国防省附属「星園・癒しの館」第3部
 
第2章 「愛おしい国へ」  2
 
「あ…、ああんっ…」
 身体の中を電気が走ったように、西原芽衣の全身がビクッと震えた。チェック柄のプリーツスカートの中に右手が潜り
込み、股間のあたりでしきりにゴソゴソと動いている。
「あぅんっ…くっううっ…」
 高まる声を必死で押し殺そうとする様子がかえって艶めかしく、周りを取り囲んだ男子たちの欲情を揺さぶった。
「色っぽい顔してるな、マ×コを弄って気持ち良くなってきたのか?」
「ほらほら、その大きなオッパイも揉んで見せろよ!」
 男子たちが囃したてる中、芽衣は手を胸に持って行った。制服の上からでもわかる程の豊かな膨らみを、白いブラウ
スの生地とともにゆっくりと揉みしだく。
「巨乳を揉んでるところ、ちゃんと見せてくれなきゃあな…」
 男子の一人が制服を捲り上げ、ブラジャーを押し上げる。豊かな双乳が弾むように顔を出した。その膨らみのボリュ
ーム感は、男たちのテンションを上げずにはおかない。
「ああっ!」
 芽衣が眉を寄せ、泣きそうな顔になった。思わず隠そうとした手首をすかさず男子が握りしめる。芽衣の乳首は少し
大きくて長めの形をしており、それも乳牛のようだと男子たちにからかわれていたが、オナニーのせいで、その乳首が
いやらしいほどぴんと尖っている。
「見ろよ、乳牛娘、ビンビンに乳首を勃ててやがるぜ」
 めざとい男子たちが、芽衣の身体の変化を見逃すことはなかった。卑猥な笑い声に包まれて、芽衣は羞恥に顔を染
め、ギュッと唇を噛みしめる。
「またやってるのか。お前ら、マンずり好きだよなぁ…」
 教室のあちこちでオナニーする女子の周りを、男子たちが取り囲み、ニヤニヤ笑いながら卑猥な言葉を投げつけて
いる。
「あんっ…ああんっ…」
 恥ずかしさで顔を真っ赤にし、制服の胸と股間に手を入れて、泣きながら喘ぎ声を漏らしているのは、小西沙由紀
だ。
「うっ…、くっ…」
 膨らみかけた胸を揉みしだく緩やかなリズムに乗って、くぐもった声が漏れる。小柄で幼な顔の彼女は、体つきも華奢
で子供っぽく、どう見ても中学生ぐらいにしか見えない。実は見かけによらずしっかり者で、周りに対する気遣いができ
る沙由紀は、今は1年生の学年代表を務めている。
(ごめんね、みんな…)
 自らもスカートの中に手を入れて股間を撫でながら、優里が心の中でクラスメートに手を合わせた。
 1年A組の女生徒たちは、登校してから午前中の授業が終わるまで、授業中も休み時間も自分の身体を弄って、自
慰行為をし続けるよう命じられていた。
 午前中の訪問客がいない時間帯は、慰安嬢たちのスキルを上げる授業が行われている。このオナニーは、先日の
授業で、極太の張り型を陰部に入れることができなかった優里に対するペナルティをクラス全員が連帯責任でさせられ
ていることになっているのだが、実際にはそうではなかった。
 意に沿わぬセックスをさせられる場合、反射で膣が少し濡れたりすることはあっても、女性が真に快感を感じることは
難しい。セックスを商売にする売春婦などは、身体の負担を減らすためにも、むしろ感じたふりをして男を満足させるよ
うに心がけている者が多い。そうしているうちに、不感症が職業病になってしまう者もいる。
 しかし、館の慰安嬢が男の相手をする時には、常に本当に感じ、快感に身を震わせていなければならなかった。館長
の諸藤は特にそのことにこだわり、医学、生理学、心理学の専門家を集めて綿密な研究をさせている。そうした研究の
成果がカリキュラムとして組まれているため、慰安嬢たちの身体は敏感で、本人の気持ちに関係なく、少しの性的刺激
ですぐに燃え上がってしまう。そのうえで、絶頂に昇り詰めるタイミングは、相手に合わせて自由にコントロールするよう
訓練されるのだ。
 カリキュラムでは、館に来た初期の段階で、慰安嬢には自分の身体のどこがどの程度感じるのかを完全に把握さ
せ、性感を高める訓練を繰り返し行うことになっていた。したがって、優里のペナルティの一件がなくても、いずれ少女
たちは、自らの身体を徹底的に弄って確認し、その反応を自覚して、さらに敏感な身体になるよう調教されることになっ
ていたのだ。
「ほらほら、武口、しっかりマ×コを弄れよ」
「ダラダラ触ってんじゃないぞ、次の授業が始まるまでに2回はイケよ」
 周りにいた男子たちが口々に優里を責め立てた。
 新年度になって、新たな慰安嬢たちが館に集められたのに合わせて、男子の方も増員されていた。あくまでリアルな
学園らしさに拘る館のコンセプトに沿ったものだが、増員された慰安嬢たちに念入りな訓練を施すためには人手が必
要だという実際的な理由もあった。「性欲の塊」と言って良いほど精力がありあまっている男子高校生こそ、彼女たちの
訓練の相手方に適任であった。
 もとより、徴兵法にもとづくボランティアは男子高校生にも科せられている。防衛隊関係者や有力者とコネのある家庭
の出身で、適性があると認められた少年たちが、この館にやってきた男子たちだ。
「わかってんのか、他の女子が恥ずかしい思いをしてるのは、お前のせいだろ!」
 男子の口調がきつくなる。監督役の彼らは、この訓練に自ら手を出すことは許されず、女子の卑猥な姿を、ただ見て
いるだけだった。当然のことながら、欲求不満になっている者がほとんどで、女子と一緒に自らの股間を撫で摩ってい
る者も少なくない。
「…わかったわ…」
 哀しげな声でそう言うと、優里はパンティの上から股間を撫でる。
「ちょっと待てよ、武口!」
 どんぐり目で、身体の大きな男子が声をかけた。1年生男子のリーダー的存在になっている堀内克典だ。父親が防衛
隊幹部であることを、よく自慢している。
「お前、パンツを脱いで、オナニーしろよ」
「えっ!」
「ちゃんとマ×コを弄っているかどうか、俺たちが見ててやるよ」
 堀内がそう言うと、周りの男子もそれに同調する。
「ちゃんとオナニーしてるかどうか、監督するように先生に言われたもんな」
「そうだな、さっさと脱げよ!」
 すっかり盛り上がっている男子たちに囲まれ、逃れることができないと悟った優里は仕方なくパンティを脱ぎ、堀内の
指示で机に腰かけた。
「これでいい…?」
 そう言うと、優里は閉じた膝を立てて股間に手をやり、オナニーの体勢に入った。
「ダメだよ、足を閉じちゃあ」
「オ××コは丸見えにしないとね」
 そう言いながら、男子が優里の両膝を掴んで脚をM字に開かせる。
「いやあっ!」
 力づくで陰部を露出させられ、優里が思わず声をあげる。恥丘を飾る草むらは濃い目で、肉土手の上部を縁どるよう
に柔らかな毛が流れている。アーモンドピンクの花びらがわずかに口を開いて、内側の薄桃色の粘膜をのぞかせてい
る。優里の頬が、恥ずかしさでカッと熱くなった。
「さあ、オナニーしろよ!」
「………」
 男子たちが見つめる前で、優里の手がおずおずと股間に下りていった。ふっくらした肉土手を包み込むように撫でた
後、指先が割れ目に潜り込み、ゆっくりと上下になぞっていく。
「もっと激しく!」
 堀内に叱咤され、優里が本格的に指を使いはじめた。大陰唇の膨らみが開かれ、指先が花唇を丁寧に撫でていく。
チラチラ見える粘膜が透明の分泌液を纏って、てらてらと濡れ光っていた。
「あっ…ぅんっ…」
 優里が腰をよじらせ、まっ白な内腿の筋肉を痙攣させる。
「見ろよ、あのいやらしい指遣い…」
「ああ、スケベだよな」
 男子たちがそう言いながら、卑猥な視線を投げかける。優里は何も聞こえないふりをして、さらに快感を求めるように
手を動かした。もう一方の手を胸に持っていき、制服の胸を揉みしだく。割れ目を撫でていた指先が転がすようにクリト
リスを擦り始めた。抑えようとしても、思わず声が出てしまう。
「指を中に入れて、手マンしろよ」
 堀内の言うままに優里は自らの指で膣内に挿入し、ゆっくりと出し入れした。
(ああ、変になっちゃう…)
 指の動きが次第に速くなり、それにあわせて呼吸も荒くなる。瞳を閉じた優里の表情は痛みに耐えるように眉を歪
め、濡れて開いた唇の中には紅い舌が見えている。頬は紅潮し、汗に濡れた髪の毛が貼りついていた。それが、なん
とも艶めかしい。
(…あぁぁ…、恥ずかしい…)
 指先がビショビショになり、挿出に合わせてクチュクチュと音を立てている。男子たちの前で淫らな姿を晒しながら、優
里の身体は、気持ちとは別にどんどん昇り詰めていく。
「すげぇ、武口のマ×コ、ビショビショだぜ!」
「机に水たまりができてるぞ!」
「あ…、あぁぁ…」
 ハアハアと息を弾ませ、喘ぎ声を漏らしながら、優里がイヤイヤするように首を振った。その間も、手は別の人格を持
ったかのように動きつづける。
「へへっ、気持ち良くなってきたか?」
 堀内の質問に、優里が再び激しく横に首を振った。唇をギュッと結び、目尻から涙が一筋流れる。
「答えろよ!感じてきたんだろ?!」
 堀内が声を荒げた。
「き…、気持ちいい…。私、か…、感じてます…」
 優里は消え入りそうな声で感じていることを認め、男子たちの嘲笑を浴びながら、指を激しく出し入れして自らの膣内
を擦り続けた。

「須崎総理直々にお声かけいただくなんて、とても光栄なことではございませんか。大きなチャンスです。何を躊躇する
必要がありますか。ぜひ、積極的にお受けになるべきだと存じます」
 石堂が目を輝かせて発言した。
 来月、アルメイア大統領が訪日した際、随行したアルメイア高官の接待を慰安嬢たちにさせることで、交渉での譲歩
を引き出したいという須崎の提案を受けて以来、彼女はすっかりその気になっている。
「これこそまさに『愛国の道』です」
「お待ちください。最近、政財界のみなさんが接待でお使いになることが増えましたが、当館は、あくまで防衛隊員のた
めの慰安施設です。我が国の防衛のために、各国に派遣される隊員たちの慰安こそ第一に考えるべきであります」
 すかさず、南原が異論を唱えた。国防省出身で、当初から諸藤の片腕として館を運営してきた南原は、防衛隊員の
慰安という本来の設立趣旨に対する思い入れが強い。
「国の施設である以上、政府への協力は必要不可欠ですわ」
 石堂が反論する。権力志向の強い彼女は、慰安嬢たちを防衛隊員の性欲処理の道具ではなく、どちらかと言えば、
政財界を相手にした高級娼婦にしたいという思いが本音であった。そして、彼女の人脈には富士局長をはじめとする文
部教育省がある。
「この有事の時代、国を守っているのは政治屋や役人ではなく、最前線で国防にあたっている防衛隊ですぞ!」
「大局的な視点で国の行く末を描くリーダーたちがいてこその国家です。防衛隊は、その手足でしかありません!」
 二人の言葉はどんどん熱を帯びていく。最近、とみに激しくなっているこの対立は、実のところ館内にある国防省派と
文教省派の代理戦争であった。館長の諸藤は、そんな二人の様子をつまらなそうな顔で眺めていた。

「『了解しました』と大統領にお伝えください」
 アルメイア大使館からの電話を切って、須崎はさすがに深いため息をついた。
 政府は、有事宣言以来、アルメイアと交戦状態にあるフサインに防衛隊員を派遣したのを皮切りに、フサインと関係
の深い国にも次々に隊員を派遣するに至っている。中には、以前、アルメイアが軍事介入をして政権を崩壊させたた
めに、かえって無政府状態になり、内戦の泥沼に陥っている国への派遣もあった。大使館からの連絡は、そうした国々
への防衛隊の増派要請であった。
 戦争状態から抜け出せなくなったアルメイアでは、国民の中に家族を戦場で死なせたくないという危機感が広がって
いる。アルメイアはできるだけ自国民を戦地に送りたくないと考えて、「属国」である日本を使おうとしている。だから、防
衛隊の部隊を送っても送ってもきりがないのだ。
 「アルメイアと一体となって戦争をする国」…、一旦その道を走り始めたら、もはや後戻りはできない。須崎にさえコン
トロール不可能なそれは、遊園地のジェットコースターに乗ってしまったのと同じだった。
「仕方ないさ…」
 周りに人がいない時にだけ見せる、彼独特の軽い口調で須崎はそう呟くと、気分を変えて、ソファに腰かけて紅茶を
飲んでいる茉莉に目をやった。
 清楚な白いワンピースを着て上品にお茶を飲む美少女は一幅の絵のように見える。
(まるで天使だな…)
 須崎は頬が緩むのを抑えきれなかった。
 慰安嬢を星園の特区から外に連れ出すことついては、これまで厳しい規制があった。普通の法体系から見れば、館
の運営は国家的な管理売春であり、慰安嬢たちは児童福祉法などで保護される未成年の少女であり、そこで行われて
いる行為は本人たちの意思を無視した強姦、性奴隷に等しい。一般的には完全に違法な存在であるのを、有事法と経
済特区の制度を活用して作り上げたものである。
 しかし、分刻みのスケジュールで政務をこなす須崎にとって、頻繁に星園に出向くことは難しい。警備上の問題もある
うえ、度重なってくると、さすがに外聞も悪い。そこで、茉莉を官邸に連れて来られないかと考えていたところ、文教省の
幹部が知恵を出してくれた。
 「国家の安全に尽力する防衛隊員等を慰問するための基地等への派遣」に限って、慰安嬢の特区外での活動を認
めるというものである。「等」の字がたくさんついているところがミソで、こうすることで無限定にしてしまうのが官僚の常
套手段であった。こうしておけば、「須崎を慰問するための官邸への派遣」も可能になる。ここまでくれば、後は須崎お
得意の「岩盤規制を打ち破る」手法で、茉莉の官邸への「慰問」があっと言う間に実現した。
(次年度は文教省の予算を少し増額してやろう…)
 抑えきれない喜びに表情を緩めると、須崎は茉莉に声をかけた。
「茉莉、こっちへ来なさい」
 須崎の前に立つと、茉莉は眼を瞑り、少し上を向くように首を伸ばした。長い睫毛、薄紅色に染まった頬、白い華奢な
首が美しい。ちょっと突き出した茉莉の唇に誘われるように、須崎は唇を重ねた。茉莉の唇は、マシュマロのように柔ら
かい。
「さあ、着ているものを脱ぎなさい。ここでは一日中、裸でいるんだよ」
「…はい…、須崎様…」
 小さな声で返事をすると、茉莉はワンピースの背中にゆっくりと手を回した。返事をする前の一瞬の間と、頬を染めた
躊躇いの表情がたまらなく愛おしい。こうした恥じらいを失わないところが、星園慰安嬢の素晴らしさだ。
 ファスナーを外されたワンピースが滑るように床に落ちた。茉莉の肌を隠しているのは、足元を飾る白いソックスと、
館から支給される真っ白なブラジャーとパンティだけだ。
 すらりと伸びた脚とむっちりした太腿、適度に張り出した骨盤とキュッと締まった腰のくびれ、可愛らしいお臍に贅肉の
まったく付いていないお腹、若々しく隆起した双乳…。この時期の少女の身体の変化は早い。最初に出会った時には
華奢で、まだ幼さを感じる硬さを残していたが、今ではすっかり柔らかな曲線を帯びて、大人の女になる直前の初々し
い艶めかしさを見せていた。
(色っぽい身体になった…)
 成長もさることながら、連日のように大勢の男に抱かれているからではないだろうか。ふと、そんな考えにとらわれ、
須崎は嫉妬で胸が苦しくなるのを感じた。
 茉莉がブラジャーを外した。ホックを外されたブラジャーが、張りのある双乳に弾かれてはらりと床に落ちる。大き過
ぎず小さくもない、ちょうど良い大きさと言うとあまりに月並みに聞こえるが、お椀型に若々しく張り出した形が素晴らし
い。頂点にちょこんと乗ったピンク色の乳首も、乳暈の大きさもバランスが良く、そのまま彫刻のお手本になりそうだと、
須崎はいつも感嘆している。
「…そんなに見ないでください…、恥ずかしい…」
 茉莉が耳まで赤くなった。吐息に合わせ、美乳が上下に揺れている。
 最後の一枚を脱ぐと楕円形の陰毛が見えた。茉莉の陰毛は薄い方で、綿の塊のように下腹部を飾るだけで、大陰唇
の周りは無毛状態である。その奥に処女の美しさを失わない秘所があった。しかも、男を迎え入れたそこは、肉棒全体
を柔らかく包み込んで締め付ける名器だ。
 またもや他の男が、茉莉に挿入して歓喜する光景が脳裏に浮かび、須崎の胸をチリチリと焦がす。一刻も早く独占し
たい。今すぐ茉莉を欲しいと何度も頼み込んだのだが、諸藤はこの国の最高権力者のたっての要望を認めようとしな
い。その頑固さには、最近怒りすら覚えるようになっていた。
「どうされたのですか?」
 一糸まとわぬ姿になった茉莉が、須崎の顔を覗き込むようにして小首を傾げた。あまりの愛らしさに、諸藤への怒り
など一瞬でどこかに吹き飛んだ。
「今日はずっと、私と一緒だぞ!」
 唸るような声をあげて、須崎は夢中で茉莉の裸身を抱きすくめた。

 3か月で1000人の訪問客とセックスするノルマを課せられた新入生たちの生活は、日々苛酷なものになっていっ
た。
 午後の健康診断と入浴を終え、新しい制服に身を包んだ優里たちは中庭に集合させられた。そこには、簡易トイレを
連想させるブースが5つ並んで設置されている。
「ここは、手っ取り早く慰安嬢のマ×コで一発抜きたいというお客が利用するブースだ」
 女生徒たちを引率してきた安達が、そう言ってブースのドアを開けた。中はホテルのユニットバスのような印象で、奥
から3分の1ぐらいの位置に、腰の高さほどの壁があるのも浴槽を思わせた。
「武口、中に入ってみろ」
「…はい…」
 安達に指示されて、不安げな表情の優里がブースの中に入る。
「ここに、両手と首を乗せろ」
 安達が示した腰壁には、3か所の窪みがあった。優里が上半身を前に倒す。外からは見えなかったが、窪みの位置
に革製のベルトがついており、そこに乗せた首と両手首がベルトで固定された。
 視線を上げると、奥の壁には鏡がついていて、唇をギュッと結び、今にも泣き出しそうな優里の顔を映し出していた。
背後から彼女を犯す男は、こうしてセックス中の優里の顔を見て、反応を楽しむことができる。一方で、鏡の高さがない
ために相手の男の顔がそこに映し出されることはない。慰安嬢は、顔さえもわからない男に一方的に犯され、弄ばれる
のだ。
「あっ!」
 優里が思わず声を上げた。安達の手がいきなりパンティを引き下ろした。反射的に逃れようとしたが、首と手が腰壁
に縛り付けられているのだから、身動ぎするのが精一杯だ。
「ほら、足を開け」
 パンティが足首から抜かれると、後ろから安達の声が聞こえ、軽く太腿を叩かれた。男が挿入しやすいように両脚を
開いたところで、今度は足首が腰壁に固定された。
(優里…、がんばろうね…)
 心の中でそう呼びかけた沙希の表情は、怒りで強張っていた。安達が優里の制服の胸を捲り上げ、ブラジャーを外し
ているのが見える。ブースに固定された優里の姿はあまりも惨めで目を背けたくなる。前屈みになっているために、身
動きする度にスカートの裾からチラチラとお尻が見え隠れしていた。
 安達がニヤニヤ笑いながら、スカートを捲りあげた。つるんとした可愛いお尻が剥き出しになる。ブースの入口に段差
があるため、ドアを開けると、ちょうど客の目の高さに大陰唇の膨らみがきて、性欲をそそるように設計されているの
だ。
「いいか、3人でチームを作るんだ」
 ブースから出て来た安達が女生徒たちに向かって言った。
「1人目がやってきたお客のチ×ポをしゃぶって立たせ、コンドームを嵌める。ブースにいる2人目のマ×コで抜き終わ
ったお客が出てきたら、3人目がコンドームを外して、お掃除フェラだ。それを1時間ずつ交替で、合計3時間やってもら
う」
 あまりに非人間的な扱いに、女生徒たちがざわつく。しかし、安達に睨まれると、シーンと静まり返った。
「1人目と3人目は客引きもしっかりするんだ。そうすれば、2人目は1000人ノルマのうち、かなりの人数を稼げるぞ。
これも、担任としての親心だと思って、しっかり励め!」
 その声とともに、ブースのドアが閉じられた。中の電気が消え、優里は暗闇の中に一人取り残された。それなりに防
音が施されているのか、外の音もまったく聞こえない。
 不安な思いを抱えながら、どれぐらい経ったのだろう。突然ブース内がパッと明るくなり、ドアが開いた。人が入ってく
る気配がして、目の前の鏡に男の腰から下が映る。
 男はベルトを外すのももどかしい様子で、ズボンをずり下ろすと、優里の前に立った。
「あっ…」
 優里が声をあげた。男の両手でお尻の割れ目が大きく開かれ、膣口に外気を感じた。荒い息が聞こえ、滑りのあるコ
ンドームに包まれた亀頭の感触が陰裂に沿って上下する。
「あうん…」
 いきなり肉棒が優里の中に入って来た。粘膜が押し広げられる感覚とともに、男が奥深くまで侵入してくる。
 腰をゆっくり前後させながら、男の身体が背中に密着してくる。その手が優里の胸に伸び、柔肉に強く指を食い込ま
せるように二つの膨らみを握り締めた。
「うくっ…」
 乱暴に揉まれた痛みで、優里が顔を顰めたが、男は意に介することなく、夢中で乳房をこね回す。耳元で男の荒い息
づかいが聞こえる。
「あっ、あっ、あっ…」
 切なげな喘ぎ声をあげながら、優里は激しく腰を振った。男女が同時にイクことが、相手に最高の快楽を与えるという
考え方から、星園の慰安嬢は相手の動きに合わせて自らの性感を高め、相手の射精に合わせてアクメを迎える訓練
させられる。男が早漏気味なのを悟ると、優里の身体は一気に昇り詰めていった。
「うっ…」
 男の呻き声とともに、優里の全身がビクンビクンと痙攣した。ほぼ一緒に絶頂を迎えることができたのだ。男子を相
手に何度も特訓させられ、ようやくなんとかできるようになってきたテクニックだ。
 気持ちよさそうに「ふーっ…」と大きな息を漏らした後、男は肉棒を膣から抜き取り、ズボンを手にしてブースを出て行
った。結局、彼は一度も優里に声をかけることはなかった。
 再びブースの中が真っ暗になった
「お前たちは公衆便所と同じだ!」
 暗闇の中で、JBC役員の男に投げつけられた言葉がぐるぐると脳裏を回り始めた。
(ホントに私…、人間じゃなくて、トイレみたいだわ…)
 そう思った瞬間、思わず涙が込み上げてきた。両手を拘束されているため、頬を伝う涙を拭うこともできず、優里は一
人、嗚咽を堪えていた。
「次のプレイを楽しむ前に、一度ここで抜いていきませんか?」
 グループの1人目になった沙希は、訪問客が通る度に声をかける。ブースでのセックスは女の子にとっては屈辱的だ
が、1000人というとんでもないノルマを果たすためには、結果的に、こうした機会にできるだけ多くの男の相手をして
おく必要がある。クールな物の考え方ができる彼女は、そう思って、仲間のために熱心に客引きをしていた。
 人目を引く美少女だけに、声をかけられた男は、ほぼ例外なく沙希に近づいて来る。
「君が相手をしてくれるの?」
「ごめんなさい、まだうちの順番やなかです。でも、ブースの中の子も、私のクラスメートで、とても可愛い新入生ですよ」
 そう言う沙希の言葉は誇張ではない。館は、ルックスのレベルで組み分けがされており、A組は誰が見ても美少女だ
と評価される水準の女生徒が揃っている。
「なんだ…、そうか…」
 沙希が相手だと思って寄ってきた男たちは、一様にガッカリした様子を見せる。それを聞いて立ち去っていく者もいる
が、次の彼女の言葉で思いとどまる者も多かった。
「セックスの準備は、うちがオ×ン×ン、おしゃぶりしますけん…」
 そう言うと沙希はその場で跪き、ズボンのチャックを開けて、男の陰茎を取り出した。半ば勃起している肉棒に指を絡
め、丁寧に舌を這わせていく。
「ううん…」
 男が気持ちよさそうな声を漏らした。男の体臭が漂う、洗っていないペニスを舐めるのは吐き気がするほど不快だっ
たが、それでも、沙希は手を抜かなかった。できるだけ男の身体を高めておけば、中に入って挿入する時間が短くな
る。この作業が仲間の負担を軽くするのだ。
 エラから、サオの裏側へと舌を押し付けながら舐めていくと、見る見るうちに肉棒が硬くなっていく。先端から染み出た
透明のカウパー氏腺液を舌先で掬い取り、唇に咥えて数回扱くと、亀頭にキスしながら手際よくコンドームを被せた。
「どうぞ…」
 沙希が立ち上がってブースのドアを開く。
「おおっ…」
 男が思わず声をあげた。上半身を前に倒し、両手両足を拘束された女生徒が中にいる。制服のスカートは捲り上げ
られ、剥き出しのお尻とふっくらした大陰唇が、挿入を待ちわびるかのように彼の方に突き出されている。鏡に映る顔
は、沙希が言ったとおりの美少女だ。男は卑猥な笑いを浮かべて、ブースの中に入っていった。

「ああ…、あぁ、気持ちいい…」
 茉莉が切なげな声を漏らす。須崎は茉莉の胸に顔を埋めるようにして、乳首を口に含む。官邸の執務室に設置され
たソファの上で、二人は全裸になって絡み合っていた。
「あはぁ…、い、いいの、いい…」
 茉莉が甘えた声で囁いた。どちらかと言えば、羞恥心が先に立つ娘で、普段はセックス中の表現も控えめだったが、
今日の茉莉はやけに積極的だ。先日、館を訪問した時、卒業後に引き取りたいと申し出たことが彼女の心を捕えたの
だと思った須崎は、さっきからニヤニヤ笑いが止まらない。
「もっと気持ち良くしてあげよう…」
 そう言う須崎の手で、茉莉の双乳が歪む。先端のつぼみを舌で転がしながら、怒張を秘孔の奥深くに肉棒を突き込
む。その動きにあわせて、茉莉が腰をくねらせて絶頂の前の高ぶりを感じている。
「あんっ、も、もっと…」
 汗が浮き出た額に張り付いた髪が色気を増し、眉根を寄せた表情は男の制服欲を煽る。須崎は激しく腰を振り、茉
莉の胸を強く揉みながら怒張の抜き差しを速めた。二人の下腹部がぶつかりあう音が静まり返った執務室に響きわた
る。
「うっ、い、いい…、いきそう…」
 身悶えする茉莉の膣の収縮が強くなり、襞肉が須崎の怒張に絡み付いてくる。精液を搾り取るような蠕動に須崎の方
もそろそろ限界に来ていた。
「でそうだ…茉莉…、出すぞ…」
「お…、お願いします…須崎…さま…」
 喘ぎ声をもらす茉莉の胎内に、須崎は最後の一打ちを深くに打ち込み、彼女の中に精液を吹き出した。それと同時
に茉莉が絶頂を迎え、全身を痙攣させる。
 しばらくの間、交合の余韻を楽しむように茉莉と抱き合っていた須崎だったが、興奮が徐々に覚めると、肌寒さを感じ
た。庁舎の冷暖房は、時期によって決められ、なかなか融通がきかない。気づけば、二人とも全身汗でびっしょりにな
っていた。しかも、いつになく大胆だった茉莉は、挿入前の前戯で、唾液をたっぷり含んだ舌を使って須崎の全身をくま
なく舐め回してくれた。
「やれやれ、シャワーを浴びてこないといけないな…」
 茉莉の身体から離れた須崎は、わざと困ったような顔をしてみせると、上機嫌の様子で、鼻歌まじりに部屋を出て行
く。
「………」
 音をたててドアが閉まると、茉莉はソファの上で身を起した。
 その目がきらりと光る。彼女の視線の先には須崎の執務机があり、その上に電話機が置かれている。無邪気な様子
を装ってお茶を飲んでいたが、人一倍頭の良い茉莉は、架かってきた電話の相手もその内容も推察することができ
た。
 それはホットライン。記録されては不都合な極秘の話し合いをするために引かれた最高権力者の電話機だ。



 
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