国防省附属「星園・癒しの館」第2部
 
第5章 明日へ…  1

 彼女は悩んでいた。
 一人で抱え込んでいる問題を、仲間に相談するかどうかを…。
 彼女は知っていた。
 岩田先生の死が自殺などではなく、何者かによって殺害されたことを…。
 彼女は迷っていた。
 岩田先生が残した物を、誰か信頼でき、責任ある大人に委ねるべきかを…。

「ミキ、最近、スゴく可愛くなってきたね」
 真澄にそう言われて、ミキは照れ笑いを浮かべた。
「えっ、何?いきなり」
 そう言いながら頬を桜色にし、首を横に振る仕草もなんとなく色っぽい。星園にいて、女っぽくなるのは辛い慰安の反
映ではあるが、それでもキレイになることは、女の子にとっては大事なことだった。
「ホントだよ、ホントに!」
 そう力説した真澄は、可愛い女の子が大好きだった。と言っても、レズというわけではない。思春期の女子には、生々
しい男子よりも同性に好意を持つ時期があり、もともと潔癖な真澄は、その傾向が少し強いだけだ。以前、そうした好
意の対象だった嶋田麻衣は、ある時期から消息不明になっている。
 放課後、街に出る時間を与えられた二人は「ほしのおうじさま」にいた。
 ナチュラルテイストの調度で統一されたおしゃれな店内に、クリスマスの飾り付けが華を添えている。テーブルには可
愛いティーカップ。楽しそうにお喋りしている二人を見ていると、どこにでもいる女子高生が放課後の寄り道をしているよ
うにしか見えない。
「ねえ、2年の柴崎さん、安藤さんって、どんな人?」
 ミキが何気ないふうを装って、真澄に尋ねた。
「二人とも、スゴくいい人だよ」
 真澄は、迷わずそう答えた。
「もともと、男子からも女子からも人気があったんだけど、特に星園が「癒しの館」になっちゃってからね…。ほら、二人
とも綺麗だから、それだけ酷い目に遭うことも多いでしょ。それなのに、森脇さんと一緒に女生徒のまとめ役になって、
みんなを元気づけてくれてるの」
 凛とした由香の表情が脳裏に浮かぶ。陸上部の後輩になったミキに接する態度を見ても、しっかり者で、優しい由香
の人柄がよくわかる。しかし、それは、反愛国者に協力する者にも当てはまる資質だ。ミキは、さらに質問を続けること
にした。
「森脇さんって、自分は生徒会長の特権で慰安を免除してもらいながら、新しく来た子にいろいろ恥ずかしいことをさせ
てるって聞いたわ」
「誰っ!そんなデタラメ言ってるのは!」
 血相を変えて怒る真澄に、ミキは思わずたじたじとなった。
「誰って…」
「きっと、3年の浜本さんとかでしょ!ダメよ、そんな
デタラメを信じちゃ!」
 真澄は真っ直ぐにミキの目をのぞき込むようにして、言葉を続けた。
「森脇さんが励ましてくれるから、私たちは絶望せずにいられるの。それに、私たちができるだけ酷い目に遭わないよう
に、館との交渉もしてくれてるのよ」
「…そうなの?」
「私、森脇さん、安藤さん、柴崎さん、みんな尊敬してる。特に柴崎さん。私が自棄になった時に『女の子はどんな時で
も、きれいにしていないと、がんばれないよ』って、髪をきれいに整えてくれたの」
「ふーん…」
 真澄を励ます由香の姿は、容易に想像できる。ミキは由香のことを好きになり始めた自分に気づいた。そして、信彦
に与えられた任務を考えると、とたんに息苦しくなる。
「やあ、こんにちは」
 そう声をかけて、三十歳ぐらいのがっしりした体格の男が二人、ミキたちのテーブルにやってきた。
「工藤真澄ちゃんと、平良ミキちゃんだよね」
 防衛隊の身分証をチラッと見せた男は、許可を求めようともせず、あたりまえのようにミキの隣に座った。その手には
『星の園』が握られている。
 慰安嬢たちが街に出る時間というのは「自由時間」ではなく、喫茶店は、慰安客が「品定め」をする場でもある。
 真澄の右に座った男の左手が、いきなり彼女の肩を抱いた。
「君のアソコ、すごく具合がいいんだって?」
 あきらかなセクハラ質問。普通、初対面の女性にそんな質問をすれば、警察に突き出されても文句を言えないところ
だ。しかし、男たちは悪びれる様子もなく、好奇心に目を輝かせて、真澄の返事を待っている。店にいた他の客も、彼
女に注目しているようだ。
「あの…、それはわかりません…、ただ、オ××コがよく締まって、気持ちいいって言っていただきます…」
 それは、自尊心を捨て、自ら慰安嬢であることを認めた答えだった。場所も時間も関係なく、人目も憚らず投げつけら
れる屈辱的な質問に、彼女たちは卑猥な答えを返さなければならない。無視することなど、許されなかった。
「どんな相手でも、5分以内で射精させられるって本当?」
 ミキの隣に座った男がそう尋ねる。その手は、さっそくミキの胸を揉みしだき、ミキは必死で声が漏れるのを我慢して
いた。
「そんなこと…、ないと思います…けど…」
 恥辱に震える声で真澄が答える。ふと顔を上げると、店にいるお客が見渡せた。十人程いる客が、彼女たちの方を
向いてニヤニヤ笑ったり、ひそひそと話をしている。
「ほら、ここに書いてあるよ」
 そう言いながら、男は『星の園』の紹介記事を声に出して読み始めた。
「入れただけで射精しそうなキツイ締め付けと膣壁の絶妙な刺激で、館一の名器と言われる2年の安藤茉莉に迫るほ
ど…」
「どれどれ…」
 隣の男の右手がスカートの中に伸びてきた。股間の布の隙間から男の指が進入する。
「あっ…」
 真澄が声をあげて、眉根を寄せる。男は、繊毛の感触を指で確かめて、笑みを浮かべる。さらに指を奥に忍ばせ、陰
裂を確かめるようになぞった。
「あ…ああ…」
 真澄の声が漏れる。男は指を一本、彼女の中に押し込んだ。濡れ始めていた秘孔は、指を容易く受け入れていく。
「特に自分の意思で膣圧をコントロールし、自由に締め付けを変えられるのは彼女くらいで、もちろん全学年を通じても
トップクラスの名器…」
 相方が記事を読み上げるのを聞きながら、男は挿入した指先をクイッと上に向け曲げた。膣に入れた指が強く締め
付けられる。
「これは確かに凄い締め付けだ。指がくいちぎられそうだな」
 男が指を動かす。乱暴に体内をかき回す動きに、真澄は必死で耐えた。
「ミキちゃんは、フェラチオが上手なんだろ。ここに、君におしゃぶりしてもらった男の体験記が載ってるよ」
 『星の園』を手にした男が、隣に座るミキの顔を見た。
「…ここで、ミキちゃん、いきなり、チ×ポを深々と咥え、舐め、しゃぶり、吸う。右手は根本を、左手は睾丸を優しく揉み
さすり、それだけでもう夢心地だ…」
 男がひときわ大きな声で記事を読み上げる。ミキが耳まで真っ赤になった。
「…舌で亀頭をねぶり、裏筋を擦り上げ、尿道に舌先を差し入れる…」
「男の人に気持ち良いって言っていただきたくて、毎日、一生懸命、オチ×チ×をしゃぶる練習をしてますから…」
 それ以上卑猥な描写を読まれたくなくて、ミキが遮るようにそう答えた。
「そうか…、じゃあ、ちょっと、ここでやってみてよ」
 男が事も無げに言う。ミキは驚いた表情を浮かべた。ここは、他の客もいる喫茶店なのだ。
「どうしたの?」
「は、はい…」
 それでも、拒否することなど、許されない。周囲の目を期にしながら、ミキは四つん這いになって、テーブルの下に潜り
込む。店内にいる客の視線が集中する。制服のスカートが捲れ、白いパンティに包まれたお尻が丸見えになっていた。
「失礼します…」
 ミキの声に男の表情が緩む。彼の両膝の間で、ひざまづいた美少女が、潤んだような瞳を向けて見上げている。
 ミキは男のズボンに顔を埋め、チャックを歯で降ろし、歯と口で器用に肉棒を取り出す。これも信彦に仕込まれた技
だ。
「おおっ!」
 清純そうな娘の大胆な行動に、男が驚嘆の声をあげる。透明の先走り汁を滲ませた先端に、ミキは柔らかなピンクの
唇を押し当てた。
 濡れた唇から舌を出し、亀頭部から王冠部、えらの裏側から裏筋へと舌を這わせていく。男の怒張が、ミキの唾液に
濡れ、見る見るうちに反り返っていく。
「どうですか、気持ちいいですか?」
 小首を傾げるような仕草でミキが尋ねる。
 館のカリキュラムで仕込まれ、時間外には信彦のモノで復習させられたおかげで、ミキは男の喜ばせ方をすっかり身
につけていた。
 えらの裏側から砲身全体に舌を這わせ、ハーモニカを吹くように、横で咥えては怒張に吸い付く。ついには、怒張を喉
の奥まで飲み込んでいった。
「最高だよ。君の口マ×コ…」
 男は嬉しそうにそう言った。
「…ありがとう、ございます…」
 お礼を言ったミキは再び陰茎を口に含んだ。頬をすぼめ、唇で包むようにして肉棒をしごく。時折、舌を動かし、棹の
裏を擦る。あまりの気持ち良さに、ミキの口の中で肉棒が一気に膨れ上がる。
「うっ…、出るぞっ…」
 呻き声とともに、喉の奥めがけて大量の精液が放たれた。ミキの喉がゴックン、ゴックンと動き、男の放った精液を飲
み込んでいく。
「ねえ、ザーメンってどんな味がするの?」
 そう尋ねた男は、真澄の秘孔に埋めた指を動かしつづけている。テーブルの下にいるミキの耳には、グチュ、グチュ
という音がしきりに聞こえ、真澄の陰部から溢れた愛液が椅子をビショビショにしているのが見える。
「えっ、しょっぱくて…、お…、おいしいです…」
 ミキが恥ずかしそうに答えた。
「あ、あ、あ…」
 真澄のせっぱ詰まった喘ぎ声が聞こえる。
「よし、決めた。今夜は一晩中、君たちと楽しもう!」
「最高のクリスマスにしようぜ!」
 そう言うと、ミキにお掃除フェラをさせながら、男が携帯電話を取り出した。館の予約センターに電話するのだ。

 敷地の北にある裏門を通って、黒塗りのセダンが駐車場に入った。SPに護られてVIP室に客が入り、それを見届け
た随行員が、南原事務局長の執務室にやって来る。
「おやおや、審議官が随行役ですか?」
 出迎えた南原が驚いた顔で出迎えた。須崎と一緒にやってきたのは、徴兵法にもとづいて館に転入生を送り込むシ
ステムを作った、馴染みの深い文教省の審議官だった。
「須崎さんは、以前からここに来られていたようだが、なにしろ、総理になられたからね。一人で来るわけにはいかな
い。かと言って、ここの場合、誰でも随行できるというものではないからね」
 省内でも「やり手」だと評判の審議官がニヤリと笑う。「教育」に強い関心を持つ須崎とつながりを持つことで、彼は力
を手にしたのだ。
 VIP室備え付けの、大理石を贅沢に使ったバスルーム。ソファに似た造りの浴室椅子に、全裸の須崎がリラックスし
た表情で腰掛けていた。
 予算編成も無事終えて、ホッと一息つきに来たのだ。
 心配された財源も、「有事」を理由にした増税で乗り切れる目処が立った。国民は細々した予算支出にはうるさいが、
外国の例などを持ち出して、大仕掛けで議論をふっかけると、意外なくらい従順に負担を受け入れてしまう。マスコミを
最大限利用して「国家の危機」「負担を語らない政治家は、政治家にあらず」と煽らせたのも、図に当たった。これで、
アルメイア軍との軍事協力も、須崎を支援する軍需企業への減税も大手を振って実施できる。そのうえで、雀の涙ほど
社会保障に使っておけば、「福祉の充実」もアピールできるだろう。
 ほくそ笑む須崎の体を、シャワーを浴びる前に二人の少女が隅々まで舐めてきれいにしていく。
 福岡から転入してきたばかりの1年生、早川瑠奈が首筋から舐め始め、3年生の樫村美里が床にひざまづいて、足
の指を口に含み、爪の間や指の又まで丁寧に舐めていく。
 正面には、ほんのりと桜色に染まった茉莉の裸体がある。彼女は恥ずかしそうに背中を丸め、須崎の身体を洗うた
めに、自らの身体にボディソープを塗っていた。
「茉莉、こっちに来なさい」
「はい…」
 須崎は、近づいてきた茉莉の裸身を抱きしめると、その柔らかな唇を奪う。
 政権内の実力者だった彼には、これまで様々な慰安嬢が捧げられたが、茉莉は特別だった。それは、最高権力の座
に昇り詰めても変わらない。
 荒い息づかいとともに舌先をねじ入れ、少女の甘く香る口腔をこねくりまわす。鼻先を擦り合わせるようにして、興奮
の吐息を漏らしながら、須崎はソープでぬめる茉莉の身体をきつく、きつく抱擁した。
「お…、オチ×チ×、…舐めさせて、いただきます…」
 躊躇うような瑠奈の声がして、ペニスが温かい粘膜に包まれた。
「お尻の穴、舐めさせていただきます…」
 淑やかな美里の声と同時に、アヌスが舌先を感じ始めた。
 茉莉は、送られてくる須崎の唾液を従順に燕下し、自らも相手の舌をチロチロ舐めさすった。
「…で、どうだろう?総理ご依頼の件、館長は、まだ了解してくれないのかね」
 審議官がこのところ懸案となっている話題を持ち出した。須崎が、茉莉を愛人として身請けすることを申し入れている
のだ。
「権力基盤、世論の支持、実行力に出自…、どれをとっても、ここ数代出なかった『無敵の総理』だ。彼を味方につけて
おくことは、館にとっても、悪い話じゃないと思うんだがね」
「ええ、私は理解しておるのですが、館長のお考えは違うようで…」
 南原が言葉を濁した。権力者に身請けさせるというのが、諸藤の考えと合わないらしく、彼は頑として受け付けない。
「まあ、館長の嗜好は、私も良く理解しているつもりだがね」
 富士が苦笑まじりに言った時、ノックの音とともに、緊張した声が聞こえた。
「失礼します…」
 入ってきたのは、体操服にブルマ姿の少女だった。白い生地を胸の膨らみが突き上げ、ポッチリした突起までが透け
出ている。ブルマの股間は、くっきりと縦裂の食い込みを見せていた。
 審議官は、少女の全身を舐めるように見つめていた。突き刺さる視線を感じて、少女は唇を噛んでうつむいている。
その耳たぶが真っ赤に染まった。
 今夜のお相手を気に入ったらしく、審議官の表情が緩んだ。
「そうだ、館長から頼まれていた人選。体育科の責任者だがね。決まったと伝えておいてくれないか」
 慰安嬢を伴って部屋を出る間際、審議官が思い出したように、そう言った。
「ここにピッタリの人材だ。彼女に任せれば、体育科の隆盛は間違いなしだと、この富士善三が保証するよ」
「えっ?女性ですか…」
 南原が驚いた顔で、そう尋ねた。

「ああん…、い、いい…」
 マットに仰向けになった須崎に跨って、茉莉は白い喉を反らす。
 左右には美里と瑠奈がおり、泡のついた胸や股間を擦りつけるようにして、須崎の体を洗っている。
 須崎は茉莉の乳房に腕を伸ばし、揺れる膨らみを両手で掴んだ。指腹を弾き返すような若々しい乳肌の感触に、満
足げな笑みを浮かべる。
「乳首が立ってるぞ…」
 そう言いながら、勃起した乳首を指先で転がされる。茉莉は、切なげに身を捩った。
 須崎が茉莉の背中に手を回して、上半身を抱き寄せた。肌を重ね合わせると、体臭がムッと鼻先に立ちのぼり、茉
莉は密かに顔をしかめる。政界ではダンディと噂される須崎も、彼女にとっては、いやらしい脂ぎった中年男でしかなか
った。
 須崎の吐く息が首筋にかかる。ジトッと汗ばんだ掌が、無防備な背中を這い回っている。
(ああ、気持ち悪い…、でも、この男は総理なんだ…)
 その意識が、かろうじて茉莉を耐えさせた。



「う、あううっ…いや、感じちゃうう…」
 そう喘いで見せると、茉莉は須崎の唇に唇を押し当てた。普通の生活を奪われてもうすぐ9か月が過ぎる。亜弓や由
香の後ろに隠れていた彼女も、彼女なりに強くなっていかざるを得ない。
「おい、お前たち、つながってるところを舐めてくれ…」
 須崎が美里と瑠奈に命令した。茉莉とのセックスの最中に、他の少女に結合部分を舐めさせるのが、彼のお気に入
りの趣向なのだ。
「はい…」
 以前に経験している美里が返事をした。茉莉の丸いお尻の間から、陰部がのぞいている。ピンク色にぬめる秘孔に、
血管の浮き出た赤黒い太い肉棒がピッタリと収まっていた。瑠奈が息をのんでたじろぐ。
「さあ、舐めて…」
 美里にうながされ、瑠奈はおそるおそる二人の結合部に舌を這わせていく。美里も這い蹲るようにして、その部分を
舐め始めた。
 屈辱的で、淫らな愛撫。しかし、こうすることで、須崎を興奮させるとともに、茉莉の負担を少しでも減らすことができる
のだ。
 勃起した茉莉の敏感な芽を、美里が舌先で舐めあげる。
「あんっ…、そ、そこ…だめっ…」
 目を硬く閉じたまま、茉莉が左右に首を振る。膣口にそって瑠奈が怒張を舐めている。須崎との性交以上に、二人の
愛撫によって茉莉の性感が高められていった。
「いいっ…、もっ、もっと…、おくぅ…までぇ…」
 茉莉がゆっくりと動き始め、その度に小さな喘ぎ声を漏らす。挿入を浅くしたり深くしたりと、ゆっくりと男の官能を刺激
していく。
「あん、あん、ああん…」
「気持ちいいぞっ、茉莉…」
 須崎が歓喜の声を漏らす。幾重にも折り畳まれた肉襞が複雑に蠢いて、えもいわれぬ快美感をもたらす。男を喜ば
すために生まれてきたような、紛れもない名器だった。
 甘美な膣肉で締めあげられ、腰の動きで肉棒を濃厚にしごかれて、須崎の興奮は頂点に達した。
「ううっ…出るっ…」
 呻き声とともに、須崎は溜まった精液を茉莉の胎内に放った。
(また、中に出されちゃった…)
 ビクンビクンと射精を続ける感触に、泣きたくなるような思いとともに、茉莉は目を閉じた。

 年の瀬も押し迫り、2学期最後の授業が始まる。
 朝一番の3年生のホームルームで発表された内容は、3年生だけでなく、すべての慰安嬢に衝撃を与えるものだっ
た。
「喜べ、卒業後のお前たちの進路が決まったぞ」
 教室に入るなり、担任の安達がそう言った。
「全員、防衛隊員として採用され、海外派兵部隊に編入される」
「えーっ!」
「そんなぁ…」
 女生徒から抗議と失望の声があがった。それは、卒業しても、家に帰ることは許されないということだ。
「とは言っても、戦闘行為には参加しないから、安心していいぞ。お前たちの任務は後方支援で、館での経験が、十二
分に生かせる仕事だ」
 少女たちをいたぶるように、ニヤリと笑った安達の言葉が意味することは、明らかだった。



 
 「国防省附属「星園・癒しの館」目次へ
 
 「Novels」へ
 
 「ぷろとこーる・ラボ」トップぺージへ 
動画 アダルト動画 ライブチャット