国防省附属「星園・癒しの館」第2部
 
第2章 男子の帰還 5

 歓迎会は佳境に入っていた。
 机を並べたステージの上では、人気投票で上位5人に選ばれた女生徒によるフェラ抜き競争が始まった。ただし、1
位の茉莉は相変わらず拘束されたまま、坂巻隊の隊員たちに取り囲まれている。残る4人が男子5人ずつを相手にし
て、フェラテクを競い合うのだ。
 亜弓の目の前には、包茎気味の町田の肉棒が反り返っている。スタートの合図とともに、包み込むように優しくそれを
握り、白魚のような指を絡めてしごき始める。
「オチ×チ×、おしゃぶりさせていただきます…」
 慰安嬢の作法どおりそう言うと、亜弓はエラを覆う皮の間に舌を差し込み、恥垢をきれいに舐め取った。そのまま手
は使わず、舌だけで優しく皮を剥きあげて亀頭を露出する。
「う…」
 町田が眉を寄せた。透明な先走り汁を滲ませている亀頭に、亜弓が舌を這わせ始めたのだ。
「気持ちいい…?」
 ウットリした表情を作ってチロチロと先端を舐めていた亜弓が、上目づかいに町田を見て、小首を傾げてそう尋ねる。
こうした表情の作り方や間の取り方も、男の興奮を高めるテクニックなのだ。
「…あ、ああ…、き、気持ちいい…」
 今にも漏らしてしまいそうになるのを必死で耐えながら、町田が喘ぎ喘ぎ答えた。その間も亜弓は、カリの裏筋に吸い
ついて丹念に舐め上げ、玉袋を口に含んで優しく舌で転がす。
「お…、おっ、おうっ…」
 亜弓の舌が根元から亀頭の下あたりまで、一気にべろっと舐め上げた。町田がオットセイのような情けない声をあげ
て、前後左右に腰を振る。
 亜弓が唇をOの字にして肉棒をくわえた。生温かい口内に肉茎が呑み込まれていく。舌先が亀頭に絡み、表面を撫
でさする。その途端、町田の陰茎はビクンッビクンッと暴れ出し、激しく射精した。
「すげぇ、秒殺だぜ!」
「森脇は、フェラテクも優等生なんだな…」
 周りの男子が口々に囃し立てる。
「このくらい出来て当然よ。私は、男の人の性欲を処理するための慰安嬢なんだから。」
 尿道に残った精液を残さず吸い取ると、亜弓は男子たちに、微笑みさえ浮かべてそう言った。それは、かつての優等
生ぶりそのままだった。
 琴美が3年生のペニスをくわえ、派手な音を立てながら強烈なバキュームフェラをする横で、美里は楚々とした様子で
正座し、1年生の肉棒を優しく撫でさすっている。授業でたっぷりと仕込まれ、日々の慰安で磨き上げられた口唇奉仕
は、見ているだけで男たちの興奮をかきたてる。
(おーっ、スゲェ!由香のオ××コ、どアップだ!)
 北上は心の中で歓声をあげた。 
 甘い香りとともに、目の前に由香の性器があった。全裸の由香が北上の顔を跨いで、シックスナインの態勢になって
いるのだ。秘裂がパックリと開き、薄桃色の柔肉を覗かせている。舌を伸ばせば届きそうな距離だ。
(相手が北上君だと思うから恥ずかしいんだ…、そうよ、いつもの慰安と同じよ…)
 由香は心の中で何度もそう繰り返し、そのまま四つん這いになった。乳房が垂れ下がり、乳首の先が北上の臍のあ
たりを撫でる。そうして、男に自分の体を意識させるのだ。
「…オチ×チ×、しゃぶらせてね…」
 淫らな台詞を口にすると、由香は勃起しているモノを口に含んだ。不潔感や嫌悪感から、何度も嘔吐しそうになった
頃のことを思い出し、平気で咥えることができるようになった自分に、なんとも言えない哀しさを感じる。
「…うううっ!」
 頬をすぼませ、内側の粘膜で怒張を擦りたててきた。北上は思わず声をあげてしまう。これまで経験したことのない
肉悦に、一瞬気が遠くなりかけた。
「ぅんっ…、ぅんんっ…」
 由香は唇で竿をぴっちり締め上げ、ゆっくりスライドさせ始めた。口内にたっぷりと唾液を溜め、それを絡ませるように
しゃぶる。ジュル、ジュルル…という淫靡な音が響いた。
「わたしのオ××コ、なめて…」
 恥ずかしさを押し殺してそう言うと、由香は自分の股間を北上の顔にこすりつけた。昔なら想像すらできず、たとえや
れと言われても、死んでもできないと思ったことだろう。しかし、慰安嬢になった今、性器を舐め合うことは、体の負担を
少しでも減らすため、必須のテクニックなのだ。
 愛液に濡れ始めた秘唇が、目、鼻、口、顎とところかまわず押しつけられていく。花肉が唇に触れた時、北上は思わ
ず舌を差し入れた。
「…あ、あふん…うふん…」
 甘え泣くような声に興奮した北上は、両手で由香の腰を抱くようにして、貪るように女陰をなめ始めた。唾液で秘裂を
グショグショに濡らし、肉襞を舌でこねくり回し、蜜壷を掻き回す。
「むううっ!」
 北上が顔を真っ赤にして唸った。由香の右手が肉茎の根元をしごき立て始めたのだ。もう片方の手は優しく玉袋を撫
でている。その間も、喉の奥まで咥え込んでサオ全体に舌をネットリと絡めるような動きが止まることはない。衝撃的な
快美感が、幾重にも折り重なった津波のようになって、次々と襲いかかってくる。
「ううっ…、うう…」
 北山が体をぶるっと震わせて、思わず由香の頭を掴んだ。そして次の瞬間、北上は、由香の口内にありったけのザ
ーメンを注ぎ込んだ。

 坂巻隊の隊員たちは、その他の女子に淫らなサービスをさせながら、ステージ上のショーを見物していた。テーブル
席から少し離れた所では、拘束されたままの茉莉が、数人の隊員たちに取り囲まれていた。
 挿入中の男に、そのすぐ後ろで順番を待っている男、一発終えてしゃぶらせている男と、先に綺麗にしてもらい、2回
戦に備えて肉棒をしごかせながら乳房を揉んでいる男の合計4人だ。
 すでに男子や隊員たちにさんざん犯され、膣から溢れ出した白濁液が幾筋も太腿を伝って、床に滴り落ちている。そ
れでもまだ、茉莉が解放されることはなかった。
「どうだ、いい具合だろ?」
 さきに一発終えた男が、茉莉の乳首を指先で弄りながら言う。
「ああ…、チ×ポ全体を包み込むようなこの締めつけ、たまんねぇ…。しかも奥の方でヒダヒダが絡みついて最高だよ。
ミミズ千匹ってやつだな。…うっ、油断してると、すぐ出ちまう…」
 そう言うと、男は茉莉の腰を掴み、たてつづけに揺さぶった。
「口だって凄えよ。今なんか、舌を亀頭に絡めながら尿道に残ってる精子を吸ってるんだぜ。…おぁ、そんな激しく吸う
なよ、また立っちまうだろ!」
 お掃除フェラを受けている男が、興奮した声をあげる。
「そんなにいいのか?楽しみだなこのケツ。お!ケツの穴も丸見えじゃねえか。」
 待ちきれずに覗き込んでいた男が、手を伸ばして肛門に指を這わせる。
「ううぅ…」
 茉莉が呻き声を漏らして、体をよじった。
「お、おい。そんな揺らすなよ、具合良すぎて出ちまうだろ!」
「一緒に行くか、なんかこっちも出そうだ!」
「おれも完全に立っちまった、三人で行こうぜ!!」
 そう言うと、男たちは一斉に茉莉の体に精をぶちまけた。
 体と言葉で散々に犯された茉莉の目から涙がとめどなく溢れ、喉の奥から押し殺した嗚咽が漏れ出した。

「今夜、君に一つ任務を与える。」
 滝川はそう言った。
 渡されたのは慰安嬢の寮のカードキーだった。「403」と書かれたカードを手に、那須信彦は寮に向かった。今夜は、
帰ってきた男子たちの歓迎会が体育館で開かれているはずだ。その様子が気にかかっていたが、今の信彦は、滝川
の任務を断れる立場にはなかった。
「その娘に、セックスの快感を教え込むこと。」
 それが任務の内容である。相手は既に処女ではなかった。新しく館に来た娘の初体験は、処女を奪うことを趣味とす
る客に提供される。慰安嬢として仕込まれるのは、その後だ。
「優しくしてやるんだな。」
 そんな滝川の言葉を思い出す。上質の慰安嬢に育てるためには、恋人気分でのセックスも経験させる必要があると
館側が考えるようになったらしく、慰安嬢の増員が始まり、信彦のことを知らない女の子が来るようになってから、彼は
時折、そんな少女たちの相手をさせられていた。特に、上級隊員や政財官のVIPを相手にする可能性の高い美少女た
ちは、信彦に回されることが多い。もちろん、情報部の役に立つからだ。
 平良ミキは昨日、処女を奪われた。相手は有名な右翼政治家。外交・防衛の方面に強く、彼女の故郷のアルメイア
基地を存続させるのに大きな役割を果たした男だ。
 ノックの音がして、鍵が開く。
「あなた、誰?」
 入ってきた相手を見て、ミキは意外そうな顔をした。今日も、昨日と同じのように、どこかのスケベ親父がやって来るも
のだとばかり思っていたからだ。やって来たのは、ミキとそう変わらない年頃の少年だった。
「あなたが、今日のお客なの?」
 いかにも勝ち気な視線でキュッと睨むようにして、ミキが尋ねた。おっとりとして優しい茉莉よりは、由香に近いタイプ
だなと、信彦はふとそんなことを考えた。
「いや、僕は、ここのスタッフみたいなものさ…」
 ミキの部屋に入った信彦はそう言うと、リラックスしたふうを装って、ベッドに腰掛けた。

 そろそろ歓迎会も終わりの時間が近づき、あちこちで男子がデジカメや携帯電話を取り出し、女子と一緒に記念撮影
を始めていた。
「スカート捲ってパンティを膝まで下ろして…、胸もブラウスの第二と第三ボタン外してオッパイ出してね…」
 求められた女子は、男子の指示どおりに恥ずかしいポーズをとる。
「おい、柴崎、ハメ撮りしようぜ。」
 そう言って声をかけて来たのは、陸上部の先輩だ。由香は言われるままに下半身裸になり、前屈みになってお尻を
突き出す。
「いい眺めだ。お尻の穴まで見えるよ…」
 そう言いながら先輩は、由香のお尻の肉を鷲づかみにして左右に広げ、濡れた陰裂に亀頭をあてがった。
「さ、入れるから、我慢しないで気持ち良さそうな顔をカメラに向けて…」
「うっ…、ああぁ…」
 男が秘孔に入ってくるのを感じて、由香が声を漏らした。正面で構えられたデジカメのストロボが光る。
「由香、次は俺な!」
 シャッターを切りながらそう言ったのは、家が近くで、同じ中学に通っていた3年生だった。
「じゃあ、最後は全員で記念撮影だ!」
 坂巻の声が響く。彼の横にはカメラマンの佐々木が立っていた。アルメイア軍に従軍する道もあったのだが、御用マ
スコミの一員として権力に都合の良い写真を撮影するよりも、亜弓の近くにいることを選んだのである。しかし、それも
また辛い選択であった。
「プロのカメラマンを連れてきてやったぞ。」
 佐々木がブスッとした表情を浮かべて機材の準備をする間、集合写真を撮るために、元星園高校の生徒たちが並ん
でいく。
「せっかく感動の再会なんだから、仲の良いところを写そうぜ。」
「そうだな!」
 誰となくそう言い出すと、男子は近くにいた女子に抱きついた。中には女子にペニスをくわえさせたり、性器を結合さ
せた状態でポーズをとる者もいる。
「おーい、まだ写すなよ!」
 そう言いながら、数人の男子が拘束されたままの茉莉を担いで来て、最前列の中央に据えた。すかさず後ろにいた
男子が挿入する。
「あはんっ…!」
 いきなり刺し貫かれたズンとくる感触に、茉莉が喘ぎ声をあげてのけ反る。
「はい、ポーズ!」
 坂巻がおどけた調子で声を掛け、カメラのストロボが強い光を放った。
「この写真、フサインに残された奴らにも送ってやりたいな…」
 男子の誰かが得意げな声でそう言った。女子たちの顔にハッとした表情が浮かぶ。そうだ、まだ戦場に残っている男
子がいるのだ。
「それは難しいんじゃないか。確か、最前線に送られたはずだぜ。郵便だってまともに届きゃあしないよ。」
 酷薄な性格の豊川が、こともなげにそう言った。
「うまく立ち回れば、俺たちみたいに帰れたのに…。下手に逆らったり、良い子ぶったりするからだよな…、戦地なのに
…」
 多少は後ろめたいものを感じているのか、益本が弁解がましく言う。他の男子の多くも、忘れてしまいたい様子で曖
昧な表情を浮かべた。
 しかしその言葉は、女子たちの胸に、一筋の希望として深く刻み込まれたのだった。

「すげーっ、ホテルのラウンジみたいだよな。」
 大谷が声をあげる。
 歓迎会が終わって、男子たちがやって来たのは、慰安嬢が入っている寮の1階にある待合室だ。寮全体の造りは、
諸藤館長のこだわる「趣向」を崩さないよう、いかにも女子学生の寮らしい造りになっている。しかし、この「待合室」だ
けは違った。
 ゆったりとソファに腰掛け、フリードリンクを楽しみながら、予約した時間まで待つことができる。時間に余裕のあるVI
Pであれば、リザーブした慰安嬢を呼び出して、恋人気分を味わうことも可能になっている。
「だけど、ホント、興奮したよ!」
 豊川が興奮の余韻が醒めやらない様子で、大谷や益本に向かって言った。手に持っているカメラのディスプレイに
は、枷で拘束され、バックから豊川に犯される茉莉の姿が映っている。
「一年の時、プールで安藤の水着姿を眺めてたら、那須の奴に睨まれたけど、まさか中身を拝めた上、中にたっぷり出
せるとは夢にも思わなかったぜ。」
「那須の野郎もいたけど、安藤もガード上手かったよ。誰にでも気さくに話しかける割に、写真とかはグループ写真しか
OKしてくれなかったもん。」
「だから、今日はバッチリ、ツーショット写真を撮らせてもらったんだ。」
 豊川がカメラを示してそう言うと、大谷もポケットから携帯電話を取り出した。
「俺のも見てくれよ。」
 予想どおりチアリーダー姿の琴美とのツーショットだ。背後から抱きすくめるようにユニフォームの胸を捲って乳房を
揉み、スカートに手を入れて、露わになった割れ目を広げている。
「他にも色々撮ったんだぜ…」
 携帯の画面に女子たちの痴態が映し出される。フェラ早抜き競争にチ×ポ当てゲーム、褌一丁で相撲を取らせたり、
双頭ディルドでレスビアン・ショーをさせたりと、淫らな妄想そのままの出し物が、次々に展開されたのだ。しかも演じる
のは、かつて一緒に勉強したり、部活をした同じ学校の女の子たちである。どんなに過激なアダルトビデオでも、これに
はかなわなかった。
「すげぇ、吉崎のオ××コ丸見え!」
「理砂ちゃん、エロいなぁ…」
「おおっ、ここまでヤル!?」
「…だろう、俺、思わずトランクスに射精しちまったぜ。」
 撮った写真を見せ合い、男子たちが歓迎会をネタに盛り上がっているところに、前川に連れられた亜弓が入ってき
た。硬い表情のまま、亜弓が男子たちに声をかける。
「みなさん、歓迎会は楽しんでもらえましたか?」
「ハーイ!」
「イエーッ」
 ノリの良い連中が、うれしそうに声をあげて返事をする。一瞬、亜弓の顔に怒りの表情が浮かんだが、持ち前の忍耐
力を総動員してすぐに表情を隠す。
「みなさんがお国のため勇敢に戦っている間、私たち女子も男子に負けないようお国のために尽くそうと、慰安嬢になり
ました。」
 亜弓が静かに話し始めると、男子たちも静かになり、興味津々の表情で彼女を見つめた。
「今は毎日、お国のために働いていらっしゃる方々に、お…オッパイも、お尻も、オ…××コも差し出して、喜んでいた
だいています。」
 耳まで真っ赤になり、口ごもりながら淫語を口にする亜弓の様子に、男子の目が爛々と輝く。
「みなさんも今日は、私たちの身体を思う存分、心ゆくまで楽しんでいってください。」
 そう言うと、亜弓はポケットからカードの束を取り出した。
「これは、私たちの部屋のカードキーです。好きな時間と相手を選んでください。最初は一人一枚ずつですが、明日の
朝まで時間はありますので、次のカードが欲しい時はまたこちらに来て、前川先生にもらってください。」
 そう言うと、亜弓はカードの束をテーブルに置いた。途端に、男子たちが歓声をあげてカードに殺到する。

 北上はカードを取り出した。「206」という部屋番号と「柴崎由香」の名前、「21:00」という予約時間が書いてある。時
間になるまでは、カードを使ってもドアが開かない。前の客と鉢合わせしないようになっているのだ。タッチの差で3年生
に一番を取られたことが悔しかった。
 腕時計で時間になったことを確認すると、ドアのスリットにカードを差し込む。ランプが点灯し、ドアを開けることができ
た。
 明るい色調の壁や床、可愛いキャラクターの小物が飾られ、かすかに甘い香りが漂っている。年頃の女の子の部屋
そのままだった。
「いらっしゃい。」
 Tシャツにショートパンツ姿の由香が出迎えた。こうした気取らないスタイルが似合い過ぎるほど似合っている。歓迎
会で見せた淫らな姿が信じられないほど、清楚でキュートだ。
 白い太腿が眩しくて思わず目を逸らす。視線を向けた胸に小さなポッチが浮き出ていた。シャワーを浴びたばかりな
のだろう、シャンプーの匂いが鼻をくすぐる。
「やあ…、こんばんは…」
 かすれた声でそう言った北上は、心臓がドキドキ音を立てるのを感じた。さっきお互いの性器を舐め合ったことなど嘘
のようだ。やはり、彼にとって由香は特別な存在だった。

 美里は1年生の男子を自分の部屋に迎え入れた。
 星園の男子の慰安をするのは絶対に嫌だという女子も少なくないが、美里は見知らぬ男に弄ばれるよりは、むしろ男
子たちの相手をする方がましだと思っていた。
「…お帰りなさい…」
 生きて地獄から戻って来た後輩を温かく迎えてあげないと可愛そうだ…。そんな思いを込めて、美里はニッコリほほ
笑み、優しくそう言った。
 確かに歓迎会での彼らの行動はショックだったが、戦場での日々は想像を絶するストレスの連続で、正気を失うのも
仕方がないだろう。何人ものクラスメートが命を落とし、戻って来た彼らも、心身ともに極限まで傷ついたに違いない。
 そう考えれば、悪いのは彼らを戦場に送り出した世の中であり、彼らも犠牲者なのだ。誰が彼らを責められよう。
「星園高校、守れなくてごめんね…。」
 美里が悲しそうにそう言った。宮下悟というこの少年は1年生の学年代表を務めており、学園が接収されるまでのわ
ずかの間だったが、生徒会の活動を一緒にしたこともあった。
「…辛かったこと、私が忘れさせてあげる…」
 美里は宮下の首に両腕を巻きつけた。柔らかな唇が宮下の口を塞ぐ。
 宮下が美里の体をきつく抱いた。目を閉じて唇を開くと、彼の舌が侵入し、美里の舌に絡みついてくる。
「…んんっ…」
 美里は切なげな声を漏らした。
「服を脱いで、ベッドに横になって…」
 宮下が上半身裸になった。胸や背中に無数の傷や痣のあとを見て、美里は思わず息を飲んだ。平和だった時の常
識を捨てないと生き残れなかった世界、殺られる前に殺る世界の痕跡がそこにあった。
 美里は着ている物を全て脱ぎ、宮下と肌を合わせると、傷の一つ一つを愛撫し、優しくキスをした。
「ねえ、樫村さん、お願いがあるんだけど…」
 その時、突然、宮下が言った。
「何?」
「ドアを開けてきてくれない。」
「うん?いいけど…」
 不審な表情を浮かべながら、ガウンを羽織った美里がドアを開けると、帰国した1年生の残り5人が入って来た。
「えっ?あなたたち…?」
「みんなで一緒に樫村さんを輪姦しようと思ってね。」
「なんと言っても、1年にとって憧れのお姉さんだもんね。」
 卑猥な笑みを浮かべた1年生たちが言う。
「掃討作戦の影響かな?1対1じゃあ、どうも燃えなくなっちゃったんだ。」
 宮下が凶悪な表情でニヤリと笑いながら言った。
「だっ、だめ、いっ、いけない…」
 後ずさりする美里を取り囲む1年生の輪が、ジリっジリっと小さくなっていく。
「キャッ!」
 美里のガウンに手が掛かった。あっという間にガウンが剥ぎ取られ、全裸の美里が床に倒れこむ。両手を押さえ込ま
れ、下肢が大きく開かれる
「樫村さんのアソコ、グチョグチョになってるぜ!」
「宮下とセックスしたくて、こんなに濡らしてたんだな…」
「清純派だと思ってたのに、樫村先輩って、ヤリマンだったんだ。」
 1年生たちが陰部をのぞき込み、口々にそう言って笑う。美里の顔がみるみる真っ赤に染まっていく。
「ご希望どおり、ヤッてあげよう…」
 そう言うと宮下が美里の上に覆いかぶさって、いきなり挿入した。
「じゃあ、俺はこっち…」
 別の男子が美里の顔面を押さえつけ、無理やり口腔に肉棒を突っ込んだ。その他の男子も思い思いに美里の体に
触れ、肌という肌をこねまわす。
「うう…ウウ…うぐぐッ…」
 呻き声をあげながら、美里は深い悲しみを感じていた。
 淫獄に落とされ恥辱に身を焼かれる女子たち、地獄から帰還して正気を失った男子たち、みんな、この悲しい時代の
犠牲者なのだ。



 
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