国防省附属「星園・癒しの館」
 
外伝・生徒会の夏 6

 小西沙由紀は夜明け近くになって、女生徒たちの部屋として割り当てられている武道場に戻って来た。
 身に着けていた体操服もブルマも剥ぎ取られて、どこに行ったかわからなくなり、一糸まとわぬ姿で重い身体を引き
ずるようにして廊下を歩いてきたのだ。膣にも肛門にも未だに異物が入っているような感覚があり、色白の素肌のあち
こちに、赤みを帯びた男たちのキスマークが残っている。いつ終わるともなく繰り返される輪姦に最後は気を失い、シャ
ワーを浴びる時間もとれなかったため、男の汗と唾液、そして精液にまみれた全身が気持ち悪かった。
 先に解放された女生徒たちが、柔道畳の上にぐったりと転がっていた。眠っている娘もいれば、放心状態で天井を見
上げている娘もいる。沙由紀もその場に崩れるように倒れ込んだ。
「さあ、起床時間よ…」
 ふいに聞こえて来た声で上半身を持ち上げる。見ると、亜弓が武道場に入って来た。大きくとられた窓から朝日が差
し込み、短い夏の夜はすっかり明けていた。気を失うように眠り込んでしまったらしい。亜弓の後ろから町田に引き連れ
られた隊員が数人入って来るのを見て、沙由紀は慌ててその場で蹲り、身体を小さくした。町田が沙由紀に気づいて、
ニヤニヤ笑っている。彼女は全裸のままだったのだ。
 隊員たちも沙由紀に気づいて、好奇の視線を向けてくる。亜弓がさりげなく近づいてきて、ジャージを肩にかけてくれ
た。
「ありがとうございます」
 沙由紀が小声で囁き、亜弓は「がんばって…」と小さく声をかけた。
「みんな、集まって!」
 亜弓の指示に応え、女生徒たちが横一列に並んだ。彼女たちと向き合う形で町田が連れて来た隊員が並び、用意さ
れた椅子に腰かけた。副司令官の今野少尉と各分隊の隊長たちである。
 彼らの遠慮のない視線に晒され、女生徒たちは恥辱の色を隠せなかった。そもそも、寝起き姿を異性に見せるのは
年頃の少女にとっては恥ずかしいものだ。ましてや、沙由紀のように凌辱の名残りをとどめた姿の者も少なくない。
「それぞれ、昨日の報告をしてください」
 女生徒たちを見渡して亜弓が言った。
 合宿中は毎朝ミーティングをして、前日に行った慰安の内容を報告しあうことになっていた。発案者は町田だが、「き
ちんと内容を聞いて、酷いことをされているのがわかったり、要望などがあって、それを隊の責任者に伝えることができ
れば、みんなを守ることになるんじゃないか?」と言われてしまうと、亜弓も否定はできなかった。
 しかし、女生徒たちにとってそれは、恥ずかしく辛い体験を思い出して、みんなに披露することに他ならない。しかも、
好奇心を剥き出しにこちらを見ている隊員たちの前でだ。躊躇する少女たちがお互いに顔を見合わせる中、最初にミ
キが報告に立った。こういう時、彼女が最も度胸が据わっている。
「第四分隊は、当直室に隊員の方を一人ずつお呼びして、慰安を行いました。5人全員のお相手をした後、3人の方か
らご希望があったので、お部屋までうかがって二回目の慰安をし、午前1時に終了しました。特別なプレイはなく、すべ
て1対1のセックスでした」
 相手をした部隊が比較的大人しかったのに加えて、美貌とテクニックで終始イニシアチブをとって慰安をすすめたミキ
は、隊員たちを満足させたうえで比較的早い時間に武道場に戻って来られた。
「なんだ、それは?もっと詳しく報告してくれないと困るな」
 できるだけ事務的に報告を終わらせようとしたミキに向かって、意地悪い口調で町田が言った。嫌悪感を隠さない表
情でミキが睨んでも、ヘラヘラと馬鹿にしたように笑って見せる。
「詳しく報告して…」
 間に入った亜弓が言った。ここでは、町田の指示は「館」の意志だと考えなければならない。
「…隊員の方が当直室に来たら、最初にキスをしました。舌を絡ませ、唾液を混ぜ合わせ…、そうしながら制服の上か
らオッパイを揉んでいただきました…」
 ミキは正面にチラリと視線をやった。彼女の前には第四分隊長の宮部隊曹が座っている。ミキが報告している内容
は、まさに彼との行為そのものである。
「オ××コも弄ってもらったんだろ」
 町田が口を挟んだ。
「…はい」
「男に弄られて気持ち良かったか?」
「はい…、大陰唇を掌で包んで優しく揉みながら、割れ目に指を這わせて、オ××コの穴に指を入れていただいて…、
気持ち良かったです」
 自分が受けた愛撫を詳細に描写するミキを見ながら、宮部が照れたような苦笑いを浮かべている。
「ハハハ…、いやらしい女だな」
 自ら誘導しておきながら、町田がわざとらしく嘲笑する。
「すみません…」
 ミキが耳まで真っ赤になって謝罪の言葉を口にする。
「それで、どうしたんだ?」
「隊員の方の股間に跪いて、…オ×ン×ンをしゃぶらせていただきました…」
「即尺で、洗っていないチ×ポを味わったのか…」
「はい…、おいしかった…です…」
 屈辱的な報告を続けるミキを見ながら、女生徒たちの表情が次第に硬くなっていく。慰安した相手の前で詳細に報告
することを考えると、恥ずかしさと哀しさで胸が潰れそうだ。なにしろ、ほとんど全員が最初の夜からミキ以上の経験を
したのだから。
「平良の他に、各隊員に対して個別で慰安を行ったのは?」
 樫村舞が手を挙げた。
「第三分隊だな。通信部隊休憩室での慰安は、平良と同じか?」
「あの…、オ××コだけでなく、お尻の穴にもオ×ン×ンを入れていただきました…」
 舞が今にも泣きそうな声で言うと、相手をした第三分隊長が同僚から肘で突かれ、思わず頭をかいた。
「第六分隊も…です…」
 山岸友里菜が手を挙げて報告する。個別の慰安で済んだにしては憔悴した表情が見える。
 整備班の技術を活かして大人の玩具を作って彼女を待っていたのは、杉本伍長だけではなかった。彼女は隊員の部
屋を訪問する度に、彼らが腕によりをかけて作った淫具の実験台にされてしまったのだ。拷問としか思えない友里菜の
報告に、女生徒たちの顔に恐怖の色が浮かぶ。いずれ、その凶器が自分たちの身体を責め苛むのは明らかだ。
「今の報告ですが、慰安嬢の身体を傷つける危険性のあるものが含まれていると思います」
 亜弓が口を挟んだ。
「そうか…?今の程度なら、許容範囲だろう…」
 町田の言葉を遮るように、亜弓が分隊長たちの横に並んでいる副司令官の今野少尉に向かって訴えた。
「山岸さんに使用された道具は隊員の方たちが作られたものだということなので、安全検査を受けておらず、事故の危
険性も考えなければなりません」
 国防士官学校を卒業した三保司令官と違って、たたき上げの最後の階級として少尉になった今野は少女たちの父親
よりもさらに上の年齢だ。海老吊島分屯基地での配属歴も長く、隊員に対する影響力が強い。
「なるほど…」
 ふんふんと頷きながら、今野は工藤真澄に視線を注いだ。真澄は昨夜、分隊の慰安に配置されるのではなく、彼の
慰安を任された。40歳近く年齢の離れた少女の瑞々しい肉体に魅せられた中年男は、飽きることなく真澄の身体を貪
り、コンドームの着用を免除された特権を利用して、衰えることのない精力を注ぎこんだ。
 視線を感じた真澄が顔を上げる。禿げた頭を光らせた男の、好色な表情が彼女に向けられている。それに気づいた
真澄が訴えるような視線を返す。
「君の言うことも一理ある。その道具を検査して、安全なものだけを許可することにしよう。杉本伍長、良いね」
「はいっ、了解であります!」
 杉本が敬礼して答えると、今野が再び真澄を見た。感謝の表情を浮かべてペコリと頭を下げる彼女を見て今野は満
足そうに頷いた。安堵する亜弓の横で、町田が小さく舌打ちする。
「最初から最後まで輪姦されたのは、第二分隊ね…」
 そう言いながら、亜弓が沙由紀を気遣うような視線を向ける。まだまだ幼さが残る顔に、疲れ切った表情を浮かべて
こちらを見ていた。夜9時の慰安開始から、つい先ほどまで屈強な隊員たちに取り囲まれ、休憩室で一晩中、寄ってた
かって身体を玩具にされ続けたのである。一年生の彼女にとっては、過酷すぎる経験だったはずだ。
 町田に促された沙由紀は声を震わせ、時折涙ぐみながら、昨夜の凌辱体験を報告した。
 亜弓の目にも思わず涙が滲む。母と二人の厳しい暮らしの中で心中まで考え、それを乗り越えてきた芯の強さがある
沙由紀だからこそ、耐えられたのだろう。
「第一分隊は…、食事当番が戻って来られた後、輪姦に…切り替えました…」
 すでに耳を真っ赤にしながら、沖本風香が恥ずかしそうに報告した。亜弓の表情が強張る。第一分隊の食事当番と
言えば、彼女に暴力を振るった、あの塚本が含まれている。
「食事当番の方が私を教室に引っ張っていって、他の隊員の方を集めて…」
 風香の報告を聞きながら、亜弓は怒りが込み上げてきた。そこで語られている内容はプレイとしての「輪姦」ではなく、
正真正銘の集団レイプだ。
「…ちょっと痛かったんですけど、我慢できなくはなかったので…」
 町田さえ突っ込むのを忘れるほどの報告だったが、風香は小さな声ながら泣くこともなく、激することもなく淡々と話を
続ける。
(さすがだわ…)
 亜弓が思わず舌を巻いた。
 星園高校の施設とともに女生徒を慰安嬢に転用した1年目が終わる頃、国防省は新たにできた徴兵法を使って、慰
安嬢の増員計画を立てた。容姿に優れた普通科の生徒を集めるために実施したのが、各県代表を選ぶ徴用審査であ
る。「色白美人の産地」として知られる北国の県から選ばれてきたのが風香だった。
 内気で大人しいシャイな性格から、館に来た当初は慰安嬢として長く保たないだろうと判断されたらしく、風香は「使い
捨ての消耗品」扱いされていた。館の運営陣は、彼女の慰安予定を組むにあたって、粗暴な者や倒錯した性癖の持ち
主など、十分に訓練を積んだ慰安嬢でも相手をするのが困難な客ばかりを押し付けたのだ。
 初めの頃こそ、怪我や失神の連続で慰安にならず、客からの苦情が相次いでいたのだが、しばらくして様子が変わっ
てきた。風香にあてがわれたサディストや変態客たちが、すっかり満足した様子で慰安を終え、彼女を指名するリピー
ターになっていったのだ。しかも、風香の方も強いダメージを受けることがなくなってきた。
 持ち前の観察力と洞察力に加え、仲間たちに支えられ、なんとか生き延びようとする努力によって、暴力的な傾向の
ある客を相手にしても上手く立ち回って心身にかかる負担を減らし、性的倒錯者に対してもいち早く相手の喜ぶポイン
トを察して、どんな要求にも応じられるまでの知識を持つように成長したのだ。巨乳でパイパン、どんなプレイもOKとい
う貴重な存在になった彼女を館の運営陣も大切にするようになり、生徒会副会長というのは、そうした館での扱いを示
している。
(第一分隊配置の塚本一等兵が、最大の問題ね…)
 自らもその狂気を経験した亜弓が心の中で呟く。さすがの彼女も恐怖がフラッシュバックして指先が震えていた。

 駐屯地の起床時刻は午前6時だ。たとえ、慰安嬢たちの訪問期間中で、明け方近くまで淫行に耽っている者がいたと
しても、その規則が曲げられることはなかった。
 起床と同時に点呼、点呼が終わると居室を掃除する。スケジュールは決して変わらない。
 朝食は6時30分から、食事が終わると公共場所の掃除である。隊員たちは分担して、廊下、階段、トイレなどを清掃
していく。掃除が終わると、全員がグラウンドに整列して体操の時間だ。
「おはようございます!」
「今日もよろしくお願いします!」
 いつもの朝と違って、あいさつの声に心地よい少女たちの声が混じる。
 朝のミーティングを終え、朝食を済ませた星園の女生徒たちが合流してきたのだ。全員、上は制服、下はブルマとい
う姿だ。セーラーカラーの半袖ブラウスは彼女たちの可愛らしさを引き立て、紺色の薄い生地に包まれた丸いお尻と太
腿の白さ、すらりと伸びた脚線美が健康的なエロティシズムを放っている。
 シャワーを浴びて身支度を整えた少女たちは、いつもの清楚な愛らしさを取り戻しており、隊員たちは改めてその様
子に見惚れていた。各部隊とも、自然と昨夜の担当だった女生徒に目がいってしまうのだが、みんな眩しいばかりの美
少女で、昨日の凌辱は夢だったのではないかと思う程だ。
 音楽がかかり、「防衛隊体操」と呼ばれる体操が始まった。身体を効率的に動かす意味ではラジオ体操と変わらない
が、ラジオ体操より遥かにきつい。
「おい…、あれ…」
「おおっ…」
 体操をしながら隊員たちが目くばせし合い、女生徒たちの方に視線を送る。
 音楽に合わせて彼女たちがやっている体操は「防衛隊体操」でもなければ、ラジオ体操でもなかった。胸を揺らした
り、お尻を突き出したり、腰をくねらせる動きが特に多い。
「胸をほぐす体操…」
 亜弓の掛け声に合わせて、少女たちは脚を肩幅に開き、両手を胸にあてて制服の上から乳房を揉み始めた。そうし
て揉みながら、指先で乳首を弄っているようだ。
「次はオ××コをほぐします。」
 少女たちは地面に座ると、Mの字型に大きく脚を開いた。ブルマの食い込みが隊員たちの前に露わになった。音楽
に合わせて、大陰唇の膨らみを撫で回したり、ワレメに指を這わせたりしている。中には、片方の手で股間を弄りなが
ら、もう一方の手で胸を揉みしだいている娘もいる。
「おおっ、なんだなんだ?」
 ひょうきんでノリが良い横川が最初に声をあげた。隊員たちが一斉に女生徒たちに注目する。
「エロいなぁ!」
「すげぇ…」
 そんな声があちこちで聞こえ、女生徒たちが恥辱で顔を赤く染める。それでも卑猥な動きを止めることは許されない。
「これが、癒しの館で行われる準備体操です。体育科の生徒は必ず毎日練習前に行いますが、普通科の生徒達も体
育の授業で行うようにしています」
 町田が得意げに説明する。
「おい、お前たち、動きが止まってるぞ!」
 今野少尉の叱責が飛び、隊員たちは慌てて防衛隊体操の動きに戻る。女生徒の方はその後も、どう見てもセックス
やオナニーの仕草を模したとしか思えない動きが続いていった。
 体操が終わると、司令官の三保大尉が姿を現した。一瞬、隊員たちの間から軽いどよめきが起きる。隊員たちから
常々、「真面目で堅物」と揶揄される三保が、丁重にエスコートするようにして女教師の篠原美咲を同伴して来たのであ
る。
 驚いたのは女生徒も同じだった。美咲は丈の短い白いタンクトップにローライズのホットパンツを履いておへそを出し
ている。タンクトップの下はノーブラで、歩く度に乳房の膨らみが大きく揺れ、乳暈が薄い生地に透けていた。
「先生、良く似合っているよ!」
 みんなに聞こえるような声で町田が言った。美咲がギュッと唇を噛むのが見える。彼女らしくない大胆なそのスタイル
は、諸藤から委任された町田が決めたものだ。日々と変わらないスケジュールをこなしながらも、慰安嬢が基地にいる
特別な一日は、やはり普段とは全く異なる様相を見せて始まったのである。
 8時になった。整列した隊員たちが一斉に三保に敬礼を行う。美咲を先頭に、隊員の横に並んだ女生徒たちもそれ
にならった。
 三保が号令をかけると、全員が国旗掲揚台の方向に正対し、「気をつけ」のラッパで国旗に対する敬礼を行う。
 国旗掲揚の儀式が終わると朝礼が始まった。
「今日の午後より明日の正午まで、星園慰安嬢を交えて浜辺での訓練を実施する」
 朝礼の冒頭、三保はそう宣言した。

 女生徒たちが隊員たちとともに基地の整備作業に就いた後、亜弓と町田は武道場に戻った。
「浜辺での訓練は、訪問の最大のイベントとして、僕が企画したんだ」
 得意げにそう言うと、町田は館から別便で送られてきた段ボールの箱を開封する。
「出発前の最新の身体測定データで仕立てた水着だよ。女の子たちは、これを着て訓練するんだ」
 袋から取り出したのは、紺色のスクール水着だった。
「ほら見てよ」
 町田は水着を広げ、窓に向かってかざした。館で着ている水着よりもさらに薄い布地を使っているらしく、光が透けて
うっすらと向こう側が見えてしまっている。
「いいだろう、この薄さ。完全なシースルーになる一歩手前のものを選んだんだ」
 町田はニヤニヤ笑いながら、亜弓に布地が薄いことを見せつけた。
「さあ、試着してみよう。僕が着せてあげるよ、ほら…」
 町田はそう言うと、ニヤニヤ笑って亜弓を見た。自ら服を脱ぐよう促しているのだ。
「はい…」
 亜弓は屈辱を感じながらも、町田の目の前で制服を脱いだ。女生徒はみんな町田の許可がない限り、下着を着けて
はいけないことになっているため、ブラウスを脱ぐと、それだけで上半身裸になってしまう。
 食い入るような町田のいやらしい視線を感じて、亜弓は反射的に片手で胸を隠しながら、続いてブルマを脱ぐと、もは
や全裸になった。
「僕の方を向いて、『気をつけ』しなよ」
 胸と股間を隠していた手を下におろし、町田の前で一糸まとわぬ裸体を晒す。俯かないようにまっすぐ前を見ている
のが、せめてもの彼女の矜持だった。
「いつ見てもきれいなオッパイだね、それに、アソコの毛もしっかり手入れしてきたんだ。ムダ毛の処理も完璧だね…」
 星園高校で同級生だった頃から亜弓に対して歪んだ思いを抱き続けている町田は、久しぶりに訪れた二人きりの機
会に、彼女の身体を舐め回すように鑑賞していた。
「森脇さんは優等生なのに、ホントにいやらしい身体してるね。これじゃあ、慰安嬢になって、男に犯されてもしかたない
よね」
 屈辱的な言葉を投げかけながら、町田は手に持った水着を広げ、亜弓の膝のあたりまで持ってきた。
「さあ、ここに足を通して…」
 町田が構えている位置で水着に足を通そうとすると、自分で着る時よりも、高く足を上げなければならなかった。つ
い、ふらついてバランスを崩し、とっさに町田の肩を借りる格好になった。ニヤリと笑う彼を見て、亜弓は耐え難い屈辱
を感じ、思わず唇を噛んだ。
(まるで着せ替え人形みたい…)
 亜弓はそう思った。自分で水着を着る事も許されない、自分たちはまさに男の玩具なのだ。
 なんとか両脚を通すと、町田が水着の肩の部分を持って引っ張り上げた。水着は生地もサイズも身体にぴっちりと貼
りつくように作られているため、適当に着せただけではきれいに身に着けることができず、布地のあちこちが捩れたり、
本来ある場所からズレたりしている。
「ちゃんと直さないとね…」
 そう言うと、町田はいきなり太腿の付け根から、水着の中に手を入れてきた。
「あっ!」
「ほら、動かない!」
 亜弓が思わず腰を引くと、町田が鋭く注意した。着せ替え人形は、水着を自らの手で直すこともできない。下腹部を
撫でるように移動してきた手が、股間に侵入してきた。指先で大陰唇の膨らみを押し開き、割れ目の中に布地を深く食
い込ませていく。
「ほら、オ××コの形が水着の上からでもよくわかる」
 町田が満足そうに笑った。女陰の形がくっきり浮き出た股間に、陰毛の陰りも見て取れる。町田がビキニラインから
腰の近くまで指でなぞって、切れ込んだ水着の裾を確認した。
「少しハイレグっぽくしたんだ。でも、スクール水着っぽさをなくさない角度を研究したんだよ」
 町田の両手がお尻に回され、臀部の割れ目を開いて水着を食い込ませていく。
「腰をグッと突き出してみて…」
 町田が亜弓の後ろに回って確認する。お尻を包む生地をわざと小さくデザインしてあるために、双臀の膨らみは下か
ら三分の一ぐらいがはみ出してしまう。町田ははみ出た部分を摘まんで弾力を確かめた。
「胸もちゃんと合わせないといけないね」
 そう言いながら、町田は両手を亜弓の胸に回した。そして、ここぞとばかりに乳房を揉みしだく。もはや着替えとは関
係のないセクハラに、亜弓はじっと黙って耐えた。
「よくわからないなぁ、中心を決めないといけないかなぁ…」
 わざとらしく言いながら、脇のあたりから手を突っ込み、町田は乳房を直接撫でまわしながら、乳首を指先で弄る。
「うっ…、くうぅ…」
 敏感な部分を刺激された亜弓が、耐えきれなくなって身体をビクンと痙攣させ、呻き声を漏らした。その反応を楽しむ
ように愛撫を続けていた町田が、しばらくして手をどけると、乳首がすっかり勃起し、大豆のようなポッチリとした存在感
で水着の薄い生地を押し上げているのが見えた。乳暈の大きさもちゃんとわかる。
「胸元も、少し大きめに開けてあるよ」
 U字型の胸ぐりは普通のスクール水着よりも深く、乳房の谷間が見えるようになっていた。
「そこで、ジャンプしてオッパイを揺らしてみて」
 そう言われて、少し飛び跳ねると、水着の胸が大きく揺れた。ピッタリしたサイズでも布が胸を押さえてしまわず、裸で
いる時と同じように、乳房そのままの形がわかり、身体の動きにあわせて揺れるように作らせたのだと、町田が自慢げ
に説明する。
「森脇さんの希望通りのデザインにしてみたよ」
「えっ…」
 町田の言葉に、亜弓が怪訝そうな表情を浮かべた。
「ほら、星園高校の生徒会で、水着の変更を議題にしてただろ?」
「あ…」
 亜弓の表情が変わった。
 彼女が星園高校に入って2年の夏に向けて、水泳の授業で着る水着のデザインを変更する話が持ち上がった。クラ
スの委員長になると同時に学年代表として生徒会に関わるようになっていた亜弓は、これを機にスクール水着からセ
パレーツタイプに刷新することを考えたのだ。
 亜弓は小学校まで水泳教室に通っていたので、実は水泳が得意だった。ところが、中学になると、水着姿に注がれる
周りの視線が気になって、水泳教室もやめてしまい、授業以外では泳ぐことが無くなった。
「それなら、変更してもらうよう、運動してみたらいいじゃないか」
 そう言って背中を押したのは父だった。「世の中を変えるのは、偉い人たちじゃない。普通の人たちがみんなで声をあ
げた時に、変わっていくんだ」と、小さい頃から亜弓に教えてきた父らしいアドバイスだった。
 それをきっかけに、亜弓は他の生徒会役員と相談し、生徒たちにアンケートを取り、先生方を説得した。その結果、
翌年から水着の変更が決まったのだった。
 やがて、彼女のもとに新しい水着のサンプルが届いた。フィットネスで着るような露出を抑えたセパレーツ水着を見
て、亜弓は心からうれしかった。視線を気にせず泳げることはもちろん、自分たちの力で何かを変えることができたとい
う思いが彼女の中に刻み込まれたからだ。
 しかし、亜弓がその水着を着る事はなかった。その年の春、星園高校は「国防省附属慰安施設・癒しの館」に指定さ
れたのである。
 亜弓の希望した水着はこんなスクール水着ではない。星園高校の生徒だった町田はその経緯を十分に知ったうえで
揶揄しているのだ。
「セクシーに歩いて見せてよ」
 町田の指示に従って、亜弓は卑猥な水着で身体を動かした。必要以上に胸を揺すり、腰を振る動き方は、館で教え
こまれた男たちに鑑賞させるためのウォークスタイルだ。
「成績優秀な森脇さんは、慰安嬢になっても教えられたことを身につけるのが早いよね。オッパイ揺らし方も、マンスジ
の見せ方も、尻を振って男にアピールする方法も完璧だよね…」
 恥辱のランウェイ・ウォークを鑑賞しながら、町田が質問を投げつけて来た。
「どうだい、新しい水着は?」
「素敵なスクール水着です。ありがとうございます。」
「嘘をつかなくていいよ。本当は身体を隠したいんだったよね、森脇さんは!」
 町田の口調が次第に意地の悪いものになっていく。亜弓は努めて平静を装いながら、ウォークを続けた。
「こんな水着じゃなくて体をしっかり隠せるタイプが着たかったんだよね」
 そして、ひと呼吸おいた後、町田が粘りつくような声で言った。
「水泳教室で、森脇さんの水着姿を男子がみんなでオナニーのネタにしてたんだよね。ロッカーに入れていた水着に精
液までかけられたんだって?」
 亜弓の動きが止まり、目を大きく見開いて町田を見た。
「どうして…、それを…」
 それこそが亜弓のトラウマだった。成長が早かった亜弓は、中学生になるとすっかり胸も膨らみ、お尻も丸みを帯び
ていた。自らの身体の変化に強い恥じらいを感じる思春期にあった出来事がきっかけで、楽しみにして通っていた水泳
教室もやめ、水着になるのが嫌で水泳の授業も休みたかったのだった。
「僕の連れで同じ水泳教室に通ってた奴がいてね」
 町田の言葉に、亜弓の身体がわなわなと震え始めた。もしかすると、町田の連れこそがあの時の犯人の一人だった
のかもしれない。
「ほら、森脇さんがセクシーな水着姿を見せるから、チ×ポが立っちゃったじゃないか」
 そう言いながら、町田が股間を撫でた。体操服の短パンの股間がもっこりと膨れ上がっている。
「責任とってよ」
 ニヤニヤ笑いながら、町田が亜弓の前に立った。
 やり場のない怒りを抑えるように亜弓は床に跪き、勃起した町田のペニスを取り出して亀頭に口付けをする。怒張の
裏の皺に沿って舐め上げると、町田の全身がブルッと震えた。
「ううっ…、さすがだよ、森脇さん…」
 町田が快感のあまり、呻き声を漏らす。亜弓はカリの裏側を舌先で舐め、サオを力強く舐め擦っていく。肉棒が亜弓
の唾液でヌラヌラになる。
「うっ…ううっ…」
 町田が腰を震わせた。怒張がどんどん反り返って行く。亜弓は怒張を咥えると、頬をへこませながら、根元からカリま
で唇で絞めたり緩めたりしながら吸っていく。
「うっ、うっ…、ああっ…」
 舌技に翻弄されて町田が喘ぐ。亜弓の唇が、町田の怒張の根元まで呑み込んでいく。強く柔らかく、町田の肉棒が亜
弓の唇を出入りする。亜弓は顔を捻り、角度を変えながら、何度も唇を根元からカリまでの間を往復させた。舌を使うこ
とも忘れず、肉棒の裏側の皺に、カリに舌を押しつけて舐めあげる。
 我慢の限界を感じた町田は、慌てて陰茎を引き抜いた。
「こんなのが着たかったんだよね、森脇さんは…」
 そう言いながら町田が段ボールの奥から取り出したのは、導入されるはずったセパレート水着のサンプルの残りだっ
た。亜弓に見せるために、わざわざ持ってきたものらしい。
「もう着る事はないけどね」
 そう言うと、町田は水着でペニスを包むようにし、思い切りそこに射精した。
「ほら…」
 町田がニヤニヤ笑いながら、白濁液がべっとりと付着した水着を見せた。亜弓の顔に、今にも泣きだしそうな表情が
浮かぶ。彼女の星園高校での思い出がまた一つ、目の前で汚され、壊されていった。

 



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