国防省附属「星園・癒しの館」第2部
 
第4章 慰安嬢たち 2

「上、下、上、下、イチ、ニー、イチ、ニー…」
 1年生の教室に、担任の小林麗奈の声が響く。
「右、左、右、左、ハイ、回して…」
 号令に合わせて、下半身裸になった女生徒たちが上下、左右、円運動に強弱をつけて、腰を振っている。
 少女たちの足元には、ダッチハズバンドが横たわっていた。仰向けに寝転がった人形の股間には、本物そっくりのゴ
ム製の男根が勃起している。中途半端にリアルで、中途半端に粗雑な造りの人形は、使用する女性が愚弄されている
ように感じるレベルの出来だった。
「このダッチハズバンドはね、『こんなもの家にあったら、死にたくなる』って言われて、生産中止になったのよ。でも、あ
なたたちにはお似合いね」
 授業の最初に、麗奈は意地悪くそう説明した。
「901、902、903…」
 ペアになった男子が回数を数えている。そうして、1200回腰を振ってピストン運動を繰り返さないといけないのだ。
「950、951、952…」
 男子は女子の結合部分を覗き込んでいた。ダッチハズバンドの張り型を咥えた大陰唇が開き、愛液に濡れたサーモ
ンピンクの媚肉が覗いている。滲み出る愛液に濡れたゴムの棒が、襞肉を巻き込んで抜き差しされている。
「今の、ちゃんと奥まで入ってなかったぞ。初めから、やり直しだな」
 男子の声が響く。彼らは、しっかり根元まで咥え込んでいるかを監視しているのだ。
「はあ、はあ、はあ…」
 女子たちは肩で息をして、一様に苦しげな表情を浮かべていた。もう30分近く卑猥な運動が続いている。足腰はパン
パンになり、額には玉のような汗が浮かんでいる。
「…1119、1200!」
 ミキの回数を数えていた男子が1200を数える。
「オチ×チ×、お願いします!」
 そう言うとミキは、人形を離れ、仰向けになった男子のズボンのチャックを下ろして、勃起した陰茎を取り出す。そし
て、その先端を、自らの割れ目にあてがった。
「あん…」
 ミキの口から喘ぎ声が漏れる。グチュッという音と共に、肉棒がズブズブと突き刺さってくる。
「あっ、あんっ…、ああんっ…」
 甘い声をあげながら、ミキはゆっくりと腰を動かし始めた。1200回に達した女子は、男子のペニスを挿入して、腰の
使い方、膣の絡み具合、締め付け、結合部分への意識の集中度を男子にチェックして貰うのだ。
 教室のあちこちで、女子が男子に跨がり腰を振っている。
 ダッチハズバンドによって十分に潤った秘孔は、肉棒の出入りに合わせてグチャ、グチャと音を立てている。肉と肉が
ぶつかる音がバコッ、バコッと教室に響く。
「あっ、…あうっ…、あんっ…」
 真澄は、同級生の河野正秀の胸に両手をついて、激しく腰を振っていた。
 慰安嬢たちの中で時おり、「好きでもない顔見知りの男」と「見ず知らずの男」と、どちらとセックスする方がマシかとい
うことが話題になる。真澄は迷わず「見ず知らずの男」と答えていた。その方が「義務」だと割り切れるからだ。そんな彼
女にとって、河野たちとの授業は、もっとも苦痛な時間であった。



(真澄のオ××コ、すっげぇ、気持ちいい…)
 河野は、思わず頬を緩めた。狭い秘孔は、挿入の時から亀頭を締め付けた。咥え込んだ後には、秘肉がカリ首の窪
みにまで密着し、サオ全体をギュッ、ギュッと締め付けてくる。
 男子を満足させて合格の判定をもらえない限り、この淫らなトレーニングを終わることができない。不合格となれば、
人形に跨がって600回腰を振ってから、再び男子とセックスしなければならないのだ。
「あっ、あっ、ああん…」
 真澄の喘ぎ声が、河野の興奮を否応なく高めていく。
(もうダメだ…)
 そう思った瞬間、河野の怒張が秘孔の中で膨れ上がる。精液が、真澄の膣の奥深くに放たれた。慰安嬢たちは、全
員ピルを飲まされており、妊娠の心配はない。万全の性病検査を受けた男子が相手の「授業」では、中出しが原則にな
っていた。
 上半身を起こした河野は、宮下や菊池がこちらをじっと見ているのに気がついた。
(わかってるって…)
 目顔で応えると、河野は真澄に向かって言った。
「ダメだな、気持ちがこもってない。不合格!」
「…え?…は、はい…」
 勝気でプライドの高い真澄が悲しそうな表情を浮かべて、再び人形に跨がるのを見て、河野はゾクゾクするような快
感を覚えた。
「お、おお…、締め付けてくる…、いいオ××コだな」
「気持ち良かったぜ…合格だ」
 女子が次々合格していく中、真澄は何度もやり直しをさせられていた。その都度、ペアの男子が変わる。彼女が合格
しないのは、ただ単に1年の男子がみんな、彼女の身体を楽しみたいからだった。
「あっ、あっ、ああっ、あん…」
 ダッチハズバンドの上で腰が上下するたび、真澄の口から声が漏れ、結合部からネチョネチョという湿った音が聞こ
える。愛液を溢れさせながら擬似男根を呑み込む秘唇に、男子の視線が注がれている。
 かつて1年男子の多くが、凜とした彼女の前に立つと、なんとなく気後れしたものだった。立場が逆転した今、真澄は
彼らから調教名目のイジメの対象にされているのだ。彼女が淫らな命令に従順に従い、不満や弱音を吐かないのも、
男子にすれば、気に入らない。
「…598、599、600」
 今度の相手は学年代表で、1年男子のリーダ的な存在であった宮下だ。彼は、麻衣に振られたにもかかわらず、しつ
こくつきまとい、無理やりキスしようとして、真澄に投げ飛ばされた経験を持っている。
「さあ、俺のチ×ポ、オ××コに入れろよ」
 宮下がニヤニヤ笑いながら言った。真澄は、握った陰茎を股間にあてがう。心の底から軽蔑する男子の性器を自分
の胎内に導かなければならない屈辱に、思わず身体が震える。
「あんっ…」
 宮下の怒張が、真澄の秘孔に入ってきた。
「うっ…」
 宮下は男根に絡みつく真澄の肉壁を感じ、甘美な締め付けに陶酔した。一方の真澄は、必死に男子を締め付け、満
足させようとしている自分が惨めで仕方ない。
「全然、ダメだなぁ…」
「気持ちが入ってないんだよ…」
 真澄の周りには、1年生の男子が集まってきていた。とうとう、女子で残っているのは彼女1人だけになったのだ。
「そうだ、入れてもらってるチ×ポの感想を言いながら、腰を振れよ」
 菊池が提案すると、みんなが手を叩いて賛同する。真澄の表情が屈辱に歪む。しかし、かつてのように男子に言い返
すことはなかった。
「宮下クンのオチ×チ×…、たくましくて素敵です」
 真澄が宮下の男性器を称える卑猥な台詞を口にすると、男子たちが嘲るような笑い声をあげた。
 周りでぐったりして、体を休めている女子が同情の眼差しを向ける。心配そうな顔で見ているのは、ミキだ。
「ああ…、立派なカリが、奥に当たって気持ちいいです…」
 騎乗位で喘ぎ、乱れる真澄。雪のように白い肌をピンクに染め、ねっとり汗をにじませて、喘いでいる。粘液と肉のぶ
つかり合う淫らな肉の音が響き、秘孔からは、肉棒に押し出されたザーメンが溢れ出ていた。
「あの工藤が、すっかり淫乱になっちまったよなぁ…」
「ああ、女は魔物だよ」
 河野と菊地が教室中に聞こえる声でそう言って、笑い合った。
「いいっ、いいの…もっと奥まで…」
 真澄の膣がキュッ、キュッと収縮し宮下の怒張を締め上げてくる。あたかも意志を持ったかのように、男の精液を絞り
取ろうとしているのだ。
 ついに宮下は我慢できなくなり、真澄の膣に精液を放った。
 結局、このトレーニングは、真澄が1年男子6人全員を射精させるまで続けられた。

 午後に入り、訪問客がやってくる時間になった。
 城跡に建てられた館には、正門をくぐり、橋を渡って入る。正門前までバスで来て、歩いて入っても良いのだが、やは
り外聞を気にする客も多く、敷地内まで車の乗り入れが可能となっている。
 坂を登って一段高くなったところに校舎がある。本校舎に正面から入った所が、受付のあるロビーだ。
 ロビーでは、早い時間に到着した訪問客のために、週に一度の生徒会イベントが催されている。ソファに腰掛けて広
報誌『星の園』を片手にくつろいでいる男たちの前で、今日は樫村美里が卑猥な芸を見せていた。
「樫村さんは、一度相手をした男性のことを決して忘れません。名前や顔だけでなく、一度、フェラやセックスをすれば、
口やあそこの微妙な感触で相手を覚えることができるチ×ポソムリエなのです」
 真っ赤になって卑猥な口上を述べ、司会役を務めているのは生徒会長の亜弓だ。
(ごめんなさい、樫村さん)
 心の中で謝ったのがわかったかのように、美里が亜弓に頷いて見せた。どんな時も美里は何も言わず、損な役回り
を引き受けてくれる。それは、星園高校の頃から変わらない。亜弓が心から信頼する先輩だ。
「…それじゃあ、始めましょう…」
 涙ぐみそうになるのを堪えて、亜弓が合図を送った。
 最初に、目隠しをした美里が、訪問客の中から選んだ5人の男の男根をしゃぶっていく。
 跪いた美里の前に順番に立つと、男たちは小便をするようにズボンから陰茎を出し、唇に押し当てる。先走り汁が美
里の唇を濡らし、リップクリームを塗ったように照かる。
「オチ×チ×、おしゃぶりさせていただきます…」
 卑猥な行為に似つかわしくない淑やかな声でそう言うと、美里は舌を伸ばし、亀頭をペロリと舐めた。肉棒を頬張り、
形と味を確かめるように舌を絡めていく。男は気持ちよさそうなため息を漏らす。
 男たちが並ぶ順を変えた後、目隠しをとった美里は、再び順番にペニスを咥えて、もとの順番に男たちを整列させる
のだ。
「この太さ、カリの形。そして、ここを責められたときの反応は…、3番のお客様ですね」
 そう答えた途端、男の怒張が美里の掌の中でビクンビクンを跳ね、生暖かい精液が顔にかかった。草を潰したような
臭いと、ヌルヌルとした感触が襲ってくる。それを拭う間もなく、美里は次の怒張に貪りついていく。頬をすぼませ、口の
中の粘膜で肉棒を優しく擦る。
「この感触、堅さ、口の中に広がるオチ×チ×の味は、5番のお客様に間違いありません」
 美里は口唇をモグモグとさせ、激しく舌を波打たせた。
「ううっ、で、出る。」
 口に咥えたモノがビクンビクンと脈打ち、口の中に精液が流し込まれた。美里は、喉にまとわりつく不快な液体を、ゴ
クゴクと食道に流し込んでいった。
 こうして参加者を満足させながら、順番を見事に的中させた美里は、拍手の中、ロビーを後にして教室に向かおうとし
た。
「樫村さん、はい」
 呼び止められた美里に、蒸しタオルが渡された。
「ありがとうございます…」
 タオルを渡したのは篠原美咲だった。美里は顔に付いた男の体液を拭ったあと、口の中に残った精液を唾液で漱
ぎ、口元にもっていったタオルにこっそりと吐き出す。
「午後の授業、欠席できるように手続きをしておいたわ。ねえ、ちょっと私と一緒に来て…」
「はい…?」
 怪訝な表情を浮かべる美里を、美咲は、準備室と呼ばれる部屋に連れて行った。校舎のあちこちに、こうしたベッド
の置かれた小部屋が作られている。やりたくなった客が慰安嬢を連れ込むための部屋だ。今は中に誰もいなかった。
「岩田先生のことで、知りたいことがあるの。先生、書道部の顧問だったでしょ。だから、あなたなら、何か知らないかな
と思って…」
 美里は無言のままだった。不用意なことを話しては、どんな災厄が降りかかるかわからない。この数か月間で、彼女
はすっかり用心深くなっていた。
「私ね、岩田先生を目標にがんばってきたの…」
 美咲がそう言った。少なくともその言葉には嘘はない。それが、美里の心に響いた。
「わかります。私も、将来は岩田先生みたいな教師になりたいって思っていたんです」
 美里はそう答えて、ふいに黙り込んだ。そして、哀しげな表情になる。もう、自分が教師になることはないだろう。3年
生の2学期も終わろうとしているのに、自分の進路がどうなるのかわからない。普通に進学できそうにないのはもちろ
ん、そもそも、ここを卒業できるのかすらわからなかった。
「岩田先生は自殺だったって言われているけど、私は信じられないのよ。自殺って、一種の『逃げ』でしょ。岩田先生に
限って『逃げ』るなんて考えられないの…」
 美咲が言葉を続けた。美里も大きく頷く。
「何ですか、知りたいことって?」
 素直な美里の表情を見て、心に痛みを感じながらも、美咲は与えられた「任務」を果たすことにした。
「あのね、ここが、国防省に接収されてからのことなんだけど…」

 男がグラウンドに着いたのは午後4時だった。これから部活が始まるらしい。陸上部の練習だと聞いて、男はフェンス
に寄りかかり、見学の列に加わる。
 女生徒たちが現れた。見学者に気づくと女生徒たちは、その目の前に移動してきて練習の準備を始める。どうやら短
距離のスタートダッシュの練習らしい。女生徒たちは、お尻が男たちのほうを向くようにスターティングブロックをセットす
る。
「由香のユニフォーム姿、やっぱりいいな。脚もきれいだし…」
 男はそう呟いた。星園高校陸上部はオーソドックスなシャツとランニングパンツだった。それが、今ではセクシーなセ
パレートタイプのユニフォームになっていた。可愛らしいお臍が見え、体のラインがくっきりと浮かんでいる。ブラトップの
シャツはノーブラで着ているらしく、胸の頂上に小さな膨らみも見えた。
 足を軽く引きずりながら、合図のピストルを持って現れたのは2年担任の平沼である。彼は、学生時代にスポーツをし
ていた経験を買われて、陸上部をはじめ、様々な運動部の「顧問」になっていた。
「位置について…、ヨーイ…」
 平沼の合図で、由香たちは両手を地面について、腰を高く掲げる。しかし、ピストルの音は響かなかった。丸いお尻
が並んで、見学の男たちの方に突き出されている。薄手のショーツの生地は、ハッキリとヒップの肉感をあらわしてお
り、そのムッチリとした様子に、男たちが食い入るような視線を注いでいる。どうやらパンティも穿いていないようだ。
「よーし、そのまま動くなよ」
 平沼はそう指示すると、男たちに向かって手招きをした。
「見学者のみなさん、こちらにどうぞ」
 その声にしたがって、見学していた男たちがゾロゾロと集まってくる。間近に接近したいくつもの視線が無防備なお尻
や胸元に注がれるのを感じて、由香の頬が熱くなる。
「クラウチングスタートでは、体重を腕にほとんど乗せてしまいます。そのために指と腕の筋力をつけることが重要です」
 平沼の説明は一応、理にかなっている。
「そこで、しばらくこのままの姿勢でいる練習をさせます。みなさんは、しっかりとクラウチングスタートの姿勢がとれてい
るかどうか、触ってチェックしてやってください。さあ、どうぞ」
 平沼の言葉に、男たちは嬉々として、女生徒たちに近づいて行く。中に有名な政治家やいかにも地位の高そうな官
僚、防衛隊幹部の姿をみつけて、平沼は苦笑いをした。
 防衛隊員出身の彼にとっても、今の館の隆盛は予想外だった。
「売春宿の従業員に飛ばされちまったよ」
 慰安施設の配置になったと聞かされた時、仲の良い同僚に自嘲気味に言ったことを思い出す。訓練中に足を負傷し
た彼は、当初はそれを理由に左遷されたのだと、おおいに落胆したものだ。
 それが、今では、ここは防衛隊の花形部署の一つになっている。若い科学者の研究費や医療・保育に関する国の予
算が「事業仕分け」でバッサバッサと切られる一方で、館の事業はそもそも「仕分け」の対象にすらならず、予算も使い
放題だ。戦闘機や戦車の購入費が「仕分け」の対象にならないのと同じ理屈らしい。今では、平沼もすっかり、この任
務を楽しむようになっていた。
「あっ…」
「いやっ…」
 女生徒たちが声をあげる。見学者たちが、クラウチングポーズの少女たちの身体に、思い思いに触り始めたのだ。
 男は、他の見学者を押しのけて、目当ての少女に近づく。
「よう!」
 男に声をかけられ、由香の表情が反射的に曇る。それは、ポロシャツにジャケットというラフなスタイルの坂巻であっ
た。副官の柳原が防衛隊に残る一方、彼は相当の退職金と勲章をもらって除隊することになったのだ。
「陸上のユニフォーム、似合うな。よく、お前の応援に行ってたことを思い出すよ」
 確かに坂巻は、由香の陸上部の試合がある度にやってきていた。それは「応援」というよりは「つきまとい」と言った方
がふさわしい行動だった。
 クラウチングポーズを前から見ると、ブラトップの隙間から釣鐘型になった胸の膨らみが覗いている。坂巻の手が由
香の胸に伸び、乳房をギュッと握る。
「だいぶ大きくなったんじゃないか。毎日男に揉まれて」
 そう言いながら、坂巻はいやらしい手つきでユニフォームの胸をムニュムニュと揉む。
「柔らかい揉み心地だ」
 そう言うと、今度はその両手が、臑から膝、太腿へ、ゆっくりと素足を撫で上げる。大嫌いな男に愛撫される感触に、
由香の全身に鳥肌が立った。
「まさに、黄金の足だな」
 坂巻が、ククッと卑猥な笑い声を立てた。膝から上は徐々にむっちりとした肉づきを示し、すでに大人の色香さえ感じ
させる。
 坂巻がショーツに浮き出ているお尻の割れ目を、指先でなぞった。
「あっ!」
 次の瞬間、いきなりショーツを膝までずり下ろされた。白い臀部が露わになる。ひんやりした空気をお尻に感じた由香
は、思わず声をあげて上体を起こした。
「おい、柴崎、勝手に姿勢を崩すな!」
 間髪を入れずに、平沼の怒声が響く。
「ハイっ、すみません!」
 そう答えるしかない由香は、再びお尻を突き出し、坂巻の愛撫に委ねた。
「そうだぜ、俺は練習を手伝ってやってるんだからな」
 坂巻は満足そうに言った。その手は、引き締まったお尻の柔肌を撫で回した後、割れ目を押し開き、肛門の襞を指で
一本ずつなぞる。
 それを見ていた他の客たちも、次々に少女のショーツを捲っていく。剥き出しになった少女たちのお尻が右へ左へとう
ねる。
「はんっ!」
 由香が喉を伸ばして仰け反った。坂巻の手が太腿の間に差し込まれ、亀裂に指を這わせた。クリトリスをコリコリと転
がし、濡れた花弁を掻き分けて、秘孔に指を挿入する。
「ああっ!」
 由香は腰をせり上げ、激しく振った。膣に入れた指が強く締め付けられる。
「ほら、感じるだろ? 気持ちいいだろ?」
 坂巻は指を抜き差しし始めた。
「うっ…あ、うう…」
 指の動きがだんだんと速くなっていく。由香は紅潮した顔を振りながら、喘ぎ声を上げている。
「おっ、この子、抜群に可愛いじゃん」
 隣にいた男が由香に手を伸ばしてきた途端、坂巻の表情が激変した。目が据わって釣り上がり、顔色が青ざめてい
る。
「勝手に触るな!」
 そう言うなり、男の頬をいきなり拳骨で殴り飛ばす。頬を押さえた男が、そのキレ方に唖然として、ブルブルと震えてい
る坂巻を見た。
(恐い…)
 由香は心から恐怖した。帰国後の歓迎会でなんとなく感じていたことが確信となった。もとから性格異常を感じさせる
坂巻だったが、戦場での経験を経て、ついに「狂喜」の水域に入ってしまったようだ。
「今夜、リザーブ入れておいたんだ。一晩中可愛がってやるよ」
 興奮が収まり、再び表情を変えた坂巻が、ニヤニヤ笑いながらそう言った。

 情報部の拠点である旧視聴覚教室には、信彦と美咲がいた。今は滝川の姿はない。
「先生、わかった?」
 さりげない風を装って、信彦が尋ねた。美咲の前では余裕の表情を作ってはいるが、信彦には焦りがあった。調査の
進み具合について、滝川のプレッシャーは日増しに強くなっている。この任務は、彼にとっても「踏み絵」なのだ。
「………」
 さんざん迷った挙げ句、美咲は小さなメモを信彦に渡した。
「岩田先生に協力していた子は、おそらく、その二人のうちのどちらかよ」
 折り畳まれたメモを開いた信彦の目は、そこに書かれた名前に釘付けになった。
「私は指示に従ったわ。で、あなたはどうするの?」
 美咲が乾いた声でそう言った。
「………」
 信彦は無言でメモを見つめている。
 そこに書かれていた名前は「柴崎由香」、そして「安藤茉莉」だった。



 
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