テニス少女・果てなき闘い 第3章

 午後の授業に向かうために、美奈が校舎中央、4階まで吹き抜けになった大階段フロアにやって来た時、黄
色いリボンの普通科2年生が数名の男を連れてやって来た。見学ツアーの引率をしているらしい。
 彼女の周りには、中年からかなりの年配までの男たちが集まっている。高級品で固めた身なりから言って、
どこかのVIPのようだが、政治家や財界関係者と違って全体的に体格が良い。かといって、防衛隊員が持つ
独特の圧迫感も感じさせなかった。
(あら…)
 その中に、どこかで見覚えのある顔を発見したような気がしたが、すぐには思い出せなかった。以前、客と
してやってきて、美奈の身体を弄んだ男かもしれない。しかし、館に来てから3か月足らずで、すでにそんな
相手は気が遠くなる程の人数になっている。
「ここから、見てください…」
 階段の下に立ち止まると、2年生がそう言って、チラッと美奈の方を見た。
(…仕方ないわね…)
 気づかないふりをして、美奈が階段を上っていく。すらりと伸びた美脚が交互に動き、プリーツスカートが
揺れる。一段一段上るごとに、スカートの裾が男たちの視線を遮る位置が上がっていく。女生徒のスカート
は、階段の角度を計算して作られており、下から見ていると、階段の中ほどで、完全に中が覗けるようになっ
ているのだ。
「おおっ…」
 興奮した声が聞こえ、カメラのフラッシュが何度も光った。
 美奈は思わずため息をついた。しかし、手で押さえて隠すことはできない。ここは、自然にスカートの中を
見せなければならないのだ。
「パンティは白か…」
「下着はすべて、規定の物が貸与されるそうだよ」
「さすが、引き締まった太腿だな…」
 卑猥な調子で男たちが囁く声が耳に届き、ヒップや太腿に粘りつくような視線を感じる。
 常に見世物のように扱われていることに、軽い怒りを感じながらも、美奈は何もなかったかのように階段を
上っていった。

「つぎは、うちの部が江呂島基地に慰問に行くことになりそうなの」
 美奈が教室に入ると、水泳部のキャプテン岡野夏海が席に駆け寄って来て、そう言った。江呂島は海上防衛
隊の基地だ。
「心構えとか、何かあったら教えて」
 夏海が不安そうに言った。ショートカットがよく似合う、目が大きく、キリッとした顔立ちの美少女だ。体
育科には、様々な競技で活躍してきた、ルックスも申し分のない美少女たちが集められている。
「できるだけ体力を残すように心がけた方がいいわ…」
 美奈が丁寧にアドバイスをする。天性の素質だろうか、いつの間にか、美奈は体育科全体のリーダーのよう
な存在になっていた。
「…水泳部だと、多分、寒い中でも水着でいるように言われると思うから」
「そうなの、式典とかそういう時以外は、ずっと水着だって。大勢の男の人がいるのに、あんな薄い水着で
…」
 夏海の表情が曇った。全校生徒に支給されている水着も生地が薄く、透けて身体が見えてしまうが、水泳部
が着る競泳用水着は腰骨まで見えるほどのハイレグで、生地も色合いもさらに薄く、裸でいるのと変わらな
い。
「しかも、体験訓練として、海で遠泳大会があるらしいの」
 晩秋の江呂島の海で泳ぐことを想像しただけで、寒そうで、気が重くなる。キャプテンとして部員たちに指
示する立場の夏海は、ちょっと泣きそうな顔をした。
「しっかりして、岡野さん、あなたが堂々としていることが水泳部のみんなの支えになるから」
 力強く励ます美奈に、夏海が頷いて見せた。
 予鈴とともに、訪問客の男たちが教室に入ってくる。授業参観のように、女生徒たちの席を取り囲むように
並ぶ男たちで、教室が満員になった。さっきの2年生も、例のVIPの一団を教室に案内してきた。
 その中の一人、父親ぐらいの年恰好をした男が美奈を見つけて、ニヤニヤ笑いながら、軽く手を振ってき
た。さっき、階段のところで見覚えがあると思った男だ。
「あっ…」
 美奈が思わず声をあげる。笑った男の顔が記憶にヒットした。新宮と言う、かつて有力選手として名を馳せ
たテニスプレイヤーだ。昨年、美奈が優勝した全日本の大会では、表彰式のプレゼンターとして登場した。そ
う思い当たると、あとは芋づる式に記憶と連想が働く、このVIPの一団は、みんな全日本テニス連盟の理事
だった。
(まさか…)
 美奈は愕然とした。戦場に赴く兵士たちの性欲処理を目的に作られた館が、むしろ防衛隊上層部の福利厚生
施設に変化し、政財官の接待の道具としても使われるようになったプロセスは亜弓から聞いていた。それが、
とうとう、スポーツ界にも及んできたということだろうか。
 自分が青春をかけて打ち込んできた世界を統括すべき者までが、この館を利用する薄汚い男たちの仲間入り
をしたことに、美奈に大きなショックを覚えていた。
「さあ、次は体育の時間だ。ここでレオタードに着替えて、体育館に向かいなさい」
 教室に入ってきた教師がそう言うと、女生徒たちは、周りを取り囲む男たちの視線を気にしながら、制服を
脱ぎ始めた。一旦、全裸になってからでないと、着替えを貰うことができないのが、館のルールだ。
「どうぞ、近くに寄っていただいて結構ですよ」
 教師が言うと、壁儀にいた男たちが、思い思いに、気に入った女生徒に近づいていく。新宮たちのグループ
は目配せし合うと、迷わず美奈の周りに集まってくる。
(来ないで!)
 美奈は、思わず心の中でそう叫んだ。
「やあ、有岡君、久しぶりだね」
 新宮が馴れ馴れしく声をかけてくる。返事がとっさに出てこない美奈は、黙って会釈した。
「ここで、更生のために頑張っているそうだね。恥ずかしさを我慢して、指示されたとおり裸になるのも、反
省と決意の証だというじゃないか。どれ、私たちもしっかり、見届けさせてもらうよ」
 新宮がそう言うと、十数人の男たちが、美奈の周りを取り囲んだ。
 美奈の指がブラウスのボタンを外していく。胸の膨らみを包むブラジャーが新宮たちの目に晒された。男た
ちが身を乗り出すようにして、彼女の着替えに見入っている。淫らな期待に目を輝かせる男たちは、栄えある
テニス界の指導者たちの姿とは、到底、思えなかった。
(こんな…、こんな人たちに見られるために、私、服を脱いでるんだ…)
 美奈はこみあげてくる怒りに、最後のボタンを強く握り締める。
「どうしたんだ、恥ずかしいのか? やっぱり反省が足りないのかな?」
 動きが止まった美奈を見て、薄笑いを浮かべた新宮が、顔を覗き込むようにして尋ねる。
 次の瞬間、美奈は思い切ってブラウスを脱ぎ取ると、新宮の目を睨みつけた。怒りと恥辱で桜色に染まった
肌が露わになる。清楚な白いブラジャーに包まれた隆起、引き締まった腰、縦長のお臍の周りにきれいな腹筋
がついたお腹が男たちの目に晒された。
「私の決意、どうぞご覧ください!」
 そう言うと、美奈はスカートを脱ぎ、ブラジャーを外した。理想的に形の整った隆起が、若々しく張り出し
ている。美奈はピンと背中を伸ばした。垂れることを知らない18歳の膨らみが押し出される。その中央で、
きれいなピンク色をした乳頭が、バランスのよい大きさの乳輪の頂点に乗っていた。あまりの美しさに、新宮
たちは欲望を感じるより先に、思わず感動してしまう。
(この決意は、反省なんかじゃない。いつかここを脱出する決意、そして、あなたたちの非道を明るみに出す
決意よ!)
 美奈は、心の中でそう叫んだ。
 着替えのレオタードを貰うために、制服も下着もすべてを脱いだ女生徒たちが、教壇の前に一列に並んでい
く。みんな両手で恥ずかしそうに、胸と下腹部を隠しており、その周りには男たちが集まっている。
 先頭にいるのは夏海だ。教師が促すような視線を送る。国から貸与される服を受け取る時は、両手を伸ば
し、恭しく受け取るのがルールだ。当然、周りで見ている男たちに全裸を晒すことになる。
 唇を噛んで俯いていた夏海は、ギュッと一度目を閉じ、覚悟を固めると、胸と股間を隠していた手を放し
た。
「おおっ!」
 教壇の周りにいる男たちの歓声が上がる。スリムな体の割には豊かな乳房も、下腹部を彩る陰毛の翳りも、
丸いお尻も丸出しになった。恥ずかしさからだろう、よく見ると、夏海の身体が微かに震えているのがわか
る。それを承知のうえで、教師は、観客たちが彼女の身体を鑑賞する時間を十分にとった後、やっとレオター
ドを渡した。
 教室内がざわつく。有岡美奈が教壇に向かっていくのに観客たちが気づいたのだ。このクラスには有名なア
スリートも少なくないが、美貌、ネームバリュー、カリスマ性、全てにおいて美奈が抜群だった。彼女のヌー
ドだけは見逃せない。そんな思いで、部屋中の男が視線を注いでいる。
 美奈は身体を隠すことなく、堂々と教壇に向かっていく。
 赤いリボンで結んだトレードマークのポニーテールが揺れ、理想的な形と大きさの乳房が呼吸に合わせて、
静かに揺れている。引き締まったウエストから張り出したヒップにかけての流れるような曲線、すらりと伸び
た引き締まった脚は、モデルとして高く評価されていた美しさを、ここにきても全く失っていない。むしろ、
日々男たちとセックスし、性的な訓練を受けているせいか、全体的に以前よりも女らしい丸みを帯びて、超一
流の芸術作品を思わせる身体になっていた。ツルツルに剃り上げられた股間さえも、象牙の彫刻を思わせる。
(どうだ、我がテニス界のプリンセスは! 他の種目の女たちとは、桁が違うだろう!)
 訪問客も、そして、クラスメートの女生徒たちでさえ、ため息をついて見惚れる中、新宮は一人、優越感に
浸っていた。



 日本選手団より一足早く、イギリスの現地に着いた豊橋樹里は、自分がやろうとしていることの重みをひし
ひしと感じていた。
 彼女が抱えた課題は、追えば追うほど根が深く、果てしない広がりを見せる。最近得た情報では、それは、
国家権力との闘いになる可能性を示していた。行動を起こすとすれば、海外でしかあり得ない。
「まずは、選手団に同行すること」、そう考えた樹里は、知り合いの編集者に売り込んで、トーナメント取材
の仕事を得ることができた。このチャンスを生かして、仕事の傍ら、選手団が来るまでにできることをやって
おかなければならない。
 資金もなく、組織的な背景も持たない、フリーのスポーツ・ジャーナリストに過ぎない自分が背負うには、
事はあまりにも重大だった。それと同時に、組織的な背景を持った者には、立場上、手をつけられない課題か
もしれないとも思う。
(私に目をつけるなんて、さすが、冴ちゃんね…)
 那珂冴子から託されたのが自分である以上、樹里は、決して逃げることはできなかった。



「いやあ、何というか、その…、素晴らしい施設ですなぁ…」
 赤坂と合流した新宮は、興奮した面持ちで語り始めた。
「有岡美奈選手と会ってきましたよ」
「そうか、やっぱり体育科に行くべきだったかな…」
 他のコースを回っていた理事の一人がそう言った。彼らは、より直接的なサービスを求めて、普通科の生徒
たちとシャワー室で汗を流していたのだ。
「それじゃあ、みんなで有岡選手のクラスの授業を見学に行こうじゃないか」
 赤坂の言葉で、テニス連盟の理事たちは、揃って体育館に向かった。
「ちょうど良かった。そろそろ準備体操が終わって、これから演技披露が始まるところですよ」
 にこやかな表情を浮かべ、体育館で理事たちを出迎えたのは、松川だった。体育館には訪問客用の観覧席が
作られており、すでに大勢の客が詰め掛けていた。松川は理事たちを、最前列の特等席に案内する。目の前で
レオタード姿の少女たちが準備体操をしていた。
 女生徒たちは、淡いピンクのレオタードの下に何も着けていないらしい。胸の頂上に小さな膨らみが見え、
薄っすらと乳輪まで映っている。股間の布地も薄く、くっきりと割れ目に食い込んでいた。開脚すると、大陰
唇の形まではっきりとわかる。
「これは、すごいな!」
 体育館から合流した理事の一人が声を上げた。
「この授業が、今日の午後のメインイベントです。体育科の生徒ですから、みんな身体能力が高く、普通にダ
ンスとして見ても、十分に見ごたえがありますよ」
 松川が得意げに解説を始めた。
「各学年の1組は選りすぐりの美少女を集めたクラスです。3年1組は、テニス部員を見ても、有岡をはじ
め、井上千春、中西朋美、そして、海外トーナメント参戦のために今はいませんが、那珂冴子がいます。あ
と、清水香奈枝という恵聖学園の3年生がいます。テニスの腕はいま一つですが、アイドルなみのルックスで
ね…」
(あっ…?)
 松川と一緒にやってきた一団を見て、美奈の表情が険しくなった。赤坂や新宮をはじめとした、テニス連盟
の重鎮たちが顔を揃えている。新宮たちとは別行動をとっていたグループも合流し、今集まっているメンバー
の中には、彼女が顔や名前を知っている、往年の名選手やコーチも混じっていた。言葉にならない哀しみと怒
りが胸の中に込み上げてくる。
 やがて、真紅のレオタードを着た30歳ぐらいの美女が観客たちの前に立った。
「折口恵里菜か?」
 新宮が驚きの声をあげた。かつて新体操の名花として知られ、引退後はタレント活動で人気があった選手
だ。清楚なイメージだったのが、数年前、芸能レポーターにドロドロの不倫劇をすっぱ抜かれ、マスコミに干
されてしまってから、姿を消していた。
「そうです、彼女はこの4月から、ここの教師になって、ダンスと体操を教えているんですよ。ここの館長
は、本物志向の強い人ですから…」
 松川が自慢げにそう答えた。
「今日の体育の授業は、新体操をアレンジしたダンスの練習です。ダンスで男性の目を楽しませることは、当
館の女生徒のたしなみとして必修なのです」
 折口が観客に向かって、授業内容を説明する。生徒たちと違ってサポーターを着用しているらしく、乳首や
股間が透けているわけではないが、レオタード姿から、成熟した女の色気があふれ出ている。
「これから、4つのグループに分かれて演技をいたします。女生徒たちの練習の成果を、ぜひご覧ください」
 最初のグループが登場し、会場にどよめきが走る。身体の柔軟性を生かして、バレエのように優美に舞う少
女の姿に、みんなの目が釘付けになっていた。
「あの、真ん中で踊っているのは、もしかして…」
「フィギアスケートの村川佳織ですよ。世界大会で優勝したのに、表彰台で国家を歌わなかった反愛国者です
からね。有岡たちと同じで、矯正のために、ここに来ているのです」
 新宮の疑問に松川が答えた。
 やがて、華やかに踊る佳織の身体を、他の女生徒たちが踊りながらロープやリボンで縛っていく。佳織の胸
の上下にリボンが廻され、ロープが腕を後ろ手に縛り上げる。胸の上下のリボンを、胸の間で締め上げると、
佳織の胸が砲弾型に飛び出した。レオタードに包まれた双乳の中央で、ピンク色の乳首が天を向いているのが
わかる。
「うう…、ううぅ…」
 佳織が呻き声を漏らす。演技も最終盤に差し掛かり、彼女は床の上で、大きく脚を開いた格好でがんじがら
めに縛られていた。身動きできなくなったところで、女生徒の一人が客席に駆け寄り、観客の一人を選んで連
れてきた。
 観客の手でレオタードの股間に鋏が入れられ、佳織の性器が剥き出しになったところで演技が終了する。会
場は大きな拍手と歓声に包まれた。
「やっぱり、村川は人気がありますね。有岡と並んで、このクラスの看板スターだ」
 千春が加わっている第2グループ、朋美と香奈枝の第3グループ、それぞれにダンスとしてのレベルの高さ
と、卑猥な演出で観客を楽しませた後、いよいよ最後のグループが登場した。
 有岡美奈を含む女生徒たちが体育館の中央に並ぶと、観客は一気に盛り上がった。
 女生徒たちは、手に新体操で使うクラブを持っていた。
「ん?」
 新宮が目を凝らし、ニヤニヤ笑い始めた。細いスティックの上で直径5センチ長さ10センチ程度に膨らん
だヘッドの部分が、ペニスの先端にそっくりの形をしているのだ。色も紫がかった肌色で、妙に生々しい。
 しかし、演技が始まると、観客たちはみんな、卑猥な目的を忘れ去った。両手にクラブを持ち、激しいビー
トに乗せて、ダイナミックな振付けで踊る少女たちが、観客の目を釘付けにする。中でも、美奈の躍動感溢れ
る動きは、見ている者すべてを魅了した。
 これだけでも、十分に見る価値はあるのだが、癒しの館のダンスは、それでは終わらない。曲調がスローテ
ンポに変わり、女生徒たちは二人一組になった。美奈の相手は、水泳部の岡野夏海だ。
 客席に向いて美奈が立つ。ムードのある音楽にあわせて、後ろに回った夏海がレオタードに包まれた美奈の
身体を愛撫するように撫でていく。夏海の手が美奈の乳房を揉みしだく。
「ああ…」
 美奈が甘い吐息を漏らした。双乳が夏海の手で淫らに形を変えていく。薄いレオタードの胸に映った乳首
が、愛撫によって尖ってくる様子がはっきりわかる。テニス連盟の理事たちが好色そのものの顔つきで、最前
列で彼女たちを見ていた。
 今度は、夏海が前に立って、美奈が後ろに戻る。さっきと同じように夏海の身体を愛撫した美奈の手が、夏
海のレオタードの股間を引っ張り、横に寄せて秘丘を丸出しにした。
「おおっ!」
 男たちがどよめきを上げる中、男根を模したヘッドが夏海の股間に当てられた。頭部が夏海の陰唇を広げ、
ピンク色の媚肉が覗ける。美奈は、クラブを持つ手に力を込めた。
「うっ…」
 夏海の声が漏れる。太いクラブのヘッドが大陰唇を丸く押し広げる。
「ううっ、ううう…」
 夏海が眉を曲げ、異物を押し込まれる感覚に耐えていた。
「あんな太いもの、入るのか?」
「ほら、入っていきますよ。難なく飲み込んでいきますよ」
 目の前のかぶりつきの席で秘孔を凝視していた理事たちが、口々に言い合っている。美奈の顔に険しい表情
が浮かんだ。これがテニス界の指導者たちだと思うと、自分が半裸でいること以上に恥ずかしく、情けない。
 美奈がクラブをさらに押し込んだ。グチュッという音を発て、膨らんだヘッドの部分が夏海の秘孔に収まっ
てしまった。中に溜まっていた愛液が溢れだし、太腿を伝う。
「うっ、い…や…あっ…」
 夏海は顎を仰け反らし、うめき声をあげた。美奈がクラブ抜き刺しする。グチャ、グチャと夏海の蜜が白い
泡を立てている。クラブの抜き挿しに合わせて、夏海が腰をくねらせた。
 次に美奈が四つん這いになる。そのまま、床に伏せる体勢になり、お尻を音楽に合わせて振りながら、ゆっ
くりと持ち上げていく。レオタードに包まれた双臀が観客に向かって突き出された。
 今度は、夏海が美奈のレオタードのお尻の部分をずらした。肛門が露わになる。皺を刻んだ小さな膨らみ
が、ヒクヒクと蠢いていた。
 夏海は自らの性器にグラブを挿入したまま、グリップの丸い球の部分を肛門にあてがった。そして、美奈の
腰を支えて、ぐいっと腰を突き出す。丸いグリップが、皺の刻まれた菊座を押し広げていく。
「う…ううっ…」
 小さなくぐもった声が、美奈の唇から漏れる。
「くっ、うぐっ……」
 美奈の呻き声ととともにクラブが肛門に押し込まれていく。美奈は、眉を苦しげに歪ませ、唇を噛んだ。
「ああっ!」
 グリップの球がすっぽりと中に入り、美奈が背中を仰け反らせた。喉を伸ばした視線の先には、彼女を見下
ろす赤坂と新宮のにやけた顔がある。彼らによってたかって輪姦されているように感じた美奈は、こみ上げて
くる怒りに耐えるように、激しく首を横に振った。
 音楽のテンポが徐々に上がり、ビートの効いた曲調に変わる。それに合わせて、少女たちが腰を振る。
 クラブで美奈のお尻とつながった夏海が激しく腰を動かす。それに合わせて美奈の腰がうねる。
「あっ…あっ、あぁン…」
 美奈が喘ぎ声を漏らす。
「有岡君は、お尻で感じるようになったのかね?」
 驚いた顔で新宮が尋ねると、松川がニヤニヤ笑いながら答えた。
「もちろん、アナルも訓練されています。今や、有岡はオ××コも肛門も同じぐらい、敏感になっています
よ。何しろ、体中を使って、男にサービスするのが慰安嬢ですからね」
 理事たちは感心したように頷き、すっかり性奴として調教されてしまった美奈を見つめていた。彼らの会話
は、至近距離にいる美奈の耳に届く。美奈は唇を噛みしめ、泣きたくなる思いをグッと抑え込んだ。
「おや、あれも振付けなのか…?」
 赤坂が呟いた。よく見ていると、単にピストン運動をしているのではなく、ヘッドが夏海の性器から抜かれ
て、再び性器に挿入された後、今度は美奈の肛門からグリップが抜かれ、再び肛門に挿入されている。音楽に
合わせて、それが正確に交互に繰り返されているのだ。
「わかりましたか?あれは、なかなか難しいんですよ。自分が挿出する時は筋肉を引き締め、される時は緩め
る必要がありますからね。有岡のペアは全く乱れがないでしょう。慰安嬢としての厳しい訓練の賜物ですよ」
 音楽のテンポが次第に速くなってくる。夏海が顔を振るたび、汗が飛び散る。
「あはっ、ああ、あはぁ…」
「はぁ…、はぁ…、はぁ…」
 少女たちの息が荒くなってきた。美奈が顔を左右に振ると、汗をかいた頬に髪の毛が貼りつき、表情が色っ
ぽさを増していく。横にずらされたレオタードの股間が、愛液を吸って、きれいに剃り上げられた肌を透かし
ている。理事たちはギラギラとした目で彼女の身体を嘗め回していた。
「ああっ!」
 夏海の身体が、弾かれるように仰け反った。
「いっ、イ…ク…イクぅ…」
 美奈が声をあげ、音楽が終わると同時に、二人が全身をピクピク痙攣させた。計算したように、曲の終わり
で絶頂を迎えたのだ。
 見ていた理事たちの方も、呆けたような表情で余韻に浸っている。その股間はすっかり膨らみ、解放される
のを待っているようだ。それを見た松川がほくそ笑んだ。
「エンディングもピッタリでしたね。さあ、そろそろ常任理事会の時間ですよ。ここから先のお楽しみは、理
事会の後にゆっくりと…」
 そう言う松川の表情には、すでに勝利の確信が浮かんでいた。




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