ヒミツの伝説

第3章
 
 朱川がDVDを再生した。
「すげー、こんなにはっきり映ってる」
「ヤバイよコレ。アソコもバッチリ見えちゃってる」
 二人の男子が歓喜の声をあげた。
 今日は久しぶりに野球部のメンバー4人で、キャプテンの朱川の家に集まった。最初は野球の話をしていたが、この
年代の男子が集まると、当然のように話題は猥談になだれ込み、朱川が秘蔵のアダルト動画を出してきた。無修正の
いわゆる「モロ動画」だ。
(奈月の方がずっときれいだよな…)
 アイドル的な人気を誇るAV女優だと言うが、ルックスはもちろん、スタイルも奈月の方がずっと上だと思い、弘志は密
かな優越感を感じた。他の二人が大騒ぎしている性器など、褐色の小陰唇が卑猥に捲れ上がり、赤く腫れたような膣
口を見せており、つやつやしたピンクの奈月のモノとは比ぶべくもない。
「こんなの売ってないだろ、どうやって見つけたんだ」
 興奮した様子で尋ねた松原は、チームのエース投手である。スカウトから声を掛けられたことがある剛腕投手も、単
なるエロ少年の顔で、モニターに見入っている。
「ネットからダウンロードしたんだ」
 朱川が得意げに答える。 
「URL教えてくれよ」
「俺んところ、パソコンないんだよ」
「じゃあ、このDVD貸してやるよ」
 そう言い合っているうちに、誰かがポツリと言った。
「本物の女のアソコ、見てみたいよな…」
「おい弘志、お前、笹野のアソコ、見たことあるのか?」
 朱川にとっさに質問されて、弘志が言葉につまる。見たことがあるどころではなく、毎日見ている。しかも、朱川たちが
想像できないようなシチュエーションでだ。
「おい、返事がないぞー」
「こいつ、まさか…」
「許せんなぁ!」
 三人はふざけ半分、やっかみ半分で弘志をタコ殴りにする。
「痛てて、やめろよ…」
 笑って逃げながら、弘志は複雑な思いにかられていた。「その日」、彼らにも奈月の性器を見せることになるのだ。食
い入るようにAV動画を見つめていた朱川たちの表情を思い出し、弘志は少しブルーになった。

 弘志は目の前に並んだ膝頭を掴んで、グイっと広げた。奈月の足がMの字に開く。太股の付け根に、薄い茂みに覆
われた柔肌の膨らみが見えた。縦に走る亀裂が少し開き、サーモンピンクの肉襞を覗かせている。
「恥ずかしい…」
 奈月は、可愛い顔を真っ赤にしている。
「いっぱいヌルヌルしてるね…」
 弘志は、指先で奈月の割れ目をなぞりながら言った。指先で開くと、柔らかな肉びらが左右に割れて、ヌメヌメした内
部をのぞかせた。瑞々しいピンクの肉孔が、ピクピクと震えている。
「うっ…あうぅ…」
 奈月が声を噛み殺しながら喘ぎ声を漏らす。弘志は濡れた膣口に指を突っ込んだ。指を曲げ、秘孔の天井を擦る。
「あっ…そ、そこは…だめぇ」
 奈月が腰を揺らし、甘えるような喘ぎ声をあげる。弘志の肉棒が痛いほど勃起した。
「お願い…、早く入れて…」
 耳元で奈月の甘い囁き声が聞こえる。怒張の先端が奈月の割れ目をとらえる。反り返った勃起の先で花肉のぬめり
を何度もなぞってから、弘志は狙いを定め、ぐいっと腰を突き上げた。
 その途端、ハッと目が覚めた。
「…夢か…」
 弘志がガッカリしたような表情を見せる。次の瞬間、布団をはね除け、トランクスの中を覗いた。夢の中で噴出した粘
液がトランクスの内側を汚し、太股が冷たくなっている。
 ふと時計を見ると、まだ明け方の3時だった。もう一眠りできるはずだが、なんとなく眠る気にはなれない。張り型を挿
入した奈月の陰部のイメージが、脳裏に浮かんできて頭を離れなかった。
 弘志は壁に立てかけてたバットに目をやった。「その日」のために、行きつけのスポーツ用品店で、じっくり時間をかけ
て選んだ金属バットだ。
 高校野球では、使いやすさや耐久性の点から金属製バットの使用がほとんどである。バットは、手で持つグリップの
部分が細く、ボールが当たるヘッドの部分が太くなっているが、奈月に挿入するのはヘッドの方だ。その直径は7セン
チ弱。奈月の膣口径は4.3センチだったので、約10日間で1.5倍以上に拡張しなければならない。そのためには、
毎日休むことなく、徐々に太くした張り型を入れておく必要があった。その間、セックスはお預けだ。
 弘志は起きあがって、ティッシュで股間を拭うと、新しく買ってきたバットを持って素振りを始めた。

 朝、奈月はいつもより早く目がさめた。目覚めても、身体が重かった。頭がまだ、ぼんやりしている。昨日も「特訓」を
終えて、家に帰るなり、そのままベッドに倒れ込んで眠ってしまった。風呂もシャワーも浴びないままだ。
 思わず股間に手を持っていく。パジャマの上からわかるほど、そこは濡れていた。
「いやだぁ…、また濡れてる…、こんなに…」
 見ると、お漏らししたように、パジャマに大きな染みが出来ている。おそるおそるパジャマに手を入れて、股間に触れ
てみた。ヌルヌルした体液が漏れ出し、ゴム製の貞操帯の内側をビショビショに濡らしている。膣内には奈月の腕より
太い疑似男根が、今も埋め込まれていた。
「気持ち悪い…」
 そう呟いた奈月は、とにかくシャワーを浴びることにした。張り型を入れて暮らすようになってから、大事な部分をきれ
いに洗うことができない。それでも、出掛けるまでに少しでも清潔にしておきたかった。
 シャワーのノズルを、頭から順に、身体の上を這わせていく。バストにかかる水滴が弾け飛ぶ。縦長の臍のあるおな
かを水流が這い、はめたままの貞操帯を伝って床に落ちる。
 愛液で汚れた場所をきれいに洗いたかったが、股間のあたりは、奈月の細っそりした指でも入らない。仕方なく水流
を強目にし、貞操帯の内側を洗い流すため、隙間にノズルを当てて、水流を流す。
 シャワーの水流が陰裂を伝い、襞の一枚一枚を捲ってクリトリスに当たる。
「ううっ、あぁ…」
 肉の割れ目を当たる水流の感触に、思わず身悶えして、声を漏らした。
(ああ、どうして感じちゃうの…)
 戸惑いながらも、奈月はその行為をやめることができなかった。張り型を入れるようになってから、常に官能の種火
が燻っていて、何かきっかけがあれば、一気に燃えあがる身体になってしまったような気がする。
(弘志クン…)
 自然と脳裏に浮んだのは、弘志の顔だった。想像上の弘志の舌が、奈月の秘所ペロペロと舐めている。
「あはぁ、いっ、いい…」
 喉からは、荒い吐息が止めどなく続いた。シャワーの音が、それをかき消すかのように響く。気が付けば、左手が胸
にあてがわれ、指で乳首を挟んでいた。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
 奈月の頭の中では、弘志がクリトリスを舌で転がし、乳首を弄り、胸を揉んでいる。
「いっ、いぃ…もっと、もっと…して…」
 奈月は、胸を揉みしだき、なまめかしく腰を振った。貞操帯のせいで直接、陰部に触れることができないのがもどかし
い。
「あぁっ、弘志君…、好き、好きよ…」
 奈月の口から漏れる吐息が早くなっていく。のけ反った身体が膝から崩れ、奈月はバスルームのタイルの上に四つ
ん這いに崩れ落ちた。

「おはよう…」
「うん…」
 通学電車で一緒になった弘志と奈月は、お互いに少しよそよそしかった。それぞれに今朝のことが思い起こされて、
気恥ずかしかったのだ。
 弘志の視線が知らず知らずのうちに、奈月の下半身にいく。二人だけでいると、「その日」が刻一刻と近づいてくるプ
レッシャーもあり、さらには、我慢に我慢を重ねている性欲が、ふとしたきっかけで爆発してしまいそうな思いもある。
「………」
 奈月が何か言いかけて、居心地悪そうに目を伏せる。
 弘志は、奈月の方を見ることもなく、ぶすっとした表情を作って窓の外を眺めていた。
(これは、チャンスかも…)
 少し離れた席で二人の様子を見ていた少女が、心の中でそう呟いた。その熱い視線が、ずっと弘志に注がれてい
る。
 それは、野球部マネージャーの佐々木美穂だった。

 放課後、野球部の練習は、試合本番に向けてますます熱気を帯びていた。
「すげえ、場外ホームランだぜ」
 弘志のバッティング練習を見ていた朱川がそう言った。投げているのはエースの松原である。
「松原、結構真剣に投げてるのに、完全に打ち込まれてるよ!」
 他の部員たちも手を止めて、弘志の方を見る。
「なんか、弘志、気合いの入り方が違うと思わないか?ギラギラして、近づきがたいというか…」
「ああ、目なんか血走っているぜ」
 部員たちは、そう噂し合った。その迫力の真の理由を彼らは知らない。
「お疲れっ!」
 練習が終わり、美穂が部員たちにタオルと飲み物を渡していく。
「はい、向阪君」
「サンキュー…」
 いつものように気軽にそう言って、伸ばした弘志の手に美穂の手が触れる。慌てて引っ込めようとした手を、美穂が
ギュッと握り締めた。
「握手!」
 そう言ってニッコリ笑う美穂のコケティッシュで可愛らしい顔に、弘志はどぎまぎしてしまった。握った手が暖かく、柔ら
かい。
 やがて、他の部員たちが一足先に帰り、弘志は宮内と奈月が来るのを待っていた。いつもは他の部員と一緒に帰る
美穂が、今日はなかなか帰ろうとせず、部室の片付けなどをしている。
「佐々木、帰らないのか?」
 弘志が声をかけた。奈月たちが来るまでに、美穂には帰ってもらわなければならない。例の「特訓」を人前で行うこと
など、できるはずもなかった。チラチラと時計を見ながら、美穂の姿を視線で追い、弘志は気が気ではなかった。
「ねえ、向坂君…」
 美穂が急に弘志の方を振り返った。決意を秘めた表情で彼の目を見ると、はにかむような笑みを浮かべて言った。
「私、向阪君のこと、好き…」
 今朝、電車で気まずい雰囲気の弘志と奈月を見た美穂は、思い切って弘志にアタックすることにしたのだ。
「佐々木…」
 少し頬を染めながらも、ひるむことなく、積極的にアプローチしてくる美穂に、弘志の方が戸惑いを見せる。ふいに甘
いリンスの香りがして、美穂がギュッと抱きついてきた。
「えっ…?」
 突然の出来事にポカンと半開きになった弘志の唇に、美穂が唇を重ねた。弘志の手が、意識しないまま美穂の背中
に回る。美穂の胸の膨らみが、弘志の胸に押し当てられている。弘志は、股間が膨らんでしまうのを感じた。
 その時、部室のドアが開いた。そこには「特訓」のためにやってきた奈月が立っていた。
(う、うそっ?)
 目の前で抱き合う二人を見て、美奈は目を見張った。それは間違えようもなく、弘志とマネージャーの美穂だ。
(どうして?なぜ、二人が…)
 あまりのことに奈月は愕然としてしまい、その場に立ち尽くしていた。いろんな思いが一瞬のうちに奈月の頭を駆け巡
る。
「あ、笹野さん…」
「えっ!」
 美穂が奈月の姿に気づき、声をあげた。それを聞いて、弘志も奈月に視線を合わせる。
「………」
 奈月は目に涙を浮かべ、怒りの表情で無言のまま、じっとこちらを見ている。
「な、奈月、ち、違うんだ。誤解するなよ、これは…」
 弘志は、慌てて言い訳をしようとしている。
「言い訳なんか、しないで!」
 叫んだ奈月の右手が、弘志の頬をしたたかに打った。肉をはじく乾いた音が部室の空気を切り裂いた。
「奈月っ!」
 追いかけようとして掴んだ手を激しく振り払われて、弘志はその場に呆然と立ちすくんだ。
「ひどい!ひどすぎるわ!」
 奈月は、学校から駅への坂道を駆け降りていく。知らず知らずのうちに頬には、熱い涙が伝っている。どうしようもなく
こみ上げてくる慟哭と、全速力で走ることからくる激しい動悸とでかなり呼吸が苦しい。
 それでも、一刻も早く学校から遠ざかりたかった奈月は、おかまいなしで走り続ける。
「う、あうっ…」
 しばらくすると、奈月の口から喘ぎ声が漏れ始めた。なにしろ、太い張り型が陰部に挿入されたままなのだ。一歩進
むごとに、張り型が膣内を擦り、奈月の性感が刺激する。
「う、ううっ…う、…あ、ううっ」
 全力で走ったために、張り型が勢いよく膣壁を掻き回し、セックスしながら歩いているのと変わらない状態になってい
た。
「ううっ…」
 これ以上走れなくなり、奈月は股間を押さえて立ち止まった。これ以上走ったら、道路の上でアクメを迎えてしまいそう
だ。
(こんなことまで…、してるのに…)
 女の子として最も恥ずかしい部分を、毎日彼の前に剥き出しにし、膣を押し広げるために、卑猥な異物を挿入したま
まで生活している。数日後には、他の野球部員たちが見ている前で秘所を晒し、胎内にバットを挿入されることすら受
け入れている。
 すべては、弘志のためだと思うから、恥ずかしくても、辛くても必死で我慢しているのだ。それなのに、弘志は他の女
の子と仲良くしている。
(許せない!絶対に!)
 奈月は手で涙を拭いながら、心の中で叫んだ。



 
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