リレー小説「星達の時間〜アナザー・ガールズ〜」
 
第3章 (By ぷろとこーる)
 
 黒いシックなスーツを着た店員が出てきた。ショートカットで、きびきびした印象を与える。整った顔立ちがちょっとマネ
キンみたいだった。
「あなた、こういうのが欲しいの?」
 大胆なショーツを穿いて、試着室の隅で恥ずかしげに立っている少女を見て、店員は営業用スマイルを浮かべながら
尋ねた。しかし麻未は、自分を見た瞬間、店員が『子供のくせに、なんてエッチな下着を着ているのかしら』という表情を
浮かべたのを見逃さなかった。
 うつむいてモジモジしている麻未に代わって、梨紗がやたら元気よく答えた。
「この子、オーディションに出るんです。Super・Dackのヒロキがプロデュースするんですよ。しかも、向こうの方から出
ませんかって案内状が来たんです。」
「そう、すごいわ。がんばってね。」
 店員はあくまで営業用スマイルでニコニコ笑っている。
「オーディションの要項に『過激な下着を履いて参加の事』って書いてあったんです。」
 麻未は、言い訳するように、やっとそう説明することができた。
「あなた、可愛いからきっと合格するわよ。」
 店員がニッコリ笑い、言葉を続けた。
「実は今日、うちの店のオーナーが来ているの。オーナーは芸能関係にも強い人だから、せっかくだから、オーナーに
見ていただきましょう。」
「やったぁ!ラッキーじゃない。お願います。」
 麻未が返事をする前に、すっかり「盛り上がっている」梨沙が言った。
 少しして、40歳ぐらいの男性が試着室の前に現れた。麻未は思わず、キャッと声を上げて試着室のカーテンを閉め
ようとしたが、一呼吸早く店員がカーテンを押さえてしまった。麻未は両手でショーツ一枚しか着けていない下腹部を隠
し、試着室の壁にはりついた。
「いらっしゃいませ。オーナーの村地です。」
 村地は身なりもお洒落で、アーティスト風の格好をし、中性的な感じはするのだが、少女達の目から見れば、中年男
に変わりない。まさか男性が現れると思っていなかった麻未は身を固くし、さすがの梨沙も言葉を失っていた。
「なるほど、可愛いお嬢さんだ。あなたなら、合格の見込みは高いでしょう。どれどれ、ちょっと見せてください。」
 そう言われても、見知らぬ男性の前で下着姿を見せるなど、恥ずかしくて、とてもできることではない。
「そんなに隠してばっかりじゃ、下着がよく見えないな。両手を後ろに回して組んで立ってもらえる?」
 オーナーがそう言うと、店員が試着室に入って麻未の後ろに立ち、彼女の手を掴んで背中に回した。
「あっ!」
 ふんどしのようなエッチなショーツを着けた姿が、オーナーの前に晒された。鏡には、きゅっとしまった剥き出しのヒッ
プが映し出されている。
「なかなかいいですね。でも、合格するためには、もっとセクシーな下着が必要です。これなどいかがでしょう?」
 店員の手から逃れてカーテンを閉め、麻未は渡された下着を身につけた。
 形は今まで穿いていたショーツと同じTバックで、前の部分も同じように細くなっている。さっきと違うところは、布地が
さっきの物より薄くなっており、股間も補強されていない一枚布になっていることだ。薄いピンク布地に麻未の淡い陰毛
がはっきり透けて見えている。鏡に映った姿を見て、麻未は頬がカーッと熱くなるのを感じた。
「これは、ちょっと…」
 「嫌です」と言おうとした麻未の言葉を遮るように、村地がカーテン越しにまくし立てた。
「いやいや、最近は普通の人でも結構セクシーな下着を着けますからね。芸能界入りするなら、そのぐらいでちょうど良
いですよ。」
 村地が言った「芸能界入り」という言葉が、むしろ梨沙に火を点けた。彼女はカーテンのすき間から顔をのぞかせ、困
ったような顔で立ちすくむ麻未を見ながら言った。
「いいじゃない、それにしましょうよ!」
「これと組み合わせて着けるブラジャーもありますから、それも試着してみてください。」
 有無を言わさず押しつけられたのは、小さな三角形の布を二枚、紐でつないだようなブラジャーだった。着けてみる
と、乳暈とその周りがやっと隠れる程度の大きさしかなく、布地もショーツと同様に相当薄い物だった。
「恥ずかしい…」
 鏡に映る自分の姿は、全裸でいるより卑猥な感じがする。麻未は耳まで真っ赤になって、そう呟いた。外から村地の
声が聞こえた。
「開けますよ。」
「ダメっ!開けちゃあ…」
 麻未が声を上げたのとほぼ同時に、カーテンが開けられた。身体を隠す間もなく、再び入ってきた店員に後ろ手にさ
れてしまう。
「おおっ!」
 村地が声を上げた。
 そう大きくはないが瑞々しい胸の膨らみが、半ば以上剥き出しになっており、わずかな布地越しに乳輪の円形も乳首
のポッチもくっきりと浮かんでいる。下腹部に目を落とすと、プクッとした股間の膨らみは幅の狭い布地でなんとか覆わ
れてはいたが、そこには陰毛の翳りがはっきりと映っていた。
「いやいや、よくお似合いですよ。今や一流のモデルでも、ノーブラで胸のポイントを出したりしますからね。」
「そうね。これにしましょうよ。ね、私これに決めたわ!」
 麻未本人が口をはさむ余地すらないまま、梨沙はオーナーと話し合い、とうとう、その恥ずかしい下着を買ってしまっ
た。
 やっと試着室のカーテンが閉められ、着替えようとした麻未は、店に着てきた自分の下着がなくなっていることに気が
ついた。
「あの…、私の下着知らない?」
 麻未は泣きそうな顔をカーテンのすき間から覗かせて、梨沙に尋ねる。
「おかしいわね。どこに行ったのかしら?」
 店員と三人であちこち調べて見るが、下着はどこにも見あたらなかった。
 再び試着室の前に戻ってきたオーナーは、それを聞くと、鷹揚にうなづいて言った。
「わかりました。当店で無くなったのですから、弁償しましょう。今着ていらっしゃるのと同じ物をもう一着用意いたします
から、今着ている物をそのまま着て帰ってください。」
「ありがとうございます。」
 エッチな下着ではあっても、下着を着けずに帰ることを思えば、はるかにマシだ。麻未はほっとしてオーナーに何度も
お礼を言った。
 その後、二人は店員に勧められて会員登録をし、会員証をもらって店を出た。
 麻未達が出ていくと、オーナーはポケットから携帯電話取りだし、電話に出た相手に話しかけた。
「ヒロキか。恋野麻未って娘、うちに来たぞ。」
 
 


 
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