国防省附属「星園・癒しの館」・外伝
 
テニス少女・遠征 第9章

「先輩、どうしたんですか?」
 新しいウエアに着替えた恭子が心配そうに声をかけてきた。
「ううん…、何でもない」
 そう答えながら、美奈は再び黙り込む。今回の海外トーナメントに賭けていた思いが強かっただけに、松川のもたらし
たニュースにショックを隠しきれなかったのだ。
(冴子が…)
 冴子がトーナメントに出場している様子が脳裏に浮かんでくる。さすがに彼女が裏切ったとは思わなかったが、それで
も、彼女が選ばれたことへの疑問が次々に膨らんでくるのを、抑えきることができなかった。
「さあ、次は私ね!」
 思いに沈む美奈を励まそうとするかのように、朋美が立ち上がった。スコートの上からもわかる見事なヒップと脚線
美。腰までのストレートの黒髪が、練り絹のような美しい光沢にきらめいている。その手には赤いハチマキが握られて
いた。
「朋美!」
「大事な試合だものね。」
 そう言って朋美はキュッとハチマキを締めた。いかにもお嬢様らしい上品さに、アスリートとしての勇ましいイメージが
加わる。
 早くからテニスの才能を周囲に認められていた朋美だったが、トップ選手になるには何かが足りないと言われ続けて
いた。そんな彼女が一流選手として頭角を現したのが、高一の夏の全国大会だった。
 この時、朋美は先輩から渡されたハチマキを締めて試合に臨み、巧みな試合運びで、優勝候補だった千春を打ち破
ったのだ。「お嬢様芸からの脱皮」と言われたこの時以来、朋美はここ一番の試合には、いつもハチマキを締めて臨ん
でいた。
「私が勝てば、勝負が決まるでしょ」
 朋美が闘志を隠すように、静かに言った。対抗試合で彼女たちが勝てば、今日の慰安は夜の10時までで終わりにす
る約束になっている。負ければ、一晩中、男たちに身体を玩具にされる夜が、今夜も続くのだ。
(そうだわ、私が落ち込んでちゃいけないわ!)
 朋美の気合を見て、美奈も気持ちを奮い立たせた。
「朋美、がんばって!」
「ええ、任せておいて」
 朋美は美奈にほほ笑みかけた。彼女にとっても、「癒しの館」に来てからの毎日はショックの連続だった。冴子に励ま
され、良宏に精神的に支えられていても、正気を保っているのが精一杯で、テニスへの情熱はもちろん、生きる気力さ
え失いかけていた。
 しかし、美奈がやって来てからは、彼女の心の中で何かが変わった。この屈辱的な世界から脱出し、美奈たちとテニ
スを競い合う日々を取り戻したいと思うようになった。自分たちにとって、美奈は「希望」なのだ。
(私は、私の役割を果たす…)
 心に念じて、朋美はハチマキを締め直した。

 その頃、自分の役割を果たそうとしている少女がもう一人いた。
「森島さん、司令部にいてはるんですね?」
「うん、そうや」
 第2コートで試合を終えた千春は、森島と一緒にグラウンドの隅にある木陰のベンチに腰掛けていた。二人とも軽い
練習試合のノリでテニスを楽しみ、結果は森島が僅差で勝っている。
「代表試合の方には、出えへんのですか?」
「俺…?ああ、俺はテニス部には入ってへんし、俺が出たら、松倉らも煙たいんとちがうかな」
 無邪気な自惚れを見せ、森島が屈託のない笑顔で言った。確かに、いくら現役を離れていると言っても、もし彼が相
手なら千春もそう簡単には勝てなかっただろう。
「それに、テニスと言うても…、まあ…こういう企画やからね…」
 「エッチな企画」と言いかけて、森島は言葉を濁す。とてもまともなテニスとは言えない、そんな卑猥な企画のために、
千春はここにやって来たのだ。
「私たちのことは…、聞いてはります?」
 森島が飲み込んだ言葉を察し、羞じらうように顔を伏せて千春が尋ねた。
「うん…」
 森島が困ったような表情を浮かべた。
「どういうふうに?」
「有事総動員法にもとづくボランティア活動がいろいろある中で、慰安嬢になることを希望した女子高生やと聞いてる
…」
 千春を前にして、さすがに口ごもりながら、森島が答えた。
「そやけど、まさか千春ちゃんが入ってるとは思えへんかった…」
 森島が千春から目を逸らし、空を見上げてそう言った。妹のように面倒を見てきた少女だけに、思いは複雑だった。
「今は有事です。国のため、私たちが出来る事はこれくらいしかありません…。しかも好きなテニスでお役に立つんやか
ら、これ以上うれしい事はありません」
 そう言うと千春は、森島の手を取って胸の膨らみに押し当てた。
「千春ちゃんっ!」
 慌てて離そうとする手を千春がギュッと握りしめる。
「森島さんも今、言いはったでしょ。うちらは、そのためにおるんやから…」
 真実をすべて伝えて協力を求めることも考えたが、森島が今、どういう立場にいて、どういう考えを持っているかわか
らない。リスクは避けるべきだった。館の教育どおりに対応し、怪しまれないレベルで協力してもらえば、もし何かあって
も、千春も、そして森島の責任も最小限で済む。
 森島の両手が千春の肩を掴み、二人は向かい合った。千春は眼をつぶり、少し上を向くように首を伸ばした。赤く染
まった頬、華奢な首が美しい。目の前には薄くピンク色に色づいた唇がある。森島は衝動的に千春の唇に、自分の唇
を重ねた。
 なんと言っても千春は、見るからに可憐な美少女である。森島は彼女に対して、秘めた思いを持っていた。こうして
今、千春とキスすることは、その思いを遂げるものであった。
 千春の唇を割って森島が舌を差し込んでいく。千春も素直に舌に絡めた。彼女も森島に対して淡い思いを抱いてい
た。しかし今、慰安嬢として彼とキスすることは、その思いとの決別を意味していた。
 森島の手が千春の背中に回り、ギュッと抱きしめた。舌と舌が絡まりあう。戸惑いを見せていた森島がゆっくり指を動
かして、千春の胸の膨らみを揉み始めた。
「胸を…、もっと胸を揉んでください…」
 哀しみを断ち切るように千春が囁く。森島は彼女の胸の膨らみを愛撫しながら、ウエアを捲り上げた。二度と戻らない
日々を思って、千春は心の中で号泣した。

 メインコートでは第4戦が始まっていた。
 朋美はスタイルが抜群に良く。女らしいセクシーな体つきをしていた。ノーブラの豊かな胸が、ボールを追って走るた
びに揺れる。白いアンスコに包まれたお尻がむっちりしていて色っぽい。
 サーブを打つと、伸び上がった姿勢の股間が見えた。アンスコがぷっくりと膨らみ、その中央に縦に刻まれた亀裂が
走っている。ファインダーを覗きながら、鈴木は連続してシャッターを切った。
 朋美がレシーブの姿勢をとった。股間にグリップを持っていき、アンスコの上からクリトリスを擦り上げている。気品が
漂うルックスと淫らな行為のアンバランスがたまらない。
「いいぞ、いいぞ…」
 鈴木は思わずそう呟いた。可憐な千春、セクシーな朋美、美しい美奈、いずれも最高の被写体だ。撮った写真を他の
隊員に見せた時の反応を想像し、カメラマンとしての充実感を強く味わいながら、鈴木は夢中で朋美を撮影した。
 序盤戦は一方的な展開となっている。対戦相手も学生時代にそれなりの成績を納めたテニスの経験者だったが、女
子とはいえ国内屈指の実力を誇る朋美が相手では、いろいろと卑猥なハンデがあっても、なお実力差があり過ぎた。い
や、とにかく試合になっているだけでも、相手方の選手は誉められてよいだろう。
「タイム!」
 そう叫んで松川が朋美をベンチに呼んだ。
「そのハチマキ、なかなか効果があるようだな」
「…え?…は、はい…」
 からかうような声色で松川が言う。どう答えてよいかわからない様子の朋美に代わって、美奈が松川を睨みつける。
朋美の必死の思いに冷笑を浴びせる彼に腹を立てたのだ。
「そうだ、いいことを思いついたぞ」
 ニヤニヤと卑猥な笑いを浮かべてそう言うと、松川は赤い縄を取り出した。
「よし、中西、アンスコを脱げ!」
「はい…」
 不安げな表情で朋美がアンスコを脱ぐと、松川は彼女の身体を縛り始めた。胸の上下に縄を廻し、胸の間で締め上
げると、豊かな乳房が砲弾型に飛び出した。ウエアに乳輪が映り、その中央に乳首がポッチリと浮き出ている。
 胸の間を通した縄は、いくつもの結び目を作りながら、下腹のほうへ下ろしていく。松川は股間に縄を潜らせ、背中の
方から引き上げた。
「ああっ…」
 朋美が思わず声をあげ、背伸びをするように腰を浮かした。縄が割れ目に食い込んだのだ。ぷっくりした陰裂を押し
広げた結び目が、ちょうどクリトリスに当るように作ってある。
 股間を通した縄が腰縄と結ばれ、二重になった縄を、臍のところで後ろから廻された縄で開いていく。俗に言う亀甲縛
りだ。
「ううっ…」
 朋美が呻き声を漏らした。開かれていく縄は、容赦なく股間の縄を引き締め、縄に作られた結び目が亀裂を押し広げ
て食い込んでいく。
「どうだ、オ××コにもハチマキをしてやったぞ。これで、もっと気合が入るだろう」
 股間を割った縄をぐいぐい引っ張りながら松川が言う。朋美は強く唇を噛みしめ、辛そうに眉根を寄せた。
「さあ、仕上げにこれを塗ってやろう」
 松川が手にしたクリームの蓋を開け、指いっぱいに掬い取った。
「そのクリームは…や、やめてください…」
 朋美が横に首を振る。潤滑剤にもなるが催淫作用もある、慰安嬢たちには馴染みのクリームだ。そんなものを塗られ
ては、まともに試合を続ける自信がなかった。
「股を開け」
 嫌がる朋美にそう命令すると、松川は縄の右から左から陰部にたっぷりとクリームを塗り込んでいった。
「オ××コが縄で擦り傷だらけになっちゃあ、使い物にならないからな」
「あはっ、あぁ…ああん…」
 朋美の声が甘くなり、腰をくねらせ始めた。目はうつろに空を見つめている。さっそく、クリームの効果が出始めたの
だ。じっとしていると、陰部にじんわりと痒みが襲ってくる。それをなんとかしようと身悶えし、縄が粘膜に擦れると、強烈
な快感が押し寄せる。その繰り返しが、女体の性感を高ぶらせていく。
 試合が再開された。
「ううぅ…」
 レシーブの構えをとった朋美が、呻き声を漏らす。
 身動きする度に、股間に通された縄が秘孔に食い込んでくる。結び目が柔肉を刺激し、股間が熱くなって、おもらしを
したように愛液が溢れるのが、自分でもわかる。恥ずかしいその感触と闘いながら、朋美は歯を食いしばってプレイを
続けた。
 相手方のサーブが絶好の位置に飛んで来る。考えるよりさきに、朋美の身体がボールに追いついた。
(よし、もらったわ!)
 ラケットを引き、コースの狙いを定める朋美。
「ああっ!」
 しかし、スマッシュをしようと、大きく身体を反らせた瞬間、朋美は喘ぎ声をあげてコートに座り込んでしまった。股縄が
割れ目の粘膜を擦り、結び目が充血したクリトリスを強く刺激したのだ。
 ボールがコートを空しく転がり、対戦相手のポイントが宣言された。

 朋美が必死に試合を進める中、コートの端にある基地テニス部のベンチに部員たちが集まってきた。松倉が仁美を
連れて戻ってきたのだ。
「よう、仁美!」 
 部員の一人がニヤニヤ笑いながら声をかけてきた。
「お前、男のチ×ポが好きなのか?」
「はい…、好きです…」
「えっ?何が好きなんだって?」
 男がわざと聞き返し、淫猥な答えを要求する。集まった部員たちが期待を込めて見つめる中で、仁美は恥ずかしさで
真っ赤になりながら、震える声で答えた。
「ああ…、チ…、チ×ポです…、私、男の人の、チ×ポが大好きです…」
 館に連れて来られるまでは、死んでも口にできなかった言葉だ。真面目な仁美にとって、今でもこうした「言葉責め」は
辛い拷問だった。
「よし、じゃあ、お前の好きなチ×ポをしゃぶらせてやる」
「ありがとうございます。」
 男に三つ指をついて礼を言い、ズボンとシャツの間から陰茎を取り出すと、仁美は竿の部分を優しくしごきながら、唇
を寄せた。鈴口から湧き出した汁を舌ですくい取り、先端から王冠部、笠の裏へと舌を這わせていく。唾液を塗られた
怒張が赤黒く光っていた。
「ああ…おいしい…」
 本当は吐き気を催すほど嫌だったが、何度も強要され、覚え込まされた「ペニスの味の感想」を、仁美は自分から口
にする。部員たちの嘲笑が湧き起こった。
 仁美は怒張に指を沿え、口をO字に開けて肉棒を含んでいく。
「うぁん…んふぅぁ…」
 仁美の頭がゆっくり動いている。そのストロークの大きさから、男のペニスを喉の奥まで咥え込んでいるのがわかっ
た。
 後ろに立っていた松倉が仁美の腰を突き出させ、双臀を鷲掴みにして荒々しく押し広げた。小さな口を開けた性器が
露わになる。松倉が隣にいた部員に頷くと、男がニヤリと笑って、太い指を秘孔に潜り込ませた。
「おおっ、オ××コ、濡れてるぞ」
 抜き差しする指先には、粘りのある液体が糸を引いている。その言葉に促されて、別の男の手が股間に忍び込んでく
る。グチュッと股間で音がし、愛蜜が溢れ出して指を濡らしていく。
「ほんとだ。びちゃびちゃだ。すげぇ…」
 新たな手が入れかわり立ちかわり、割れ目を擦り、秘唇を掻き分け、その中の媚肉を掻き回してくる。掬い出された
愛蜜が大陰唇の膨らみを濡らす。女の子の体の大事な部分は、慰安嬢にとって、男を喜ばせる玩具にすぎない。
「うぐぅ、ううぅ…」
 敏感な部分を乱暴に弄られた仁美は、背中を退け反らせ、口から怒張を放しそうになる。
「口を離しちゃだめじゃないか」
 松倉がそう言って、仰け反る仁美の頭を押さえ込んだ瞬間、フェラチオをさせている男が腰を突き出した。奥深くに押
し込まれた怒張が喉を刺激し、仁美は吐き気を催す。仁美は嘔吐感をじっと耐えながら舌を動かした。
「ああ、いいぞ…」
 男が声を漏らした。仁美は両手を男の腰に回し、肉棒を咥えたまま、リズミカルに首を前後に揺さぶり始める。チュパ
チュパという音がコートに響く。
「ううっ、で、出るっ…」
 男が声をあげた。やがて猛烈な射精感に襲われ、腰をガクッガクッと痙攣させる。仁美の喉がゴクッゴクッと鳴り、ザ
ーメンを飲み下す。
 放出の勢いが弱まると、仁美は肉棒を上下にしごきたてて、最後の一滴まで絞り取り、飲み下そうとする。そして、完
全に噴射が終わると、くちゅくちゅと舌を使って後始末をした。すべて、星園で教え込まれた性技だ。
「はあぁ…」
 口内射精した男は満足しきった様子で、深いため息に似た吐息をもらした。周囲のギャラリーたちの羨ましそうな視
線がベンチに注がれる。
「フーゾクやAVと違って、滅多な事では拝めない本物ピチピチの女子高生の裸だ。テニス部だけで独占しちゃあ、恨ま
れちまう。実行委員長としては、観客へのサービスを考えないとな…」
 部員たちに向かってそう言うと、松倉はギャラリーの方を向いた。
「ギャラリーのみなさんにも、順番に楽しんでもらいましょう!」
「やった!」
「そうこなくちゃ!」
 口々に言いながら、近くの席のギャラリーがベンチの周りに集まってきた。たちまち、全裸の仁美を取り囲むように、
十数人の男の輪ができた。輪がじりじりと小さくなり、興奮した男の体臭が濃密に仁美を包む。
「いや…、いやっ…」
 十重二十重に取り囲んだ男たちが、欲望に目をギラギラさせて迫ってくる。仁美は本能的な恐怖を感じて震えあがっ
た。
 男たちが、仁美の身体に一斉に手を伸ばした。きめ細かで滑らかな肌に、温かく柔らかな弾力…、男たちが夢にまで
見た感触だった。
 お尻の丸さを確かめるように擦ってくる手、乳房の柔らかさを味わう手、太腿を、背中を、脇腹を…。数え切れないほ
どの手が仁美の身体を這いまわっている。
「ああっ、いやっ!お願い、許してっ!」
 とうとう仁美が悲鳴をあげた。
「写真やビデオの撮影もOKですよ。いい記念になって、戦場へ行った時も寂しくないこと間違いなしだ!」
 松倉の呼び声に、観客たちが列をなして席を立ち、次々にベンチにやってきた。

 身動きする度に、股間を走る縄が敏感な箇所をギリギリと締め付ける。体内に埋め込まれたままのローターも、時折
卑猥に動いて朋美を苦しめる。ショットの度によろけ、おぼつかない足取りになりながら、それでもスコアは朋美が優勢
だった。
「これじゃあ、勝つ可能性はないよなぁ…」
「そりゃあ、中西朋美に有岡美奈だぜ。さっきの第3試合取っておかないと、ダメだったんじゃないか。」
 客席のあちこちで、そんな会話が聞こえる。試合が目的ではないとはいえ、このまま館のテニス部が一方的に勝って
しまっては、イベントとしての興ざめは避けられない。
 そんな空気が漂った時、主審を務めていた石堂が動いた。
 石堂は館のベンチにやって来て、単刀直入に言った。
「中西さん、あなた、負けなさい。このまま勝っちゃったら、試合が盛り上がらないでしょ」
 当然のことのように言う石堂に、美奈がかみついた。
「ちょっと待っていください。この試合に勝てば、今夜の慰安は夜の10時までで終わりにするという約束だったはずで
す」
 今日の慰問試合は体力的にかなりきつい。そのうえ、夜通し慰安をさせられたら、身体が持たない。そう考えて、美奈
も他の選手たちも必死でがんばっていたのだ。石堂の身勝手な提案に対して、美奈の表情に爆発寸前の怒りが立ち
のぼる。
「わかったわ、あなたたちのここまでの敢闘に免じて、もし負けても1、2年生の慰安は10時まで…」
 石堂が譲歩の姿勢を見せた。ここで美奈に自棄になられても困る。いずれにせよイベントを盛り上げることが、館スタ
ッフの最大の任務なのだ。
「それに、最終戦で有岡さんが勝ったら、全員10時までで、本番はなし。それならいいでしょう?」
 引けないと思っていた美奈の気持ちが揺らいだ。この条件なら、後輩たちに休息の時間を与えてあげられる。さらに
自分のがんばり如何で、久しぶりにゆっくりした夜を過ごせるかもしれない。
 しかし、それは朋美を犠牲にすることになる。星園のベンチからも、相手チームのベンチで男たちに囲まれ、玩具にさ
れている仁美の姿が見える。負ければ、朋美にも同じ運命が待っているのだ。
「本当ですね、間違いないですね」
 そう確認したのは朋美だった。その迫力を躱すように、石堂が思わせ振りに言った。
「私たちは、約束は守るわよ。ほら、那珂さんとだって…」
「冴子と…?」
「あら、余計な話だったわね。今のは忘れて」
 美奈が怪訝な表情を浮かべると、石堂はわざとらしく言った。美奈を心理的に揺さぶろうとの姿勢がありありだ。
「わかりました」
 朋美が凜とした声で言った。
「朋美っ!」
 美奈が何か言おうとするのを遮って、朋美は美奈の目をじっと見た。
「有岡さん、がんばってね」
 そう言うと、朋美はラケットを握り、祈りを捧げるかのように片膝を付いて瞑想する。これも、大事な試合で集中力を高
めるための習慣になっていた。
(せめて、私らしい試合をしたい…)
 そう決意しながら、朋美がコートに戻った。
 周りの観客の卑猥な野次も、ズラリと並ぶカメラの露骨なフラッシュも、今は気にならない。ローターや股縄の感覚さ
え、もはや彼女を悩ませることはなかった。「八百長をしろ」と命じられたことで、かえって朋美のプレイヤー魂が揺さぶ
られたのだ。
 朋美がサーブを打ち込んだ。そのスピードに相手は一歩も動けない。
「アウト!」
 ギリギリアウトのコースだ。しかも、自分のサーブの度にまるで再生映像を見るように、寸分の狂いもなく、同じコース
に打ち込んでいく。それは、ボールのコントロールの良さは美奈をすら上回ると言われた、朋美ならではのパフォーマン
スだった。
 試合の組立ても完全に朋美のペースだった。手を出さなければアウトになる相手のボールをわざと拾い、しかも相手
の打ち易いコースに返す。まるで初心者に指導してあげているといわんばかりのプレーで、圧倒的な実力差を見せつ
ける。
 そうしてフルセット戦うと、朋美はピッタリ1ポイント差で負けて見せた。相手はヘトヘトだが、彼女は余裕の表情だ。
「すごい…」
 負けた相手も肩で息をしながら、思わず感嘆の声を漏らした。観客から一斉に拍手が起こる。様々なエロチックな演
出に対してではなく、朋美のテニスの素晴らしさに対してである。
 試合が終了すると、対戦相手の男は全裸になった朋美を抱きしめた。柔らかな胸の膨らみが男の胸に押し当てら
れ、膨らんだ男の肉棒が朋美の腹に当たった。
 朋美とキスをした男は、そのまま乳房にむしゃぶりついた。乳輪をなぞるように舌を這わせ、舌先で乳首を転がす。
「ああん、そこ…」
 朋美の喉の奥でかみ殺した声が漏れ出している。男は朋美の左右の乳首を舌で転がしながら、彼女の股間に手を
やった。柔らかな膨らみを掌で包み込むようにすると、指先で割れ目をなぞる。無毛の割れ目にヌルッとした感触があ
った。指先が花唇に埋もれていたクリトリスに触れると、朋美の身体が小刻みに震える。
「あ…ああンん…」
 朋美がセクシーに喘ぐ。潤んだ瞳が少女と大人のはざ間の色気を漂わせている。
(あんなに素晴らしい試合を見せてくれたのに!)
 ギャラリーの一番後ろで観戦していた堀江隆太の胸に、激しい義憤が湧き起こった。一流のテニスプレイヤーである
ことを自らの力で証明してみせた朋美が、試合を見ていた大観衆の目の前で全裸に剥かれ、白昼堂々とコートで対戦
相手に犯されている。それは、許されない冒涜であった。
「もう我慢できない。俺、上官に話をしてくる!」
 一緒に観戦していた同期入隊の仲間たちにそう言うと、堀江は全力で駆け出していた。



 
 「星園癒しの館・テニス少女編」目次へ
 
 「Novels」へ
 
 「ぷろとこーる・ラボ」トップぺージへ 
動画 アダルト動画 ライブチャット