理をソファに座らせた。
「ひじ掛けに両膝を掛けて、アソコがよく見えるように開きなさい。…よし、そうだ。」
 逆らう術もなく、柔順に陰部を露わにした汐理を見て、島津は満足げな表情を浮かべた。
「そのまま動くなよ…」
 そう言うと、島津は荷造り用の紐を取り出して、汐理の身体をソファに縛りつけていく。汐理は両足がMの字の形にな
るように縛られた。
 島津は股間を覗き込み、汐理の柔肉を指で押し広げた。愛液に濡れたピンクの襞肉が露わになる。開かれた太股を
両手で押さえて顔を近づけ、わざと大きな音を立てて、汐理の匂いを嗅ぐ。
「オ××コ、臭いな…。いやらしい匂いがプンプンする。」
 汐理も、セックスの前にシャワーを浴びることを許されていなかった。ただ、実際にはさほど強い匂いがするわけでは
なく、島津は彼女を嬲るためにわざとそう言っているのだ。しかし、言われた汐理の方は、もともと気にしているだけに、
それがこたえる。島津が鼻を鳴らす度に死ぬほど恥ずかしく、消えてしまいたいぐらいだった。
「あっ!」
 汐理が短い悲鳴をあげて、腰をくねらせた。島津が舌を伸ばして性器を嘗め始めたのだ。
「オシッコの味がするぞ…」
「あぁ…、いやぁ…」
「男に誉めてもらって、嫌がるやつがあるか!」
 島津が唇を秘部から離して叱る。
「うぅ…、あ、ありがとう…、ございます…」
「そんな言い方じゃだめだ。」
「汐理の…、く…、臭い、お…オ××コを…、誉めてくださって…、ありがとうございます…」
 島津は、ビーナスの丘に舌を這わせ、襞肉の一枚一枚を擦り上げるように舐め、柔肌から頭を出した敏感な芽を舌
でつつく。その度に汐理は、叫び声をあげたり、身体を強張らせたり、腰を振ったりする。
 赤桃色の肉襞が愛液と唾液にまみれて、濡れ光っているのを見て、島津は呟いた。
「よし、そろそろ準備は良さそうだな…」
 拘束された汐理が不安げにしていると、島津は鞄を持ってきて、中から取り出した器具を汐理の乳首に当てた。口紅
ほどの大きさで、先端は丸みを帯びた形をしており、反対側からコードが伸びて電池ボックスに繋がっている。パール
ローターだ。
「んっ…」
 乳首に冷ややかな器具が当てられる感触に、汐理は思わず声を漏らす。島津が電池ボックスのスイッチを入れた。
ブーンという音とともにローターが振動する。
「ああっ!」
 汐理が叫び声をあげて身を捩った。
「どうだ、気持ちいいだろう?これで、オ××コを触ってあげよう。」
 乳首に触れられただけでも、耐え切れず身悶えしてしまうのだ。もし性器に押しつけられて、振動するとしたら…。
「いやあ…、やめて!」
 必死にもがく汐理だったが、ソファに縛られていては、それも無駄な抵抗だった。
「いやあっ!あっ…、あっ…、だ、だめぇ…」
 島津が大陰唇から小陰唇へとローターを這わせる。汐理は腰をくねらせて身悶えした。島津に嘗められ、弄られてい
た女陰はそれでなくても敏感になっており、振動するローターの当てられると、狂おしい程の性感をもたらす。
「キャッ…、やぁっ!」
 汐理が叫び声を上げる。島津が割れ目をなぞり、包皮から顔をのぞかせているクリトリスにローターを押し当てたの
だ。激しい刺激は、一気に彼女を絶頂へ追い上げた。
「あっ、あっ、あっ、ああっ…」
 汐理は絶頂の声を上げてがっくりと頭を垂れた。下半身を大きく開いているため、愛液に濡れた肉壁がヒクヒクと蠢く
様子もはっきり見える。しかし、それで終わりではなかった。
「中にも入れて欲しいだろう。」
 そう言うと、島津は鞄の中から男根を型どった黒いバイブレータを取り出した。スイッチを入れると、低く隠微な音とと
もにクネクネと淫らに動き始める。島津は陰部にあてがった淫具を、汐理の膣にゆっくり挿入した。
「はぁ、はぁ、はぁ…、お、お願いです…、ぬ、抜いてください…」
「何を言っているんだ。今日はこのまま、何回もイクんだ。」
 島津の手にした淫具が、深く抉るような挿入を繰り返す。
「う、ううっ…」
 汐理は、再び官能の波が押し寄せてくるのを感じていた。射精すると一気にボルテージが下がってしまう男と違って、
女の性感は一旦火が着くと、絶頂を迎えても消えることがない。汐理は再び身悶えして、喘ぎ声を漏らし始める。
「あ、あぁ…、あぁん…、もう…、許して…」
 汐理の体がソファの上でビクンビクンと跳ねる。バイブの動きに合わせてクチュクチュと淫靡な音がする。愛液がソフ
ァに滴り落ちる。
「中がヒクヒクしてるぞ。どんな気分だ?」
 そう言いながら、島津はバイブレーターをピストン運動させたり、こねてみたりして、汐理の反応を楽しんでいる。
「あっ、あっ…、ああ…」
 快感の波が押し寄せてきて、汐理は二度目のオルガスムスを迎えた。絶頂を迎えてなお、秘所に挿入された淫具
は、妖しい振動を続けている。
「最後はこれだ。」
 そう言って、島津が取り出したのは日曜大工で使う電動ドリルだ。ただ、その先端には擬似男根がついている。
 島津がドリルのスイッチを入れて、汐理に示した。取り付けられた淫具がウィーンと唸りをあげ、もの凄い勢いで回転
する。あれが膣内で暴れ出したらどうなるかと、考えただけで恐ろしかった。
「お、お願い…、許して下さい…、これ以上は…」
 涙声で哀願する汐理をニヤニヤした顔で見ながら、島津は股間のバイブを抜いて、ドリルを挿入した。その指がスイ
ッチに触れる。
「いやっ、嫌です…、やめて下さいっ!」
 島津は電気ドリルのスイッチを入れた。
「ああっ!」
 汐理が一際大きな悲鳴を発する。その体が電気に打たれたように跳ねた。
「あっ…、いやっ…、いやぁっ!」
 腰を上下左右に振り、激しく身悶えしながら泣き叫ぶ汐理を、島津は楽しげに見つめる。
「いっ…」
 腰を浮かした姿勢のまま、汐理の動きが止まった。島津がスイッチを切ったのだ。
「どうだ?気持ちいいだろう?」
「お…、おかしくなってしまいます…、あぁ…、もう…、いや…」
 島津は再度、拳銃のトリガーを弾くように、スイッチを入れた。
「あひぃぃぃっ!」
 あられもない悲鳴が汐理の口から迸った。そして、再びスイッチが切れる。
「はぁ…、はぁ…」
 スイッチを切った後も汐理は数回腰を動かし、その後はぱったりと全身から力が抜けた様子で、荒い呼吸をしてい
る。
「さあ、次はイッテもらおう。イクときは。イクって言うんだぞ。」
「ゆ、許して…」
 汐理は息も絶え絶えに懇願する。それでも、島津の指は容赦なくスイッチを入れた。
「…あ、ああっ、あああっ!」
「さぁ、イきなさい。それっ!」
「ひぃーっ、あ、あ…、もうだめーっ…」
 電動ドリルによって、汐理の肉体は、もうどうにもならないところにまで追い込まれていった。避けることも、やり過ごす
こともできない、圧倒的な性感の波…。
「…い、いく、いっ…くぅ…!い、い、いくぅ!!」
 そう叫ぶと、汐理の体が激しく痙攣し、そして急に弛緩した。とうとう絶頂を極めたのだ。
 肩で息をしてすすり泣く汐理に、島津はニュースのコメントを求める時の口調で尋ねた。
「汐理ちゃんは、どう感じたかな?」





 
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