国防省附属「星園・癒しの館」第2部
 
第5章 明日へ…  4

 小春日和の日差しが、グラウンドを照らしている。訪問客が詰めかける中、集まった女生徒たちが真剣な表情で、念
入りにウォーミングアップをしている。
 4月から設置される体育科への編入試験のうち、第1次試験の体力測定は、2月上旬、普段のカリキュラムの中で、
午後のイベントとして実施された。
 対象となるのは、体育科への編入試験を受けるよう推薦された者以外。どちらかと言えば、スポーツが得意ではない
女生徒たちが中心だった。
「がんばろうね!」
 自らも受験する亜弓が、まわりのみんなに声をかけた。不安そうな女生徒たちの表情が、少しだけ和らぐ。
(一人でも多く合格するんだ…)
 亜弓は心の中で繰り返した。
 編入試験を二本立てにすることを決めた際、諸藤は再び亜弓を呼び出した。
「一次試験についても、受験者が真剣に取り組むよう、生徒会長から伝達してもらいたい」
「また…ですか…」
 亜弓の表情に非難の色が浮かぶ。体力測定だと言っているが、まともな試験だとは、とうてい考えられない。そうでな
くても、「館の手先」となること自体が、耐えがたい苦痛なのだ。
 そんな亜弓を見ながら、諸藤がゆっくりと言葉を継いだ。
「第1次試験に合格する者が多ければ、4月から慰安嬢全員に休息日を与えることにしようと考えている」
「本当ですか?」
 さすがに亜弓の表情が輝いた。それは、かなりのメリットだ。何しろ今、女生徒たちは、ほとんど休みなしで連日、慰
安と淫らな訓練の日々を送っている。専属のドクターがいて、健康を害することがない程度には体を休める時間が確保
されているが、「生かさぬよう、殺さぬよう」に扱われているというのが実感だ。
「君を相手に嘘をつくつもりはない」
 ぎごちない笑みを浮かべて見せる諸藤。他の者には決して見せない表情であった。
 確かに、諸藤の言葉に嘘はない。ただ、そうして決めた枠の中で、より都合の良い状況や仕組みを作ってしまうの
が、諸藤の特技でもあった。亜弓自身、諸藤と父との約束があるために、男とのセックスを強要されることはない。とこ
ろが、他の女生徒を守るためであったり、様々な理由から、結局、自らの意思でセックスすることになってしまう。
 そういう裏を読みとりながら、少しでもましな条件を切り開く、それが諸藤が亜弓に仕掛けてきているゲームなのだ。
「わかりました…」
 警戒の表情を崩さないままの亜弓をじっと見つめながら、諸藤は最後に言った。
「休息日の日数は、第1次試験合格者の人数に応じて決めることとする。一人でも多く合格するよう、頑張りたまえ…」
 諸藤の出した条件は、すぐに女生徒たちに伝えられた。その効果は絶大で、みんなが真剣に今日の試験に臨んでい
る。
「一人でも多く、合格しようね!」
「星園ーっ、ファイト!」
「おーっ!」
 亜弓のかけ声で、円陣を組んだ女生徒たちが一斉に声をあげる。琴美や由香、テニス部の植田陽子など、推薦組の
メンバーも応援に来て、仲間にアドバイスをしている。
「これから、体育科編入第1次選考試験、体力測定を行います!」
 マイクを手にした石堂がそう言うと、諸藤がおもむろに立ち上がった。
「諸君たちは、スポーツで成績をあげるための訓練を受けてはいない。無理に体育科に編入する必要はない。即ち、リ
タイアは自由だ」
「えっ、何を!」
 石堂が血相を変えて抗議しようとするのを、有無を言わさぬ視線で遮ると、諸藤は悠然とグラウンドに設置された本
部テントの中に入った。
 真意を測りかねた石堂が憮然とした表情で開始の合図を送り、いよいよ試験が始まった。
 張り詰めたスタート前の表情、砲声と共に飛び出し颯爽と走る少女。
「やった!」
 好記録をマークした茉莉が、ピースサインを見せた。



「やったね、茉莉!」
「ありがとう、由香のアドバイスどおりに走ったら、スゴい記録が出ちゃった!」
 そう言うと茉莉は、珍しくはしゃいだ表情を見せた。文化系のイメージが強い彼女だが、もともと足は結構早い。それ
を知っていた由香のアドバイスで、見違えるような記録になったのだ。
(安藤さんって、やっぱりキレイだわ…)
 喜びあう二人の横で、ミキは複雑な表情で茉莉を見つめていた。優美なという形容がぴったりの茉莉の顔に、汗がキ
ラキラ輝いている。
(あの人の「彼女」…)
 ミキの脳裏に信彦の顔が浮かぶ。その素性を知ったことを、まだ彼には話していない。
「ねえ、茉莉…、いきなりなんだけど…」
 周りに人がいないのを見計らって、由香が低い声で尋ねた。
「岩田先生って、吹奏楽部の顧問だったよね。どんな先生だった?」
「えっ?」
 茉莉は少し驚いた表情を浮かべたが、やがて何かを決意したように答えた。
「そうね…、立派な先生だったよ。いつも生徒のことを、真剣に考えてくれてた…」
「ほら、いつだったか、音楽系クラブの練習の音がうるさいって怒鳴り込んできた人がいたじゃない?」
「ああ、近所でもクレイマーで有名だったオジサンね」
「あの時、他の先生が逃げ回る中で、話をしたのは岩田先生だったでしょ?」
「そうそう、先生が筋を通して説明をして、結局、納得させちゃったの。あれ、ホントにスゴいって思った…」
 懐かしそうに言う茉莉の表情が、悲しげなものに変わっていく。
「『どんなに苦しい時でも、君たちの視線は常に明日へ向けておきさい』って、岩田先生、よく言ってた…」
 茉莉がそう言い、二人は顔を見合わせた。お互いが何かを言おうとした時、次の種目に誘導する石堂の声が響き、
会話はそこで途切れた。
 走り幅跳びのフィールドでは、紺野希がしなやかな脚線美で跳躍する。チア・リーディング部に所属している希だが、
目立たないポジションにいるせいか、推薦から漏れて、今日の1次試験を受けることになったのだ。
 希がさすがのジャンプを見せると、着地と同時に歓声が上がった。希は周りの女生徒たちとハイタッチをしている。
「希、スゴーイ!」
 応援に来ていた琴美が駆け寄って来て、希に抱きついた。濃密な慰安スケジュールから解放されたせいか、テストの
目的とは別に、みんなに女子高生らしい快活さが戻っている。
「やんっ…」
 続いて跳んだ小森美緒が、砂の上にペタンと尻餅をついた。その格好が可愛らしく、みんなの笑顔を誘う。彼女のよ
うに、本当にスポーツが苦手な女生徒も、1次試験には例外なく参加しているのだ。
 運動会のような華やかさの中で、ごく普通の体力テストにあるようなメニューが続いた。本格的にスポーツができる少
女たちを体育科に集めるつもりの館としては、きちんと体力測定をする必要があったからだ。
 それでも、集まった訪問客たちは上機嫌で見学していた。少女たちが、体操服にブルマで体を動かす姿を見ているの
は、それだけで目の保養になる。
 加えて、彼女たちは下着をつけていない。ノーブラの胸が揺れるのを見たり、時折、少女たちが、ブルマの股間の食
い込みやお尻を直すのも、彼らの目を大いに楽しませた。汗に濡れて、肌に張りついた体操服もセクシーだ。
「あら、あの子、凄いじゃない」
 石堂が目をつけたのは、真澄だった。ダッシュ、幅跳び、垂直飛びと、すべての種目で推薦組に勝るとも劣らない成
績を納めている。
「工藤は合気道の道場の娘ですわ」
 そう答えたのは1年生の担任をしている小林麗奈だった。すでに石堂の軍門に下った麗奈は、彼女とレズビアンの関
係を結んだと噂されている。うっとりと石堂を見つめる眼差しは、その噂が真実であることを裏付けていた。
「合気道?」
 石堂の質問に、麗奈が答えた。真澄の家は江戸時代から続く由緒正しい道場だと言う。しかし、星園高校には合気
道部がなかったため、工藤はどのクラブにも所属せず、早目に帰り、日課として家で稽古をしていたらしい。
「なるほど、だから基礎体力もあるし、運動神経もいいわけね」
 石堂は手にしたノートに、真澄の名を書きつけた。その目に淫靡な色が浮かんでいた。

「何だ?また来たのか?」
 受付からの電話をとった柳原は、露骨に迷惑そうな表情を浮かべた。
 ここは横木基地の後方支援部隊司令部の一室だ。
 フサイン派遣の際に坂巻の副官だった柳原は、引き続き防衛隊に残り、軍官僚としての如才ない実務能力を見せ
て、司令部入りを果たしていた。
 しかし、このところ、柳原はかつての上官の度々の訪問に悩まされていた。
 何か不都合なことをして、癒しの館への出入りが禁止になったらしく、権利を回復するよう、柳原に動いてほしいと言
う。どうやら、館に通うのが坂巻の生き甲斐になっているようだ。
「いい加減にして欲しいもんだな、まったく…」
 柳原は、部下だった頃から、坂巻に対しては尊敬の念も親愛の情も欠片も持っていない。まして、除隊した以上、顔
を見るのも不愉快だった。
 坂巻のもとでのフサインの日々は、柳原にとって、消してしまいたい過去でしかない。
「いないと言ってくれ」
 吐き捨てるようにそう言って、柳原は内線電話を切った。

 体育科編入試験の体力測定は、1時間を経過したあたりから、次第に怪しげな種目が入ってくるようになった。
 亜弓が次に受けたテストは「バーベル挙げ」だった。
 普通に手でバーベルを挙げた後、地面におかれたバーベルを見て、亜弓は思わず目を伏せた。
 バーベルの中央部には、ゴム製のリアルな疑似男根がついており、空を向かってそそり立っていた。
 周囲には大勢の訪問客がいて、興味津々の顔つきで亜弓とバーベルを見比べている。
「グリップをオ××コに入れて、膣圧だけで持ち上げるんだよ。さあ、森脇さん、ブルマを脱いで…」
 記録係になっている町田が、にやにや笑いながら言った。学業成績で勝つことができず、秀才を自認する彼のプライ
ドを傷つけてきた亜弓だが、今はこうして彼女を嬲り者にするチャンスが度々訪れる。身勝手な優越感に、町田は上機
嫌だった。
 亜弓の表情が凍りつく。バーベルを股間からブラブラさせている惨めな自分の姿が脳裏に浮かんだ。想像するだけ
で、悶絶するぐらいの屈辱だった。
「………」
 卑猥なバーベルを見つめながら、「リタイア自由」という言葉が諸藤の意地の悪い企みだということに、亜弓は気づい
た。
 リタイアが自由にできる状況のもとで、恥辱的なテストに直面した女生徒たちは、逃げたいという気持ちが、どうしても
頭をもたげる。強制されれば、「しかたがない」と自分を納得させることができるが、リタイヤを認められたことで、自ら
の意思で恥ずかしいテストを受けることを選択する形になるのだ。男たちは、そんな少女たちの葛藤や逡巡を楽しむと
いう趣向である。
 そして、「がんばろう」の言葉で女生徒たちを追い込んでいるのは、他でもない自分なのだ。
「どうしたの?まさかリタイアできないよね、生徒会長だもんね」
 心の中を見透かしたように町田が言う。
「………」
 亜弓は町田を軽く睨んだあと、ブルマを脱ぐと、両足を肩幅に開いて、バーベルを跨いだ。町田が粘っこい視線を浴
びせかける。
「さあ、グリップを入れて」
 町田の指示に従って、亜弓はゆっくり腰を下ろしていく。秘穴に向かってそそり立つ太い疑似男根が、膣口を広げて
入ってきた。
「くふぅ…」
 亜弓が目を閉じ、粘膜を擦られる感触に小さくわなないた。長い睫毛が震える。
「奥まで入れないと、抜けちゃうよ」
 町田がうれしそうに言った。
「…うぐっ」
 肩の力を抜いて腰を落としていくと、グリップが肉襞を押し広げていく。とうとう亜弓は、太い疑似男根を体の奥深くま
で押し込んだ。
「おおっ、入ってる入ってる…」
 町田がしゃがみ込んで、亜弓の太腿をこじ開けた。股間をのぞき込み、牛乳瓶の底のような眼鏡の縁を摘んで、奥ま
で挿入されているかを確認する。指先で撫でると、バーベルについた疑似男根が根元までぴっちり埋め込まれていた。
「みなさんも、確認をお願いします」
 町田に促されて、観客たちも順番に亜弓の股間に手をやり、柔らかな割れ目の感触を楽しみながら、太いグリップが
ズッポリおさまっているのを確認する。
 亜弓は目を閉じて唇を噛みしめ、じっと恥辱に耐えていた。
「さあ、持ち上げて!」
 亜弓は秘肉に力を込め、膣口を力いっぱいに締めつけた。眉が切なげにたわみ、閉じた切れ長の目元がポウッと色
づく。
「うっ…」
 腰を持ち上げると、股間にぐっと重力がかかる。小さな呻き声を漏らし、バーベルを落とさないように気を使いながら、
亜弓がゆっくりと腰を上げていく。
「おおっ!」
 見物客が声をあげ、拍手をした。がに股になった少女の股間にバーベルがぶら下がっている。
「森脇さん、いいカッコだよ」
 町田が嘲笑を浮かべた。
 羞恥の色が亜弓の顔に浮かび、雪のような白い肌がみるみるうちにピンク色に染まっていく。体が震えているせい
か、空中でバーベルがかすかに揺れている。
「まず、1キロはクリア。次は2キロね」
 そう言うと、町田は一回り大きなバーベルを地面に置いた。

 反復横跳びでも、身体能力の高さを示した真澄は、隣のフィールドに移動した。
 そこには、授業で使われるダッチハズバンド2体が、1メートル程の間隔を空けて、仰向いている。
「よう、次は工藤かぁ!」
 ここの記録係は、クラスメートの河野だ。真澄の順番だと見ると、卑猥な笑いを浮かべて手を振った。
 以前は気の強い真澄のことを敬遠していた河野だったが、性実技の授業でペアになって以来、彼女の身体が気に入
ったらしく、何かとパートナーになろうとする。
「お願いします」
 真澄は素っ気ない口調で、河野にお辞儀をした。彼の存在は、真澄にとって既に耐えがたいものになっている。しか
し、河野はそれを含羞と受け取った。
「反復腰振り、ヨーイ」
 見物客が集まってくる。河野の号令で、真澄はブルマを脱いで、右側のダッチハズバンドを跨いだ。開いた両脚が小
さく震えた。
「スタート!」
 合図とともに、真澄は足をM字型に開いて腰を下ろした。ダッチハズバンドの股間でそそり立つ突起が、肉襞を押し
分けて侵入してくる。
「うっ、くうっ…」
 真澄は腰を落とし、男根を根本まで押し込んだ。そのまま腰を上下させて、抽送運動を始める。
 体の動きに合わせて、艶やかな黒髪が宙に跳ね上がり、サラサラとなだれ落ちる。体操服の胸がプルンプルンと激し
く揺れる。
「おおっ、人形のチ×ポがオ××コの中にズッポリ入ってるぞ」
 河野がうれしそうな声をあげた。真澄が身体を上下させるたびに果肉がはみ出し、また巻き込まれる。
 10回出し入れすると、真澄は立ち上がり、反復横飛びの要領で、左のダッチハズバンドに跨り、疑似男根を挿入し
て、腰を激しく振る。
 制限時間内で決められた回数をこなさないと、点数がもらえない。もちろん根元からカリまで確実に擦らないとカウン
トされない。
 テストに合格することを亜弓に約束した真澄は、大勢の見物客の視線を浴びながら、右から左、左から右へと2体の
ダッチハズバンドの間を行き来し、リズミカルに腰を動かす。
「くうゥ、うン…ううゥゥ」
 真澄は、思わず漏れそうになる喘ぎを必死でかみ殺した。ダッチハズバンドに跨って感じているのを悟られることは、
屈辱以外の何ものでもない。
 しかし、膣内を擦る疑似男根は、毎日の訓練で感じやすくなっている少女の身体を、いやがおうでも燃え上がらせる。
「うんっ…くぅんっ…」
 腰の動きに合わせて、クチャクチャという淫らな音が股間から聞こえてきた。揺れる乳首が尖りを見せて、体操服の
生地に映っている。
「くうぅ…、あっ、ああん…」
 とうとう甘い喘ぎが、熱いため息とともに吐き出された。
「へぇ、こんな人形相手に、かなり気持ちよさそうじゃん。工藤って、好き者なんだね」
 すかさず河野が、嬲るように声をあげる。見物客の笑い声が響く。
 みるみる真澄の顔一面に朱が広がった。細く流れるように美しい眉が哀しげに歪み、真っ白な前歯で小さな唇をギュ
ッと噛みしめる。
「これは、いい見せ物だ」
 観客の中から聞こえたそんな声に、気丈な真澄の表情が、今にも泣き出しそうな顔に変わった。

 茉莉は筋力テストのフィールドにやって来た。平沼からテストの方法を聞いて、思わずその表情が強張る。哀しげな
視線の先には、男子たちの一団がたむろし、下品な笑い声を立てて1年生の女子をからかっていた。
 茉莉が近づくと、男子たちの視線が、いっせいに彼女に注がれる。豊川、大谷、北上…かつての同級生、そして、今
は茉莉の苦手な面々が顔を揃えていた。
(どうしよう…)
 思わず、茉莉の足が止まった。「リタイア自由」という諸藤の言葉がよみがえる。途端に、逃げたいとの思いが茉莉の
脳裏をよぎった。由香のアドバイスもあって、ここまでは順調にポイントをあげてきたが、もともと、特にスポーツが得意
というわけではない。第1次試験にパスしても、結局、茉莉が体育科に入ることはないだろう。それなら、ここでリタイア
しても良いのではないか。精一杯やるべきことはやったのだ…。
(ダメ、ここで逃げちゃあ…)
 茉莉は激しく頭を振った。なんとかして、みんなの状況を改善しようとしている亜弓を、少しでも助けたいと心に強く念
じた。どんな状況でも逃げずに、ベストを尽くすこと…、それこそが、尊敬する岩田先生が彼女に残した遺訓でもある。
 茉莉は一歩前に進んだ。
「おおっ、次は安藤じゃん!」
「やった!ラッキー!」
 大谷と北上がはしゃいだ声をあげ、豊川が茉莉の全身を舐めるように見る。
 星園高校では、彼らが入学する遥か以前に女生徒の反発で廃止されたブルマ姿だ。しかも、布地は薄く、面積も小さ
めで、前は大陰唇の形さえわかるぐらいの食い込みを見せ、後ろはお尻がはみ出している。見上げると、体操服の胸
に乳首がポッチリと浮き出ていた。
 かつての憧れの美少女、いまは慰安嬢ナンバーワンと言われる茉莉がそんな格好で立っている。男子たちのボルテ
ージはいやがうえにも高まった。
「お願いします…」
 茉莉は男子たちと目を合わせることができず、視線を逸らしたまま頭を下げた。
 ジャンケンに勝った豊川が喜色満面で立ち上がった。得意げに手を振る豊川に、他の男子が羨ましそうな視線を向
ける。
 豊川は茉莉の前に立って、ジャージとトランクスを下ろした。男根は半立ちで、まだ挿入できるほど堅くなっていない。
「立たせてくれよ」
 粘っこい視線を向けて、豊川が言った。茉莉はゆっくりと地面に両膝をついた。
「那須のチ×ポだと思って、気分を出してしゃぶってくれよな」
 豊川はそう言いながら、茉莉の顎を摘んでしゃくりあげた。意地の悪い視線にぶつかり、茉莉の表情が強ばる。
 入学当時から茉莉に思いを寄せていた豊川は、信彦と茉莉が付き合うようになった時の悔しさを根に持っており、授
業やイベントで茉莉とペアになる度、信彦のことを持ち出す。
 美少女のフェラチオシーンを鑑賞しようと集まって来た客が、二人の周りをぐるりと取り囲んだ。屈辱に耐えながら、
茉莉が男根を握り、口に含んだ。豊川は、それだけで唸りをあげ、快感に身悶えた。
 フェラチオをしながら、茉莉は自らブルマの基底部に手をあて、柔肉を撫で始めた。自分の身体の準備も必要なの
だ。唾音をたててフェラチオしながら、片手で陰茎をしごきあげ、もう一方の手で自らの花芯を撫でさする。
「誰のことを想ってマンズリしてるんだ?やっぱり、那須か?たまには俺のこともオカズにしてくれよな」
 豊川がすかさず、棘を含んだ口調で言う。
 聞こえないふりをして、亀頭のまわりに舌を這わせていると、肉棒が次第に堅くなってきた。茉莉は、亀頭を舌の腹で
ねっとりこねながら、筒の中程を強く指で締め、包皮を上下にこすった。あやうく発射してしまいそうになり、豊川が慌て
て腰を引く。
「腹筋を始めます…」
 そう言うと茉莉は、仰向けになって脚を広げた。
 豊川は太腿の間に座り、茉莉のブルマのクロッチ部分をずらした。露出した陰裂に、勃起した肉棒をあてがう。
「腹筋、スタート!」
 合図とともに、怒張が亀裂を割り裂いていく。根元まで挿入すると、豊川は茉莉の太腿を押さえ込んだ。
「いち、にー、さん…」
 その状態で、茉莉が腹筋運動を始めた。
 茉莉が上半身を起こすと、秘孔から豊川の陰茎が引かれ、倒すと奥に吸い込まれていく。ちょうど、ピストン運動をす
るようにしながら、腹筋運動をするのだ。
「あっ、あぁ、あんっ…」
 肉棒が出入りする度に、茉莉が喘ぎ声を漏らす。
 ずっと思いを寄せていた美少女の顔が紅潮し、次第に息遣いが荒くなっていく。そんな茉莉の様子に、豊川の欲情が
激しく煽られる。
「う…、気持ちいいぞ…、絡みついてくる…」
 豊川が呻き声を漏らした。
 筋力トレーニングは運動部だけでなく、歌や楽器を演奏する者にとっても、取り入れられているトレーニングだ。クラリ
ネット奏者の茉莉も、それなりの回数、腹筋運動をこなすことができた。
 その分、豊川は名器と噂される茉莉の膣内で陰茎を擦られることになる。茉莉が腹筋を終える前に、豊川はたまら
ず、ありったけの精液を放った。
 腹筋の次は腕立て伏せだ。
 茉莉が四つん這いになった。腹筋運動で果ててしまった豊川に代わって、大柄な大谷が後ろに回った。
 茉莉の腰が、大谷を誘うかのように揺れている。ブルマを膝まで下ろすと、つるりとしたお尻が露わになった。
「ほら、もっと腰を持ち上げて…」
 背中を押さえつけてヒップをいっそう突き出させる。ぱっくりと口を開けた秘孔が、大谷の前に現れた。ついさっきま
で、豊川の怒張が差し込まれていた秘孔は、新しい怒張を探しているかのように、ヒクヒクと閉じたり開いたりしていた。
そこから白い精液がトローっと洩れてきた。
 大谷は興奮した表情で、茉莉の腰を両手でしっかりと押さえ込んだ。
「腕立て伏せ、スタート!」
 かけ声と同時に、茉莉が恥ずかしそうに言った。
「オチ×チ×を…入れてください…」
「よしっ!」
 大谷が双臀を鷲掴みにして、荒々しく押し広げた。ぱっくりと口を開いたクレヴァスに肉茎を押し当て、茉莉の腰を自
分の腰へ向けて、力いっぱい引っ張った。
「あはン…」
 体操服に貼りついた茉莉の背中が弓なりに反った。
「いち、にー、さん…」
 大谷がカウントする。茉莉の腕の曲げ伸ばしに合わせて、ペニスが膣に出入りする。大谷の肉棒に押し出された豊川
のザーメンが、茉莉の太股を伝い白い筋を作っている。
「おぁっ!」
 大谷が獣のような声をあげた。茉莉の膣が大谷のペニスをキュッキュッと絞り込む。思わず射精しそうになるのを、大
谷は必死で堪えた。
 腕立て伏せが終わると同時に、大谷も茉莉の中で果ててしまった。
 最後はスクワットだ。3人目のパートナーの北上が地面に仰向けになる。
 北上は反り返った怒張に手を添え、角度を調節して、茉莉の股間に当てがう。エラの張った亀頭が花芯に触れた。反
り返った勃起の先で濡れ具合を楽しむように、何度もなぞっておいてから、テカる亀頭部を、肉孔に押し当てる。
「よーい」
 茉莉がゆっくりと腰を沈めていく。先端が内部へともぐり込んできた。
「スタート!」
「うッ…ああ…」
 茉莉は勃起した肉棒を一旦、根元まで埋め込むと、腰の反動を使って立ち上がる。そして、また膝を曲げて、男根を
奥まで挿入する。
「あン!…」
 リズミカルに腰を振る度に、肩までの髪がハラリと乱れ、甘い声が漏れる。腰の動きに合わせて、体操服の胸で乳房
がプルンプルンと大きく揺れる。
「あっ、あっ、あっ…」
 茉莉が続けざまに喘いだ。すっかり堅くなった肉棒が、陰唇を割って体内に潜り込む。スクワットで上下する度に、北
上の肉棒で貫かれ、身体の奥底を揺さぶられるような性感が湧き起こるのだ。やがて頭が真っ白になっていく。
「うっ…!」
 北上の方も呻き声を漏らす。茉莉の膣が絶妙な感触で肉棒を締め付ける。幾層もの肉襞が、勃起に粘りついてくる。
耐えきれなくなって、北上は腰を突き上げた。
「あうぅ、はぁん、はあぁんっ!」
 快感を告げる声を漏らしながら、茉莉が顎をあげた。それは、絶頂の近さを示していた。身体がひとりでに跳ね上が
り、脚が突っ張った。
「うぉぉぉっっ…」
 先に耐えきれなくなった北上が、精液を茉莉の膣穴奥深くに放つと同時に、茉莉はギュッと目を閉じ、大きく背中をの
け反らせた。
「あ…、あうぅ、うン…!」
 北上の肩に手をついた茉莉が全身を震わせて、絶頂に達していた。
 見物客たちがパチパチと拍手する音を聞き、ギュッと閉じた茉莉の睫から涙がこぼれ落ちた。

「畜生、居留守を使いやがって!」
 その夜、横木の街で、浴びるように酒を飲みながら、あたり構わず喚き散らしている男の姿があった。
「あいつが、司令部に入れたのは俺の下で手柄をあげたからじゃないか!恩知らずめ!」
 十軒近い店を叩き出されたあげく、坂巻はやっと帰路についた。館に通いつめるのに最適の場所に買ったマンション
からは、慰安嬢たちの寮が見える。
 由香の部屋の窓に明かりがついているのを見た坂巻は、怒りの雄叫びをあげた。全裸の由香が他の男に抱かれ
て、よがり声をあげている姿が脳裏に浮かぶ。
 妄想の中で、由香が甘い鼻息を漏らしながら、突き出された陰茎にしゃぶりつく。
「この、淫売め!」
 したたかに酒に酔い、足取りもおぼつかなくなった坂巻は、這うようにしてマンションのドアを開けた。
 倒れ込んだ目の先に、ギターケースが置いてある。
 坂巻の濁った目に、ギラリと不穏な光が浮かんだ。
 四つん這いのままケースの所に行き、鍵を開ける。中にギターは入っていない。そこには、除隊の際に返却せずに隠
し持っていた銃が、鋼のにぶい光を放っていた。



 
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