松赤村の慣習

第2章
 
「そう、うちの村では、夜這いの風習が残っている」
 青年団長の良太がそう話を切り出した。月曜日になって、緊急の青年団の寄り合いが開かれていた。
「そもそも夜這いなんて、昔の日本の農村では、あちこちで普通にあった習慣なんだ。奈津美先生に村の風習が異常
なものではなく、当たり前のものだと思ってもらえばいいんだが…」
 ため息まじりに言う良太に、副団長格の秋彦も相槌を打った。
「その意味でも、おばさんが、きちんと話をしておいてくれてればよかったんだけどね」
「その予定だったんだがな…ちょっと、行き違いがあったらしい」
 年かさの面々が頭を寄せあっているのを見て、二十歳になったばかりの淳が提案した。
「どうでしょう、村の娘に手伝ってもらっては?」
「そうだな…、女は女同士がいいかもな」
 秋彦も賛同した。
「じゃあ、咲希にでも頼んでみるか」
 みんなの視線を浴びて、良太がそう言った。

 昼休み、村で一軒限りの食堂に行くと、数人の若者がテーブルについて食事をしていた。
「こんにちは、先生」
 村役場に勤めている和哉が声をかけてきた。
「こんにちは…」
 挨拶を返したものの、奈津美の表情はいつになく硬かった。土曜日の夜のショックから立ち直れずにいるうえに、翌
朝、俊平に言われたことで、夜這いをされたことが村中に知れ渡っているのではないか、と強い疑いを持っていたの
だ。
 おそるおそる和哉らに目を向けると、予想通り、男たちは粘りつくような視線を奈津美に向けていた。
(やっぱり、知ってるんだ…)
 そう思うだけで、頬骨のあたりが熱くなってきた。その場で裸にされ、犯されているような気持ちになる。
 校長に不審に思われないように学校を出て、いつもどおり食堂には来てみたが、もとより食欲があるわけもなく、注文
した軽い食事を前にボーッとしていると、食堂で働いている咲希に声をかけられた。
「どうしたの、先生、元気ないみたいね?」
 咲希が小首を傾げる。特に美人というわけではないが、愛嬌のある可愛い顔立ちで、女の奈津美から見ても、ちょっ
とした仕草に色気がある。
「ちょっと疲れただけ…」
「それは良くないわね」
 気遣わしげに言った咲希は少し考えていたが、やがて、パッと表情を明るくした。
「そうだわ、村はずれに温泉があるの知ってる?」
「そうなの?」
「温泉に浸かってリフレッシュするといいわよ。ね、今日仕事が終わったら、一緒に行ってみようよ」

 夕方になって、咲希が迎えに来た。
 山の中に向かう一本道を上っていくと、少し行ったところに、小さな池のようなものが見えた。普通の池ではない証拠
に白い湯煙があがっている。人工の露天風呂ではなく、岩場から自然にお湯が涌きだして、池になっているのだ。
「本当に温泉なのね」
 驚きの声をあげる奈津美に、咲希が少し得意げな表情を見せた。
 温泉の隣の建つ東屋が脱衣所になっている。男女別の表示があるのを見て、奈津美はホッとした。もし混浴だったら
どうしようと、内心、不安だったのだ。
 空には月がかかっていた。自然が作り出した野趣あふれる温泉に入って、奈津美の気持ちが少しほぐれた。
 咲希はちょうど奈津美と同い年で、話をしてみると、気さくな性格で会話も弾んだ。
 二人は温泉に足をつけたまま並んで岩の上に腰掛け、身体を冷ましていた。
「素敵だわ、奈津美の身体…」
 すべすべしたミルク色の肌がお湯で温められて桜色に染まっている。咲希がうっとりと目を細め、羨ましそうに言っ
た。
「咲希の肌も、きれいよ」
「でも、私、奈津美みたいに美人じゃないから…」
「そんなことないわ、咲希、可愛いわよ」
 すっかり打ち解けた二人は、いつの間にか、お互いを名前で呼びあっている。
「どう、女になった感想は?」
 ふと会話が途切れた時、咲希がいきなり尋ねてきた。
「一昨日、信二さんが夜這いしてきたんでしょ?」
「えっ…?」
 奈津美の顔に狼狽の色が走る。
「あなた、バージンだったのよね」
(やっぱり、みんなに知られてるんだ…)
 頬から火が出るような恥ずかしさに、奈津美の全身がカァッと熱くなる。
「男ってがさつな生き物だから、優しくしてもらえなかったんでしょ。心の準備もできてなかったみたいだし…、それがちょ
っと可哀想だったけど。でも、もう子供じゃないんだし、いいじゃない。セックスぐらいしたって…」
 そう言って笑みを浮かべた咲希の唇が、ゆっくりと近づいてきた。
「ああッ、いや…ううン」
 柔らかい唇が奈津美の口をふさぐ。
「ちょっ、ちょっと、だめよ…」
 慌てて逃げようとする奈津美の身体を、咲希がギュッと抱きしめた。やわらかな乳房が密着し、先端の蕾が触れあっ
た。
「ふふっ、ウブなのね」
 そう言うと、咲希は乳房を擦りつけ、本格的なキスを始めた。ゆるんだ歯列の隙間から舌をしのばせ、唾液を送り込
む。逃げようとする舌をとらえ、ねっとりと舌をからませ吸い上げる。
「ううっ、いや…」
 乳房をまさぐられ、奈津美は両腕を伸ばして突っぱねた。両手で胸を抱きしめ、激しく首を振る。
「だめっ、やめてっ!」
「いいじゃないの、女同士なんだから…」
 咲希は奈津美の腕を胸から引きはがした。胸の隆起が、激しく上下している。すばらしい球形を示す膨らみに軽くキ
スしておいて、先端の淡いピンクの乳首を口に含む。
「ああン…」
 奈津美のなだらかな肩がピクッと跳ねた。
「私が、セックスの気持ち良さを教えてあげるわ」
 咲希はいったん口を離し、首筋から胸もとにかけて撫でおろす。さらに、裾野からふくらみを持ち上げるようにして、乳
房の弾力を味わう。
「フフッ、奈津美ったら、敏感なのね。もう、乳首が立ってきたわ…」
 咲希は瑞々しい美乳に顔を埋めた。乳暈から持ち上がったピンクの突起を舌先で転がし、さらに全体をしゃぶる。
「ああッ、そんな…」
 奈津美は、自分の身体に起こった変化に戸惑い、きゅっと唇を噛みしめる。くすぐったさが、期待感に似た感情のふく
らみへと育ち、背筋に電流が走る。腰が振れそうになり、いけないとばかりに、押し殺す。しかし、繊細なタッチで乳肌を
愛撫され、乳首を転がされると、自然にヒップが揺れだした。
(ああ…、どうしちゃったの、私…)
「奈津美って、とっても感じやすいのね。大丈夫よ。きっとセックスが好きになるわ」
 奈津美の心を見透かしたように、咲希が囁く。奈津美は恥じらうように横を向いた。
「いいのよ、私だって、感じやすいんだから…」
 そう言うと、咲希は奈津美の腕をとり、自ら股間に導いた。お湯とは違う、ぬるっとした液体が割れ目から滲み出して
いる。
「どう、濡れてるでしょ。奈津美のアソコはどうかしら」
 腕を滑らせて、奈津美の下腹部をさぐる。
「あっ、だめっ!」
 奈津美が懸命に両腿をよじりあわせる。しかし、タッチの差で、咲希の手は股間に潜り込んでいた。咲希の指が、奈
津美の体液でぬらりと滑る。
「うふふ…、やっぱり濡れてるわ」
 そう言いながら、咲希は夏美の大切な箇所を撫でさする。
「ほら、いっぱい溢れてきたわよ。指がヌルヌルしてきた」
 うろたえさせるようなことを言って、膨らんできた肉芽に軽い振動を与える。割れ目を押し開き、肉びらの縁をなぞる。
「あうッ、あン、ううゥゥ…」
 噛みしめた唇がほつれ、くぐもった喘ぎがもれてしまう。奈津美の心から、拒む気持ちが消えかかり、両腿がしどけな
く開いていく。
(だめ、いけないっ!)
 奈津美が慌てて太腿を閉じた。しかし、咲希の愛撫は巧みで、甘やかな疼きが湧きあがり、太腿が勝手に開いてい
く。
「ううゥ…、いやっ、恥ずかしい」
 きれいな形の眉を折り曲げて、奈津美が上気した顔を振った。女の悦びを示す喘ぎが、喉元を衝いて溢れだした。
「いいのよ、声を出して、気持ちいいのを認めちゃいなさいよ」
「ううぅ、うふぅ、ああん、気持ち…いい…」
 頭の芯がボーッとしてきて、奈津美が我を忘れて叫んだ、その時だった。
「おや、楽しそうなこと、やってるじゃん」
 男の声を耳にして、奈津美がハッと顔をあげた。村の青年団の男たちが七、八人、タオルを片手に入ってきたのだ。
「あれっ、奈津美先生だ!」
 男たちがいっせいに、奈津美に視線を向ける。
「ああッ、いやッ!」
 灼けつくような羞恥に襲われ、奈津美は咲希の腕から逃れると、タオルを胸に抱き寄せて、慌てて温泉に浸かった。
「一昨日、信二さんに抱かれたら、もうセックスに目覚めちゃったのかい?」
 温泉に入って、そう声をかけてきたのは淳だった。彼の父親は教師で、数少ない奈津美の同僚だが、淳自身は特に
仕事を持たず、ぶらぶらしていると、彼の父がよくこぼしていた。
「違うんです、これは…」
 奈津美が激しく首を振る。
「どうせ、咲希が誘ったんだろ?お前、両刀使いだからな」
 副団長の秋彦がそう言いながら、咲希に目配せをした。
「女の方が好きなんじゃないか?」
 咲希も心得顔で頷く。
「そうね…、でも、やっぱり、男の方がいいかな。オチ×チ×を入れられるとドキドキするもん」
「じゃあ、入れてやるよ。その前に、ほら…な」
 咲希は目の前に突き出された秋彦の肉棒を握りしめた。指の中で、反りの効いた肉棒がますます膨れ上がり、咲希
は喘ぐような甘い息をこぼした。色っぽい仕草で髪を耳の横に流し、先端に軽いキスをする。ヌルヌルした腺液を吸い、
鈴口を舌先で小刻みに刺激する。
「俺のもしごいてくれよ」
 隣にいた男が咲希の手をとり、股間へと導いた。言われるままに、咲希は太い肉棹に指をからませる。キュッ、キュッ
としごきながら、そのリズムに合わせて、口では秋彦のペニスを頬張った。
「俺も!」
 三人目が腰を突き出す。役場勤めの和哉だ。咲希は唾音を立ててフェラチオしながら、左右の手で勃起をしごきあげ
る。その視線がチラッと奈津美に注がれた。この淫らな行為は、彼女に見せるためのものだ。奈津美は何が起こって
いるのか理解できないように、その姿を呆然と見詰めている。
 秋彦が、咲希のバックにまわった。空いた咲希の口にすかさず、和哉が肉棒を突っ込む。
 秋彦は、咲希に四つん這いの姿勢をとらせ、白い双臀をグイッと押し広げた。ゆで卵のような光沢を放つ尻たぶが大
きく割れ、濡れた繊毛の陰りとともに陰部が丸見えになる。
 秋彦の指が膣口にもぐりこみ、中でバイブレーションする。
「うふッ、ううぅぅ…」
 くぐもった呻きがこぼれ、目にしみるような白い双臀がうねり始めた。付け根まで押し込まれた中指が抜き差しされ、
すくい出されてきた濁った蜜が、繊毛を濡らす。
「あはぁん…、もう、だめぇ…」
「よし、入れてやるよ」
 秋彦は、反りの効いた肉棒を濡れた秘花に押し当て、ゆっくりと腰を進めた。
「あはん!」
 咲希の背中が弓なりになる。

 一方、残った男たちは温泉に入ってきて、身を堅くして湯に浸かっている奈津美の周りに集まった。
「あの…、ここ、女湯じゃないんですか?」
 意を決して質問した奈津美に、淳が答えた。
「何言ってるんだよ、混浴だよ」
 奈津美が何か言いたげに脱衣所の方に目をやったのを見て、男の一人がニヤリと笑った。
「そうか、脱衣所だけは男女別になっているからね」
「先生、この温泉は初めてかい?」
「俺たち、青年団の集まりの後、よく来るんだ」
 そう言いながら、肌と肌が触れあいそうなくらいに近づいてきたのは、農家の一人息子の竜一と「尾崎屋」の俊平だ。
「あんっ、あんっ、あんっ…」
 咲希の激しい喘ぎ声がした。見ると、後から秋彦の砲身を打ち込まれている。揉まれて形を変える豊乳、肉棹を咥え
大きく広げられた淫唇が、奈津美の位置からはっきり見える。
「そして、誰か温泉に入ってる娘がいると、ああして媾うんだよ」
「『村の娘と後家は若衆のもの』というのが、昔からの決まりなんだ」
「それが、この村の風習さ」
 そう言う男たちの顔に期待と興奮の表情が浮かんでいた。彼らが望んでいることは、明らかだった。
「私、もう上がります…」
 そう言うと、奈津美は濡れたタオルで必死に前を隠しながら、温泉から出た。
 待ちかまえていた和哉が行く手を塞ぎ、温泉から上がってきた男たちが、奈津美を取り囲む。
「先生も、村の一員になったんだから」
「そう、『郷に入っては、郷に従え』って言うでしょ」
「ムリ…、ムリですっ!」
 奈津美は背中を丸め、胸と下腹部のところでタオルを手で押さえ、俯いたままイヤイヤする。その姿が男たちの興奮
をそそった。優しく、セックスの楽しさを彼女に教えるという当初の打ち合わせは、すっかり彼らの頭の中から飛んでし
まった。
「先生の裸、もっとよく見せて」
 背後から声が聞こえた。竜一と俊平が奈津美の手を身体からもぎ離し、後ろ手に押さえつける。
「おおっ!」
 男たちの声があがった。
 少女のように愛らしく、清楚な顔立ちをしていても、21歳の女だ。胸の双丘は豊かな膨らみを見せ、肉づきのいい腰
が、キュッとくびれた胴の下で張りつめていた。濡れた陰毛も大人の女らしい濃さで、股間に貼り付いている。
 正面にいた和哉の太く短い指が、桜色に染まった乳房をいやらしく揉みしだく。柔らかな感触に男の股間が見る見る
大きくなっていく。
「あっ、ダメっ!」
 奈津美が叫んだ、淳がもう片方の乳房に腕を伸ばし、充実した膨らみをすくいあげる。竜一が後ろから手を回し、卑
猥な手つきで下腹部を撫でさする。俊平はお尻を鷲掴みにしている。
 奈津美は悲鳴をあげ、男たちの愛撫から逃れようともがいた。
 必死で抵抗する奈津美に手こずりながらも、男たちは平らな場所を選んで、彼女の身体を仰向けにした。
 全力で閉じている膝を掴み、淳と和哉が二人がかりで押し開いていく。
「ああッ…いや…」
 限界まで大きく左右に割られた太腿の中心に、女の秘所が現れた。濡れた陰毛が海藻のように白い下腹部に貼りつ
き、ふっくらした大陰唇はほぼ無毛だった。割れ目がわずかに開き、中の花びらが顔を覗かせている。
 和哉が指先を割れ目にあてがった。奈津美の腰がブルッと震えた。折り重なった肉門がこじ開けられ、ピンク色の果
肉が顔を出す。秘肉がヒクヒク恥ずかしげに蠢きを見せていた。
 男たちはこぞって手を伸ばし、奈津美のその部分を思い思いに指でまさぐった。畳み込まれた肉襞が抉り出され、膣
口に指を挿入され、敏感な花芽を嬲られる。
「い、いやあ…」
 奈津美がの内腿をピーンと突っ張らせて喘いだ。
「先生のオ××コ、トロトロに濡れてるぞ」
 淳がうれしそうに言った。温泉で温められ、咲希の愛撫で火をつけられた身体は、どこを触れられても敏感に反応し
てしまう。
「どれどれ…」
 そう言いながら、竜一が顔を近づけていく。その舌先が奈津美の急所をとらえた。下方からゆっくり花弁をなぞりあげ
ると、奈津美は身悶えし、艶っぽく啜り泣いた。
「ひいい、だめぇ…」
 奈津美が髪を振り乱して喘いだ。竜一の舌先が肉層を抉ってきたのだ。そうしながら指先ではクリトリスに微妙な刺
激を送りつづける。
 たまらなかった。感じてはいけない、いけないと身体にいいきかせても、燃え上がった官能は、もう収まらなかった。
「もう、入れて欲しいんじゃないですか?」
 奈津美の太腿を撫でていた和哉が、右手を押さえつけながら、乳首を弄っている俊平に声をかけた。村の掟は年功
序列だ。咲希と交わっている秋彦を別にすると、この場で一番年上の俊平に、最初の権利を譲ろうというのだ。
「よし…」
 竜一に代わって奈津美の股間を舐め回していた淳が、俊平に場所を譲った。
「だめ、やめて…ください…」
 男たちの動きを察知して、奈津美が哀願する。しかし、その声は、興奮した男たちの誰の耳にも届いていなかった。
 俊平は陰裂に狙いを定めた。奈津美がこの村にやってきて以来、どれほどこの瞬間を待ち望んだことか…。
 軽く一突き二突き、奈津美の膣口は、とろりと甘く俊平の先端部を迎え入れた。その快感に思わず男の口が緩む。
「あ…だ、ダメ、いや…」
 身を捩って逃れようとする奈津美の身体を男たちが押さえつける。俊平の肉棒がゆっくりと体内に入ってくる。
「あうう、ひ、いいっ…」
 奈津美が真っ赤になった顔を左右に捩った。俊平は腹に力を込め、腰を左右に大きくグラインドさせて、それから一
気に奥まで貫通させる。奈津美の粘膜が入り口でキューッと収縮した。
「おおっ、締め付けてくる、気持ちいい」
 俊平はうれしそうな声をあげて、本格的に抽送を繰り返す。粘膜が擦れる音が卑猥に響いて、男たちの情欲をさらに
煽る。
「あッ、あッ…あッ…」
 奈津美がつづけざまに喘いだ。肉棒が出入りし、粘膜を擦られる感触の中で、快感が恐怖や羞恥を上回りはじめ
た。苦痛と嫌悪だけだった初体験とはまったく違う、身体の奥から揺さぶられる感覚だった。しかし…。
「うっ、うぅぅ…」
 唐突に俊平が呻き声をもらし、体内に精液を注ぎ込まれる感触があった。奈津美が達するより先に、彼の方が終わ
ってしまったのだ。

「ダメじゃない、ちゃんと奈津美をイカせてあげなきゃ!」
 咲希の声が飛んできた。
「仕方ないわね…」
 そう言うと、咲希は二番手に控えていた和哉を岩の上に座らせ、膝の上に奈津美の身体を乗せるよう、男たちに指示
した。
「あうっ!」
 天を向いて勃起していた男根に貫かれ、奈津美は和哉と背面座位でつながった。
「最初は、ゆっくり動いて…」
 そう言うと、咲希は四つん這いになって、二人の結合部分に舌を這わせていった。
「あ…あぁ…」
 奈津美が甘えたような声を漏らす。和哉も気持ちよさそうな吐息をもらした。
「もう、俺我慢できないよ、咲希ちゃん、やらせて!」
 若い淳が悲鳴のような声をあげた。
「いいわよ、来て」
 咲希は四つん這いのまま、自らの手で陰部を押し開いた。淳が飛びつくようにして、限界まで勃起した陰茎を突っ込
む。
「もっと気持ちよくしてあげる…」
 咲希が小陰唇の上部をまさぐった。赤くふくらんだ肉芽が包皮から剥き出しにされた。咲希は、人差し指の先で急速
に膨らんでいくクリトリスに唇を当て、強く吸った。
「あうゥゥ…」
 奈津美の反応がいちだんと激しいものに変わった。ここぞとばかりに、和哉が激しく責め立てる。
「ああァァ、ダメぇ…」
 奈津美の身体が躍り上がり、しなやかな背中を反らせる。膣口が和哉の肉棒をキュッキュッと締め付けてくる。なおも
咲希が肉芽をしゃぶるのにあわせて、和哉は、続けざまに肉路を抉りたてた。
「ううぅ、あはぁん、はあぁん…」
 周りで聞いているだけで、ゾクゾクするような喘ぎがこぼれ出る。
「そうよ、それでいいわ、これまでとは声が違う…」
 自らも淳にバックで貫かれながら、咲希は和哉の肉棒が激しく出入りする奈津美の陰部に舌を這わせる。
「ああっ、ああっ…」
 奈津美はギュッと唇を噛みしめて、右に左に顔を振る。それは最後の抵抗だった。必死でこらえていないと、快感のう
ねりに、魂まで持っていかれそうになる。
「ねぇ、奈津美、気持ちいいでしょ…」
 同じ質問を何度も繰り返されるうちに、とうとう奈津美がこくんとうなずいた。
「セックス、好きになった?」
「…はい」
 答えた途端に奈津美の顔がくしゃくしゃになり、泣き声ともよがり声ともつかない呻きが、後から後から漏れてくる。
 その声に誘われて、和哉が唸った。いよいよ切迫してきたらしい。激しい勢いで腰を前後させる。
「はうぅぅ、うん、はぅぅ…」
 奈津美が喉をいっぱいに反らせ、全身を突っ張らせたかと思うと、糸が切れた人形のように動きを止めた。
 昇りつめた証の痙攣が全身を小波のように走り抜ける。身体が浮き上がり、どこかへ放り出されてしまいそうなエクス
タシーの波にたゆたい、ゆっくりと落ちていく。
 ひと呼吸あって、身体の中で和哉が果てるのが感じられた。
「どう、わかったでしょ?女の悦びが…」
 遠くの方で咲希の声が聞こえたような気がした。



 
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