夏は猟奇なアルバイト

第2話
 
「水を利用した拷問は、火を利用したものと並んで、歴史上、古くから見られます。窒息させる効果と、冷たい水で体温
を奪う効果がありますが、身体に傷を付けることが少なく、その割に与える苦痛が大きいのが特徴です」
 集まった聴衆に向かって、教授が説明した。第二展示室は「水による拷問」がテーマとなっている。
「魔女裁判で魔女かどうかを判別する方法として、告発を受けた者を縛って川や池に投げ込むのも水責めの一種でし
ょう。水中に沈めば無罪、浮かび上がる者は魔女であるというわけで、どちらにしても命はありません」
 なぜかレインコートを着ている教授の横で、水色のビキニで立っているのは亜紀だった。
 見るからに女の子っぽく、背中まで伸ばしたストレートの髪に、黒目がちの大きな目と八重歯が印象的だ。顔立ちの
可愛らしさという点では、5人の中で一番かもしれない。
「水の使い方としては、漬ける、飲ませる、浴びせる、が基本です」
 教授が言葉を切った途端、ザバッという音とともに、亜紀の真上から、大量の水が落ちてきた。
「キャアーッ!」
 叫び声をあげて展示室の端まで逃げた亜紀が天井を見上げると、バケツから水が落ちるように仕掛けられていた。
それで、教授はレインコートを着ていたのだ。
「ひどい…もう、信じられない…」
 仕組まれたことだと知り、びしょ濡れになった亜紀が、泣きべそをかいて教授を詰る。
「ごめん、ごめん」
 そう謝りながら、教授は亜紀にバスタオルを差し出した。
「あっ…」
 体を拭こうとして、亜紀は慌ててバスタオルで胸を隠した。水に濡れた生地が乳首の形はおろか、その色までも鮮明
に映し出していた。さらに、股間の翳りも映っているのに気づき、慌ててタオルを体に巻く。
(どうしよう、見られちゃったかしら…)
 教授や観客の様子を盗み見たが、気づかれたかどうか判然としなかった。こっちを見ている観客と目が合い、顔が耳
まで熱くなってくる。
「…17世紀フランスの貴婦人、ブランヴィリエ侯爵夫人は、毒殺魔として有名ですが、とうとう捕らえられた時に、水拷
問にかけられました」
 教授の説明は続いているが、亜紀は透けた水着が気になって、話がほとんど頭に入ってこない。
「この部屋のジオラマは、ブランヴィリエ侯爵夫人の拷問がモデルになっていますが…」
 教授はそう言ったが、肝心の夫人の人形がない。
「おや、困ったな。人形を修理に出しちゃってるんですね。亜紀ちゃん、こっちに来て」
「…は、はい…」
 名前を呼ばれたことで、やっと我に返った亜紀が、慌ててジオラマの所に行った。アルバイトなのだから、仕事はきち
んとしなければならない。
「この台に、仰向けになってくれるかな」
「はい…」
 よくわからないまま、亜紀はおずおずと台の上に仰向けになった。台の奥行きがないために、腰から下と胸から上が
反り返り、自然とブリッジのような体勢になる。反射的に、亜紀は体に巻き付けたバスタオルをギュッと握った。
「夫人は、両手足をそれぞれ拷問台に縛りつけられました」
 解説をしながら、教授は実際に亜紀の手首と足首を固定していく。
「えっ、ちょっと、あの…」
 亜紀が不安そうな声をあげた。
「うん…?これ、邪魔だな」
 そういうと、教授の手がバスタオルにかかった。
「待ってください、だめです、タオルを取っちゃダメ…」
 亜紀の目に哀願の色が浮かび、必死で首を左右に振ると、教授はニヤリと笑った。
「水着が透けてるのは、私もお客さんもわかっているよ」
「ええっ…」
 これも仕組まれたことだと気づき、亜紀の顔が泣き顔になった。
「いやっ、だめっ、だめーっ!」
 べそをかきながら真っ赤になって叫ぶ亜紀のことなど、気にとめる様子もなく、無情にもバスタオルが取り除かれた。
必死で隠していた胸と下腹部に、観客の視線が遠慮なく注がれる。
「しかも…、夫人は…」
 教授は言葉を続けると、亜紀のビキニの紐に手をかけた。
「いやっ、ちょっと…、やめてくださいっ!」
 意図を察した亜紀が抗議するのも無視して、教授がビキニの紐を引っ張った。あっという間に、亜紀は一糸まとわぬ
姿にされた。
「こうして、全裸で縛りつけられたのです。さあ、みなさんも、近くでよく見てください」
 教授に促されて、観客が近寄ってきた。
「いや、だめっ、見ないでぇ…」
 亜紀が泣きながら、身を捩る。
 胸から上が大きくのけぞっているため、乳房の膨らみが逆向きに垂れ下がり、大きく開いて固定された両肢の中心
に、陰毛で飾られた膨らみが見えた。割れ目はまだ口を閉じているが、きれいなピンクの花びらがわずかに顔をのぞ
かせている。
「夫人は、こうして女性の最も恥ずかしい部分を、男たちの目に晒されながら、拷問を受けたんですね」
 教授の指が、開きかけた亀裂をなぞる。
「ああっ…、だめ…、だめっ…」
「おや、なんだかヌルヌルしてきたぞ」
「あ、ああぁ…」
 クリトリスのあたりを突かれ、亜紀が堪えきれずに声を漏らしてしまう。
「どうしたんだい?そんな声だして…」
 意地悪な質問をしながら、教授の指は亜紀の敏感な部分を弄り続ける。割れ目の間から、グシュッと音と立て愛蜜が
流れ落ちた。
「だっ、だって…、そんなことするから…」
 亜紀が涙目になって、恨めしげに言う。観客の興奮が一気に高まっていく。
「さて、夫人の口には牛の角で作った漏斗が差し込まれ、5時間にわたって、つづけて水槽いっぱいの水を注ぎ込まれ
ました。お腹が膨れてくると、男たちが腹の上に馬乗りになって水を吐き出させ、また水を注ぎ込みます。すさまじい拷
問ですね」
 実際に牛の角の漏斗が観客に示される。
「シャーロック・ホームズの著者コナン・ドイルが『革の漏斗』という短編のなかでとりあえげているのもこの方法で、フラ
ンスではポピュラーな拷問方法だったようです」
 説明を聞いていた亜紀が顔面蒼白になった。恐怖で唇がわなわなと震えている。
「しかし、さすがにそこまで、亜紀ちゃんに実演してもらうわけにはいきません」
 観客から、ふーっというため息が起こる。一息置いて、教授が言葉を継いだ。
「そこで考えました。上からではなく、下からお水を飲んでもらいましょう」
 そう言うと、教授は金属製のクラシカルなポンプのようなものを取り出した。
「これは、ブランヴィリエ侯爵夫人がいた当時のフランスで、実際に使われていた浣腸器です」
 観客が拍手をする中、スタッフの男たちがやって来て、仰向けに拘束されていた台に、今度はうつ伏せで亜紀を縛り
付けた。
「やめて、やめてください…」
 亜紀はなんとか逃れようと、台の上でもがいた。
「ダメダメ、じっとしていて…」
 教授が亜紀の臀部を掴んだ。ヒップの割れ目が開かれ、アヌスが観客の前に晒される。やや茶色がかったピンクの
蕾がキュッと窄まっていた。身をよじる度に、それがピクピク動く。
「あぅっ、い、イヤぁ!」
 暴れて身をよじる亜紀を、スタッフがしっかり押さえつけた。亜紀が悲鳴をあげる。肛門を人前に晒すなど、年頃の女
の子にとっては、それ自体が耐えられないほどの拷問だ。
「浣腸する前に、ちょっとほぐしておきましょう」
 教授はポケットから取り出したメディカルグローブを嵌め、右手の人差し指にジェルをたっぷりとつけ、ゆっくりと亜紀
のアヌスに近づけていく。
「あ…」
 教授の指が亜紀の肛門に触れる。
「あうん…」
 襞を一本一本なぞるような指の動きに、ゾクゾクする感覚が背筋を走り、微妙な声が漏れてしまう。
「痛いっ!」
 突然、指先が中に入ってきた。初めて異物を挿入される痛みに、亜紀が悲鳴をあげる。
「いた…やめて…」
「力を抜いて…」
 教授は人差し指を根元まで入れると、中で曲げてゆっくりと回転させたり、抜き差しして、亜紀のアヌスを責める。
「いたい、いたい、痛いーっ!」
 痛みと恥ずかしさに泣き叫ぶ亜紀を、観客は食い入るように見つめていた。
「そろそろいいでしょう」
 教授はそう言うと、浣腸器を持って、石鹸を溶かしたお湯を吸い上げていった。その量を、亜紀はおそれおののきな
がら見ていた。
(あんなにたくさん…)
 浣腸器は、信じられないほどの量を吸い上げて、ピタリと止まった。液体のしたたる浣腸器の先端が、亜紀のほうを
向いた。
「さあ、入れましょう」
 そう言うと、教授は浣腸器の先端をズブリと菊の中心に突き刺した。
「きゃっ!」
 人肌に温められた石鹸水がプチュプチュと無情な旋律を奏でながら、亜紀の肛門に注入されていく。その感触に、亜
紀が悲鳴をあげた。亜紀はこれまで、浣腸など使ったことがなかった。
 さらに腸に液体が流し込まれる。亜紀は、うつぶせのまま、黙って屈辱に耐えている。ピストンが3分の1ほど下がっ
ていった。
「あまり大量に入れると、小腸への逆流が起こったり、腸が損傷したり、血液の濃度が急激にさがって水中毒になるこ
とがあって危険です。冷たい水だと体温が奪われるので、身体への負担が小さいぬるま湯を使って、安全に注入でき
る量は1.5〜2リットル程度だと言われています。今日は1.8リットル、ちょうど一升瓶1本ぐらいを入れることにしまし
ょう」
「えっ、そんな…」
 頭の中に一升瓶の絵が浮かび、亜紀が思わず声をあげた。
「今でだいたい、600ミリリットル、コップ3杯分ぐらいが入った状態です。あと、コップ6杯分入れましょう」
 狼狽する亜紀を後目に、冷静な口調でそう言うと、教授はさらにピストンを押し下げていった。
「うくうぅ…」
 たまらず、亜紀の口から苦痛の呻きが漏れた。いままでに味わったことのない苦しさだった。
「もう一息だ」
 教授は一気にシリンダーを押し込んだ。下腹のあたりがふくれてくるのがわかった、うつぶせに縛られているので、下
腹が圧迫されて、よけいに苦しい。
「よし、たっぷり入ったよ」
「い…た…い」
 早くも腹部からゴロゴロと音が聞こえてくる。下腹で嵐が渦巻いているような感じだ。顔面蒼白になり、冷たい汗が額
から落ちる。亜紀は歯をくいしばって耐えた。
「はあ、はあ、はあ…」
 亜紀の息遣いがしだいに荒くなり、背中にもうっすらと汗が浮いている。嗜虐心を煽られた観客たちは、台の上で身
悶えして苦しむ少女の姿を、興奮した面もちで眺めていた。
「もうだめ…、出そう…、お、お願いです!トイレに行かせてください…」
 亜紀がせっぱ詰まった声で哀願する。苦しげな喘ぎ声も、涙でクシャクシャになった顔も、男の情欲をくすぐる愛らしさ
だ。
「ダメダメ、ここで、お客さんに見ていただくんだよ」
「そんな…、うっ…」
 うっかり出してしまいそうになったが、亜紀は必死でこらえた。大勢の人が見詰る前で排泄するなど、死んだほうがマ
シなぐらい恥ずかしい。
「うっ、ううっ…」
 亜紀の呻き声が高まった。便意は波のように訪れ、その都度強さを増してくる。脂汗がにじみ、腹部の痛みは次第に
耐えられないものになってきた。
「あぁぁ!…もうっ!…お腹痛い…っ!」
 教授がマシュマロのような尻の割れ目を押し開いた。限界ギリギリで我慢している肛門はヒクヒクと痙攣しているよう
だった。
「も、もうだめ…、トイレに、トイレに行かせて…」
 時折、ぴゅぴゅっと漏れる浣腸液が、亜紀の限界を教えていた。
「ひぐっ…」
 教授が亜紀の腰をぐっと押さえ、下腹を圧迫した。亜紀は必死にこらえた。しかし、それが最後の抵抗だった。
「いやーっ、見ないでっ!」
 観客が驚くほどの叫び声をあげ、次の瞬間、亜紀はとうとう崩壊した。



 
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