国防省附属「星園・癒しの館」第2部
 
第3章 砂漠の国で 2

 フサイン共和国の首都アグラバーから約50キロ離れたムサンナー。古くは隊商が行き交うオアシスの交易都市で、
戦争が始まるまではフサイン第一の経済都市として繁栄した都市である。ムサンナーをほぼ無傷で手にいれたアルメ
イア軍は、首都攻略戦を控えて、ここに総司令部を置いていた。
 司令部付きの上級将校や、ムサンナーに残る部隊は市内の施設を接収して営舎とし、首都攻略戦に参加する部隊
の兵士たちは、郊外の宿営地でキャンプを張っている。
 賭博、アルコール、ドラッグ…、夜のキャンプでは、兵士たちが思い思いに刹那的な愉しみに耽っていた。
 そうしたテントの一つで、簡易ベッドの間にできたスペースに、髪をショートカットにした日本人の少女が立っている。ウ
ッド隊のペットとして連れて来られた麻衣だった。
 どこで手にいれたものか、身に着けたアルメイア軍の制服は、サイズが合っていないらしく、華奢な彼女の体には大
き過ぎる。悲しげな表情で俯く麻衣の周りを、大勢の兵士たちがぐるりと取り囲んでいた。まさに狼に囲まれた羊だ。
"さあ、今夜もショーを始めるとするか…"
 ジョージ・ウッド少尉は、そう言うと、少女の横に立って、芝居っ気たっぷりにお辞儀をして見せた。兵士たちが、拍手
と指笛でそれに応える。噂を聞いて、他の部隊からも見物に来ているようだ。
 ウッドが麻衣の制服の前をはだけた。白い乳房と淡い色合いのピンクの乳頭がこぼれ出る。ウッドがそれを掴んで揉
みにじった。いくつものギラギラした視線が、食い入るように見つめる。
「あ、ああん…」
 麻衣が切なげな声を漏らし、男たちの興奮が一気に高まっていく。男たちは毎晩のようにアルコールを片手に、ショー
と称して麻衣を裸にし、ネチネチといたずらして楽しんでいるのだ。
 ウッドの手が麻衣の下半身に伸び、ズボンのボタンを外す。ぶかぶかのズボンが足元に落とされ、乳白色の太腿が
こぼれ出た。下着は着けておらず、下腹部を逆三角形に覆う繊毛が、兵士たちの前に露わになった。



 背後からウッドが股間をまさぐる。体をくねらせ「いやっ、いやっ」と小さく声を発する麻衣を、男たちは目を血走らせて
凝視する。
"さあ、マイのオ××コに触りたい奴は手を上げろ!"
 兵士たちの手が一斉に上がる。麻衣の繊毛をしきりに梳きあげながら、ウッドは兵士たちを見渡し、小柄なヒスパニ
ックの男を指さした。
"ミゲル!"
 指名を受けた男がニヤニヤ笑いながら、麻衣の前に進み出た。この男は、先日の掃討作戦でウッドに捕虜を譲っ
た。このショーは、何らかの形でウッドに貢献した者に対する「論功行賞」の場でもある。
 中腰になったミゲルは上唇をペロリと舐め、ウイスキーを浸した指先をクレヴァスにあてがう。麻衣の腰がブルッと震
えた。折り重なった肉門がこじ開けられ、ピンク色の果肉が顔を出す。
"へへっ…、きれいなオ××コだぜ…"
 麻衣の股間をのぞき込んでそう言いながら、ミゲルはたたみ込まれた肉襞を抉り出した。麻衣の花芯が嬲られる。敏
感な肉芽の鞘を剥かれ、ルビーのように充血したクリトリスを転がされて、総身がわなないた。
「あ…、い、いやぁ…」
"へへへ…、ウマそうだぜ…"
"なめてもいいぞ"
 ウッドに言われて、ミゲルは麻衣の太腿を抱え込み、秘部に顔を埋めた。
「あっ、ああっ…」
 ウッドに羽交い締めにされた身体をくねらせる麻衣。ミゲルの舌がゆっくり花弁をなぞりあげると、麻衣は激しく身悶え
し、艶っぽく啜り泣いた。見物していた男たちが喜んで手をたたく。
"さて、オッパイに触りたい奴は?"
 ウッドの声が響き、どこかから手に入れたバーボンをウッドに献上した黒人兵が指名された。黒人兵は、両手で麻衣
の乳房を揺さぶっては、乳頭へチュッチュッとキスを注ぐ。
「…ひいぃ、ダメぇ…」
 麻衣が、短く切られた髪を振り乱して喘いだ。黒人が口に含んだ乳首を転がすと同時に、ミゲルの舌先が肉層を抉っ
てきたのだ。そうしながら指先ではクリトリスに微妙な刺激を送り続ける。感じたくなくても、身体はひとりでに反応してし
まう。
"だいぶ、いい雰囲気になってきたな…"
 そう言うと、ウッドは麻衣の唇を奪った。
「む、む、むむぅ…」
 胸を揉まれ、上下の口をヌチャヌチャと舌でこねくりまわされ、麻衣の鼻から切なげな吐息がこぼれ始める。のけ反ら
せた白い喉が苦しげに上下する。
"隊長、俺たちにも触らせろよ!"
 スキンヘッドのリチャード・シモンズが、焦れたような怒鳴り声を響かせる。さすがのウッドも苦笑いを浮かべて、ミゲ
ルと黒人兵を下がらせた。
 ウッドが手を離すと、麻衣の身体がへなへなと床に崩れ落ち、地面にペタンと座り込んだ。彼女を取り囲んでいた輪
が一気に小さくなり、男たちがこぞって手を伸ばす。
"ふふふッ、イイ子だ、ベイビー…"
 シモンズが凶悪な笑みを浮かべて言い、麻衣の乳房を鷲掴みにした。別の男が背中のほうにまわり、髪を撫でさすり
ながら、首筋にキスをする。
「あっ…、ああっ!」
 麻衣が全身を強ばらせて声をあげる。いったい何人の男が群がっているのだろう。獣のような臭いのする息が、首筋
や胸元に吹きかかり、ジトッと汗ばんだいくつもの掌が、体中を這い回っている。
「あっ…あっ…いやああ」
 白い喉を突きだし、麻衣は絶望に身悶えする。
"フフ…、いい声で泣きやがる。"
"へへへ…、こんな大勢に嬲られて、感じてやがるんだ"
 男たちは笑いながら麻衣の肉体をまさぐった。思い思いに陰部を弄り、瑞々しい乳房を揉みしだき、丸い臀部を撫で
回し、象牙の肌に口づける。
"ほら見ろよ、トロトロに濡らしてやがる。"
 麻衣を四つん這いにさせたシモンズが、お尻の間から覗く花びらを開いた。秘口から果汁がヌラリと光り、赤く膨らん
だ肉芽が露わになった。
"そろそろ、入れてやるか…"
 ウッドが言うと、男たちが賛同の声をあげた。
"今日の一番手はポールだ!"
 ウッドに名指しされた白人の男が、下半身裸になって進み出た。既に天井を向いて硬くなった肉棒を右手で掴み、麻
衣の後ろで膝立ちになって、バックから陰裂に狙いを定める。
 軽く一突き二突き。麻衣の肉門は、唾液と彼女自身が分泌した愛液が溶け合って、トロリと甘く男の先端部を迎え入
れる。その快感に思わずポールの口元がゆるんだ。
「あ、あっ、あぁ…」
 身を捩る麻衣の胎内に男の物がグイグイと押し入ってくる。麻衣は、可憐な顔を真っ赤にさせ、右に左に捩りながら
呻き声を漏らす。その間も、別の男が乳房を掴んで揉みしだき、首筋をペロペロ舐めている。
 根元までたっぷり埋め込んだポールは、ニヤニヤ笑いながら、規則的にシャフトを繰り出していく。
"俺も参戦するか!"
 シモンズがズボンを脱いで立ち上がった。毛むくじゃらの腿を麻衣の顔にこすりつけるようにして、その眼前で卑猥に
剛直をしごきたてる。
 毒々しくエラの張った亀頭からは、涎がひっきりなしに噴出している。麻衣は思わず顔をそむけた。
 次の瞬間、グローブのような手が麻衣の頭を押さえつけ、巨大な肉棒が無理やり口腔に突っ込まれた。魁偉な逸物
が麻衣の唇を分け、喉奥深くまで入ってくる。
「…ウウ…うぐぐッ」
 目を白黒させて、麻衣が呻く。
 シモンズは麻衣の頭を揺さぶった。縮れた剛毛が、麻衣の鼻をくすぐる。奥深くに押し込まれた怒張は喉を刺激し、
麻衣はその嘔吐感にじっと耐えながら、舌を動かした。
"ウリャ、ウリャ"
 一方のポールは腹に力を込め左右に大きくグラインドさせて、それから一気に秘奥へ貫通する。すると麻衣の粘膜が
キューッと収縮する。
"お、おお。いいオ××コだぜ!"
 ポールは本格的に抽送を繰り返す。クチュクチュと肉擦れの音が淫らに響いて、男たちの欲情をさらに煽る。
 男たちの手が、麻衣の肌という肌をこね回す。乳房が、腹部が、クリトリスが、内腿が、ねちっこい愛撫を受けてぐっし
ょり汗まみれになっている。
「ううう…、ん、んーん…」
 麻衣の顔が紅潮し、泣き声ともよがり声ともつかぬ呻きが口から漏れてきた
 その声に誘われてポールも唸った。いよいよ切迫してきたらしい。激しい勢いで体を前後させる。
「むん…むっ、うむぅ…」
 呻きながら、麻衣が髪を振り乱した。汗をかいたその身体は、男の動きにあわせて振り子のように揺れる。粘膜が破
れ、内蔵まで貫かれる感じだった。たまらず、麻衣が口から肉塊を吐き出し、パクパクと苦しげに空気を吸った。
 次の瞬間、麻衣が大きく痙攣すると同時に、灼熱の体液が中ではじけた。
「ああぁ…」
 好きでもない男の体液が子宮に注がれる嫌悪感に麻衣が喘ぐ。すぐさま、次の兵士のモノが、彼女の中に入ってき
た。
 嗚咽にむせぶ麻衣の顔面に、今度はシモンズが射精した。髪に、額に、頬に、白い粘液が飛び散った。
 男たちの満足げな哄笑が響き渡った。

「ん…、んんっ…」
 肌寒さを覚えて、麻衣は意識を取り戻した。すでに夜は明けていた。
 男たちの肉棒が繰り返し射精し続ける中で、麻衣は何度も何度も達し、いつの間にか気を失っていたようだ。
 男たちが放った精臭がむせ返る程にこもっていたが、その姿は一つもなかった。何かの任務で、全員に召集がかか
ったのだろう。
 麻衣は全裸のままだった。肌に触れると、顔と言わず体と言わず、全身にぶちまけられた生乾きの精液が、指先に
触れる。
 姿勢を変えようとして、右足が引っ張られるのを感じた。脱走しないよう足首を手錠で簡易ベッドの脚につながれてい
るのだ。彼女を一人にする時、ウッドたちは、いつもこうして拘束しておく。のろのろとその場で座ろうとして、左足のつ
ま先に何か硬い物が当たった。視線を向けた麻衣の顔にハッとした表情が浮かぶ。
 それは、兵士の一人が置き忘れていった拳銃だった。麻衣はそれを天啓のように感じた。幸い左足は拘束されてい
ない。慎重に動かすと、拳銃を引き寄せることができた。
 麻衣は体を起こして横座りになると、拳銃をこめかみに当てた。手がブルブル震えている。
 まさに引き金を引こうとした瞬間、強い力で手首を掴まれた。
「離して!離してよっ!」
 必死で抵抗する麻衣の耳元で、低い男の囁き声が聞こえた。
「待てっ…、早まるんじゃないっ…」
 それは懐かしい母国の言葉だった。スッと体から力が抜け、振り返ると、真剣な表情を浮かべた男が片膝立ちで、彼
女の腕を掴んでいた。
「……」
 男の姿に一瞬、父の姿が重なった。驚きとともに、大きく開いた目に涙が滲んでくる。
「いいかい、落ち着いて聞くんだ…」
 男が話し始めると、父の姿は消えたが、目の前にいるのが同国人の、頼るべき大人であることを直観的に感じ、麻衣
は素直に頷いた。
 男はベッドの上から毛布を取ると、麻衣の体を優しく包んだ。
「私は日本から来た新聞記者だ。今はまだ無理だが、機会を見つけて必ず君を助けに来る。」
 いきなりのことに、理解できない様子の麻衣に向かって、男は言葉を続けた。
「私にも君と同じ年頃の娘がいるんだ…」
 男は幼い子に言い聞かせるように、ゆっくり、一言一言を噛み含めるように伝えていく。
「きっと助け出す。だから、絶対に早まったことをしてはいけない…、いいね…、わかったね…」
「…はい、わかりました…」
 すがるような思いで、麻衣は男の言葉を信じることにした。
「よし、いい子だ。大丈夫、一緒に日本に帰ろう…」
 男の言葉に、麻衣は何度も頷いた。男の顔を見ているうちに、久しぶりに暖かい涙が頬を伝っていく。

 ウッド隊の面々は、近隣の掃討作戦で「捕虜」にされた若い娘たち、すなわち「クレイジー・アンディの生贄」の護送に
かり出されていた。
 アンディ・グローバー将軍は今回、フサインに着任するなり、捕虜の中からティーン・エージャーの娘だけを選んで連
れてくるよう全軍に指示していた。これまで、特にそうしたこだわりを見せなかった将軍の嗜好の変化に、彼の性癖を知
っている幹部の中にも首を捻る者が少なくなかった。
"さあ、降りろ!"
 ウッド隊副隊長のマイズナーが、輸送車に向かって声をかけた。
"ぐずぐずするなっ!"
 シモンズの怒鳴り声に急立てられて、降りてきたのは全裸の娘だった。
 違う宗派の娘だと宣伝されているため、好奇心にかられて集まった住民の表情にも怒りや憐憫ではなく、残酷で好色
な笑いが浮かんでいる。宗派対立の激しさも、この国の混迷の一因なのだ。
 アルメイア兵や、通りを埋め尽くすやじ馬が見守る中、輸送車から、後ろ手に手錠をかけられた全裸の少女が次々に
降りてくる。好奇の視線に晒されて、少女たちは恥ずかしそうに体を丸くし、その場でうずくまってしまう者も多かった。
身を寄せ合い、すすり泣く少女たちを、兵士たちが引きずるようにして立ち上がらせる。
"さあ、行くぞっ!"
 シモンズが、手にした鞭でビシッと地面を打った。それを合図に、少女たちは兵士の指示に従い、ムサンナー一の目
抜き通りを、一列になって歩き始めた。
(おっ、これは、きれいな娘だ!)
 ウッドは目の前を歩いている少女に目を留め、心の中でそう呟いた。美しさ、可憐さが人種の違いを越えて目を引き
付ける。アル=ファディルで捕虜にされたファーティマであった。
"よーし、一時停止だ…"
 交差点で、やって来たジープを先に横断させるため、伸ばしたウッドの手がファーティマの胸に触れた。柔らかな感触
があり、ファーティマが"あっ…"と恥ずかしそうな声をあげる。
 含羞を見せるその様子が気に入ったウッドは、役得とばかりに、ことあるごとに彼女の身体に触れる。ファーティマは
恥辱に身を捩りながら行進しなければならなかった。 
 やがて一行は、将軍とその側近たちが営舎として使っている、ロイヤルプラザ・ホテルまでやって来た。かつては、国
内随一の高級ホテルとして、海外からやってきた賓客や政治家、大企業のエグゼクティブたちが宿泊した建物である。
 敷地の入り口に立つ警護の兵士に引き継いだところで、ウッドたちの役目は終わった。ファーティマたちは、そこから
さらに警護の兵士に連れられて建物に入る。そこで待っていたのは、彼女らと同じような全裸のフサイン娘たちであっ
た。

 その日の午後、森脇は日本から到着した防衛隊派遣部隊の宿営地にいた。共同作戦のためにアルメイア軍と合流
するのが目的でやって来た部隊だ。政治家たちが望んだ集団的安全保障の姿がここにある。
「毎朝新聞の森脇です」
 情報部の滝川から渡された記者証を見せると、警備兵は最敬礼で彼を迎えた。御用ジャーナリストの証に、森脇の
反骨精神がムクムクと頭をもたげる。
(まあまあ…、ここは大人しく「仕事」をするとしよう…)
 心の中でそう言って、自分を宥める森脇。「一緒に日本に帰ろう」という約束を思い出すと、心がスッと静まった。今は
毛程も警戒されないようにすることが肝心だ。そうして行動の自由を確保する。麻衣の救出という目的を持った森脇に
とって、それは容易いことであった。むしろ、悪戯っ子のような気分で、鼻歌の一つも出そうになる。
 今日の取材のテーマは「フサイン解放のため、『国際貢献』に誇りを持って赴任した若き防衛隊員の決意」である。司
令部のお膳立てで集まった防衛隊員と談笑しながら、シナリオどおりのエピソードを聞き出し、適当に写真を撮って部
屋を後にした。
「記者さん!」
 宿営地の出口に向かったところで、後ろから呼び止められた。振り返ると、一人の若い隊員が駆け寄って来た。さっ
き取材をしていた隊員の一人で、確か細田という名前だった。
「記者さんは、首都攻略戦の従軍取材をするって言ってましたよね。」
「ああ、そうだけど…」
「首都攻略戦には、半年前に横木基地から派遣された部隊が参加するはずなのですが…」
「横木!」
 片時も忘れることのなかった地名を耳にして、森脇の目が大きく見開かれた。
「ええ、そこで、お願いしたいことがあるんですが…」
 そう言うと、細田は、手に持った軍用ナップサックの中から一通の手紙を取り出した。
「横木基地に行った時,こんな手紙を預かったんですが。横木基地から派遣された部隊に渡してもらえませんか。うち
の部隊はここに駐留するので、俺が持っててもどうしようもないから…」
「これは…」
 森脇は驚きに目を見張った。差出人は「星園高校2年 安藤茉莉」と書かれている。まぎれもなく亜弓の同級生だ。そ
の名前は確か、娘の口から、仲の良い友達の一人として聞いたことがあったはずだ。
「この手紙、どうして君の手に?」
「横木基地に行った時に、女の子から預かったんですよ。」
「その子とは、どうして知り合ったのかね。」
 森脇の表情が次第に少し険しくなる。
「基地でボランティアをしていました。それ以上詳しいことは話せませんが…」
 細田が口ごもる。それで十分だった。ボランティアの意味は、森脇は十分に知っている。
「他に、森脇亜弓って娘はいなかったか?」
 思わず詰問調になる森脇に、細田が気圧された様子を見せた。
「さあ、わかりませんね…」
 茉莉の手紙の宛名を見ると、「星園ボランティア部隊のみなさんへ」と書かれている。
「このボランティア部隊も、首都攻略戦に参加するのか?」
「はい、確かそのはずです。」
 社会奉仕のボランティアとして徴用された高校生たちが、最前線にいるというのか…。どうやら、とんでもない事態に
なっているようだ。
「わかった。私が預かって,横木の部隊に渡そう。」
 森脇が請け合うと、細田はホッとした表情で営舎に戻って行った。
 こうして、天が森脇に与えた任務は2つに増えたのだった。

 アルメイア司令官営舎に、グローバー将軍とその側近たちが帰って来た。
 ロビーでは、十数人の娘が主人たちの帰還を出迎えた。いずれも十代の美少女で、全員が一糸まとわぬ姿である。
"靴が汚れてしまったな。"
 被服係の少女に上着を渡した将軍が、そう言ってロビーの椅子に腰を掛ける。すかさず下足番の少女が進み出た。
足に履いたままを靴を突き出すと、少女はその場で跪き、両手で捧げ持つようにした。ぬかるみを歩いたらしく、びっし
りと泥がこびりついている。
"ドロドロの所を歩き回ってきたからな。きれいにしてくれ。"
"はい、畏まりました…"
 柔順に答え、少女は靴についた泥を丹念に舐め始めた。娘が、世が世であれば「姫」と呼ばれるような身分の出身だ
ったことを思い出し、将軍の顔に満足げな笑みが浮かぶ。
 きれいに泥を舐め取った娘は、靴を胸に抱き抱え、豊かな乳房で挟み込むようにして拭いていく。
"腹が減ったな。メシにしよう。"
"はい、畏まりました…"
 伝令役の少女が、急いで駆けて行く。その後を追うように、将軍たちもダイニングに向かった。
"お願いしますっ!"
 一足先にダイニングに着いた伝令係が必死の形相で叫び、給仕の少女たちが大慌てで準備する。将軍たちが到着
した時に、もし準備ができていなければ、全員、激しい折檻を受けることになるのだ。
"おや、すっかり準備が整っているようだな。"
 豪華なテーブルに食器がきれいに並べられているのを見て、部屋に入ってきた将軍側近の将校の一人が言った。そ
の顔に、どこか残念そうな表情が浮かんでいる。
 着席した男たちに給仕係が一人ずつついた。もちろん全裸の美少女である。そこに、食前酒と前菜が運ばれてきた。
 食器役の娘の身体を、豪華な食材をふんだんに使ったオードブルが飾っている。「女体盛」がここでの料理の基本
だ。
 食事が進み、その夜、デザートを盛られてグローバー将軍に供されたのは、ファーティマだった。その頬に涙が伝い、
小さな声で嗚咽を漏らしている。
 グローバーはそれを見てニヤリと笑い、乳首に塗られた生クリームを舌先で舐め取った。
"ひいっ!"
 ひきつけを起こしたような声をあげて、ファーティマが身悶えする。
"新顔か?"
"はい。アル=ファディルで捕虜にした娘です。"
 給仕の少女が答え、グローバーのフォークの先端が、フルーツで飾られたファーティマ恥丘の周りをゆっくりとなぞる。
"ううっ、やめて…"
 割れ目を、フォークが滑っていく。体を拘束されているファーティマは、恐怖と恥辱に胸を締め付けられながらも、た
だ、まっ赤に染めた顔を弱々しく横に振ることしか出来なかった。
"ひっ、ひいい…、ううあ!"
 包皮を掻き分け、ちょこんと顔を出した真珠色の突起を金属の先端がつつき、ファーティマに悲鳴を上げさせた。
"今夜は、この娘をベッドにいれておけ…、それと、他の新顔で良い娘がいれば、入浴係だ。"
 グローバーは給仕の娘にそう命じた。入浴の時にソープ嬢のように男たちの身体を洗ったり、就寝時にベッドに入っ
てセックスの相手を務めるのは、ここでは、まだ恵まれた役割である。
 たとえば、トイレには自らの手や舌を使って汚れを取る便所掃除の娘がいるうえ、数人の少女が壁に固定されて便器
となり、男の尿や精液を飲まされる毎日を送っているのだ。
 また、かつてホテルのバーとして使われていた場所には、拷問に用いるあらゆる設備や器具が備え付けられている。
テロリストの容疑がかかった娘の尋問や、主人たちの命令に背いたり、粗相をした少女の折檻を行うためだ。ただ、そ
うした者がいない時には、ただ少女が泣き叫ぶ姿を楽しむためだけに、拷問が行われることもあった。激しい拷問の結
果、命を落とす者も少なくない。
 自らが作り出した魔宮を見渡して、グローバーは目を閉じ、ウットリした表情を浮かべて呟いた。
「YAKATA…」
 それこそが、彼の目指す桃源郷であった。



 
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