国防省附属「星園・癒しの館」
 
第3章 運命の交差点 5
 
 クラブの帰りに、近道するためにくぐり抜けていた塀の隙間は、幸運にもふさがれてはいなかった。那須信彦はスルリ
と塀の中に滑り込むと、夜の闇の中に建つ校舎を見上げた。深夜だと言うのに、校舎には明々と灯りがともっている。
見慣れたはずの校舎が異世界の建物のように見えた。
 裏庭の木立の脇をかいくぐって、校舎に入る。蛍光灯の光に照らし出された廊下を、誰にもみつからないように注意
を払いながら進んでいく。
 しばらく行くと、向こうから誰かが近寄ってくる気配がした。数人の男の声と、すすり泣くような女の声が聞こえる。信彦
は、サッと階段の陰に身を隠す。
「おいおい、もう少し早く歩けよ。」
 学生服を着た男たちに囲まれて、全裸の少女が四つん這いで廊下を進んでくる。彼女の細っそりした首には赤い革
製の首輪がはめられ、そこに繋がれたリードを先頭の一人の男が引いていた。
「あっ!」
 信彦は思わず驚きの声をもらした。裸で犬のように這っているのは、クラスメートの芦辺琴美だった。童顔の愛らしい
顔が涙でグショグショに濡れ、男子生徒の間で噂の的だった豊かなバストが、床にむかってなだらかな円錐形になり、
プルプルと揺れている。
 後ろからついてくる男たちが、ニヤニヤしている。桃のような白い尻の間から、ぽってりとした大陰唇が丸見えになっ
ているのだ。太ももを擦り合わせるようにしながら一歩進むごとに、尻が左右に揺れ、割れ目がクニュクニュと開閉する
様子まで見えていた。
「さあ、散歩はそろそろ終わりにして、そこの教室に入るか。」
 一人の男がそう言うと、リードを引いていた男が「はいっ、小隊長!」と返事をして教室の戸を開けた。
 琴美のリードを引っ張って、男たちが教室に入っていくと、信彦も階段の陰から出てきて教室を覗き込む。
 琴美が床に正座させられ、さっき小隊長と呼ばれた男が手に麻縄を持って、ニヤニヤしている。
「おまえのようなでかいオッパイなら、縛りがいがありそうだ」
 男はそう言って、琴美の身体に縄を二重三重と巻き付けていく。
「い、痛いッ!」
 小隊長がギュッと力を込めて麻布を引っ張る。麻縄のざらついた感触に、琴美が悲鳴をあげた。
「ほうら、ぷっくりオッパイが飛び出てきたぞ。」
 そう言いながら、別の男が、縄によって絞り出されてきた琴美の双乳にいたずらし始めた。
「あん、ダメぇ…」
 乳房の中心に咲くピンクの乳首をクリクリとこねくり回され、琴美が身悶えする。途端に、男は彼女の胸を激しく揉み
始めた。
「イヤぁ、やめてぇ…、あはぁ…」
 琴美は拒絶の声をあげながらも、同時に甘い吐息を漏らしている。
「何だよ、これ!」
 信彦は思わずそう叫びそうになったが、すんでのところで思いとどまった。
 星園高校が国防省附属の慰安所になったという話は、フサイン派遣部隊の、あのいけすかない士官から聞いていた
が、とても信じられる話ではなかった。しかし、今、目の前に展開している様子は、士官の言うとおりであり、そして、信
彦の想像を遥かに超えるものであった。
 
 教室の中では、数名の男が女生徒の身体を弄んでいる。
 冷たいスチール製の机の上に生まれたままの姿をあます事なく晒した女生徒は、全身にうっすらと汗を浮かべて、悩
ましい喘ぎをあげている。大きく開かされた脚の付け根に息づく繊毛は、ぐっしょりと濡れて張りつき、割り裂かれた花
園の中に二本のバイブレーターが突き立てられている。
「ああ…、やっ、…ああん」
「おお、クリトリスが、こんなになってるぜ。」
 一人の男が、肉襞の中で大きくなった花芯を見つけて、指先でなぞった。
「ひっ…、いい、いやあ」
 途端に、電流が走ったかのように、全身をビクンと痙攣させた女生徒が、悲鳴のような声を上げた。
 男が敏感な肉芽を丹念に剥くと、他の男達も指先やバイブレーター、筆などを持ち出して、その部分を責め続け、少
女を繰り返し絶頂に追いつめていった。
「こいつら、サル以下だな…」
 廊下からその様子を見ていた滝川が、吐き捨てるように言った。森脇に記事を書かせるために、亜弓の陵辱を利用
した滝川だったが、それは情報将校としての任務からやったことである。自分の欲情を満たすために、本能のおもむく
ままに女生徒たちを犯す隊員たちに対しては、むしろ苦々しい思いが湧き起こってくるのだ。
 憮然として廊下を歩いていると、少女の喘ぎ声と低い男の声が聞こえてきた。校長室という札が貼り付けられているド
アの隙間がわずかに開いている。滝川は、何の気なしに隙間を覗き、そして、満面の笑みを浮かべた。
「おや、これはおもしろい人物がいるぞ。」
 滝川がそこでみつけたのは、大物政治家、自政党幹事長の須崎晋次である。覗かれていることも気がつかない様子
で、須崎晋次はベルトを緩め、ズボンとブリーフを下ろした。露わになった男根は、すでに猛々しく勃起していた。
 校長室には安藤茉莉がソファの上に素っ裸で横たわっていた。下半身は男の視線から逃れるように微妙に横にひね
り、下腹部に片手をあて、もう一方の手で胸を隠している。閉ざした長い睫毛は涙に濡れてはいたが、もう泣いてはい
なかった。既に麗奈の姿はなく、部屋にいるのは彼女と須崎の二人きりだった。
 真っ白な美少女の姿態を楽しみながら、須崎は自分も全裸になると、まず顔を近づけて、茉莉の顔を観察した。見れ
ば見るほど完璧な美少女だ。満足そうな笑みを浮かべて、男は甘い吐息を漏らす桜色の唇を奪った。少女の唇はしっ
とりして、とても柔らかい。かき上げた髪からは甘いシャンプーの香りがした。
 茉莉は涙で濡れたまま両目をギュッとつぶって、男の唇を受けとめた。それは、彼女にとって初めてのキスだった。
 男の手が胸の上できれいに流れる二つの膨らみにかかった。ゆっくりとバストを撫で回しながら、頬に、首筋に、いた
るところにキスをする。
 一方の手を少女の秘部にすべらせ、薄い茂みに隠された割れ目をなぞってみる。茉莉は一瞬ビクッと身体を震わせ
た。さきほどまで、男の舌で隅々まで舐め回された秘肉は、とても敏感になり、溢れ出る愛液と須崎自身の唾液とで、
すっかり濡れそぼっている。
「ふふふ、もうすっかり準備は良さそうだな。」
 須崎はそう言うと、茉莉の大きく開いた両足の間に立ち、熱く硬く怒張した肉棒を手に持って、これまで一度も男を迎
え入れたことのない割れ目に擦り付ける。
「ああ…、お願い、やめて…」
 秘唇の上を滑る亀頭の感触に、茉莉は声を震わせて哀願する。
「さあ、いよいよ処女をもらうこととしよう。」
 楽しそうにそう言いながら、須崎は膣口に男根を押し当てた。そして、ゆっくりと少女の体にのしかかっていく。膣口が
丸く押し広がり、亀頭がくわえ込まれるような感触が伝わってきた。
「あうっ!ううぅ…」
 茉莉の口から苦しげな声が漏れた。須崎の肉棒はズブズブと美少女の身体を貫いていった。
 滝川はポケットから取り出した小型のDVDカメラで室内の様子を収めていく。
「このデータ、いざという時には、相当使い道が出てきそうだな。」
 情報機関にとって、政治家の情報を握っていることは、たいへん役に立つ。政権政党の最高実力者の痴態を前にし
て、滝川は満足そうにつぶやいた。
 その時、滝川の視界の隅に、チラっと動くものがあった。彼はそれを見逃さなかった。
 
「ま…、茉莉っ!」
 窓から見える光景は、信彦の正気を失わせた。自分の大事なガールフレンドが、あの清純で恥ずかしがりやの少女
が、目の前で見知らぬ男に処女を散らされている。あまりの衝撃に、信彦の声はかすれていた。
「う…、うぅぅ…」
 茉莉は、処女膜を突き破られた心と体の痛みに嗚咽を漏らしていた。乱れた長い髪、苦悶に歪むその顔は、むしろ
可憐で色っぽく、須崎の征服欲をかき立てる。
「力を抜いてリラックスしなさい。痛いのは、最初だけだから。すぐに慣れて気持ち良くなる。」
 そう言う須崎の声は、いつになく興奮した様子だった。
 美少女の秘孔に、太い男根がずっぽりと根元まで押し込まれている。膨れ上がった肉棒にまとわりつく柔らかい粘膜
の感触が、その体温が、須崎の男性自身にこたえられない快楽をつたえてくる。汚れを知らない美少女の処女を奪っ
ているのだという興奮にひたりながら、須崎は茉莉の細っそりした肩を抱きしめ、腰を突き上げた。
「うっ、ううぅ…、ああっ…」
 ズンズンと肉棒が出入りする度に、茉莉はソファをギュッとつかんで、悲しげな呻き声をあげた。
「茉莉っ、茉莉ッ!」
 そう叫びながら校長室に飛び込もうとする信彦は、強い力で両肩を掴まれ、後ろに引っ張られた。
「お前、何をしている?」
 防衛隊の制服を着た男を見た信彦は、絶望と怒りで相手にとびかかっていく。しかし、いとも簡単にかわされ、逆に床
に組み伏せられてしまった。
「は、放せッ!茉莉を、茉莉を助けるんだ…」
「ほう、そうすると…、お前は、あの娘のボーイフレンドというところか。」
 そう言って、滝川はちょっと思案顔をした後、信彦の襟首を掴んで校長室のドアの隙間から中の様子を窺う。
「いいぞっ、いいぞっ、最高だ!」
 須崎が激しく腰を振りながら、無我夢中で口走る。リズミカルにピストン運動をしながら、両手で茉莉の乳房を鷲掴み
にすると、激しく揉み上げ、チュウチュウと音をたてて、小粒な乳首を啜った。
「あう…あっ、あぁぁ…」
 須崎の抽送に身を任せるうちに、茉莉の全身は火照ったように上気し、口からは明らかに苦悶とは違う種類の喘ぎ
声が洩れるようになっていた。
「いいか、ここで騒いだり、飛び込んだりしても、捕まって終わりだ。もし、復讐したいとか、彼女を助けたいと思うなら、
ここは大人しくしておけ。そして、この光景を目に焼き付けておくんだ。」
 滝川の迫力に圧倒されて、信彦は思わずうなずいた。
 二人がのぞき見る部屋の中で、須崎は股間をぶつけるように動き続ける。高まる快楽に、いよいよ我慢も限界になっ
たことを感じた彼は、ここぞとばかりに腰に力を入れ、がむしゃらに肉棒を挿出する。
「ああっ…、ああっ…、あはぁ…」
「うぅっ!で、出るっ!」
 須崎がそう呻くと同時に、肉棒が脈動し、精液が茉莉の体内にドクンドクンとほとばしった。
 最後の一滴までしぼり出し、やがて動きを止めた須崎は、力を抜いて茉莉に身を預けた。
 男の大きな体の下で、白い華奢な体を震わせながら、茉莉は哀しげにすすり泣いている。
「畜生っ…」
 怒りで今にも叫び出しそうになる信彦の耳元で、滝川の囁く声が聞こえた。
「知ってるか。憲法の原則を変えて、この国が戦争をできるようにしたというのが、あいつの最大の功績だと言われてい
る。次は、徴兵制だそうだ。この学校の生徒たちの『ボランティア』はそのモデルケースさ。お前らの親父やお袋が、そ
れでもいいと思って、選挙で投票したのなら、それはそれで一つの考え方だ。しかし、多くの国民はそうじゃない。ちょっ
と見栄えが良いから、話し方が上手いから、よくテレビに出てるから、なんとなく…、それだけの理由で、ああいったや
つらが議員になっていく。我が国の国民は、選挙とタレントの人気投票との区別もつかないのさ。」
 いつもの皮肉な口調ながら、どことなく熱にうかされたように滝川は言葉を続ける。もはや話をしている相手が高校生
の信彦だということも忘れてしまっているようだ。
「昔、『この程度の国民で、この程度の政治家』なんて正直に発言して顰蹙を買った政治家もいたが、その象徴があい
つであり、高い支持率を誇り続けた小柳さ。俺は、小柳が首相になった時、民主主義って奴を見切ったんだ。」
「それでも、民主主義は、間違いをおかすことが最も少ない制度だと思います。それに、国民はそんなにバカじゃないと
思います!」
 とうとうと喋り続ける滝川を遮って、信彦が強い口調でそう言った。
「………。」
 一瞬の沈黙の後、滝川が冷笑で答える。
「おや、坊や、教科書どおりの答えだな。そう言えば、いい大人になっても、坊やと同じことを、ついさっきまで信じてた
奴を知ってるよ…。」
 信彦が手を伸ばしたら届きそうな所で、凌辱された茉莉が円らな瞳から涙を溢れさせ、心すら奪われたように放心し
て、ソファの上に裸身を横たえていた。その横で、須崎がうまそうに煙草の煙をふきあげている。
「ちくしょう…、畜生…」
 さすがにもう大声はあげないものの、信彦の口から激しい怒りを示すつぶやきが洩れる。
 その時、廊下の向こうから人がやってくる気配がした。巨漢の平沼だ。滝川は、近くの部屋のドアを開け、信彦をその
中に押し込むと、何喰わぬ顔でドアの前に立った。
「ここに、怪しい男が来ませんでしたか。若い…、高校生なのですが。」
 平沼は「癒しの館」の警備担当でもある。不審者侵入の報告を受けて、校舎内を見回っているらしい。
「さあ、みかけなかったがね。」
 滝川は平然と言った。
「そうですか。もし見かけたら、ご連絡ください。失礼いたしました。」
 情報将校に最敬礼して、平沼が行ってしまうと、滝川は、ドアの中にいる信彦に向かって言った。
「私と一緒に来なさい。悪いようにはしない。」
 冷酷非情の情報局員で、任務一筋できた滝川が、この時、なぜこの少年を匿うつもりになったのか、後々になって思
い返してみても、彼は自分のことながら理解できなかった。その時の心の動きは、「運命のきまぐれ」としか言いようが
なかった。
 
 翌朝、フサイン派遣部隊の隊員達が校庭に集合すると、女生徒が正門まで二列に並んだ。彼女たちに見送られなが
ら、出発するのだ。
「慰安嬢の諸君は、全員スカートをまくり上げなさい。」
 館長の諸藤が言うと、予め指示されていたのか、女生徒たちは恥ずかしさで耳まで赤くなりながらも、次々にスカート
をまくりあげた。スカートの下には何も身につけておらず、陰毛の生えた下腹部がずらりと正門まで並んだ。
 その様子を一眼レフで撮影しているのは、森脇哲行だ。目の下に隈を作り、ボサボサ頭にやつれた表情で、シャッタ
ーを切り続ける。
「最後に、隊員のみなさんに、記念品をさしあげます。お気に入りの娘の陰毛を切り取ってお持ちいただきます。昔か
ら、女性の陰毛は、弾よけのお守りだと言われていますので、これから戦地に出発するみなさんには、絶好の記念品
になると思います。」
「おおっ!」
と声があがり、男たちは思い思いに、気に入った女生徒に駆け寄り、白い下腹部に指を這わせると、そこに生える繊毛
をつまんだ。渡された鋏で陰毛を一房切り取り、紙に包む。
「いやっ…、だめぇ…」
「ふうん…、はあぁ…」
 あちこちで女生徒たちの喘ぎ声が聞こえてくる。ほとんどの隊員たちが陰毛を切っただけでは満足できず、名残惜し
そうに少女達の性器をまさぐっているのだ。
「無事帰って来て、また、私たちのオ…、オ××コに、みなさんの、…おチンチンを入れてください…。」
 正門の所でスカートを捲り上げ、下腹部を晒しながら、生徒代表の森脇亜弓が恥ずかしそうに言った。森脇のカメラ
のフラッシュが光る。
 隊員たちは一列に並び、順番に亜弓の女陰を弄ってから輸送バスに乗り込んでいった。
 こうして、フサイン派遣部隊は癒しの館を後にした。


(挿絵:nei)
 


 
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