国防省附属「星園・癒しの館」
 
外伝・5 健康診断

 30歳代半ばの白衣を来た男は、バインダーに綴じたカルテのようなものを示した。
「これが、検査結果を記入する用紙です。」
 ぶっきらぼうなようだが、これでも大島賢一にしてみれば、最大限の丁寧さで接したつもりである。国防省附属慰安施
設「星園癒しの館」で「校医」になる前は、国防大学校医学部きっての秀才と呼ばれ、大学病院では天才医師と称され
た彼は、めったなことでは相手に敬語を使うことはない。実際、現在の直接の上司にあたる館長諸藤宗光に対しても、
いつも対等に口をきいている。
 その彼が自ら、検査の方法を説明をすることになったのは、相手が文部省の幹部だと思えばこそだ。
「そうか。私は検査をするから、それは君が書いておいてくれ。」
 人を人とも思わぬ様子で、男はそう言った。気難しい医者を相手にしてもあくまで尊大なこの男、富士善三は文部省
中高教育局長だ。徴兵法をはじめ様々な法律を活用して、全国の女子高校生たちの中から、これはと思う少女をこの
「館」に送り込むルートを作った彼は、その謝礼として「館」の非常勤講師の地位を得ている。
(ふん…、このエロオヤジめ…)
 プライドを傷つけられた大島は、心の中で毒づいた。

「…また2位か…。」
 掲示板に張り出されたテスト結果を見て、そう呟いたのは、高校生の富士善三だ。悔しい気持ちもないわけではない
が、上位にある名前を目にすると、全く違う感情が胸を熱くする。
「荻野淑子…」
 思わず名前を口にして、誰かに聞かれていないか、富士は慌ててあたりを見回した。
 成績には絶対の自信を持っていた富士が、高校2年生になってから、テストでどうしても抜けないライバルができた。
悔しさと腹立たしさを感じながら、クラスメートに尋ねると、隣のクラスに関西から転校してきた女子だと言う。どんな相
手かみてやろうと、廊下から覗いたとたん、富士は心臓がキュンと締め付けられるのを感じた。髪を三つ編みにした、
人形のように可愛い少女だった。それから、富士は密かに淑子のことを思い焦がれるようになった。
 しかし、そんな青春の淡い思い出が、苦い思い出に変わる事件が起きた。
 ある日の放課後、たまたま隣のクラスの教室の前を通った時、ふと淑子の机を見ると、体操服を入れた袋が机の横
に掛かっているのが見えた。誰もいない教室に入り、衝動的に袋に手を突っ込む。引っ張り出したのは、淑子のブルマ
ーだった。
 富士は思わずそのブルマーに鼻先を埋め、匂いを嗅いだ。
「誰っ!」
 ビクッとしてブルマーを床に落とした富士が、おそるおそる振り返ると、そこには驚きに目を見張る淑子が立ってい
た。
 優等生だった富士は、担任の教師からこっぴどく叱られる以上の罰は受けなかったが、噂はまたたく間に広がり、女
子たちから白い目で見られる運命は避けることができなかった。もちろん、淑子からも…。それは何よりも厳しい罰だっ
た。そんな富士が逃げ込む先は学業しかなかった。そして、彼は権力の階段に足をかけたのだった。
 それから三十数年の歳月が流れた。
 富士は今、無残な終わりを遂げた初恋の相手を思い浮かべていた。今でも輝きを失わないその面影に、よく似た少
女の顔がオーバーラップする。

 慰安施設にとって、性病対策は生命線である。慰安嬢の健康管理の責任者である「校医」の大島は、絶対的な権限
を与えられるのと引き換えに、性病ゼロの成果をあげていた。その要が、毎日午後に行われる性病検査であった。
「検査の時間ね…」
 体育科3年の有岡美奈が、時計を見て憂鬱そうに言った。
「ほんまにいややわ…。私、検査が一番嫌いや。」
 井上千春が関西弁で答えた。彼女が美奈たちとともに癒しの館に連れて来られて一週間になる。悪夢のような毎日
が繰り返される中で、これまで5回の検査を受けていたが、体の隅々まで調べられる屈辱的な検査は、とても慣れるど
ころではなかった。
 検査は体育館で行われる。全裸になって一列に並ばされ、身長、体重、スリーサイズを測定された後、聴診、検温、
血液検査、検尿、検便と進む。前半の身体測定は通常、男性職員が担当するが、早目にやってきた訪問客が行うこと
もある。看護師も医師も、もちろんすべて男性だ。
 そして、いよいよ内診である。 
「井上千春!」
「ハイ!」
 担任の平沼が名前を呼び、千春が一歩前に出ると、内診台の前の椅子から校医の大島が立ち上がった。替わって
椅子に座ったのは、富士善三である。
「えっ!」
 千春の表情が強ばる。ただでさえ恥ずかしい検査である。検査するのが医者だからまだ耐えていたのに、医学の心
得などあるとは思えない富士が検査するというのである。
(ああ…、いやや、堪忍して…)
 千春は泣きたくなった。富士は彼女の処女を奪った憎むべき相手である。加えて、千春にストーカーまがいの執着を
示している。そんな彼に対して、千春は、身の毛のよだつほどの嫌悪感と恐怖心を抱いていた。
「さあ、検査だ。オ××コを見てやるから、そこの内診台に上がって、脚を広げなさい。」
 千春は抵抗することもできず、内診台に上がり、脚を30度ぐらい開いた。
「駄目だ、駄目だ。それくらいじゃあ、中まで見えないだろう。きちんと脚を乗せて、大きく開くんだ。」
 富士は、もじもじしている千春の脚を大きく割り開いた。
「いやっ!」
 さすがに羞恥に耐え切れず、千春は反射的に脚を閉じようとするが、富士は、千春の脚が閉じられないよう、両足首
を固定用ベルトで内診台に固定した。
「よし、これでいい。」
 千春は「館」に来て、陰毛を全て剃られている。そのつるつるの恥丘を掌で撫で回し、富士はその感触を楽しんでい
た。覆い隠すものの無い恥丘の真ん中の亀裂から、鮮やかな肉襞が見えている。
「千春は、つるつるのアソコがよく似合うぞ。」
「………。」
 返事をすることもできず、千春は悲しげに首を振る。
「昨日は何回、セックスしたんだ。」
 慰安嬢たちは食事の内容、大小便の回数から、性行為の回数,人数、自慰の回数まで記録するように義務付けられ
ている。そして、内診の際には、前日の性交回数等を自分の口から告げなければならないのだ。
「昨日はセックスが10回、人数は8人です。オナニーは3回しました。」
 報告を聞いて、富士は眉をひそめた。
「それは多いな、ヤリマンもほどほどにしなさい。そんなにいろんな男とセックスばっかりしていると、性病に懸かってし
まうぞ。」
「はい、申し訳ありません…」
 悔しさに唇を噛みながら、千春は謝罪した。
 自分で望んでしているわけではない。朝のランニングの途中で通りがかりの防衛隊員に路上で犯されたのをはじめ、
朝練で2人、午後の練習で3人とセックスさせられ、夜は自室に訪問客を2人受け入れた。それが慰安嬢としての業務
だ。オナニーはもちろん、全てテニスラケットを使っての公開オナニーである。それでも、ここでは自分が謝罪するしか
ないのだ。
「さあ、まず、指で触診してあげよう。」
 そう言うと、富士の両手が肉門にかかり、力がこもる。千春は湿り気を帯びた陰肉が外気に晒されひんやりとするの
を感じた。富士は眼鏡をかけ直して、千春の秘所に顔を近づけていった。触れんばかりに接近した富士の顔が、満面
の笑みを浮かべている。
「ふむ、きれいなピンク色をしているな。」
 ピンクの陰裂が露わになり、二枚の肉襞がはみ出していた。富士は片手で千春の恥ずかしい亀裂を押し広げ、柔ら
かい花肉の感触を楽しみながら、もう一方の手の指を割れ目にずぶずぶと埋めていった。
「ああ…、やめて、そんなことせんといて…」
 千春に悩ましげな喘ぎを漏らす。
「何を勘違いしている。これは触診と言って、れっきとした検査なんだぞだ。」
 そう言いながら、富士の指が乱暴に千春の肉襞をまさぐり、繊細な粘膜を掻き回す。しかし、どう見てもそれは、彼女
の秘部を弄んでいるようにしか見えない。
「どこの検査をしてもらっているか、言ってみなさい。」
 指を抜き差ししながら、富士が言う。
「え…、そんな…」
「ちゃんと言え!」
 富士はいきなり怒気をはらんだ声で怒鳴りつけた。
「お…、オ××コ…」
 この一週間たたき込まれたとおり、千春は恥ずかしさをこらえて、女性器のあからさまな呼称を口にする。しかし、富
士は満足しなかった。
「千春は京都出身だったな。関西では、オ××コじゃないだろ。」
「え…、あっ…」
 千春がこれまでになくうろたえた。
「関西の呼び方で言ってみなさい。」
「し、知りません…」
「嘘をつくんじゃない!」
 怒鳴った富士の目付きは、興奮のせいか、狂気を含んでいるようにすら見えて、千春は恐怖で震え上がった。
「お、オ×コ…」
 消え入りそうな声で答える様子が、富士の嗜虐心を刺激する。
「何だって、聞こえないぞ!」
「オ×コですっ!」
 反射的に答えて、千春は涙目になった。関西出身の彼女にとって、その呼び名は「オ××コ」と言うより遥かに生々し
く、恥ずかしさが格段に違う。
「よし、これから、お前はここのことをオ×コと呼ぶようにしなさい。」
 そう言いながら、富士は秘孔に埋めた指を2本にしてこねまわす。千春の蜜壷が溢れ出る愛液で、クチュクチュと音
をたて始めた。
「クスコが楽に入るよう、よく濡らしておかないとな。」
 富士は指の動きを早くした。
「あっ…、あっ、ああぁ…」
 喘ぎ声をあげながら、千春の身体がビクンビクンと跳ねる。
「じゃあ、奥の方も調べるとしよう。」
 富士が手を伸ばすと、大島が銀色に光る器具を渡した。膣鏡である。
「先はが丸みを帯びていますが、金属製ですから、不用意に強く挿入すると、出血しますよ。注意して入れてください。」
「い、いやや…、やめて、入れんといてっ!」
 気づいた千春が悲鳴をあげた。医師ではない富士に検査器具を入れられるのは、恥ずかしいだけでなく、恐ろしかっ
た。
「大丈夫だ。これだけ濡れているんだからな。」
 富士の指の責めを受けた千春の肉裂は、愛液をたっぷりあふれさせていた。膣鏡を入れると、濡れた秘孔はたやす
くそれを受け入れた。
「手元のハンドルを握ると、膣内が開いて、内部を良く観察できるようになります。」
 大島の指示どおり器具で肉洞を押し開くと、濡れてぬめりを帯びた粘膜が見えた。
「中もきれいなピンク色をしている。異常なしだな…」
「きちんと検査して、資料も採取してくださいよ。」
 苦虫を噛み潰したような表情の大島にレクチャーを受けながら、富士は内部をじっくり観察し、綿棒で体液や粘膜を
擦り取った。そして、やっと千春に挿入された金属具を抜き取る。溜まっていた愛液が糸を引いて零れ落ちた。
「う、ううっ…」
 惨めさが込み上げてきて、いつしか千春はすすり泣いていた。それを耳にして、富士が優しい表情を浮かべる。
「可愛い娘だ。私はお前のことが大好きだよ。さあ、キスしてあげよう…。」
 しかし、富士が唇を重ねたのは、千春の下半身の唇だった。舌先で襞肉を一枚一枚舐めていき、ザラザラの舌でクリ
トリスを舐め上げる。
「あひっ…、んぁぁっ…、はぅぅっ…」
 千春はもう堪えられないというように腰をせり上げ、激しく振った。
 ラブストーリーは始まったばかりである。富士にとっては失った青春を取り戻すための、そして、千春にとっては迷惑こ
のうえない、恥辱のラブストーリーだった。


 
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