第17話 ロスト・ヴァージン・コンサート

 某中堅企業に今年就職したばかりの若いサラリーマン、工藤光史は、朝起きるなり机の上のパソコンを立ち上げた。
 ニッコリ微笑む風見清香の画像がディスプレイに表示された。慣れた指先でパスワードを入力する。このところ毎日
の日課になっているので、ほぼ条件反射で指が動くようになっている。
 画面が切り替わり、映し出された清香の動画は、とうとう全裸になっていた。コンサート当日にむけて、徐々に服を脱
いでいく様子が、選ばれたファンクラブ会員限定で見られるページだ。
「いよいよ、今日ね…。あなたのこと、待ってます…」
 手で胸を隠した清香が恥ずかしげに喋る。今まで見たどんな映像やグラビアより魅力的で、「ナマの女の子」を感じさ
せる表情だ。
 光史は、机の中に大切にしまっていたチケットを取り出した。「風見清香 ロストヴァージン・コンサート プレミアムチ
ケット」と書かれたチケットには、大きく「SPECIAL GUEST」の文字が印刷されていた。

「陽介さん…」
「…ん?」
「怒ってるの?」
「…いや…」
 清香は白坂陽介の部屋にいた。オンサリゾートでの秘密の夜以降、二人は人目を忍んで交際を始めた。とは言って
も、超過密スケジュールをこなす清香には、自由になる時間はほとんどない。コンサート前日、ゆっくり休んで体調を整
えると言う理由で、昨日の夜にやっと時間を作り、陽介の借りている安アパートの部屋を訪れたのだった。彼に抱かれ
たのも、あの夜以来のことだ。
「だって…、しょうがないよ…」
 二人分のコーヒーを作りながら、清香がポツリと言った。今日はコンサート当日、それが二人の胸のつかえになってい
る。
「わかってる…」
 陽介は、そう言う自分の声が不機嫌になっているのに気がついた。昨夜の清香の柔らかな肌が脳裏に浮かぶ、大切
に大切に愛撫したその体を、見知らぬ男が無遠慮に蹂躙するのだ…、そう思っただけで、体中の血が沸騰しそうにな
る。
「だって…、しょうがないよ…」
 清香がもう一度言った。幼い子供のように頼りなげな、泣きそうな声だ。
 何千人という観客が見つめる前でセックスする姿を見せるのは清香だ。しかも、好きでやるわけではなく、半ば強制さ
れるのだ。すべてをぶち壊して、彼女を連れ去る決意がないのなら、ここは優しく支えてやるべきだ。その道理は十分
わかっていても、陽介は胸の奥で焦げつくような思いを割り切ることができなかった。

 光史は、開場の2時間半前に関係者入口から入場して、楽屋に案内された。そこには既に数人の若い男がいて、手
持ち無沙汰の様子で、思い思いに時間をつぶしていた。
 光史は入口のドアに近くに置いてあった椅子に腰を掛けた。目の前の鏡に映る姿は、思い切りお洒落をしてきたつも
りなのに、なんとなく垢抜けなくて、少しガッカリした。
 会場の2時間前になった。楽屋には10人の男が揃っていた。
 コンコンとノックの音がして、スタッフらしき男がドアを開けた。続いて入って来たのはプロデューサーの土本創児、そ
して…。
「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」
 目の前にいるのは、まぎれもなく風見清香だ。
(清香ちゃんだっ!清香ちゃんだ。ホンモノだぞ!)
 程よく肉付いた卵形の顔をさらさらした栗色の髪が囲い、清楚なワンピースにかかっている。吸い込まれそうな魅力を
放つパッチリした目、小さくまとまった鼻、ピンクの唇は生きたガラス細工のように可憐だ。
(思ってたより、ちっちゃくて華奢だな。でも、可愛らしさは、テレビで見ている以上だ!)
 思わず抱き締めたくなる可愛らしさ、そして、数時間後には、抱き締めることは夢ではなくなる。それどころか…。
「みなさんは、応募いただいたファンクラブ会員の中から厳正な審査によって選ばれました。」
 スタッフが部屋の中央で説明を始めた。
「みなさんには、今日のコンサートのクライマックスでステージに上がっていただき、清香ちゃんとセックスしていただき
ます。」
「よろしくお願いします…」
 そう言って、清香は恥ずかしそうに俯いた。すでに耳まで真っ赤になっている。
「その時に初めて会って、いきなりセックスするというのは、皆さんもやりにくいでしょうし、清香ちゃんもコンサートの前
に皆さんと会っておきたいということだったので、これから30分ほどの時間ですが、清香ちゃんとお喋りする時間を作ら
せていただきました。」
 スタッフの説明に、楽屋に集まった男たちから拍手と歓声が起こった。光史も思い切り手を叩く。
 清香は一人一人の隣に行って、はにかんだ笑みを浮かべながら男たちと話をし、サインをしたり、握手をしたりしてい
る。
「こんにちは。」
 ふわりと甘い、とても良い香りがして、清香が光史の隣に座った。
「こ…、こんにちは…」
 心臓の鼓動が周りに聞こえそうなぐらいドキドキしている。憧れのアイドルが今、手を伸ばせば届きそうな距離にい
て、自分に話しかけているのだ。
「清香ちゃん、これ、プレゼント…」
「わあ、ありがとう!」
 ニッコリほほ笑む清香。こういうこともあろうかと、プレゼントを用意して来てよかったと心から思った。
「お名前を教えて…、あの…、覚えておきたいから…」
 清香がもじもじし、はにかみながら言う。彼女が言葉を濁したことで、かえってこの後、二人の間に起きることが生々し
く感じられ、光史は思わず息を飲んだ。
「…く、工藤光史…」
 買ったばかりのCDにサインしてもらい、差し出された柔らかな手を握る。襟元から覗く鎖骨のあたりに視線が行っ
た。ほっそりした首筋の肌は白く、きめ細かい。あと少ししたら、この首筋にキスしよう。この服を剥ぎ取って乳房を露わ
にし、思う存分揉みしだくのだ…、それから…。妄想が次々に展開し、光史は股間に熱い血液が集まっていくのを感じ
た。
「それでは、これからくじ引きで順番を決めます。1番を引き当てた方が文字どおり、清香ちゃんの初体験のお相手にな
るわけです。」
 スタッフがそう言いながら、三角に折り畳まれた紙片を配る。
「ちぇっ、10番かよ!」
 光史の向かいに座っていた大学生らしい男が悔しそうな声で言った。ガッシリとした体をして、背も高い。何かスポー
ツをやっているのだろう。 
「がっかりしないでください。みんな、清香にとって最初の男の人ですから…」
 清香本人にそう言われて、男の表情が緩む。たとえ何番であろうと、この可憐なトップアイドルと裸で抱き合い、性交
できることには違いがないのだ。
(でも、やっぱり清香ちゃんのヴァージンが欲しい。1番よ、出ろ!)
 光史は目を閉じて強く念じると、手にしたくじをゆっくりと開いて見た。
 そこには「1」の数字が記されていた。

「開場しまーす!」
 プロモーターのスタッフがそう叫ぶと、ロビーに観客が流れ込んできた。パンフレットなどのグッズ販売の声が響き、場
内は人でごった返す。
 そんな中、関係者用入場口から二人の美少女が入ってきた。火山朱美と水沢汐理だ。気づいたファンが彼女たちを
取り囲もうとするのをスタッフが必死で抑えている。
「やあ、待ってたよ。」
 そこに土本がやって来た。
「おはようございます。」
「おはよう!」
 挨拶する二人に、土本は屈託のない笑顔で笑いかけた。朱美、汐理、そして清香…、三人の栄光も恥辱も、すべて
の源はこの男にある。性的虐待と言ってもよい活動を次々にさせながら、陰湿さがないのがこの男の特徴だ。自らの
性欲を満たすことを目的にしていないからだろうか。朱美と汐理は複雑な思いで、プロデューサーの顔を見た。
「今夜は、みんなで新年のお祝いしようと思ってるんだ。さあ、行こうか。」
 そう言うと土本は、二人をエスコートしてコンサート会場に入って行った。 

 コンサートはクライマックスを迎えていた。
 いったんバックステージに消えた清香が、拍手に迎えられてステージに戻ってきた。身につけているのは、ウエディン
グドレスを思わせる純白の衣装だった。
「…もうすぐ、新しい年が来ます。新しい年、清香は一回り大きなアーティストになるために、ここで…、みなさんの前で
…、大人になります。この曲を聞きながら、一緒にお祝いしてください…。『You're My Heart』…」
 スローバラードのイントロが始まった。ピアノの音に合わせて5人の男性ダンサーが登場し、清香を囲んで優雅にスイ
ングしながら踊り出す。ワンコーラスが終わったあたりで、白いタキシード風の衣装に着替えた光史たちが女姓ダンサ
ーとともに舞台に登場した。
 間奏のサックスソロに入った。男性ダンサーが順々に変わり、清香とチークダンスを踊る。5人目のダンサーが清香
の腰に手を当て、くるっと回った瞬間、白いドレスがフワッとステージに落ちた。
「うおおーっ!」
 客席から驚きの声と歓声が同時にあがった。ステージに立つ清香は、一糸まとわぬ姿になっていたのだ。
 ダンサーは清香の背後に立って、抱きすくめるように交差して腕を回すと、彼女の胸を揉みしだいた。ダンサーの掌
の中で、柔らかな乳房が形を歪ませる。
「きゃっ!」
 ダンサーの手が体側にそって滑り、すらりとした太腿を撫で回し、股間に潜り込んだ。清香は一瞬、小さな悲鳴をあげ
たが、恥ずかしさに耐えて懸命に歌い続けている。
 胸を触る手は、乳房に指を食い込ませ、乳首を摘み捻る。股間に忍び込んだ指は膣孔を押し広げ、敏感な芽を弄っ
てくる。数千人のファンが息を殺して、その様子をじっと見つめている。
「あンっ…」
 ダンサーは蜜壷に指を入れ、中を掻き回すように激しく責め立てる。耐えられなくなった清香があえぎ声を漏らし、慌
てて手で口を押さえた。ゾクゾクする感触が背中を走り抜け、壷の奥から蜜があふれ出て、太腿を伝う。
「ああ…、なたのぉ…うんっ…、腕に、あはぁ…、抱かれて…、ああんっ、いたい…、うふぅ…」
 清香の歌声に喘ぎ声が入り交じる。自分でも気づかないうちに、男の愛撫に合わせ、腰を小さく揺らしている。
 光史たちも踊りながら、女姓ダンサーの手で服を脱がされていく。舞台の中央にはダブルベッドが運び込まれた。
 女姓ダンサーに導かれ、光史は雲の上を歩くような足取りで舞台の中央に進んだ。そこには全裸の清香が横たわっ
ていた。憧れ、夢にまで見た身体が、汗で肌を光らせ、裸になって目の前にある。

 男がベッドに上がって来た。イヌのぬいぐるみをプレゼントに持って来た若いサラリーマンだ。名前も聞いたが、あえ
て覚えないようにしていたので、忘れてしまった。彼はファンの一人で、これから起こることはコンサートの演出だ。そう
思って割り切らなければ、とうてい耐えられそうになかった。
 男の手が肩に触れた。面接審査の時に別室のカメラで見て、絶対にイヤな相手だけはNGを出すことを許されたの
が、せめてもの救いだった。1番を引き当てたのは、この優しそうな青年で、もし普通に知り合ったのなら、良い友達に
なれたかもしれない。
 男は仰向けに横たわる清香の上に覆いかぶさり、キスをしながら乳房を愛撫する。
「あんっ、だめっ…」
 乳首を弄られた清香は体を仰け反らせて、思わず男の手を払おうとする。しかし、もはや男は夢中になって清香の胸
の膨らみを揉みしだき、乳首をなめていた。そして、その一方の手が股間に伸びる。
「あんっ、やんっ…」
 清香は内腿を閉じ合わせたが、男の手はそれよりも早く秘部に達し、指はさらに奥へと潜り込んだ。
「ああっ!」
「清香ちゃんのここ、濡れてるよ…」
 男はうれしそうに言いながら、清香の性器を弄り回す。カメラマンが近づいてきて、その様子をスクリーンに映し出し
た。
「ああぁ、だめっ、だめえぇ…」
 清香は顔をのけぞらせ、腰をうねらせた。

 陽介の指が止った。これ以上演奏を続けられなくなったのだ。幸いなことに、ちょうどバンドが徐々に演奏から抜けて
いく演出で、決められたところより何小節か早かっただけなので、ほとんど誰も気づいていないだろう。
 陽介がステージ後方のスクリーンに目をやると、画面に大きく時計が映し出されていた。時計は11時59分を示して
いる。次の瞬間、スクリーンに清香の性器が超ドアップで映し出された。見渡すと、右のスクリーンには、緊張で強ばる
清香の顔のアップが映っていた。汗びっしょりになり、目尻には涙が滲んでいる。左のスクリーンには仰向けになり、男
に組み伏せられている清香の姿が映る。
 カウントダウンが始まる。陽介は思わず顔を背け、目を閉じた。

 清香の脚の間に男が体を割り込ませた。
(あっ、されちゃう…)
 思わず、清香は男の肩を掴んだ。
(見ないで…、陽介さん…)
 バンドの演奏は止まっている。陽介がどこにいるのか、清香の位置からは確認できない。他の誰に見られても、彼に
だけは見られたくない。清香は祈るような気持ちで、強く念じた。
「あっ…」
 勃起した男のペニスが清香の陰部に当てられた。清香は反射的に目を閉じる。
「10、9、8、7…」
 会場が一体になってカウントダウンを始めた。
「ゼロ!」
「うっ、ああっ!」
 会場を揺さぶるような二千人の声に続いて、清香の呻き声が響いた。男の肉棒が身体の中に入ってくる感触があっ
た。男は琴美の首を抱き込み、ゆっくりと腰を送り込んでくる。



 観客たちが見つめる巨大スクリーンの中で、男の肉棒がゆっくりと陰裂を押し開いて清香の体内に入っていく。苦痛
に耐えるかのように眉根を寄せた清香の表情が右スクリーンに映っている。
「もう少しだ…」
 光史がそう言って力を込める。ようやく、肉棒が清香の中へと完全に収まった。
(俺のオチ×チ×が、清香ちゃんのオ××コに入ってる…、…清香ちゃんと繋がってるんだ。…一つになってるんだ!)
 心の中で歓喜の叫びをあげ、光史はアイドルの秘孔の感触に酔いしれた。清香の乱れた髪をかきあげると、火照っ
た横顔がさらされる。愛らしく艶っぽいその表情に、光史はうっとりと見入る。
「清香ちゃん…、最高だ…」
「ああ…、恥ずかしい…」
 光史が夢中で喜びの声をあげるのに対して、清香の方は無数の視線に晒される中でセックスする恥辱に震えてい
た。 
「う…、清香ちゃんの中、暖かいよ…」
 そう言うと、光史はゆっくりと腰の抽送を開始した。
「あっ、あっ、ああっ!」
 清香の手に力がこもり、頭を仰け反らせる。
「う…んぁっ!」
 男はグラインドを繰り返す。クチュクチュと淫らな音を立て、亀頭の反り返りが膣内の粘膜を擦る。清香の秘孔が収縮
を始め光史のペニスを締め付けた。
「うっ…、うおっ…、清香ちゃん、凄いよ…」
 光史が唸り声を上げた。
「清香ちゃん、ダメだ、もう…」
 ピストンの動きがマシンガンのような小刻みな振動に変わる。清香は避妊薬を飲んでおり、光史たちも性病検査をパ
スしているので、中出ししても構わない。打ち合わせの時、真っ赤になって「中にいっぱい出してください…」と言った清
香の、恥ずかしそうな表情が思い浮かび、興奮が急激に高まった。
「あっ…、だめ…、あぁぁ…」
「うおぉぉ…!」
 光史は、雄叫びを上げながら白濁液を清香の奥深くに放った。
 放心状態にあった光史の肩を二人目の男が叩く。光史は名残惜しい気持ちを抱いたまま、ゆっくりと陰茎を引き抜い
た。

 ステージに据えられたベッドに二人目の男が上がってきて、清香の体を起こす。
 清香は客席に顔を向けて、四つん這いになった。カメラマンが清香の背後に回り込み、太股の間から覗く女性器をア
ップで映した。濡れた割れ目から、最初の男が注ぎ込んだ精液が滴り落ちる。そこに、破瓜の血は滲んでいなかった。
 男が膝立ちになった。カメラマンが角度を変えてカメラを構えると、肉棒が清香の中に入っていく様子が、巨大スクリ
ーンに映し出された。
「ああん、あうっ…」
 清香の喘ぎ声が裏返って掠れ、背中が反り返る。十人の男がそれぞれ体位を変えて、清香と交わる演出なのだ。男
は肉棒を深々と突き刺し、清香のウエストを掴んでしきりに腰を振っている。
「…清香ちゃん…」
「あんまりよ、可哀想だわっ!」
 汐理が悲しげな表情で絶句し、朱美が憤慨した様子で土本を睨む。
「そう恐い顔をするなよ、これも次へのステップだ。」
 土本は左右に座る朱美と汐理を交互に見て言った。ステージ上では、すでに三人目の男が腰の上に清香を乗せ、騎
乗位で交わっている。
「あっ…、はぁぁん…、はぁんっ…」
 清香のよがり声がコンサート会場いっぱいに響く。巨大スクリーンに映し出された怒張が、ピッタリと秘孔に収まって
いる。清香の身体がベッドの上で激しく跳ねた。
「新年おめでとう、去年は君たちもそれぞれにブレイクした。今年はさらに飛躍して、スターダムにのし上がるんだ!」
 

 


 
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