リレー小説「星達の時間〜アナザー・ガールズ〜」
 
第6章 (By ぷろとこーる)
 
「さて、次はコーヒーを運びです。」
 ステージで司会をつとめている伊井チーフが、丸い銀のお盆を手に持って言った。
「ウエイトレスは銀のお盆を両手に1つずつ持ち、左右に4杯ずつ、合計8杯のコーヒーを乗せてステージから下り、お
客様の所まで運びます。」
 次いで伊井は、手に持っているお盆をコーヒーカップに持ち替えた。彼女が手にしたのは、透明感のある白色の、い
かにも高級そうなカップであった。
「使うカップはこれ。当店秘蔵のオールドルクセンブルグの最高級品です。プレミアがついていますから、100万円は下
りません。選りすぐりのウエイトレスと最高級のカップで飲むコーヒーをぜひお楽しみください。」
 ニッコリ笑って、客席に向けてそう言うと、伊井はステージ裏のウエイトレス達に向かって言葉を続ける。
「気をつけて扱わないと、あなたたちの1年分のバイト代が全部飛んでしまうわよ。落とさないように注意してね。」
 拍手に迎えられて、1人目のウエイトレスがステージに上がって来た。慎重に持ったお盆の上に、コーヒーをなみなみ
と注いだ白いカップが、ゆっくりと1つずつ乗せられていく。その間、客たちは、ウエイトレスが手で隠すことができなくな
ったミニスカートの裾を覗き込むようにして、ステージを見上げている。
(どうしよう…、あれじゃあ、下着を見られちゃう…)
 目隠しのカーテンの裏からステージの様子を覗いて、麻未は泣きそうになっていた。そこに梨沙が駆け寄ってくる。
「下着を見られたくなかったら、できるだけステージの奥の方に立つのがポイントよ。」
 彼女はステージの前まで行って、確かめてきたらしい。
「あの娘なんか、ステージの前の方に立つもんだから、客席からスカートの中が丸見えだったわ。」
 そう言うと梨沙は、ウインクしながら悪戯っぽい笑顔でニッと笑う。
「まあ、思い切って見せちゃうっていうのも、アリかもしらないけどね。」
「もう、梨紗ったら、他人事だと思って…」
 麻未は恨めしそうな顔で梨沙を見ながら言った。
 
 いよいよ、麻未の番が来た。梨沙のアドバイスどおり、できるだけステージの奥の方に立つ。ふと客席を見ると、目の
前に座っている学生風の男が姿勢を低くしてステージを上目遣いで見上げながら、隣に座っている連れらしい男に話し
かけている。連れの男はニヤニヤと卑猥な笑いを浮かべながら、いきなり大きな声をステージに投げかけた。
「よく見えないぞ。また、エッチなパンティ見せてくれよ!」
 観客席から拍手と笑い声が起こる。やはりさっき、しっかりと見られてしまったらしい。麻未は耳まで真っ赤になってう
つむいた。その可憐な様子に、客席が再び大きく湧き立った。
「何よ。スケベなくせに、純情ぶっちゃって!」
 ステージの裏では、髪を脱色した気の強そうなウェイトレスが吐き捨てるように言った。会場の人気を麻未に独り占め
されているのが、しゃくに障ってしかたないらしい。すると、「そうよ、そうよ」と他のウエイトレスも同意する声をあげた。
「そうだ。いいこと思いついたわ。」
 ウエイトレスの1人がそう言うと、足下に転がっていた掃除機を指さして、意味深な笑みを浮かべた。
 4つ、5つ、6つ…、ステージの上では、高価なカップに注がれたコーヒーが次々に麻未が手にしたお盆の上に置かれ
ていく。その時、目隠しのカーテンからニュッと丸い筒がステージに向かって伸びてきた。
 ちょうど8つ目のコーヒーがお盆に乗せられた時、丸い筒は麻未のスカートの真下にきた。
「今よ!」
 カーテンのすき間から覗いていたウエイトレスの一人が、声を潜めて叫ぶ。途端に、ゴーッという音を立てて、逆噴射
モードにセットされた掃除機のノズルが空気を吹き出し、ズバリの位置にあった麻未のミニスカートが大きく捲れ上がっ
た。
「キャアッ!」
 麻未は反射的にスカートの裾を庇おうと、お盆から手を離してしまった。
 ガチャーンと派手な音を立てて、カップやお皿が床にぶつかって砕け散る。
「ごめんなさい…、ごめんなさい…」
 真っ青な顔で麻未が何度も謝る横で、伊井が困ったような表情を浮かべた。
「あーあ、どうしましょう…。これ、店長のお気に入りなのよね。」
 麻未はもう謝罪の言葉も出ず、凍りついたように佇んで、伊井の顔を見ていた。しばらくして、ふいに伊井の表情が明
るくなる。
「そうだわ。コンテストで1位になったら、賞金を出すことにしているの。その賞金でチャラにしてもらうよう、店長に話をし
てあげるわ。だから、最後までがんばってよ。」
 その言葉に、麻未は救われたような表情で伊井に頭を下げた。
「よろしくお願いします。」
「よかったね。」
 ステージの下から、声をかけてきた梨沙に麻未はホッとした表情を見せて「うん…」とうなづいた。
 
 そして、コンテストが再開された。
「次は、お客様をお迎えした時の『いらっしゃいませ』のご挨拶をします。ウエイトレスみんなは、お客様に失礼がないよ
うに、ハキハキと元気良く、丁寧にご挨拶してください。それじゃあ、今度はエントリーナンバー7番の恋野麻未さんから
いきます。」
 麻未がステージに上がると同時に、大きな姿見がステージ上に乗せられた。
「その前に、少し準備が必要です。さあ、麻未さん、穿いているパンティを脱いでください。」
「えっ!どうしてですか!?」
 麻未は怪訝な顔で伊井を見る。
「そういう決まりになっているのよ。」
「でも…」
「あなた、もうリタイアできないはずでしょ。」
「は…、はい…」
 コンテストでがんばって、なんとかカップの弁償を許してもらわけければならないのだ。麻未は思い切って、スカートの
裾から両手を入れ、白く細い指先をパンティにかけた。
 麻未は客席の視線を気にしながらパンティを下ろし、スカートの中を覗かれないように注意しながら足首から抜き取っ
た。羞じらいながら下着を取る様子はかえって艶めかしく、観客がゴクンと唾を呑む音が聞こえる。
 脱いだパンティを丸めて隠そうとする麻未に向かって、伊井は容赦なく次の指示を与える。
「じゃあ、脱いだパンティを広げて、お客様にお見せして。」
 さんざん逡巡した末に、向こう側が透き通るぐらい薄く小さな三角形の布が、胸のあたりで広げられた。レースがいっ
ぱいついたTバック、Tフロントのパンティである。
「やった!紐パンだ!」
「おおっ、完全に透けてるぜ!」
 さっきの二人連れの学生が素っ頓狂な声をあげ、他の客たちの笑い声が響く。
「ホントお客様の言うとおりだわ。後ろなんか、もう紐だけじゃない。あなた、いつもこんなエッチなパンティ穿いている
の?」
 伊井の質問が追い打ちをかける。麻未は無言で頭を横に振りながら、身の置き所がないぐらいの恥ずかしさに、今に
も泣き出しそうになっていた。
「それじゃあ、お客様にきちんとお辞儀して、『いらっしゃいませ』とご挨拶してみてください。」
「い…、いらっしゃいませ…」
 震える声でそう挨拶はしたものの、麻未はお辞儀をすることができずモジモジしていた。深々とお辞儀をしたら、ミニス
カートがお尻を隠す役割を果たさなくなるのは目に見えていた。しかも、今は下着を着けていないのだ。
(どうしよう…、お尻、見られちゃうわ…)
 麻未は後ろにセットされた姿見の目的に気がついた。ステージ上でお辞儀をすると、剥き出しになったお尻を鏡に向
かって突き出すことになり、客席から、鏡に映ったお尻を見ることができるのだ。
「ダメ、ダメ。立ったままの姿勢じゃあ、お客さんに失礼ですよ。身体を90度以上曲げて、頭をきちんと下げないと。」
「いらっしゃいませ…」
 麻未は、片手でスカートの裾を押さえながら、何とかお辞儀をした。即座に、伊井の叱責が飛ぶ。
「そんなお辞儀がありますか。両手はきちんと膝の前でしょ!もう一度。」
 消え入りそうな声で「…はい」と答えると、麻未は意を決して、深々とお辞儀をした。伊井が彼女の背中を押して、さら
に深く身体を曲げさせる。
「おおっ!」
 客席の男達がどよめいた。ミニスカートから飛び出したお尻が鏡に映っている。それほど大きくないヒップは、まだ子
供っぽいラインではあるが、キュッと引き締まっていて美しかった。
 ぴったりと閉じていた両脚を、伊井が無理矢理少し開かせると、双臀の間からプックリした大陰唇の膨らみと、ポワポ
ワした陰毛の茂み、チラリと覗くピンクの肉びらまでが観客の目に晒された。菊座こそ見えなかったが、やや褐色がか
った周辺部分が見えて、そこに肛門があることを意識させる。
(恥ずかしいよお…)
 深くお辞儀をしながら、麻未は顔がカーッ火照り、目が潤んでくるのを感じた。
「さあ、挨拶して!」
「いらっしゃいませ…」
 涙声で麻未がそう挨拶した時、ドアに吊したカウベルが鳴って、派手な色に髪を染め、レザーのジャケットを着た男が
入ってきた。そして、男はゆっくりとサングラスを外す。
「あっ!」
 麻未は自分の目を疑った。それは、Super・Dackのヒロキだった。
 
 


 
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