国防省附属「星園・癒しの館」第3部
 
第2章 「愛おしい国へ」  1

 湯船に腰をかけてじっと見ている須崎の前で、茉莉は全身にボディ・ソープを塗り、両手を使って泡立てる。柔らかな
ランプの光が、美しい裸身にエロティックな陰影を与えて浮かび上がらせている。諸藤館長のこだわりによってかつて
の星園高校の雰囲気をできる限り残した施設の中にあって、VIPを対象とした部屋は異質の存在であり、バスルームも
高級ホテルのそれを思わせた。
「失礼します…」
 茉莉は正面から須崎に抱きつき、乳房を須崎の胸板に擦りつける。柔らかな弾力を持つ膨らみや、きめが細かく滑
らかな肌の感触に、須崎の頬が思わず緩む。
「気持ちいいぞ…」
「…ありがとうございます…」
 にっこり笑った茉莉の天使のような愛らしさに釣られて、須崎の顔にも満ち足りた笑みが広がる。須崎晋次総理は選
挙の疲れを癒すために、館を訪れていた。
 有事体制のもとでも、選挙は実施されていた。選挙を実施することで「これが民意だ!」と国の内外にアピールするこ
とができ、「自分は国民の負託を受け、支持されている」と開き直って、思うままに国政を運営できるからである。
 そもそも小選挙区制度なので、国民の支持はさほど必要がない。今回の選挙でも須崎が率いる保守党が獲得したの
は2割程度の得票率なのだが、選挙制度のおかげで議席は7割以上の圧倒的な議席を占めた。党内では候補者を選
ぶ執行部の力が圧倒的に強くなって、異論をはさむ者がいないうえ、ほとんどの野党は、政策において保守党のそれと
何ら変わるところがない翼賛政党になっている。こうして国民の関心が選挙から離れた間隙を縫って、この国の為政者
は独裁的な権力を握るに至った。
 それでも選挙をするとなると、それなりのエネルギーを使う。束の間、こうして美少女と裸で抱き合うことで、明日への
英気を養おうというのが訪問の目的の一つだ。加えて今夜は、もっと重要な案件も抱えている。
 硬くなってきた乳首が胸をくすぐる心地よい感触とともに、白く華奢な茉莉の肩がゆっくりと上下している。力を入れる
と折れそうな背中に手を回し、須崎はギュッと茉莉を抱きしめた。
「あ…」
 茉莉が吐息混じりの声を漏らす。花のような香りが漂い、須崎の目の前にはピンク色に艶めいた唇があった。須崎は
反射的に唇を重ねる。押し当てた瑞々しい柔らかさに官能が蕩かされた須崎は、貪るように茉莉の唇を味わった。
「…うっ、う…」
 茉莉が小さく呻いた。須崎の舌が、ふっくらした茉莉の唇を割って、口の中に入っていく。須崎にぎゅっと抱きしめら
れ、茉莉の胸の膨らみが、須崎の胸に押しつぶされた。須崎の舌が口の中を舐め回し、舌と舌が絡み合う。
茉莉は、須崎の身体を洗う動作を続けながら須崎の唇を吸った。茉莉の胸が須崎の胸板で擦られる。臍のあたりに
は、すっかり勃起し、熱くなった肉棒が食い込んでくる。それに軽く手を添えると、茉莉は自らの膣口に合わせ、甘える
ようにギュッと須崎にすがりつく。
「入れます…」
 甘い囁きが須崎の耳をくすぐり、濡れた秘孔がぬるりと怒張を飲み込んでいく。膨らんだカリ首が狭穴を広げ、温か
い粘膜が肉棒を包み込んだ。
「はあぁ…」
 茉莉が躊躇いがちな吐息を漏らした。彼女の膣内で、須崎の一物がびくびくと痙攣し、大きく膨れ上がる。
「ああ…、あぁん…」
 向かい合って立った繋がったまま茉莉が腰を浮かせ、ゆっくりと下肢を動かし始めた。須崎の体を全身で洗いなが
ら、下腹部は違う動きで股間に快感を与えていく。挿入を浅くしたり深くしたり、緩急をつけて男の官能を刺激していくの
だ。
「ああ…、いいぞ…」
 須崎が満足そうな声を漏らす。須崎の掌が身体を愛撫すると、茉莉が背中をのけぞらせて喘ぐ。同時に、秘孔が須
崎の怒張を締め上げた。茉莉のそこは素晴らしい収縮力で、肉棒を丸ごと包み込む。
「ああ…、ああ…」
 茉莉の腰が、左右に前後にとクネクネと揺れる。可愛い喘ぎ声とともに、男の肉棒を膣壁の全体で愛撫するかのよう
に動いている。ゆっくりだった動きが、徐々にピッチをあげ、肉棒を擦りたてるように激しく上下し始める。
「むうっ!むううぅ…」
 須崎が思わず声を漏らす。茉莉の動きは単純に腰を上下させるだけではなく、小さく前後に揺らしたり、ひねりを入れ
たりして、女性器全体で須崎の男根に奉仕していた。さらには、名器のとして名高い肉襞が、キュッキュッと肉棒に絶妙
な刺激を与えていく。
「ううっ!」
「あっ、あぁ…、あぁぁ…」
 須崎はたまらず下から突き上げ、茉莉が悩ましげな声をあげる。二人は互いに腰を振り合い、上下から性器をぶつ
け合う音が浴室に広がっていく。
「い、イきそう…、あ、ああ、いいっ…」
茉莉が喉を仰け反らせ、茉莉が腰の動きを早くする。
「ああ、いいっ、いい…、須崎様、ど、どうぞ一緒にイってください」
 茉莉のおねだりに、須崎は怒張にみなぎった力を解放した。
「いい、いい…。イッ、イク、いくぅぅ…」
 洗い終えると同時に、計ったように股間もフィニッシュさせる。茉莉の体内に須崎の精液が注ぎ込まれた。この国の
最高権力者に避妊具の着用を求める者は誰もいない。
 もちろん、茉莉はピルを常用して妊娠を防いでいる。最近、VIPの一部には、妊娠による女の子の身体の変化を鑑賞
し、母乳を味わうためだけに、慰安嬢の避妊を認めず、わざと妊娠させる遊びが流行っていると言う。そういう趣味を持
たない須崎は、まだマシなのかもしれない。
(そんな酷いことはやめさせないと…)
 交合した二人の体液が絡みつく肉棒を口に含みながら、茉莉はその件について、亜弓と相談してみようと思った。
「ふうぅ…」
 ベルベットのような舌で舐められて、須崎が満足げなため息を漏らした。茉莉は、須崎の男根をきれいに口で清めて
から、石鹸でその部分を念入りに手で洗っていた。
「茉莉、ここを卒業したら、私の所に来ないか?」
 須崎がポツリとそう言った。

 ブラウスの胸を捲り上げ、パンティを膝まで下ろした格好で教壇に立った優里は、クラス全員が見つめる前でオナニ
ーをしていた。
「あっ…ぅんっ…」
 優里がくぐもった声を漏らした。右手は指先で乳首を転がしながら、胸の膨らみを激しく揉みしだいている。股間に当
てた左手は、指を割れ目に出し入れしたり、クリトリスを指先で擦っている。
「5分経過!終了!」
 担任の安達がストップウォッチを止めた。優里がため息をついた。みんなに見られている緊張のせいか、敏感な部分
をいくら触ってみても、5分やそこらでは、性感はあまり高まってこなかった。
「よし、入れて見ろ」
 安達が男のペニスそっくりに作られたディルドを優里に手渡す。優里の表情が強張った。赤黒い肌色をした淫具は、
慰安嬢たちに支給されているモノより一回りか二回り太く、コーヒー缶ほどの直径がありそうだ。
「さあ、早く!」
 安達に指示されて、優里がディルドを股間にあてがった。すかさず男子たちから冷やかしの声があがる。
「すげえぇ。あんなに太いもの、見たことないぜ」
「武口のマ×コに入んのかよ」
みるみるうちに優里の顔が真っ赤になり、恥辱と緊張で膝が震えた。
「うっ…」
 先端を挿入しようとして、優里の顔が歪む。まだ十分に潤っていないために、極太のディルドは痛くて上手く入らない
のだ。
「なんだ、ダメじゃないか。一人前の慰安嬢なら、一、二分あれば、チ×ポを入れる準備ができるぞ。いつも言っている
だろう、オナニーして、すぐに気持ち良くなることは、お客様に効率よく楽しんでいただくための必須条件だぞ。わかって
いるか?」
「はい…」
「それじゃあ、特訓だ。これから一週間、午前中は授業中も休み時間も休むことなく、常に乳房やオ××コを弄ってオ
ナニーし続けるんだ」
「えっ…」
 恥ずかしすぎる指示に、優里が泣き出しそうな表情を浮かべる。安達はニヤリと笑って、教室を見渡した。
「いいか、武口だけじゃないぞ。連帯責任で女子全員がやるんだ」
 その言葉に、優里がハッと顔をあげる。クラスの女子たちが揃って、悲壮な顔をしているのが見えた。
「そんな…、他の子は関係ありません。ペナルティなら、私だけに…」
 優里が必死で抗議するが、安達はまったく取り合おうとしない。
「ペナルティじゃない、特訓だと言っているだろう。いいか、男子は、女子がサボらずに、オッパイやマ×コを弄っている
かどうか監視すること。いいな」
「はい、わかりました!」
 男子たちが一斉に声に出して返事をした。

 入浴を終え、茉莉を傍らに置いて部屋で寛いでいる須崎のもとに、諸藤館長がやってきた。事務長の南原と、体育科
を作り上げた功績で今やナンバースリーと言っていい位置になった石堂しおりが同席する。
「選挙勝利、おめでとうございます」
「さすがは須崎総理、向かうところ、敵なしですわね」
 無表情のまま祝いの言葉を口にする諸藤に続き、石堂が笑みを浮かべて、須崎を持ち上げた。何と言っても、今や
飛ぶ鳥を落とす勢いの権力者だ。館の運営を考えると、しっかりと味方につけておきたいところだ。
「選挙に勝った以上、白紙委任状を手に入れたようなもの、これで総理がおやりになりたいことが、思う存分おできにな
りますわね」
「そう、日本を世界でナンバーワンの国にするのが私の夢だ。経済的にも軍事的にもナンバーワンだ!」
 上機嫌の須崎は、そう切り出すと、ひとしきり軍事大国化への夢を語る。そして、話題は経済戦略の話となった。
「グローバル経済促進協定で、農業分野ではアルメイアの要求を丸のみをした。そのせいで、今や我が国の食料自給
率は一けた台にまで落ち込んでいる」
 農業団体や消費者団体などの反対を押し切って、「国益のため」と称して結んだ協定だ。これによって、農産物の関
税はゼロになって、各国から安い農作物が大量に流れ込み、この国の農業は、新たに参入した大企業が経営する高
級農産物生産工場を残して、ほぼ壊滅するに至った。仮に外国からの農産物が止まれば、国民のほとんどが餓死して
しまうだろう。
「なぜ、そんなことをやったのかと言えば、かわりに工業製品の輸出で譲歩を勝ち取るためだ。我が国の優れた工業技
術を以てすれば、世界を席巻することができる」
「それは、軍事技術…ということですか?」
 諸藤が体温を感じさせない声で、相槌がわりの質問をする。
「そのとおり」
 保守党が確保しようとしている「国益」の正体は、まさにこれだった。政府が狙っているのは、要するに「死の商人」に
なることで日本企業を繁栄させるという戦略である。けっして、日本国民を幸福にすることではない。
「しかし、アルメイアは工業製品の自由化に難色を示し続けている。これは重大な背信行為だ…」
 須崎の表情が曇り、日本がいかに軍事面でも経済面でもアルメイアに奉仕してきたか、わずかばかりの見返りを与え
ようとしないアルメイアが不誠実かを、滔々とぶちまける。
 聞いているうちに、諸藤は馬鹿馬鹿しくなってきた。要するに、相手の言うままに手持ちのカードを全て先に切ってしま
い、相手が譲歩しないとわかって慌てているのだ。お友達のマスコミ関係者を使った世論誘導もあって「保守の実力
者」「決断力あるリーダー」などと呼ばれている須崎だが、そもそも名家出身の三世議員で典型的な「お坊ちゃま」であ
る。
「そこで、実は館長に協力をお願いしたいことがある」
「協力とおっしゃいますと?」
 諸藤に代わって、実務責任者の南原が聞き返した。その声には、隠しきれない警戒感が含まれている。
「来月、アルメイア大統領が訪日する。グローバル経済促進協定の第2次交渉を開始するためだ。そこで、館の女生徒
たちに、アルメイア高官への接遇をお願いしたい」
「なるほど…」
 ポーカーフェイスで頷きながら、諸藤は内心ムッとしていた。交渉において、アルメイアの理解が得られないことを懸
念した須崎は、切り札として、アルメイア大統領の訪日の際に、慰安嬢たちを高官の接待に当てたいというのだ。
「なにしろ日本の女の子は可愛いからね、外国人にはとても人気があるのだよ。これを、世界に売り出すのがキュート・
ジャパン戦略だ!」
 最大の愛国者を自任する須崎は、得意げにそう言った。

 優里は自分の部屋のベッドの上で、訪問客の男とシックスナインの体勢になり、お互いの性器を愛撫しあっていた。
 男の指先が優里のビーナスの丘の裾野をなぞり、秘裂の中に入ってくる。
「…ここか?ここが気持ちいいのか?」
「…あ、あ…や、いやンン…」
 敏感な肉芽を突かれて、優里は声を上げた。
 公共放送JBCの役員だという男は須崎総理の取り巻きの一人で、金色のバッチをつけてやってきた。「愛国者たるも
の、政府が右というのを、左とは言えない」と言って、JBCを政府の広報機関に変質させ、須崎政権を支えた見返りだ
ろう。
「キャッ…」
 男の指先でクリトリスを強く押しつぶされて、優里が悲鳴をあげると、男がケラケラと笑い出した。部屋に来た時は、
自分の娘よりも若い優里を相手にして戸惑いを見せていたが、徐々に尊大になり、裸になってからは、優里の身体を
玩具のように弄ぶようになった。
 男の荒い息が陰部に吹きかかる。男が顔を埋め、優里の大陰唇にキスをした。舟形の膨らみをベロベロと舐め回し
ながら、舌先は徐々に中央の亀裂へと近づいていく。
「ぅあうん、ぁうう…」
 男に花弁を舐められて、優里が喘ぐ。ヌルヌルした舌が急所を這い回るおぞましさは、何度経験しても慣れることが
ない。しかし、十分に濡れていない状態で、無遠慮な男の手で性器を弄られていると痛くなってくるので、どれだけ恥ず
かしくても、後のことを考えれば、舐められた方が楽である。1日に何人もの男の相手をしなければならない彼女たちの
知恵であった。
 優里も躊躇いがちにエラの張った丸い亀頭部を舐め、肉棒に舌を這わせた。
 館に連れて来られた当初は、男を相手にお互いの股間に顔を埋め、性器を舐めあうなど、恥ずかしくて、不潔で、正
気でできることとはとても思えなかったが、今では毎日何度も行う基本的なプレイになっている。それでも、初対面の男
のペニスを口にする屈辱感は、容易に薄れるものではない。
 男が花芯に吸い着き、溢れ出す蜜をいやらしくすすりあげた。それに応えるように、優里も亀頭部にたっぷり唾液をま
ぶし、指で擦りながら、竿の裏側にねっとりと舌を這わせる。「さすがにうまいな…」
 下腹部のあたりから、男のうれしそうな声が聞こえた。
 優里は肉棒を口にくわえると、小さく首を振って唇で扱きあげる。卑猥な愛撫を続けながら、優里は今朝のホームル
ームを思い出していた。
「多少のバラつきはあるが、お前たちは、この2週間でのべにして約100人の男とセックスしてきたことになる」
 そう言って安達に渡されたファイルには、入学式から今日までの2週間分の訪問客の相手をした記録が、写真ととも
に詳細につけられていた。女生徒の中から、誰ともなく悲しげなため息をつくのが聞こえる。男たちに玩具にされ、身体
の隅々まで汚されてきたことを思い出しているのだ。
「しかし、慰安嬢としてはまだまだ未熟だ。そこで、お前たちに新たなカリキュラムを課すことにした」
 安達の言葉に、女生徒たちが不安げな表情を浮かべて静まり返る。
「そのカリキュラムとは、『千人切り』だ!」
女生徒たちがザワつく。それに追い打ちをかけるように、安達が言葉を継いだ。
「お前たちには、これから3か月で、1000人の訪問客とセックスしてもらう」
 教室が再び静まり返った。
「1日あたり十数人だな。ただし、あくまで性器と性器で結合した人数で1000人だぞ。それ以外にも、身体を触らせた
り、舐めあったりする慰安があるが、その人数はカウント外だからな。また、練習で男子とするセックスもカウントされな
い」
 安達の説明が続くにつれて、女子たちは絶望の淵に突き落とされるように感じた。それは、年頃の少女たちにとっ
て、気が遠くなるような性的拷問である。
「単にセックスするだけじゃないぞ。1か月ごとに、テーマが設定されている。最初の1か月は、授業で教えたとおり、普
通にセックスすれば、クリアだ。2か月目、3か月目の課題は、前の月の終わりに示すことになる。3か月のノルマを果
たせば、やっと『見習い』を卒業して、正式な慰安嬢になれる」
 そこまで言うと、安達は残忍な笑いを浮かべながら、女生徒たちを見渡した。
「いいか、しっかりがんばるんだぞ。もし、達成できなければ、ここには男の欲求を満たすための、もっと過酷な部門が
あるからな、そちらに移ってもらう」
 思いに沈む優里の太腿を男が平手打ちした。ハッと気がつくと、訪問客の男が不満そうな表情を浮かべている。
「おい、さっさと脚を開けよ。そんなに太股を閉めてたら、セックスできないだろ」
「…は、はい…」
 ベッドで仰向けになった優里は、男の前でゆっくりと脚を開いていった。陰部を露わにした太腿の間に男が体を乗せ
てくる。
 男はテラテラとぬめる亀頭部を、優里の割れ目に押し当てた。ぷっくりした肉の谷間に先端がもぐりこむ。
「あうぅ…」
 優里が声を漏らした。肉棒が彼女の中に根本まで埋め込まれていく。
 男がストロークを開始する。肉棒が優里の身体を出たり入ったりする。そのたびに、愛液がすくいだされて、シーツを
汚した。
「ううぅ、あはぁ、はあぁん…」
 ひと月ほどの間にすっかり開発された身体が反応し、優里の意に反して快感を伝える喘ぎ声が吹きこぼれた。
 男の顔が近づき、唇を奪われた。頭のほうからおおいかぶさるようにしてキスをしてくる。唇がこじあけられ、舌が滑り
込み、口腔をねっとりと舐め回される。
 下半身の方では、肉棒が粘膜を擦り上げ、お互いの性感を加速度的に高めていく。
 男の肉棒が優里の中で痙攣する。それにあわせて、彼女の全身もピクピクと震えた。中出しを許可された男は、優里
の中で長い射精を繰り返しながら、彼女の口の中に大量の唾液を流し込んでくる。上下の口から自らの体液を注ぎ込
み、まるで優里の身体に自らの刻印を打とうとしているかのようだ。
「ンッグン…ンッグン…」
 タバコの臭いと中年男の口臭が口の中いっぱいに広がり、吐き気と同時に優里は全身が粟立つのを感じる。それで
も呼吸を止めて、注ぎ込まれた男の唾液を飲み干すしかなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ…、あぁ」
 やっと男の唇から解放された優里が肩で息をする。同時に涙がポロポロ零れ出てきた。それに気づいた男が乱暴な
口調で、嘲るように言う。
「お前、何をいっちょ前に泣いてるんだ」
「………」
 優里が驚きで目を見張る。思いを遂げてしまったせいか、男の声はさっきまでと打って変わって冷淡で残酷な響きを
帯びている。
「メソメソするなよ、お前たちは公衆便所と同じだろ」
 吐き捨てるようにそう言って、男は立ち上がると、鼻歌まじりにさっさと浴室に向かった。優里は知らなかったが、この
男はかつての日本軍「慰安婦」について「戦争している国にはどこにもあったことで、特段、非難されることではない」と
公言したことがあった。そもそも、そういう歴史感覚、人権感覚の持ち主である。
 残された優里は、男の体臭にまみれた身体のまま両手で顔を覆い、こみ上げてくる嗚咽を堪えた。こんな思いを100
0回繰り返さなければならない。そして、それはゴールではなく、慰安嬢としての彼女たちの出発点になるのだ。




 
 「国防省附属「星園・癒しの館」目次へ
 
 「Novels」へ
 
 「ぷろとこーる・ラボ」トップぺージへ 
動画 アダルト動画 ライブチャット