国防省附属「星園・癒しの館」第3部
 
第1章 第二世代  4

 やっと消灯された部屋の中、ゴゴッという地響きのような男の鼾が聞こえてくる。その横で全裸のまま横たわった沙希
が、真っ暗な部屋の天井をじいっと見つめていた。
 眠りこけながらも、男の両腕は彼女に巻き付き、時折、無意識のまま柔肌を弄る。沙希の父親と同じか、それよりも
年上の中年男。この男が今夜だけで5人目となるセックスの相手、そして朝まで彼女の身体を自由にできる泊りの訪問
客である。
 熱を失い始めた股間が、冷たく濡れて気持ち悪い。「挿入したまま眠りたい」と言われて、シャワーを浴びることも許さ
れなかった全身に、男に撫で回され、弄り回され、舐め回された感触が消えることなく残っていた。さすがに挿入し続け
ることはできず、すでに身体はつながっていなかったが、自分の素肌から男の唾液と精液の臭いが漂ってくるような気
がする。
(私…、これからどうなるちゃろう…)
 目を閉じた沙希の睫毛の間から、涙がポロポロ零れ、ゆっくりと頬を伝っていく。
 ここに来てからの凌辱の日々は、人一倍気の強い沙希でもさすがに堪えた。じっとしていると、胸が締めつけられるよ
うに苦しくなり、そのことを思い知らされる。

「ほら、しゃぶれよ、沙希」
 跪いた沙希の鼻先にいきなり、残尿臭の漂うペニスが突き出された。顔を顰めて見上げると、町田がさも当然のこと
のように彼女の前に立ち、ズボンのチャックから取り出した陰茎を右手で摘まんでブラブラと揺すっている。まるで便器
のような扱いを受けて、沙希の表情が強張る。
 今日の午前は「性技」の授業だった。女生徒たちは朝9時から12時まで3時間かけて、様々な性のテクニックを身体
に叩き込まれていく。週に3日、訪問客が訪れる前の午前の時間帯に、この「性技」の授業があった。
 手間暇がかかるためだろう、日常的に新入生に貼りついて調教する役割は、男子生徒に任されていた。「性技」の授
業でも教師は立ち会って指導、助言するものの、実際に新入生の相手をするのは男子たちだ。性に貪欲で、体力も十
分なこの年代の少年たちにはうってつけの仕事と言える。
「そろそろ、俺のチ×ポを舐めるの、好きになってきただろう?」
 分厚い眼鏡ごしに卑猥な笑いを浮かべる町田を、思わずキッと睨んだ沙希だったが、町田は全く意に介さない。
(へへ…、こいつ、こういう気の強いところが、可愛いんだよな…)
 町田はニヤニヤ笑いながらそう思っていた。システマティックに調教を行うため、慰安嬢と調教役の男子は1対1の関
係にはなっていないのだが、すっかり沙希のことが気に入った町田は、何かと理由をつけて他の男子と交渉し、彼女の
相手を譲らせていた。慰安施設になる前からの星園高校の生徒で、フサインへの派遣歴もある彼らのグループは、男
子たちの中では一目置かれる存在なのだ。
「沙希の特訓の相手は俺がしてやるよ。できるだけ他の男子にはさせない。うれしいだろ」
 沙希の頭を軽く撫でながらそう言う町田の言葉づかいは、まるで恋人気取りだ。実際には彼の独占欲を満たしている
だけなのだが、不特定多数の男子の相手をさせられるより、自分一人とレッスンした方が、沙希もうれしいだろうと、半
ば本気で思っている節がある。戦場での体験がもたらしたものだろうか、フサイン派遣から帰ってきた男子生徒たち
は、どこか精神的に「壊れた」部分を抱えていた。
(いやっ!)
 沙希は、思わず心の中でそう叫んだ。彼女の方は纏わりついてくる町田のことを徹底して嫌っており、こうして髪を触
られるだけで全身に鳥肌が立つ。
「まず、先っちょを舐めてくれよ…」
町田が腰を突き出した。先走り汁で汚れたおぞましい亀頭が、沙希の唇にぶつかる。反射的に口をギュッと結び、顔を
顰めた沙希だったが、やがて仕方なく舌を出し、亀頭の割れ目に溜まった液体を舐めとっていく。
「そうそう…、次に舌の腹で擦るようにして全体を舐めて、裏側もしっかりとね…」
 軽い吐き気を覚えながらも、沙希は命令されるままに町田の肉棒に舌を這わせていく。カリの裏側を舌先で舐め、怒
張の裏の皺に沿って舌を押つけるように舐め上げる。沙希の唾液が塗られた町田の怒張が赤黒く光り、ビクンビクンと
跳ね上がった。
「いいぞ…、そうだ、玉袋も口に含んで舌で転がしてみろよ…」
 次から次ぎへと指示が出る。沙希は、その一つ一つをこなしていく。人形のように愛らしい顔が目を閉じ、頬をすぼめ
て町田の肉棒を咥え込んでいる。
「おい、しっかり目を開いて、俺の顔を見ながらやれよ」 
 町田がムッとした声で言った。恥辱と嫌悪感を和らげるために、沙希はずっと目を閉じて口淫奉仕を続けていたの
だ。
「………」
 沙希が切れ長の目を開き、上目づかいに町田を見る。そうすると、小さな顔がどことなくあどけない子猫を思わせるも
のになる。潤んだ目元がほんのりと朱に染まっているのが色っぽい。あまりの可愛さに、不機嫌だった町田の表情が
一気に緩んだ。
「根元からカリまで、唇で絞めたり緩めたりしながら吸って行くんだ」
 町田が得意げに指示をする。沙希は頬をへこませながら、陰茎を強く吸い、唇で締めて扱いていく。たっぷり唾液を
含んだ舌が肉棒を這いまわり、ヌルヌルになった怒張を時折、しなやかな指が甘く撫であげる。
「ううっ…、いいぞ、沙希…、へへへ、お前、すっかりチ×ポをしゃぶるのがうまくなったなぁ…」
 町田から投げかけられた言葉が、沙希の心に突き刺さった。こうして確実に、自分の身体は淫らなものに変えられて
いくのだ。思わず泣きそうになった沙希は、それを隠すために町田の腰に腕を回すと、股間に顔を埋めて、根元まで呑
み込んだ。
「おっ、先週の授業でやったディープスロートだな…」
 沙希の鼻先がチャックを開けたズボンの中に突っ込まれている様子を見て、町田がうれしそうに言った。
 沙希は涙が滲んでくるのを堪えながら、怒張を喉の奥深くまで出し入れする。先週も他の男子と交替した町田を相手
に、苦しくて何度も咳き込み、嘔吐しそうになっては、町田に怒鳴られ、叩かれながら覚え込まされた淫らなテクニック
だ。
「ううっ、沙希、ああ、気持ちいいっ…」
 町田の腰の動きに合わせ、沙希が急ピッチで顔を前後させ始めた。温かな口腔はまるで膣のように町田のペニスを
甘く包み込み、快美なピストン運動を続けている。
「で、出るぞっ…、う、ううっ…」
 ジンジンと波状的に押し寄せてくる快美感に、ついに耐えきれなくなった町田が声をあげる。同時に尿道を突き破るよ
うな勢いで精液が噴出した。
「むぐぅ…」
 口腔に精液独特の臭いと味が広がった。沙希は眉根を寄せ、ネバネバと喉に纏わりつく不快な液体をゴクッ、ゴクッ
と食道に流し込んでいった。

 その日の午後、新入生の沙希たちのクラスは訪問客の相手を免れ、上級生の公開授業を見学することになった。新
入生たちの間にホッとした空気が流れる。ここに連れて来られてから連日の凌辱で、みんな身も心も疲れ切っているの
だ。
 教室で待っていると、案内役の女生徒が現れた。
「こんにちは、3年の芦辺琴美です」
 童顔の小柄な少女が明るい声で挨拶をした。3年生の青いリボンをつけていなかったら、とても上級生には見えなか
っただろう。ふんわりした肩までの黒髪、大きな瞳、小さくて丸い顔、筋の通った鼻、ぽってりとして艶やかな唇…、笑顔
が可愛く、ついこちらまで笑顔になる。そんな日向の匂いのする少女だった。
「これから見ていただく授業は、みなさんにとって、少しハードなものになるかもしれません」
 言おうかどうかためらった後、琴美は眉根を寄せ、声を落として言った。
「でも…、ここで生きていくには、すごく…心構えが必要だから…」
 そこまで言うと、琴美は深いため息をついた。
「とにかく、行きましょう…」
 そして、新入生たちの見学が始まった。
 予鈴が鳴り、教室を出た新入生たちが列を作って階段を上っていくと、一人の女生徒が、手すりに縋るようにして、ゆ
っくりゆっくり階段を下りてくるのに出くわした。胸元の黄色いリボンは2年生の印だ。
「………」
 沙希は怪訝な顔をした。女生徒は大きめの制服のブラウスをゆったりと着ているにもかかわらず、お腹の部分が窮
屈なぐらいにせり出している。妊娠しているのは明らかだ。
「ねえ、芦辺さん、あの子、妊娠しとーの?」
 沙希は前を歩いている琴美に尋ねた。
「そうね。しかも、かなりの月数が経っているわね。もしかすると、臨月が近いかもしれない…」
 悲しげな表情で、琴美が答えた。沙希は思わず、琴美に詰め寄るように質問する。
「なんで?なんで、妊娠しとるんよ?」
 毎日何人もの男とセックスする慰安嬢は、コンドームの扱いを教え込まれたうえ、中出しを許可された客のために、
妊娠しないように常に避妊薬を与えられているはずだ。万が一、事故で妊娠してしまった場合にも、すみやかに中絶手
術が施されると聞いている。
「最近、VIPの人たちの間で、ちょっと困った遊びが流行っていてね」
「え?」
「女の子が妊娠すると、乳房がパンパンに膨らんだり、お腹が大きくなって身体が変化していくでしょ。それを鑑賞して
楽しみたいという人がいるの…」
「そんな…」
 沙希は思わず絶句した。
「出産するのを見物したり、母乳が出るようになると、それを飲みたがるたちもいてね。普通はそんなこと許されないん
だけど、偉い人たちの中には、特別に館の許可をとって、遊びで女の子を妊娠させちゃう人たちがいるのよ」
「そんな…、そんなこと、許されんわ!」
 琴美の説明に、沙希が怒りを露わにした。そして、次の瞬間、ハッとした表情を浮かべる。
「赤ちゃんは?ねえ、赤ちゃんはどうなるん…」
「さすがに里子に出して、きちんと育てるとは聞いてるけど…」
「ひどい…」
 女生徒が沙希とすれ違った。中学生と言っても通用しそうな幼な顔で、華奢な体に大きなお腹が似つかわしくない。あ
まりの痛々しさに、沙希は泣きそうになり、ギュッと唇を噛んだ。

 最初に沙希たちが入ったのは、理科実験室だった。
「3年生の授業よ」
 琴美が声をひそめて、そう言った。その顔には哀しげな表情が浮かんでいる。
 実験用の大きな机の上には、それぞれ全裸の少女が縛り付けられていた。その周りを、数人の訪問客がグループに
なって取り囲んでいる。
 見学の新入生たちもそれぞれの机に分かれる。やって来た新たな女生徒を見て、男たちが卑猥な笑いを浮かべた。
(ひ…、ひどい…)
 沙希の身体が怒りで震えた。彼女自身が初めての公開授業で机に縛り付けられ、身体を弄られたことを思い出し、
その時の恥辱がフラッシュバックする。
 しかし、目の前で拘束されている女生徒は、さらに悲惨だった。一糸まとわぬ姿で、まるで解剖実験のカエルのよう
に、両手を縛られ、両足をMの字に限界まで大きく開かされているのだ。腰の下には二つ折りにしたクッションのような
物を敷いて下腹部がせり出すようにされているため、陰部の割れ目が自然に開いて中の肉襞を覗かせ、お尻の菊蕾
までもが卑猥な笑いを浮かべる男たちの目に余すところなく晒されている。
 ストレートの長い黒髪が実験台に扇を広げたようになり、感情を押し殺すように横を向いた顔が淑やかで清楚な印象
を与える美少女だけに、その姿は痛々しいものがあった。
 ふと、少女の表情がわずかに和らいだ。沙希が視線の先を追うと、彼女を励ますように琴美が何度も頷いて見せて
いる。こうして励まし合うことで、女生徒たちは辛い生活に耐えているのだろう。
 沙希は無意識のうちに、優里の姿を探していた。隣の班に割り振られた優里は呆然とした表情で机に拘束された3年
生を見ていたが、沙希の視線に気づいたらしく、こちらを見た。沙希が頷いて見せると、優里は軽く微笑みを返してく
る。
「それでは始めることにしましょう」
 教壇に立った安達が、乾いた声で合図を送った。真正のサディストで、沙希たちがいる1年A組の担任だが、この授
業は彼が担当するらしい。
「あっ、あぁ…」
 机の上で少女が身を捩った。訪問客の一人が女陰の割れ目を指先でなぞっている。右の乳房は別の男に揉みしだ
かれ、左の乳首を指先で転がしている男もいる。安達の合図とともに、周りを取り囲む男たちが思い思いに手を伸ば
し、机に縛り付けられた女生徒の身体を好き勝手に弄り始めたのだ。
「この子の身体も実験していいのかな?」
 隣にいた太った初老の男が沙希を見て目を輝かせた。お気に入りの獲物を見つけたような視線に、さすがの沙希
も、心臓がギュっと締まるような思いがした。
「いいえ、この子たちは、見学です」
 引率していた琴美が、沙希の身体を庇うようにして即座に否定する。男は名残惜しそうに沙希を見た。机の上の少女
も十二分に美しかったが、沙希の美貌は、圧倒的に男を惹きつける。
「まあ、今日のところは…、ということですよ」
 その言葉とともに、沙希の肩にポンと手が乗せられた。いつの間にか近くにやってきた安達だった。初老の男はそれ
なりに高い地位にあるらしく、いつもは慇懃無礼な安達が珍しく丁寧に応対している。
「いずれ、この子も実験台に乗る日がきますから。それまでのお楽しみです」
「そうか、その日がわかったら教えてくれよ。予約するから…」
「承知いたしました、田野上様」
 初老の男は舌なめずりする様子で沙希を見た。沙希の背筋に冷たいものが走る。
「あっ…ああぁ…」
「うう…、あんっ、いやぁ…」
 教室のあちこちで女生徒たちの喘ぎ声が響く。机には様々な形状をしたバイブレーターをはじめ、女体を責めるため
の道具が数多く用意されていた。訪問客はそれらを使って女生徒たちの身体を刺激し、その反応をカメラやビデオを使
って記録していくのだ。
「窪井、お前も女子の身体の反応について、実験してみなさい」
 いつものように邪悪な響きを含む声で安達が言うと、沙希の手に小さな化粧用の刷毛を渡した。
「この刷毛で、吉崎のオ××コを刺激してやれ」
「ふふふ、先輩の身体を使ってお勉強だな…」
 田野上と呼ばれた初老の男がニヤニヤ笑う。
「ほらほら、こんなふうにやるんだ…」
 田野上が刷毛を握った沙希の手を掴み、拘束された女生徒、吉崎佳奈の股間に持って行った。沙希の手を上から握
るようにして、開いた縁に沿って佳奈の割れ目を刷毛で掃くようになぞっていく。
「あっ、あっ、ああっ…」
 佳奈は縛られて自由の利かない身体を、それでも必死でくねらせて、反射的に刷毛から逃れようとする。
「オ××コは非常に敏感だからな、強く愛撫するより、本当はこういう微妙な刺激の方がたまらないんだ…。こうして、し
ばらく刷毛でくすぐると、吉崎が七転八倒して悶えるぞ。さあ窪井、やってみなさい」
 安達の言葉に、田野上が手を離す。刷毛を手にしたまま表情を硬くして戸惑っている沙希を促したのは、意外にも机
に縛り付けられた佳奈だった。
「さあ、早く…、大丈夫よ…」
 それは、とても優しく、そして強い声だった。沙希がやらなくても、どうせ佳奈の身体は男たちに弄ばれるだけだ。それ
に、ぐずぐずしていると、今度は沙希自身がお仕置きの対象になることがわかっている。佳奈の思いを理解した沙希が
頷くと、佳奈は覚悟した表情で目を閉じた。
「あんっ…、ううう…」
 小陰唇を刷毛で撫でられ、佳奈が喘ぎ声を上げて、身悶えする。
「よし、いいぞ、その調子だ」
「あんっ、ああっ、ああぁ…」
 田野上の指が大陰唇を押し開く。沙希が手にした刷毛が花弁の襞々から肉襞の奥に忍び込み、その皺の一本一本
に微妙な刺激を与えていく。机に拘束された佳奈が太腿をバタつかせ、激しく身を捩って悶絶する。つま先が宙を掴む
ように曲がり、全身に力が入っているのがわかる。
「よし、次は女の身体の中で一番敏感なところを責めてやろう…」
 田野上の指が包皮を押し上げ、クリトリスを剥き出しにした。すでに濃いピンクに充血し、溢れ出た愛液をまとって真
珠のように光っている。
「さあ…」
 沙希が戸惑いながら、敏感な突起を刷毛で一撫でした。
「きゃあっ、だめぇっ!」
 佳奈が激しく身を捩り、火を押し付けられたかのように、悲鳴に似た声をあげる。あまりの反応の強さに、沙希が慌て
て手を引っ込める。
「ご、ごめんなさい…」
「い、いいの…、続けて…」
 佳奈に促されて、沙希が刷毛でクリトリスを撫でる。
「う、ううっ…ああっ、ううっ…あんっ…」
 身体を右に左にと激しく捩じる佳奈。大きく開かれた太腿が何度も閉じようと悲しい動きを繰り返し、左右の膝が痙攣
するようにピクピクと震えた。額からは大粒の汗が浮き出ている。
「う、ううっ…あっ、あっ、い、いいいっ…あっ、あああ…」
 佳奈は喉を退け反らせ、アクメを迎えた。
「これで準備はできたかな?」
 そう言うと、田野上は沙希を一歩下がらせ、確かめるように佳奈の陰部を触わり始めた。肉の割れ目がぐっちょりと
濡れ光り、縦裂の上の茂みは、愛液で恥丘に張り付いている。小陰唇の肉襞を指先で開くと、奥に溜まっていた愛液
が溢れ出し、お尻まで垂れていった。
「そろそろ、やってみようか…」
 田野上がそう言うと、安達が答えた。
「では、田野上様、手を拝見させてください」
 安達は田野上の手を取って、握らせたり広げさせたりした後、ちょっと眉根を寄せた。
「田野上様のような大きな手だと、そのままでは、きついと思いますのでね…、吉崎のオ××コにできるだけたっぷり、
ローションを塗ってください」
 田野上は安達から渡されたローションを手にとり、女生徒の股間に塗りつけていく。ヌルヌルした手で何度も股間を撫
で回され、佳奈が喘ぎ声を漏らす。
(準備って、何するんやろう…?)
 沙希は不安げな顔で男たちと佳奈を見比べていた。
「では、親指は内側に折りたたんで、残りの指をなるべく近づけてください。前から見たとき先端が細くなるように…」
 興味津々の表情で、田野上は安達の指示にしたがって手の形を作る。安達は男の腕を佳奈の股間に導いた。
「そのまま、ゆっくり入れてください…」
 何が始まるのかと怪訝な表情を浮かべていた沙希だったが、次の瞬間、我とわが目を疑った。男が束ねた指先を佳
奈の膣口に挿入したのだ。そのまま、ぐいぐいと力を入れているところを見ると、どうやら佳奈の膣に手を丸ごと突っ込
もうとしているらしい。沙希は悲鳴をあげそうになって、思わず口を押える。
「うぐっ…」
 佳奈が苦しげな声を漏らした。最初に四本の指が膣内に入っていく。柔らかな女性器の重なり合った襞が、少しずつ
左右に押し拡げられていった。
「うああぁ…」
 佳奈が右に左に体を捩った。男の掌が大きいというのは本当のようだ。
「ちょ…、ちょっと…、きつい…です…」
 切羽詰った半泣きの声をあげる佳奈に構う様子もなく、田野上の親指が膣口を押し広げた。
「ううっ、うぐっ…」
 指の付け根、掌で一番太い箇所が膣口にさしかかる。さすがに痛みがあるようで、佳奈の眉根がギュウッと苦しげに
寄った。田野上はすっかり興奮した様子でグイグイと拳を押し込んでくる。短い悲鳴が噴きこぼれ、佳奈が全身の筋肉
を硬直させた。
「ああっ!」
 佳奈の叫び声とともに拳が彼女の体内に押し入り、あっと言う間に手首まで膣に入ってしまった。
「よし、入ったぞ!」
 別の男がカメラを持ってきて、写真を撮り始めた。清楚な美少女の性器に毛深い男の手が手首の上の方まで挿入さ
れている。それは、サディスティックな男たちの趣味を満足させる絵柄だった。
「どんな感じだ?」
 佳奈にそうたずねながら、田野上が彼女の中で手を握ったり開いたりする。
「き…、きついです…」
 苦しそうに答える佳奈の体内で、男が腕を前後に揺すった。
「う、ううっ…う、動かさないで…あ、ううっ」
 男の腕の動きに合わせて、佳奈が机の上でのたうち回る。佳奈の全身がピンクに染まり、薄らと汗をかいている。
「ぎゃあああっ…」
 どういうふうに腕を動かしたのか、やがて佳奈が苦痛とも快感ともつかない声をあげて、全身を痙攣させた。肩で息を
して、目が虚ろになっており、軽い失神状態にあるようだ。
田野上が手を抜き去ると、さすがに収縮しきれないようで、膣口がぽっかりとした穴になって、大きく開いていた。中の
粘膜さえも見えている。
「こんなことをして、オ××コがガバガバにならないのかね?」
 客の一人が安達に尋ねた。
「大丈夫ですよ。筋肉を傷つけたりしなければ。それに、オ××コはすごく伸縮しますからね。かなり大きな物を入れら
れます。お客様のどんなリクエストにもお応えできる身体になることが、慰安嬢の条件なのですから」
 そう言う安達の視線は、あきらかに沙希に向けられていた。自分の性器やに男の腕が突っ込まれる日がくることを想
像して、沙希は強い恐怖を感じた。

「次は、ここを見てもらうわ」
 そう言って、琴美が沙希たちを案内したのは、男子トイレだった。
「えっ…、あれ…」
 新入生たちに動揺が走る。普通、男子の小便器が並んでいるところに、なんと全裸の少女たちが並んでいるのだ。タ
イルの上で正座した姿勢で両手と首を壁に固定されている。
 そこに二人の訪問客がやってきた。いずれも30歳代の、ひょろりと背が高い男と、背は低いながら筋肉質の体型を
した男だ。
「おっ、見ろよ」
「これが人間便器か…」
 二人は連れらしくお互いの顔を見てニヤニヤ笑いながら、壁に固定された少女たちを指さした。先に背が高い男が一
人の少女の前に立ってチャックを下げ、彼女の口にペニスを突っ込む。
「うぐっ…、うぐっ…」
 苦しげな表情の少女の喉が動いている。男が彼女の口の中で放尿し、それを飲まされているのだ。
 筋肉質の男は、彼の前で跪く少女が口を開けるのを待たずに、その顔に放尿し始めた。顰めた顔に勢いよく小便が
かかり、滴となって胸に腹に流れていく。
「こんな…」
 沙希が唖然とした様子で声を漏らす。あまりのことに、他の新入生たちも一様に声を失っていた。他人の尿を飲まさ
れたり、浴びせられるなど、正気の沙汰とは思えない。
「ふーっ…、気持ちよかったぜ」
「ああ、すっきりしたな」
 男たちは笑い合いながら、再び少女の口に陰茎を挿入した。少女たちは口に含んだ肉棒を舌で舐めて清めている。
「どんなことをしたら、こんな酷いお仕置きをうけるんですか?」
 憤然とした口調で、優里が琴美に尋ねる。
「これはお仕置きじゃないのよ。お客様に対するサービス。だから、あなたたちも順番が回ってくるかもしれないわ」
 沙希たちは愕然とした。やはり、ここは常識では考えられない場所なのだ。
 次の教室の中では、教壇に十名ほどの女生徒が四つん這いになって並んでいた。ブラウスの胸元のリボンは2年生
を示す黄色だ。上半身はきちんと制服を着ているのだが、下半身はパンティを膝までずり下ろされ、スカートも捲りあげ
られて、お尻を剥き出しにしている。
 訪問客の男たちは女生徒をバックから犯し、何かを言い合っていた。
「この子の愛液は、ちょっとねっとりした感じですな。さっきの子の方がサラサラしている」
「あの子は奥の方の締まりが良いよ。こっちは、入口で締め上げる感じだな…」
 順番にペニスを挿入しては、女性器の具合を品評し合っているのだ。
 中に見覚えのある男たちがいた。沙希たちの最初の公開授業にやってきた司令部の若手グループだ。
「おい、そこの娘たちも並べ!」
 グループの中でも押しの強さで鳴らしている渡瀬が、教室に入って来た沙希たちをみつけて、声をかけてきた。強引
にその手を掴んで2年生たちの横に並ばせようとする。
「申し訳ありません。この子たちは、今日は見学なので…」
 琴美が間に割って入った。
「見学…?」
「その娘たちも、慰安嬢だろう?」
 川部と橋口が不満そうな表情を見せる。
「わかっているのか?俺たちは、これをもらっている身分だぜ」
 そう言いながら、渡瀬が胸につけた金色の校章を示した。最初に館を訪問してからまだ一週間も経たないのに、すっ
かり常連気取りで、わが物顔にふるまっている。
「わかりました」
 そう言うと、琴美はグループの面々を見渡した。
「今日は、私がお相手をさせていただきます」
 顔を見合わせた男たちの表情が緩む。芦辺琴美と言えば、この館の看板娘の一人だ。その彼女が相手をするという
のだから、渡瀬たちとしても、不満があるはずがない。
 期待で顔を輝かせる渡瀬たちに囲まれた琴美は、教壇の上でパンティを膝まで下ろすと、二年生たちの横に並んで
四つん這いになった。渡瀬が嬉々として、白い双臀をぐいと押し広げる。
 ゆで卵のような光沢を放つ尻たぶの間から、柔らかい繊毛の翳りに彩られた性器が丸見えになった。待ってましたと
ばかりに、男たちの指が秘唇を這いまわる。
「芦辺琴美と言えば…」
 情報マニアの山村の手が制服のボタンを外し、ブラジャーを押し上げる。琴美の乳房がプルンと飛び出した。愛らし
い童顔からは想像できないぐらいの豊かな乳房である。
「ほーっ!」
 男たちが一斉に声をあげた。
「やっぱり、この巨乳だよな…」
 そう言いながら、山村がたっぷりとした釣鐘のようなバストをすくい上げる。最近はどうやら、慰安嬢の情報収集にも
余念がないようだ。男たちはかわるがわる、その感触を楽しんだ。
「さあ、そろそろやるか…」
 橋口が琴美の背後に立ち、割れ目に肉棒をあてがうと、ゆっくりと腰を進めた。狭いとば口を突破した肉棒が、絡み
つく肉襞を押し広げて、柔らかい内部に潜り込む。
「ああっ…」
 後ろから突き上げられて、琴美が顔を仰け反らせて喘ぐ。
「ほら、こっちもだ…」
 上体を倒した琴美の前に、山村が勃起した陰茎を突き出した。橋口との性交で喘ぎ声を漏らしながら、琴美は目の前
の怒張に舌を絡ませて、舐めあげる。山村が肉竿で唇を押し開き、喉の奥まで強引にねじ込む。
「うっ…」
 呻き声とともに、橋口が琴美の膣内に射精した。
「次は、俺だな…」
 渡瀬が替わって、琴美の後ろに回る。そこには、ぱっくりと口を開けた秘孔が目の前にある。ついさっきまで、橋口の
怒張が差し込まれていた秘孔は愛液に溢れ、ピンク色の襞肉をテカテカに光らせている。
「よし、入れるぞ…」
 渡瀬は琴美の腰を両手でしっかりと押さえ、股間で反り返った肉棒を宛がった。
「えっ…」
 沙希は思わず声を漏らした。渡瀬が肉棒を入れようとしているのは、性器ではなく肛門なのだ。他の1年生たちもそ
れに気づいたらしく、ザワザワと動揺が走る。
「渡瀬、また、そっちか?」
「お前たちも一度やってみろよ、オ××コとは違う締め付けがやみつきになるぜ」
 そう言いながら、渡瀬がゆっくり腰を送り出す。
「あんっ!」
 琴美の背中が弓なりに反った。菊座の皺々が渡瀬の亀頭に押し広げられていく。
(うそっ、こんなこと…)
 信じられない光景が、沙希を戸惑わせる。肛門は排泄するところとしか考えていなかった。そこに男根を入れるなど、
とても正気でできることとは思えなかった。
(あんなに太いのが、お尻の穴になんて入るわけないわ…、入るわけ…)
 沙希がそう思っている間にも、琴美のアヌスの中に渡瀬の怒張が押し込まれていき、ついには肉棒全てが琴美の中
に消えていく。
渡瀬は、琴美の胸を強く揉みながら怒張の抜き差しを速めた。
「あ…あぁん…、あぁん…」
 渡瀬が腰を動かすたび、琴美の悩ましげな喘ぎ声が洩れる。お尻で交わっても、女の子の身体は感じてしまうのだろ
うか、沙希は信じられない思いで琴美を見つめている。肛門の締め付けを味わうように、渡瀬は夢中で怒張を出し入れ
した。
「ううっ、うう…」
 渡瀬が肉棒を抜き取った。直径3センチ程の穴になって、ぽっかりと口を開けた肛門から渡瀬が放出した白濁液が
垂れて落ちる。
「さあ、きれいにしてもらおう」
 渡瀬は今まで琴美の肛門の中に入れていた肉棒を、彼女の口に押し込んだ。それを見た沙希は、自分が汚れたペ
ニスを咥えさせられたかのように気分が悪くなり、思わず口を押えた。

 数々のハードな凌辱を見せられてショックを受け、呆然としながら寮に帰る沙希に、後ろから追いかけてきた町田が
声をかけた。
「沙希、そこの壁に手をついて、こちらに尻を向けろ」
 町田はいきなり、何の変哲もない民家の壁を指さす。
「な…、何するの?」
「つべこべ言うな、入学から1か月は男子の命令には絶対服従だと言われているだろう」
 町田に言われて、仕方なく沙希は壁に手をついた。
 人通りの少なくないバス道なのに、町田はお構いなしに、沙希のスカートを捲り、パンティを太股まで押し下げる。
「うっ…」
 柔肌が外気に晒され、思わず声を漏らしそうになる。車が通る音や人の話し声が耳に飛び込み、いやでも路上でお
尻を丸出しにしていることが意識される。
「沙希、尻を広げて穴を見せろよ」
 イヤイヤするように首を振る沙希の眉が羞恥に歪む。
「えっ、そ、そんなん…ムリよ」
「ほら、絶対服従だろ!」
 詰め寄られた沙希は両手をお尻に回し、指を柔らかい肉球に食い込ませた。開いた割れ目に冷たい空気を感じ、街
頭で恥ずかしい部分を自ら曝け出す恥辱に、耳が真っ赤に染まる。通行人の視線を感じて、全身が熱くなり、心臓がド
キドキと音を立てている。
「そのままにしてろよ…」
 そう言いながら、町田は提げていたビニール袋から棒状の器具を取り出した。アヌスプラグだ。先端が丸く加工され、
全体がゴムのようなものでできている。町田はそれに、チューブから絞り出したゼリーを満遍なく塗っていく。
「何、それ…、それをどうするん?」
「訓練だよ、男のチ×ポを尻の穴に入れるための…」
 町田の説明を聞いて、沙希の恐怖心が増していく。
(あれをお尻に入れられるの…、お尻の穴に…、そして…)
 沙希の脳裏に、アヌスを嬲られ喘いでいた琴美の姿が浮かぶ。その姿が自分の姿に変わり、肛門に男の肉棒を入
れて犯されるのを想像して、沙希は身震いした。
「だめえ!そ…、そんなもん、入れんけんで…」
「どんなにあがいても、無駄だよ。言われただろう、お前の身体はもう国家の財産なんだ。尻の穴も男を喜ばせる道具
でしかない。どんなに嫌がっても、口やオ××コと同じように、しょっちゅう男のチ×ポを入れられるんだぜ。ほら、ちゃ
んと訓練しないと、尻の穴が裂けちまうぜ、それは嫌だろう?」
 町田の言葉に恐怖を覚えた沙希は、じっと身構えた。昨日の授業で見た、琴美のアナルセックスや、理科実験室で
のフィストファックを思い出す。自分もそういうことができる身体にされていくのだ。
「少し痛いけど、我慢しろよ」
 町田は沙希の腰を支え、お尻を突き出させた。
 肛門に押し当てられたアヌスプラグに、力が加えられる。丸く加工された先端が、皺の刻まれた菊座を押し広げてい
く。
「いやあっ!ううっ…」
 小さなくぐもった声が、沙希の唇から漏れる。沙希は、お尻の穴に異物を入れられるおぞましさに背を仰け反らした。
喉を伸ばした視線の先には、沙希を見下ろす町田のにやけた顔がある。
「どうだ?初めて、お尻に物を入れられる気持ちは」
 沙希は、恥辱に耐え首を横に振り羞恥に耐える。いつもとは違う、排出と逆の感触がお尻をムズムズとする。
「うっ、ううっ……」
 異物がお尻の中に押し込まれていく。沙希は、眉を苦しげに歪ませ唇を噛んだ。
「ほら、沙希、尻の力を抜け」
 町田に言われるが、力の加減が分からない。余計な力が入りプラグを押し出そうとしてしまう。
「そんなに力を入れると、入らないだろ…」
 入りかけたプラグが、ツルンと弾き返される。
「しかたないなぁ」
 町田は手を沙希の股間にまわし、陰裂に這わせた。
「あんっ、ああん…」
 いきなり敏感な部分を弄られ、沙希が喉を反らすと同時に、アヌスプラグがお尻の中に消えていった。
「ふう…」
 沙希は思わず溜息をついた。恥ずかしさや気持ち悪さはあったが、想像していた程の苦痛はなかった。
「まだ終わりじゃあないぜ…」
 町田はニヤニヤ笑いながら、パイプの繋がったテニスボールほどの大きさの装置を取り出した。それは、ゴムででき
た簡易ポンプだ。ボールを握りつぶすことによって、アヌスプラグに空気を送り込むものだ。
 沙希のお尻の間から顔を覗かせたプラグにポンプを装着し、町田が空気を送り込む。ゴムでできたプラグが、アヌス
の中で膨らんでいく。
「うっ…、ううっ…」
 排泄器官を押し広げられる感覚に、沙希の押し殺した悲鳴が洩れる。空気が送り込まれるたび、沙希の中でプラグ
が膨らんでいく。
「ああっ…」
 沙希が喘いだ。膨らんだプラグが、菊座の皺を伸ばし内側から肉を押し上げていく。ぷっくりと膨らんだアヌスが町田
の目に映る。
 町田は、さらにポンプを握り締めた。シューッと空気が送り込まれる。限界近くまで広げられた肛門に痛みが走る。
「ううっ、いっ、痛い!もうだめ。もう…、広げないで…」
 沙希の顔が苦痛に歪む。
「もう少しだ!」
もう一度、町田がポンプを握りつぶす。シューッという音と共に、プラグがさらに大きく膨らんでいく。
「だっ、だめえっ。い、痛い…。いたいっ…」
 沙希が泣き出しそうな声をあげるのを確認して、町田はやっとポンプを置いた。
「これで、どうやっても抜けなくなるぞ。お前の中で錨状に膨らむからな」
 町田は、沙希の目の前に、特殊なドライバーのようなものを見せた。
「空気を抜く道具は俺が持っている。今夜は最初の訪問客が来るまで3時間ある。それまで、アヌスプラグを着けてるん
だ。8時前になったら、お前の部屋に行って空気を抜いてやる。いいか、これから毎日、これをつけて訓練だぞ」
 泣きたくなるのをじっとこらえて唇を噛む沙希を見て、町田が残忍な笑みを浮かべた。
「寮まで一緒に帰りたいんだが、今夜は用事があるんだ。じゃあな…」
 そう言って手を振り、名残惜しそうに振り返っていた町田の姿がやっと見えなくなったところで、沙希はその場にしゃが
み込んだ。異物を挿入されたお尻の違和感は半端なものではなかった。思わず顔を覆った両手が、頬を流れる滴に濡
れる。
「私も…、入れられたわ」
 すぐ近くで話しかける優里の声を聞いて、慌てて目元を拭い、沙希が立ち上がる。たとえ優里にでも、泣き顔は見せ
たくない。
 そんなことは百も承知の優里が沙希に微笑みかけ、続いて顔を顰めて見せた。アヌスプラグを入れられたのは沙希
だけではなかったようだ。
「気持ち悪かね…」
 そう口に出した途端、何だか気が楽になった。
「悪か、悪か!」
 優里がイントネーションの怪しい博多弁で答え、思わず二人で噴き出す。苦しい時に最も必要なのは、それを分かち
合うことができる仲間なのだろう。沙希は、理科実験室で安達に隠れるようにして、同級生たちを励ましていた琴美を
思い出した。
「でも…、酷いところだわ…」
 表情を引き締めて言う優里に、沙希が頷き返す。
「しっかりせんと、頭が変になりそーやね」
「そう、芦辺さんが言ってたみたいに覚悟を決めないと…」
「いつか、脱出できるかいな」
「そのためにも、みんなで力をあわせて、頑張らなきゃね」
 絶望からは何も生まれない。それでも、一人でいると気持ちはマイナスに傾くばかりだ。助け合い、励まし合うことが
必要なのだ。琴美のように、佳奈のように…。
 沙希は大きく頷いた。



 
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