第3話 淫らな演技指導

 「今日のゲストは、火山朱美ちゃんでーす!」
 観客席から拍手と歓声があがる。朱美はお臍を出した丈の短いブラウスにデニムのショートパンツ姿でステージに登
場した。シンプルながらも、お洒落で格好いい着こなしは、さすがだった。
「お久しぶりっ、元気そうだね。」
 司会の草柳しげるがにこやかに声をかけた。「草柳に風っ!」は、人気コメディアンである彼の話術とキャラクターを
生かした、芸能人をゲストに招いてのトーク番組である。
「はい、おかげさまで。」
「朱美ちゃん、いつ見ても可愛いなぁ。」
「ふふふ…」
 朱美がコケティッシュな笑顔を浮かべる。最近、そうした表情がこれまで以上に可愛く、ゾクゾクするぐらいに魅力的
になった。
「僕、大ファンなんです。」
「ありがとうございます。」
 にこやかに答えながら、内心、朱美はあきれ返っていた。鳳グループのスキャンダルに巻き込まれた直後、草柳は自
分の番組で、彼女のことをネタにして笑い者にしていたのだ。しかも、朱美が零落した時には、テレビ局の廊下ですれ
違っても、声一つかけなかった男である。
「いやあ、CMやレギュラー番組もバンバン入って、ホント絶好調だねぇ!」
 映画「分水嶺を越えて」の大ヒットで、朱美はイメージ回復に成功していた。彼女を使ったCMは、かつての水準に回
復し、ドラマやバラエティ番組でも引っ張りだこである。
「しかも、『分水嶺を越えて』で日本シネマ大賞の新人女優賞受賞!」
 会場から大きな拍手が起こる。
「ありがとうございます。」
 朱美はニッコリ笑って、客席に向かってお辞儀をした。演技が評価されて権威ある賞を受賞したことは、本当にうれし
く、誇らしいことだった。
「分水嶺と言えば、あの美しい肢体と大胆な演技!」
「あははは…」
 朱美は照れ隠しで笑う。草柳が客席に向かって問いかける。
「えっ、見たい?見たいでしょう…、僕も見たい。VTRある?」
 草柳がスタッフに確認する。「あります」と言う声が聞こえ、ADが両手で丸印を作っている。
「えーっ、恥ずかしいなぁ…」
 朱美が言ったところで画面が切り替わった。スタジオではモニターに映像が映し出される。
 国際的人身売買組織が運営するオークションの場面、最初のヌードシーンだ。
 売人らしき男たちが、裸の少女たちを次々に柱に縛り付けていく。
 朱美の顔がアップで映し出された。頬を染め、唇を噛み締めながら、毅然と前を見つめる表情は凛々しく、初々しく、
そして美しい。
 足元から舐めるように這い上がってくるカメラが、惚れ惚れするほどの脚線美を映し出す。膝から太腿を映し、映画な
らさらに繊毛に彩られた下腹部が映るったところでカメラが切り替わり、再び顔のアップになる。
 今度は、ゆっくりとカメラが引いていく。白い胸元が映り、映画なら豊かな乳房が見える直前で映像が止まる。
「…はい、テレビ放送では放送コードの関係でここまで。続きは映画でね。」
 草柳の声で画面が切り替わり、両手で頬を押さえている朱美がアップになる。
「あーっ、恥ずかしかった…、暑くなっちゃった…」
 そう言いながら手で顔をあおぐ。頬のあたりがピンク色に染まっている。
「しかし、さすが美しいヌードだねぇ。『ええもん見せてもらいました』と言うか『へへっ、ええ体やなぁ…』と言うか…」
 草柳がおどけた声で言い、会場は爆笑に包まれるが、朱美本人は、草柳のいやらしい視線を浴びて鳥肌が立つ。
「CMなんかでも、キワドイ物が増えたんじゃない。」
「そうなんです。あれ以来、肌を見せる仕事が増えちゃって…」
 最近オンエアが始まった化粧品のCMでは、手で胸と下腹部は隠しているものの、一糸まとわぬ姿を披露している。
「それと、何と言っても、赤峰さんとの濃厚なラブシーン。美少女アイドルで、濡れ場OKの本格女優。これは引っ張りだ
こにならないほうがおかしい!」
「えっ!その話題は…、ちょっと…」
 朱美が困ったような表情を見せる。その反応を楽しむように、草柳が言った。
「これもVTR、見よう!」
「えーっ、ちょっと…、もういいですよぉ!」
 生番組なので、露骨な拒絶こそできないが、本当に嫌がって両手と首を振る。しかし、画面が切り替わり、赤峰とのラ
ブシーンが映し出された。
 服を脱いだ朱美。山小屋の窓から差し込む月明かりに照らされ、白い肌が輝いている。細い肩が細かく震えていた。
 画面の右下に小さく映ったサブの画面では、両手で顔を覆い、目だけを出して、VTRを見る朱美が映っている。指の
隙間から、顔が桜色の染まっているのが分かる。
「茜…」
 赤峰が朱美の役名を呼んだ。しっとりと濡れた朱美の大きな黒い瞳が、真剣な眼差しで相手を見つめる。
 赤峰は、朱美の太腿に手を掛け、ゆっくりと上体を倒していった。
「ううっ…、くっ…」
 朱美の顔が苦痛に歪む。歯を食いしばって、処女膜を破られる痛さに耐えているのだ。
 テレビ放送なので編集はされているものの、二人が肌を重ねる様子はわかる。むしろカットされている部分があるた
めに、よけいに妄想をかきたてる仕上がりになっていた。 
 全裸で抱き合い、唇を合わせる二人。何度も唇を吸い合い、舌を絡ませるキスが画面に映る。カメラアングルが変わ
ると、赤峰の手で揉まれて、朱美の胸の膨らみが歪んでいた。
「あっ…ああん…」
 赤峰が腰を動かす。男の動きに合わせて喘ぎ声を漏らす朱美の表情が、艶っぽく悩ましい。
「うぅ…、あっ…あっ、あああ…」
 次第に高まる喘ぎ声。アップになった朱美の掌が、開いたり閉じたりを繰り返している。
「どうしよう…、恥ずかしい…」
 カメラが切り替わり、スタジオの朱美が映る。
「おおっ、朱美ちゃん、顔が真っ赤、カメラさん、アップアップ!」
 画面に耳まで真っ赤になった朱美の顔がアップになる。慌てて顔を伏せて、手で隠す朱美。
「これ、ホントに赤峰さんとエッチしたんでしょ…」
「もう、いいです…」
「ヴァーシンだったんでしょ。すると、カメラの前で初エッチ…、どんなふうにしたのかな…」
「もう、いいですってば!」
 朱美は顔をあげ、草柳を睨むようにして言う。恥ずかしさで顔を真っ赤にし、目は涙目になっている。
「どんな感じだった?痛かった?それとも、気持ちよかった?」
「やめましょう、この話題!」
「聞きたいなぁ…」
 草柳は名残惜しそうな顔をするが、ディレクターが合図を送って次の話題に進んだ。
 生放送が終わり、スタジオを出た朱美が、次のスケジュールに間に合うよう、廊下を急いで歩いていると、正面からや
ってきた背の高い男とぶつかった。
「…ごめんなさい、スケジュールがあって、急いでたの…」
 そう言って見上げると、ぶつかった相手は、なんと赤峰だった。さっきVTRで見たセックスシーンを思い出して、思わ
ず頬が火照る。
 赤峰は朱美の顔をジロリと見た。
「な…、何よ…。言いたいことがあるなら、言ってよ…」
「スケジュール?ふん、もう、大女優気取りか?」
 赤峰が吐き捨てるように言った。
「いいか、新人賞は目新しさだけで取ることができる。役者になれるかどうかは、それから後が勝負なんだ。」
 そう言うと、反論しようと口をパクパクしている朱美を残し、赤峰はスタスタと去って行ってしまった。
「なによ…、嫌な感じ…」
 背の高い後ろ姿に、朱美は思い切りアカンベーをする。



 その赤峰との共演で2本目の映画が撮影されることになった。タイトルは「バトル・プリンセス」。とある惑星を舞台にし
たSFファンタジー活劇である。
 鳳グループのスキャンダルで放送中止になった「学園騎士プリティ・ナイト」は今もマニアの間で根強い人気があり、朱
美主演のアクションドラマを求める声は日増しに強くなっていた。「バトル・プリンセス」は、そんなファンの声に応える形
で製作が決まったのだ。
 長らく群雄割拠の戦国時代にある惑星バスルーム。歴史と伝統のある聖紅王国は蛮族の侵攻を受け、からくも撃退
したものの、末の姫が捕虜となってしまう。主人公の姉姫は、妹を救出するために、蛮族出身の剣士を従え、蛮族の国
まで旅を続ける…。
 クランクイン前に朱美を呼び出した監督の越河伸一郎が、映画の設定を説明する。極上のエンタテイメントを撮ると
評判の新進気鋭の映画監督だ。
「朱美ちゃんが扮する紅珠姫は、昼は剣士で姫君、夜は娼婦という設定だ。」
 魔導師によって、催淫性のある分泌物を出す寄生虫を子宮内に埋め込まれている設定なのだと言う。朱美は困惑し
た表情を浮かべる。
「『分水嶺』のセックスシーンは初々しくてよかったが、今回は、もっと激しく、淫らなセックスを見せて欲しい。」
「はい、わかりました!」
 そう元気よく答えたのはマネージャーの焼津である。かつてはやる気のなさが全身に漲っていたのだが、朱美の人気
が回復し、いきなりトップ・アイドルのマネージャーとなったことで、このところ妙に張り切っている。
「焼津さんっ!」
 そう言って、朱美がキュッと睨むと、「いや、まあ…、ねぇ…」などと口ごもって首を竦める。前のマネージャーの炭谷の
ように強圧的ではなく、人柄は悪くないのだ。
(あーあ、また、ラブシーンがあるのか…)
 そう考えると気が重かった。キスシーンやベッドインしている様子を見せるだけのものではなく、濃厚なセックスシーン
のようだし、おそらく演技だけでは許されないのだろう。しかし、今の朱美に断るという選択肢はない。
「そこで、明日から1週間、仕事が終わったら、毎日赤峰のマンションに行って、泊まり込みで『役作り』をしてもらいた
い。」
「えっ、赤峰…、さん…とですか?」
 名前を口にすると、傲慢で無愛想な表情が脳裏に浮かび、それだけでムカついてしまう。
「練習方法は赤峰に指示しておくから、奴の指示に従ってくれ。」
「…はい。」
 素直に返事をしたものの、朱美は不服そうな表情は隠せなかった。焼津が心配そうな表情で彼女を見た。

 翌日の夜は仕事のスケジュールが入っておらず、学校を終えた朱美は、そのまま赤峰のマンションに送られた。
「さあ、始めるぞ…」
 ドアを開けるなり、無愛想な顔でそう言うと、赤峰は朱美の腕を掴み、部屋の中に入って行く。
 赤峰がいきなり、朱美をベッドの上に押し倒した。
「キャアッ!何するのよ!」
 赤峰のガッシリした体が朱美の上にのしかかり、膝の裏からお尻の付け根に向かって、腿の裏を撫で上げる。ゾクッ
とする感触が朱美の背筋を走った。
「監督に言われただろう。役づくりだ。これから1週間、メシを食ってる時と寝てる時、芝居の練習をしてる時以外は、2
人でセックスして、して、しまくれって言うのが、監督の指示だよ。」
「そんなっ、嫌よっ!」
 とんでもない指示内容に、朱美は思わず言い返した。
「甘ったれるな!さあ、するぞっ!」
 赤峰が朱美のパンティを引きずり下ろす。レイプまがいの荒々しい行為に、朱美が悲鳴をあげる。
「ちょっと、ちょっと待って!まず、シャワーを…」
 抵抗する朱美を押さえ込むと、赤峰は股間に顔を埋め、くんくんと鼻音を立てて性器臭を嗅ぐ。朱美の顔が燃えるよう
に熱くなった。
「ああん、やめて…」
 朱美のビーナスの丘を、赤峰の舌が這いまわる。
「ぃ、いやあぁぁぁ〜、今日は体育あったから汚いよぉ!」
 朱美が激しく頭を振る。赤峰の指先が大陰唇の膨らみを押し開いた。きれいに洗う機会を与えられなかった内部は、
分泌物でネトネトと糸を引いている。恥ずかしさに身悶えする朱美にお構いなしに、赤峰は舌を伸ばし、ペロリと舐めあ
げた。朱美が仰け反る。
「シャワーを…シャワー…、あんっ!」
 朱美は顎を仰け反らせた。赤峰は肉襞の奥まで舐め回し、トロトロ滴り出る蜜を恥垢と一緒に舌先ですくい取った。そ
うしながら、指先でクリトリスに微妙な刺激を送りつづける。
「あん…、うふん…、ああぁ…」
 朱美の口から、自然に悩ましげなよがり声が漏れ出す。
(ど、どうして、こんなに…。感じちゃうの?)
 たまらなかった。感じてはいけない、感じたくないと身体に言い聞かせても、官能の波が自然と高まってくる。



「さあ、俺のも舐めろ…」
 下半身裸になった赤峰が、シックスナインの体位をとった。勃起した肉棒が目の前に突き付けられる。朱美は躊躇い
ながら、それに手を伸ばした。


 夜になって、越河監督に率いられて、脚本や撮影を担当する数人のスタッフがやって来た。
 赤峰がガウンを羽織って彼らを出迎え、全裸のままベッドにいた朱美は、慌てて毛布で体を隠す。
「さあ、今日の成果を見せてもらおう。」
 ソファに腰を下ろして監督が言う。
「さあ、ここに来て。」
 スタッフの一人がリビングのテーブルを移動させ、スペースを作る。赤峰が朱美を連れて来た。胸と下腹部を手で隠
し、恥ずかしそうに背中を丸めた朱美が、監督が腰掛けたソファの前に立つ。
「さあ、見せてくれ。」
 監督が声をかけると、赤峰が朱美の両手を身体からもぎ離した。たわわな双乳がプルンと波打って男たちの目の前
に現れた。
「さすが、素晴らしいオッパイだな。」
 興奮した声をあげたのは、撮影を担当するカメラマンである。圧倒的な量感を持ちながら、瑞々しい張りを持った膨ら
み、可憐なピンク色の乳首、一級の芸術品と言ってよい乳房だった。
「よし、赤峰、始めてくれ。」
 監督が指示すると、赤峰がガウンを脱ぎ、朱美を床に横たえる。そして、そのまま胸の膨らみにむしゃぶりついた。
「ああっ…」
 朱美がイヤイヤするように首を振った。床に広がった黒髪がさらさらと波打つ。赤峰は硬くしこった左右の乳首を交互
にしゃぶりながら、両手で荒々しく揉みしだく。
「いやぁ…」
 朱美の身体に荒い息がかかり、ジトッと汗ばんだ肌が触れ合う。赤峰の舌が乳首から膨らみの裾野へ、縦長の臍の
窪みへと這っていく。白い肌が男の唾液でヌルヌルに輝いている。
 赤峰が朱美の太腿に手を掛け、M字に開く。あわてて両腿をよじり、手を添えて中心部を隠そうとする朱美の手を赤
峰が払いのけた。監督たちが立ち上がって、朱美の股間を覗き込む。愛液が花弁から溢れ、大陰唇から会陰部を伝
い、結合の時を待っている。
「あっ!いやっ!」
 朱美が思わず悲鳴をあげる。監督がその部分に手を伸ばしたのだ。
「こんなに濡れて、受け入れ準備OKって感じだな。」
 スタッフと顔を見合わせて、監督が言った。
「ああ、オシッコをもらしたみたいにぐっしょりだ。」
「太腿まで垂れてるよ。」
 スタッフたちもそう言って、朱美の陰部を弄り、卑猥な笑い声をたてる。
「やだ…、やめてください…、恥ずかしい…」
 性感に反応する女の秘部を晒け出し、男たちに嬲られる気の遠くなるような羞恥。しかし、その被虐感がなぜか、ジン
ジンと心を震わせる。朱美はその感覚に驚き、戸惑いを覚えていた。
「よし、入れてくれ。」
 監督の指示で、赤峰が肉棒の先端を秘唇にあてがった。縦裂に沿って亀頭でなぞる。朱美の愛液と、赤峰の先走り
汁が混ざり合う。ぐいっと腰を入れると、濡れた秘孔が怒張を飲み込んでいく。カリ首が狭い穴を広げていった。
「うぅ、あんっ…」
 赤峰の怒張が、膣の奥まで達する。朱美を組み敷いて、赤峰はピストン運動を始めた。胸の膨らみを掴んで、ズンズ
ン腰を送り出す。
「よし、いいぞっ、そうだ、もっと激しく!」
 監督が赤峰に指示する。
「…んっ…あんっ…あうんっ…」
 朱美の喘ぎ声が漏れる。眉根が切なげにたわみ、閉じた目もとがボウッと色づいている。
「よし、次はバックだ!」
 監督の声が飛ぶ。
「獣みたいに四つん這いで犯されて、感じるんだ。」
 赤峰は、朱美の手を床につかせ、腰を自分の方に引き寄せた。朱美は監督たちに向かってお尻を突き出すような格
好になった。トロトロになった花唇が開き、膣口の穴が覗いている。その下で、繊毛も愛液に濡れて纏まっている。
 赤峰は朱美の腰を両手で支え、再び肉棒を挿入する。
「あ、ああっ…」
 朱美は頭を仰け反らせ、声を上げた。
 赤峰の腰がシャフトを繰り出す。怒張を抜き差しし、膣穴の粘膜をカリ首でエグっていく。愛液が白く泡立ち、肉棒に
張り付いている。
「朱美は、ここが感じるんだ…」
 赤峰は腰の角度を変えながら秘孔の奥を責め、砲弾型になった乳房を強く揉みしだく。
「う…、あううん…」
 朱美が喉を伸ばし、頭を仰け反らしながら、痙攣するように震えた。
「朱美ちゃん、感じてるんだろ?もっと、声を出して!」
「…あ、あ…あ…」
 監督の指示が飛ぶが、朱美は途切れ途切れに喘ぐので精一杯だ。
 赤峰は腰の振りを早め、一気に責め立てた。両手で尖りだした乳首を摘み、コリコリと転がしては、双乳を揉みしだ
く。
「あ、ああ、だめっ…」
 朱美の上体を支えていた腕が崩れ、高く突き出された丸いお尻がヒクヒクと震えている。
「朱美ちゃん、イク時は、ちゃんとイクって言うんだぞ。」
 監督の声が響く。赤峰はグイッ、グイッと腰を押し出し、怒張を秘孔に押し込んでいく。そのたび、グチュッグチュッと
音を立てて愛液が溢れ出て、太腿を伝って流れ出す。
「ああぁ…い、い、ぃぃぃ…、イクっ…」
 羞恥心を捨てきれない朱美は、声を噛み殺しながら喘ぎ声を上げ、絶頂を迎えた。



「セックスの気持ち良さは覚えたようだが、この本をこなすには、まだまだ淫らさが足りないな。」
 脚本家がそう言うと、カメラマンもそれに同意した。
「男のチ×ポを欲しがって、狂ったように快楽を貪る姿を撮りたいからな。」
「一週間たっぷり使って、体で覚え込んでもらうしかないだろう。」
 監督が言った。
「まず今夜は、一晩中、いろんな体位をためしてみよう。」
「赤峰のスタミナが切れたら、俺たちが交替してやろうぜ。」
 監督とスタッフがそう相談するのを、朱美は靄のかかった頭で、遠い世界の話のように聞いていた。



 
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