国防省附属「星園・癒しの館」第2部
 
第1章 それぞれの出発 4
 
「…先の大戦における、兵士を相手とする売春についてでありますが、これは業者が斡旋していたものであって、政府
は一切、関与しておりません。強制と言われる問題についても、一部の悪徳業者が逸脱して行ったことはあっても、多く
の女性が合意のうえで契約していたものであり、いわゆる『従軍慰安婦』問題というのは存在しないのであります。この
国において、過去も、現在も、そして、未来永劫、慰安婦などというものは、存在しません!」
 首相に就任した須崎晋次は、所信表明演説でこう言い放った。このところ、外国から批判が相次いでいることを意識
したのだろう。呉国や蜀国から言われている間は「内政干渉だ」と突っ張っていたのだが、さすがにアルメイア国内で批
判が強くなってきたのには、困っている様子である。
「南海諸島での集団自決について、軍の強制があったというのも誤りであります。住民のみなさんは、この国を守ろう、
この国が戦争に負けるのを見たくない…、こういう気持ちで自ら命を断たれたわけでありまして、それを『強制があっ
た』などと言うのは、住民のみなさんに対する冒涜であります。翻って、今の若者にそういう気概があるでしょうか?私
は、教育を改革して、そうした気概、国のために自ら身も心も投げ出す若者を育てたいと思うのであります。」
 議場は大きな拍手に包まれた。与党だけではない。西沢ら政友党の議員まで立ち上がって拍手している。地味な野
崎前首相と比べて、若く、リーダーシップに溢れ、見栄えもする新首相をマスコミは連日のように持ち上げ、須崎内閣は
高い支持率でスタートを切った。こうなると、長い物には巻かれろで、須崎が何を言おうと逆らう者は一人もいなくなっ
た。
「なんということなの…」
 孤塁を守る労働党党首志村瑞樹は、怒りで煮えたぎる目で須崎を睨みつけ、批判勢力がいなくなった議会の恐ろしさ
を噛み締めていた。議席が少ない政党には、発言する資格さえ認められていないのだ。
 この国は、急速に変わって行く。この国がどこへ向かおうとしているのか、それを思う瑞樹は、絶望に胸を塞がれた。

 南欧の民家を思わせる白い壁に赤い屋根…。その喫茶店には「ほしのおうじさま」と書かれた木の看板が掛かってい
た。いかにも女の子が喜びそうな可愛い店である。
「おっ、ここだ、ここだ!」
 防衛隊一等兵の片村と細田は、店を指さして頷きあった。二人は、来週月曜日にフサイン共和国に派遣されることに
なっている。今派遣されている部隊の交替要員であった。
 二人が店に入る。窓際の席で、制服姿の美少女が一人、文庫本を読んでいた。繊細な美貌は、背中のあたりまでま
っすぐ伸びた艶やかな髪とあいまって、気品と言ってもよい雰囲気を醸し出している。
「おい、あれだぜ!かなり可愛いんじゃないか?」
 片村が言うと、細田も大きく頷いた。
「ホント、写真以上だ!」
「ラッキー!」
 二人は興奮した様子で顔を見合わせた。
 星園基地に滞在する三日間、派遣部隊の隊員たちは、慰安嬢の慰安を受けることができる。相手もサービスも選ば
なければ、好きな時に「癒しの館」に行けば良いし、費用も要らない。しかし、片村と細田は、せっかくならと二人で金を
出し合い、指名料を払って、人気ナンバーワンと呼ばれている慰安嬢を指名することにした。サービスの内容は「放課
後のデート」である。1対1だと相当な額になるので、二人で午後1時から5時までの時間をリザーブしていた。
「こんにちは…」
「安藤茉莉ちゃん…だね…」
 二人が声をかける。少女がこちらを向いた。
(天使だ…)
 細田は心の中で呟いた。テレビで見るアイドルでもこれだけの美少女はいない。指名料を出しても、一般の隊員が彼
女をリザーブするのは難しいと言われたのが納得できた。今日、彼らが茉莉をリザーブできたのは、フサイン派遣部隊
の隊員を慰安したいとの本人の希望があったからだと聞いている。
「はい…、どうぞよろしくお願いします。」
 茉莉がニッコリ微笑んで頭を下げた。優しい、花のような笑顔だった。

 二人の隊員が最初に茉莉を連れて行ったのは、映画館だった。
(ああ…、やっぱり…)
 公開中の映画のタイトルを見て、茉莉は足が重くなった。そんな彼女に気づく様子もなく、男たちは中に入っていく。客
は半分ぐらいの入りで、既に映画が始まっていた。
「あっ!」
 片村が思わず声をあげて、スクリーンに映し出されたヒロインと隣にいる茉莉を見比べる。
「君だよね、あれ?」
「ええ…。」
 茉莉は恥ずかしそうに頷いた。
 この映画館では、往年の名画や最新のロードショー作品も見られるが、売り物は、癒しの館映画研究会が作った自
主制作映画なのだ。出演者は慰安嬢や館の職員だ。
 三人は真ん中あたりの座席に座る。隣にはカップルが座っていた。男の方は防衛隊の制服を着た下士官で、女は癒
しの館の制服を着た少女である。細田は目を見張った。少女の制服の胸元は開かれ、男の手が露出した乳房を揉み
しだいているのだ。見ると、斜め前の席では、男の膝の上に少女が乗っていた。
「…ううん…」
 膝の上の少女がくぐもった声を漏らした。脚を大きく開かされ、股間を愛撫されているらしい。見渡すと、映画館のあ
ちこちで、堂々と痴漢行為が行われている。少女たちはすべて癒しの館の慰安嬢だ。
 驚きながらも、片村と細田は、とりあえず映画を見ることにした。
 上映中の映画は、青春ラブコメディで、主人公は戦地に赴く直前の防衛隊員、隊員が恋をするヒロインの女子高生を
茉莉が演じている。そして、映画の随所に女子高生の着替えやパンチラ、水着姿などのサービスカットがふんだんにあ
った。
 映画のクライマックスは、茉莉と主人公が結ばれるベッドシーンだ。主人公の防衛隊員と抱き合い、口づける茉莉。
 茉莉は、思わず画面から視線を逸らした。とてもではないが見ていられない。細田と片村が、ちらちらと自分の様子を
窺う視線を感じる。意識し始めると、映画館にいる全員が茉莉を見つめているような気さえして、顔が火照ってきた。
「あぁっ、だめぇ…」
 スクリーンの中の茉莉が悩ましげな声をあげた。主人公の男が茉莉の股間に顔を埋め、秘所をペロペロと舐め上げ
ている。ベッドシーンと言っても、普通の映画とは違い、アダルトビデオばりの生々しいセックスが映し出されるのだ。も
ちろん、一切修正はされておらず、男のペニスも茉莉の性器もはっきりと映っている。
「あぁ、あんっ…、気持ち…いい…」
 スクリーンを見ないよう俯いたままの茉莉の耳に、淫らな喘ぎ声が聞こえる。それは、紛れもなく自分があげているも
のだ。
(ああ、恥ずかしい…)
 茉莉はその場から逃げ出したくなるのを、必死に堪えていた。
 片村の耳にクチュクチュという湿った音が聞こえた。音がする方を見ると、隣の席の慰安嬢が座席の間にしゃがみ込
んで、下士官の陰茎をしゃぶっていた。斜め前の男は、膝の上の少女の胎内に押し入ったらしく。少女が腰を振りなが
ら、押し殺した声を漏らしていた。
 映画の主人公は、ベッドに仰向けになった茉莉の膝を割り、ペニスを挿入した。茉莉の性器に肉棒が深々と突き刺さ
る。抜き差しするたびに、ペニスが花蜜に濡れ光っているのが、スクリーンにアップで映し出される。クレバスの周辺
も、柔らかな繊毛も艶めかしく濡れ輝いている。頬を紅潮させてよがり声をあげる茉莉の顔が映った。あれは紛れも無
く、この美少女の陰部なのだ。
「おい…」
 片村は細田に声をかけた。さっきまで、茉莉の清楚な美しさに少し気後れしていたが、映し出される彼女の恥態を見
て、茉莉がセックスを提供する慰安嬢だということを改めて認識した。
「そうだな…」
 顔を見合わせた細田も頷いた。映画は30分ほどの長さではあるが、その時間も彼らがリザーブしたデートの時間に
含まれている。周りのカップルのように、淫らな行為を楽しむのが正解なのだ。
 途端に、抑えていた淫らな欲情がムラムラと湧き上る。二人は同時に、茉莉の胸の膨らみに手を伸ばした。
「あぁ…」
 茉莉は眉根を寄せ、一瞬、哀しそうな表情を浮かべたが、抵抗はしなかった。二人は夢中で、柔らかく弾力のある乳
房の揉み心地を味わった。
 片村の手が、茉莉の制服の胸のボタンを外していく。はだけた胸元から、縁がレースで飾られた白いブラジャーが覗
く。片村はブラジャーをずらして間から乳房をはみ出させると、乳首を指先で転がした。
「ああん…」
 茉莉がビクッと体を震わせて喘ぐ。
 細田の手がスカートの中に忍び込んでいく。茉莉は恥じらうようにスカートの裾を手で押さえた。男の手は、茉莉のささ
やかな抵抗を突破して、股間にたどり着いた。茉莉の手が反射的に、スカートの上から男の掌を押さえる。忍び込んだ
指は割れ目をなぞり、パンティの布地を強く秘孔に押し込んでいく。
(私は慰安嬢…、体を開かなきゃ…)
 茉莉は目を閉じて自分にいい聞かせ、ゆっくりと太股を開いた。

 館の中に与えられた自分の部屋で、須崎の所信表明演説を見ていた滝川少佐は、満足げにニヤリと笑った。
「もう少し切れ者かと思っていたが、権力に酔い、自説に固執するタイプのようだ。これなら、駒として使えるだろう。」
 そう独り言を言って、皮肉な笑いを浮かべる。「国のために自ら身も心も投げ出す若者」とは、徴兵法で海外に送り出
される少年たちのことだろうか。須崎が処女を奪った安藤茉莉のような娘のことも含まれるのだろうか。いずれにして
も、奴は「自分イコール国」だと思っているらしい。
 机の上には、何冊かある須崎に関するファイルのうちの一冊が乗っていた。
 防衛隊情報部は、もともと防衛隊の持っている情報が不用意に外部に漏れたりするのを防ぐという目的で作られた
のだが、いつの間にか情報を収集する諜報・スパイ活動が主な任務となった。
 その活動を労働党に告発されたことがあったが、政府の開き直りと、与党だけでなく、野党をも対象とした抱き込み工
作で巧みにかわし、その後もむしろ、組織の規模と活動を広げてきた。その結果、今やこの国で起こるありとあらゆる
出来事に関する情報が、情報部に集まってくるようになり、首相の首をすげ替えることも可能だと噂されるほどの実権
を持つに至っていた。シビリアンコントロールは死滅し、憲兵隊が復活したのだ。
 そんな情報部の中でも、滝川は突出した力を持つ調査官である。経歴や能力からすると、そろそろ管理ポストに昇任
してもおかしくなく、将来は情報部長にもなれる実力を持っているのだが、なぜか本人は情報部内のポストには関心を
示さず、第一線の調査官であることを望んでいる。
「駒は多ければ多いほどいい。」
 熱いコーヒーを飲みながら、滝川はそう呟いた。

 映画館を出ると、ゲームコーナーがあり、プリクラが並ぶ一角があった。そこには掲示板があり、写真サイズに拡大さ
れたプリクラがびっしりと貼られていた。
「おおっ、凄いなぁ、これ…」
 片村が思わず声をあげる。それは、普通のプリクラではなかった。大きく脚を開いて陰部を露出したり、フェラチオし
ながらピースサインしている女の子、男女が全裸でお互いの性器を弄りながらキスしているツーショット、そして、あらゆ
る体位で性交している様子が写っているのだ。「私たち愛し合ってマース」というふきだしが、丸っこい字で書かれた物
もある。
「私とプリクラ撮りませんか?」
 茉莉が恥ずかしげに言った。プリクラ撮影はデートのメニューに入っており、ここに来たら、慰安嬢の方から声をかけ
なければならない。
「撮ろう、撮ろう!」
 片村がはしゃいだ声で言った。
 普通の写真を数枚撮ったあと、茉莉は自ら制服のスカーフを解き、ブラウスの前をはだけた。そして、ストラップに手
をかけ、スルリとブラジャーを抜き取った。
「これ、記念に差し上げます。寂しくなったら、私だと思って、これでオナニーしてくださいね。」
 はにかみながらそう言うと、目を丸くしている細田にブラジャーを渡す。すると、すっかり大胆になってきた片村がねだ
った。
「俺にはパンティをくれよ。」
「大切にしてくださいね…。」
 そう言いながら、茉莉はスカートの中に手を入れてパンティを脱ぎ、片村に渡した。
 茉莉がプリクラの機械の前に立った。右側に立った細田がブラウスの前を開いて乳房を鷲掴みにし、左側の片村が
スカートを捲って下腹部を露わにする。「カシャッ」というシャッターを模した電子音が鳴った。
 恥ずかしい写真を何枚も撮ったあと、好きな写真を選んでプリクラにする。
「このボタンは何だろう?」
 メニューを見ていた細田が指をさす。そこには「このプリクラを『星の園』へ投稿する」と書かれていた。
「『星の園』っていう館の広報誌があるのは、ご存じですか?」
「うん。星園に来る前、見せてもらった。」
 細田が答えた。
「『星の園』を見て、君を指名したんだ。」
 そう言う片村は、その記事を思い出していた。グラビア雑誌のようなページで、制服姿の清楚な茉莉の写真に続き、
全裸の写真、マウスピースを男根の形に改造したクラリネットに舌を這わせ、さらには、それを性器に突っ込む姿が載
っていた。
「今撮ったプリクラを、『星の園』に投稿することができるんです。フサインにも届きますよ。投稿してみなせんか?」
 片村のねっとりした視線を感じながら、茉莉が言った。これも、必ず記念に写真を投稿するよう薦めなくてはならな
い。
「よーし、投稿しよう。これなんかどうだ。」
 二人が茉莉の体を支え、赤ちゃんがオシッコをする時のような格好で、彼女の脚を開かせている姿がディスプレイに
映った。茉莉が自ら性器を指で開いている。肌色の秘唇の奥にピンクの肉洞まで露わになった姿が記録されている。
 こわばった表情で俯く茉莉を見ながら、片村は投稿ボタンを押した。

 ゲームセンターの中に休憩室と書かれた部屋が並んでいる。三人は、そのうちの一つに入った。中は6畳ほどのスペ
ースで、ベッドが一つ置いてある。
 部屋に入るなり、片村は茉莉を抱き締め、唇を奪った。細田も背後から彼女に抱きついて、胸を揉みしだいた。ノー
ブラのブラウス越しに、柔らかな膨らみがはずんでいる。
 片村はスカートのファスナーを下げ、ホックを外した。ホックを外されたスカートは、ふわりと広がりながら床に落ちた。
下腹部の恥毛も、プリンとした双臀も男たちの前に露わになった。同時に細田が制服を脱がせていく。
 片村の手が股間を撫で、陰毛のシャリシャリとした感触を楽しんでいる。細田の手で清香の双乳が歪む。胸、腹、背
中、尻、太腿…、茉莉の体の隅々まで、四本の手が這いまわる。
「いやン。あ、あぁ…」
 茉莉が甘い声を出して身を捩る。透き通るような首筋にキスの嵐をそそいだあと、片村が茉莉の乳首を口に含んだ。
先端の蕾を舌で転がしながら、胸を揉みしだく。細田の指が花唇を掻き分け、中指を秘孔の中に忍ばした。
「はあ、はあ、はぁ……」
 茉莉の息使いが荒くなる。細田の親指は、クリトリスの上に置かれ、敏感な芽をクリクリと転がしている。
「そ、そんなに…、うっ、動かさ…ないで…、ううっ…」
 細田は秘孔に突っ込んだ指を2本にし、さらに動かし続ける。指に纏わりつく愛蜜は、グチュグチュと音を立て泡立
ち、指のすべりを加速する。
「いっ、いい…、いっ、いっちゃう…」
 喘ぎ声をもらし、その場にしゃがみ込みそうになる茉莉の体を、二人は抱きかかえるようにして、ベッドに横たえた。
 片村が着ているものを全て脱ぐと、白い茉莉の裸身に覆いかぶさり、浅黒い肉体を絡ませる。勃起したペニスの根元
を握り、先端を陰裂にあてがう。亀頭に愛液のぬめりを感じ、片村はたまらず腰を突き出した。肉棒が、ずぶずぶと茉
莉の中に潜り込んでいく。
「あ、ああっ…」
 茉莉は喘ぎ声を漏らし、恥ずかしそうに顔を右へ左へねじった。光沢のある長い黒髪がサラサラと顔にかかる。
 片村がゆっくりとストロークを開始した。今にもとろけそうに潤んだ肉襞が、うねうねと盛り上がっては、甘美な感触で
ペニスに絡みついてくる。『星の園』に「名器の持ち主」と書かれていたことを思い出す。あれは誇大表現ではなかった
のだ。
「ああ、茉莉ちゃんのオ××コ、最高だよ…」
 片村は高ぶった声で何度も言いながら、腰をグラインドさせる。
 茉莉の脳裏に、ふいに信彦の顔が浮かんだ。相手の年齢が近かったせいかもしれない。今肌を合わせている相手
が信彦ならいいのに…、との思いがふと浮かんだ。そして、次の瞬間、哀しみと恥辱が茉莉を苛む、限りなく汚されてい
く体が厭わしかった。茉莉はきつく目を閉じ、何も考えまいとした。そして、汚れた肉交が終わるのをひたすら願った。

 壁に小便器が3つ並んでいた。その横に、同じぐらいのスペースが開いていたが、そこには便器は取り付けられてい
ない。本来便器が取り付けられるべき所に、全裸の女が縛り付けられていた。革の首輪と腕輪で壁に固定され、脚は
大きく開かれた状態で縛られている。
 館のトイレは綺麗に掃除されているのだが、それでも、清掃されて少し経つと、零れた尿などで汚れ、アンモニア臭が
漂っていた。
 その中で縛られ、啜り泣いている女は、篠原美咲だった。岩田の計画が破綻した後、計画に参加した元教師たちは
捕らえられ、拷問と尋問の日々を送っていた。美咲は昨日から、こうしてトイレに縛り付けられている。
 チャイムが鳴って、数人の男たちがドヤドヤとトイレにやってきた。他の便器が空いているにもかかわらず、男たちは
美咲の前に並ぶ。先頭に並んだ男がズボンのチャックを下ろし、ペニスを取り出すと、美咲の顔に近づけた。
「い、いや、やめて!」
 恐怖に眼を見開き、逃れようと悶える美咲。しかし、壁に固定されているため、顔は肉棒の前から逃れられない。
 男が美咲の口に肉棒を押し込む。
「うぐっ…」
 美咲が呻いた。口の中に生ぬるい液体が大量に流れ込む。塩辛い液体が口の中に溜まってきた。嘔吐しそうになり
ながらも、懸命に美咲は男の尿を飲んでいく。それでも飲みきれない尿が口の端から溢れ、顎を伝って、首筋から胸へ
と流れていく。
 男が排泄を終わり、陰茎を引き抜いた。激しくむせる美咲の前に、待ちきれない様子で次の男が立った。
「次は俺だ…」
 しかし、美咲の咳きは止らない。男は美咲の頭の上から黄色い液体が注ぎかけた。
 次のチャイムが鳴って男たちが去っていく。その間、美咲は体中に尿を浴びせられた。尿をかけられた時は不快だ
が、それ以上に辛いのが、その後しばらくしてからだ。人体から放出されたアンモニアは、空気に触れて時間が経つに
つれて、悪臭を放つようになる。自分の体にかけられた尿の臭いは、美咲の屈辱感と絶望を強めていく。こんな日々が
あと何日か続いたら、きっと気が狂ってしまうだろう。
「先生…」
 若い声がして、誰かが近寄ってくる。見上げると、よく知った少年の顔があった。
「那須君…」
「先生、ここから出たいですか…」
 美咲は幼い女の子のように、何度もコクコクと頷いた。もう精も根も尽き果て、抵抗する気力も起こらない。
「じゃあ、僕の言うことを聞いてもらいますよ。」
 那須信彦は、すっかり大人びた口調でそう言った。

「お二人はフサインへ行くんですね。」
 身支度を整えた茉莉が尋ねる。男たちも既に服を着ていた。まもなく5時になる。
「ああ。」
「そうだよ。」
 茉莉がベッドの上に正座し、真剣な顔で二人に向き合った。
「お願いがあります。」
 そう言うと、茉莉は鞄の中から封筒を取り出した。
「これを、横木からボランティア隊員としてフサインに行った人たちに届けて欲しいんです。私たちの同級生なんです。」
 細田と片村が顔を見合わせる。どうしようという感じで少し困った表情を浮かべた。
「お願いします。」
 茉莉が今にも泣き出しそうな表情で頭を下げる。
「そう言われてもなぁ…」
 片村が逃げ腰になる。面倒に巻き込まれるのは困るという様子がありありと見えている。
「お願いします。最後に、フェラチオのサービスをさせていただきますから…」
 茉莉は必死でそう言うと、床に跪いた。細田が気の弱そうな笑いを浮かべる。
「仕方ないなぁ、じゃあ、預かろうか…」
「ありがとうございます。」
 深々と頭を下げると、茉莉は細田のズボンのチャックを下ろす。再び勃起して飛び出しきた陰茎を口に含み、手でサ
オを擦りながら吸った。怒張を唇で強く挟み、舌を絡めながら顔を前後に揺する。快感の波が細田の背筋を這いのぼ
り、細田は夢見心地になった。一気に射精感が押し寄せてくるのに、必死に耐える。
「ヤバイものじゃないだろうな。」
 片村は、なおもぶつぶつ言いながら、それでもしっかりペニスを取り出し、茉莉の鼻先に突き付ける。茉莉は唾液をま
ぶした細田の肉棒を左手でしごきながら、片村の陰茎の裏筋に舌を這わせた。
 左右交互にしゃぶっているうちに、男たちが焦れた声をあげ始めた。あと数分で5時だ。
「二本まとめて、しゃぶってくれ…」
 片村が言うと同時に、茉莉の唇に太い肉棒が同時に侵入する。茉莉の唇は大きく開かれ、両脇からは白い唾液が垂
れた。しかし、それを拭う余裕も無い。二本の肉棒が出入りし、唇を蹂躙するブチュブチュという音が、休憩室に響い
た。

 


 
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