第14章 淫獄の生放送
 
 本番が始まる約15分前、白いミニドレスの衣装に着替えて楽屋で待っていた清香の所に、マネージャーの伊吹が番
組プロデューサーの原島尚人を伴って現れた。
 型どおりの挨拶をした後、ドレッサーの前に腰掛けた伊吹と清香の顔を見比べながら、原島が言った。
「先週、清香ちゃんが『ミッドナイト・バラエティ』に出演して歌ったのを見たんだが、上手いのは上手いんだけど、ちょっ
と物足りなかったね。」
「あ、すみません…」
「それは、申し訳ございません。」
 清香と伊吹が揃って頭を下げる。結構上手く歌えたという自信があっただけに、清香にはちょっとショックだった。
「CDみたいに、もっと色っぽく歌ってくれないかな。」
 それを聞いて、清香は頬が熱くなるのを感じた。CDをレコーディングした時は、椅子に縛り付けられ、土本に身体の
隅々まで弄られ、恥辱と性感に身悶えしながら録音したのだ。プロデューサーが求めているのは、その時の淫らな声ら
しい。
「そうですなぁ…」
 清香が黙ってうつむいている横で、伊吹は何か考え込んでいたが、やがて、「わかりました。」と言って、手に持ったバ
ッグの中から、茶色の小瓶を取り出した。
「これを使いましょう。」
「何だね?それは。」
「強力な媚薬です。これをアソコに塗ると、最初は熱く、薬が染み込むに従って強烈な痒みが襲ってきて、女の子の敏
感な部分が疼きます。そうすると、どんなに恥ずかしくても、アソコを弄らずにはいられなくなるんですな。」
「ほう。」
 原島の表情が一気に崩れ、卑猥な笑いを浮かべて清香を見つめた。
「この媚薬を清香のアソコに塗って出演させます。そうすれば、嫌でもエッチな声で歌うことになるでしょうから。」
 伊吹の説明に清香は恐怖の表情を浮かべた。男達は、そんな禍々しい薬を自分の陰部に塗って、生放送のテレビ
出演をさせようとしているのだ。
「い、いや…」
 思わず立ち上がった清香の肩を、それまで黙って衣装ケースの整理をしていた付き人の空野翔子が抱き留める。
「駄目よ、清香ちゃん。「TOP HITS」に初出演するんだから、ちゃんとみんなの言うとおりしないと。」
 そう言う翔子の腕は、その華奢な体からは想像できないほど強い力で、清香を逃がすまいと捕まえている。
「恐がることはない。アソコが気持ち良くなるだけだよ。」
 翔子が清香を椅子に座らせると、伊吹はレースのスカートをまくり、白いパンティを足首までずり下ろして、清香の脚
をO型に押し開いた。下腹部の薄い陰毛の下に、少女のつつましいピンク色の割れ目が露わになる。
「ああ…」
 またしても恥部を剥き出しにされた恥ずかしさに、清香が悲しげな声をあげる。
「よし。俺が塗ってやるよ。」
 原島がそう言って近づいてきた。
「それでは、よろしくお願いいたします。」
 伊吹が丁寧に頭を下げて、原島に小瓶を渡した。原島はふたを開け、透明なゼリーをたっぷりと指にすくう。
「たっぷり塗っておいてやろう。」
「い、いやです…、やめてくださいっ!」
 嫌がって暴れる清香を、翔子と伊吹が押さえつけた。
「あぁ、いやぁっ!」
 ヒンヤリした感触を恥丘に感じて、清香はブルッと身震いした。原島は彼女の股間を揉み撫でるようにして、たっぷり
と手に取ったゼリーを塗りつけていく。柔らかな陰毛がべったりと恥丘に貼りつき、ゼリーに濡れてテラテラ光っていた。
「中の方にも、隅々まで塗っておかないとな。」
 そう言いながら、原島は秘裂に押し当てた指をV字型に開いた。鮮やかなピンク色をした粘膜が剥き出しになった。
「じっとしてろよ。」
 原島は媚薬のついた指を秘裂に這わせていく。敏感な小さな肉芽や、秘唇の肉襞にも透明なゼリーを丹念に塗り込
んでいく。
「よし、これぐらいでいいだろう。」
 ピンクのきれいな秘貝が、透明なゼリー状の媚薬のせいで濡れ光り、淫らな様相に変わっていた。原島はしげしげと
それを眺めている。
 5分ぐらいして、清香に変化が現れた。もじもじして、しきりに太腿をこすり合わせている。媚薬が効いてきていること
は明白だった。
「どんな感じだ?」
「どう、気持ちよくなってきたの?」
 翔子が尋ねると、清香は首を横に振り、消え入りそうな声で言った。
「ううん…、痒いの…」
「そうだろう。痒くってたまらなくなってアソコを掻くと、しだいに気持ちよくなってくる薬なんだ。」
「生放送だからな。本番では、アソコを掻いている所がカメラに映らないように、注意しなくちゃいけないぞ。」
 男たちが意地悪く言う。清香は今にも泣きべそをかきそうになっている。
「そ、そんなぁ…」
 すでに媚薬がジリジリと熱く清香を苦しめ始めていた。
 その時、ADが楽屋を覗いて声をかけた。
「もうすぐ本番です。スタンバイしてください。」
 その声に、椅子から立ち上がろうとした清香を、伊吹が押しとどめた。
「ちょっと待ちなさい。」
 そう言って、伊吹は親指程の大きさのピルケースような物をポケットから取り出した。そして清香のパンティの中に手
を突っ込み、手際よくバンドエイドで止めた。細長い卵形のそれは、清香の小陰唇の肉襞に挟み込まれ、クリトリスをつ
ついて圧迫した。
「うぅ…」
 いつもにも増して敏感になっている部分に異物が触れる感触で、清香はくぐもった声を洩らす。
「このスイッチを入れてみてください。」
 原島は、伊吹から渡された小さなプラスチック製の箱についているスイッチを入れた。
「あ、ああぁっ!」
 その途端、清香が股間を押さえて床にうずくまった。媚薬を塗りたくられた性器に容赦ない刺激が加えられる。
「小型のリモコン式ローターです。スイッチを強にすると、結構激しく動きます。演出で必要があれば、使ってください。」
「これはいい!」
 原島は手に入れた「特別な玩具」に、大いに満足したようにうなづいた。
 
 「TOP HITS」は、久しぶりにゴールデンアワーに登場したポップス・歌謡曲のカウントダウン番組である。そのままD
VDに録ってコレクションしたいと思わせるほどのサウンドと映像、そして、メイン司会をつとめるコメディアン出身の人気
タレント桐野完爾のトークで、番組開始から評判が高く、視聴率の面でも好調な滑り出しをみせていた。
「それでは、いよいよ今週のトップスリーです!」
 桐野の横でニッコリ微笑むアシスタントの表情がアップになった。今売り出し中のグラビアアイドル、火山朱美だ。
 画面が切り替わって、3位の曲のプロモーション・ビデオが流れる。ナレーションのジャック菅野が英語風の発音で紹
介する。
「『あなたを感じたい』 by 風見清香!」
 スタッフや共演者たちの拍手の中、スタジオに清香が登場する。
「あっ!」
 台本どおり桐野と朱美の間に腰掛けようとした清香は、足がもつれて思わず転びそうになったところを朱美に助けら
れた。
「大丈夫?」
「あ…、ありがとう…」
 微笑んで見せる清香の表情は力がなく、朱美は心配そうに眉を寄せた。転びそうになったこともふくめて、動作もどこ
かぎごちない。
「今週発売したばかりのデビュー曲で、いきなり初登場第3位とは、凄いね。」
「ありがとうございます…」
「スターハント21のグランプリ…、土本創児の秘蔵っ子というところかな。」
「あ…、はい…」
 今の清香には、話しかけてくる桐野の言葉がまったく頭に入らず、短い言葉でとりあえず返事をするのが精一杯だっ
た。そうしている間も、強烈な痒みが媚肉を襲ってくる。なんとか痒みを紛らそうと太股を擦り合わせると、今度は、身体
の奥から甘く切ない疼きが沸き上がり、思わず悶えそうになるのだ。気にするまいとするほど、下半身の感覚に神経が
集中してしまう。
「緊張してるのかな。リラックス、リラックス。」
 そんな清香の様子を見て、初出演による緊張だと理解した桐野が声をかける。
「はい…」
 そう返事をしたものの、清香はぐっと唇を噛んで、額に玉のような汗をにじませている。身動きしただけで、太股に挟
み込まれた秘裂の柔肉がキュウッと切なく甘美な快感を訴えてくる。
「それじゃあ、このビデオを見てもらおうかな。」
 画面が切り替わって映し出されたのは、スターハント・オーディションの模様だった。もちろん、前半の普通のオーディ
ションの時の様子であったが、それを見ると、どうしても後半の羞恥のオーディションを思い出してしまう。
「うぅぅ…」
 清香は苦しそうな鼻声をあげ、太腿をブルブルと震わせた。オーディションのことを思い出したのが引き金になってし
まったらしく、我慢が限界に来たのだ。モニターにスタジオの様子が映っていないことを確認して、清香はこっそりスカー
トの中に手を入れ、パンティの隙間から差し込んだ指を秘貝に這わせた。
 媚薬のせいで、甘い感覚が体の中心から湧き起こってくる。充血した肉芽をいじっている細い指には、溢れ出す粘液
がまとわりついてくる。
「あぁっ…」
 思わず喘ぎ声をもらした清香だったが、幸いにもそれは注目を集めなかった。
「いやあっ!恥ずかしいっ!」
と、朱美が大きな声をあげたからだった。
 画面にはオーディションの時の朱美の様子が映し出されていた。
「いやだなぁ、もう消してくださいよぉ!」
 朱美は明るい声でわざとそう騒ぎながら、清香にウインクした。彼女の様子がおかしいことに気がついていたのだ。自
分の経験から考えて、清香が何か性的ないたずらをされているのだろうということも、薄々わかっていた。
「さっ、曲行きましょう、曲!」
 一刻も早く進行した方が清香のためだろうと考えて、朱美は桐野を促し、清香をスタンバイさせた。
 
「それでは、初登場で第3位をゲットした清香ちゃんのデビュー曲です。」
「『あなたを感じたい』」
 桐野の紹介に続いて、朱美がタイトルをコールすると、画面が切り替わった。
 ブルーのライトの中に、バンドを従えた清香が映る。ドラマーがスティックで4つカウントを打った。
 照明が明るい赤系統の色に切り替わり、イントロが始まった。モニター映像にはタイトルと「作詞・作曲・編曲 土本創
児」のクレジットが浮かび上がる。
「ううぅ…」
 バンドの演奏にあわせて、ステップを踏みながら、清香は眉根を寄せて呻き声を洩らした。身動きすると、媚薬を塗り
込まれた性器がジンジンするのだ。
「おっ、ゾクゾクする表情だな…」
 副調室にいるプロデューサーの原島がまわりのスタッフに向かって言った。モニター越しにアップになった清香の切な
げな表情は、清楚で可憐でありながら、男を興奮させるエロチシズムを漂わせている。まして、彼女の恥部の仕掛けを
知っている原島は、清香の表情の変化に、愛液でドロドロになったピンクの粘膜を想像して、ズボンの前が膨らんでいく
のを感じた。
(が、がんばらなくっちゃ…)
 イントロが終わり、必死の思いで清香は、第1コーラスを歌い始めた。さすがに音程などに狂いはないが、ときおり歌
声に悩ましげな息づかいが混じる。
 
  どしゃぶりの雨の中 ひとり駆けてく私
  あなたの部屋にたどりつきたい…
 
 なんとか無事に1コーラス歌い終わって、間奏部に入る。
 清香はクルッとターンして、リズムに合わせてダンスをする。リズム感も抜群の清香は、バックで踊るダンサーたちに
ひけをとらないステップを見せる。歌とダンスに集中しているせいか、股間の嵐もさっきほど気にならなくなっていた。
(だいじょうぶ、いけるわ…)
 そう思った途端、清香の秘肉を強烈な震動が襲ってきた、
「あんっ!」
 清香は思わず両膝を床についた。インカム式のマイクが少女の喘ぎ声をひろい、生中継の電波に乗せた。
 何人かのスタッフがゴクリと生唾を飲み込む音が副調に響く。
(そうだ、清香。いいぞ…)
 原島の手にはローターのリモコンが握られている。曲のリズムに合わせて、オン・オフを繰り返すと、モニターの中の
清香は床に膝をついたまま、曲のリズムに乗せて、激しく身体を揺らす。その姿は、まるで淫らな操り人形だ。しかも、
視聴者や他のスタッフには、全て演出にしか見えないだろう。
 
 ギターソロが終わると、ローターのスイッチが止まった。
 オンエア中のランプが目に入り、清香はなんとかよろよろと立ち上がって、再び歌い始める。
 
  A・I・SHI・TE・RU
 
 この手の歌番組では、通常、フルコーラス歌うことはまずない。あと少し我慢すれば、歌いきることができるだろう。そ
う思った途端、股間のローターが再び淫らな震動を始めた。
 
  他に何もいらない
  一つに溶け合う思いの中で 叫び続ける
 
 切なげな息づかい、微妙に震える声で歌う清香。肉襞は激しく嬲られ、敏感な肉芽がローターの先で擦られる。
 
  AH 強く抱いて 折れてしまうほど 強く
  ときめきよりも 優しさよりも
  確かな証が 欲しい
  AH 強く抱いて 折れてしまうほど 強く
 
「私の中で…、あなたの鼓動を感じたい…、ああぁ…」
 最後の部分は、もはやよがり声という以外に表現しようのないものになった。
 ペタンと座り込み、後奏のフレーズが流れる中、カメラは、清香の表情をアップで映し出す。その目は潤み、頬は上気
し、喘ぐような息づかいがだんだん激しくなってくるのが伝わってくる。
 バンドの演奏が終わり、番組のタイトルテロップがかぶって、CMに行く直前、清香は目を閉じ、キュッと眉根を寄せ
た。それは、少女が快感の絶頂を迎える時の表情そのものだった。
 モニターがCMに切り替わると、スタジオ内はざわめきと歓声で騒然となった。
「こりゃあ、すげえ…」
「たまらないなぁ。」
「思わず、ヤリたくなっちまったぜ。」
 スタッフ達の興奮した声が清香の耳に入ってくる。彼女はふらふらと立ち上がると、両手で顔を覆って、急にスタジオ
の外に飛び出して行った。
 
 当然のことながら、その日の放送は大反響を巻き起こした。そして、清純で可憐なルックスと、あまりにギャップの大
きいエロチックなパフォーマンスは、アイドル風見清香を一気にスターダムに押し上げていく。
 淫獄の生放送…、それが、風見清香が大ブレイクする大きなきっかけになったのである。
 


 
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