「おはようございます。」 火山朱美が凛とした声とともに入って来た。ここは渋谷にある有名なライブハウス「BEAT KIDS」だ。ホールでは、 数人のスタッフが照明やマイクのチェックをしている。朱美のデビューイベントが始まる3時間前である。 スタッフ達の視線がいっせいに朱美に集中した。 アーモンド型のパッチリした目が勝ち気な色を浮かべ、スッと通った鼻筋、引き締まった口元とともに、キリッとした美 貌を形作っている。背中まである長い黒髪が、ステージのライト反射して艶やかに輝いた。 「美人ですねぇ…。それにセクシーな服着てますよ。」 照明の調整をしていたライブハウスのスタッフ肥後潤二は、ため息をつきながら、マイクチェックをしているホールマネ ージャーの吉井均に声をかけた。吉井も舐めるような目つきで朱美を見ている。 今日の彼女は、真っ赤なワンピースを着ていた。全体にゆったりした服で、胸元がお臍のすぐ上あたりまで大きく開い ているため、豊かな胸の谷間がすっかり露わになっている。スカートは膝上20センチ以上あるミニスカートだ。 「でも、ナイスバディがウリなのに、体のラインがバッチリ出るタイトな服を着たりしないんですね。」 「馬鹿だなぁ、ナイスバディがウリだからこそ、本番前は身体をしめつけない服を着て、妙な線が体につかないようにし てるんだよ。」 吉井が、したり顔で肥後に説明する。その間も2人の視線は朱美に釘付けだ。 (見えちゃわないかしら…) いくつもの視線が注がれているのを感じて、朱美は内心、気が気ではなかった。 今日着ているワンピースもそうだが、仕事がある日の衣服は、部屋を出てから帰って来るまで、完全に事務所に指示 されている。しかも、下着は一切身につけられない。今着ているワンピースは、ちょっと気を許すと、胸元から乳房がま るごと覗けてしまいそうだ。それを隠そうとして布地を胸につけると、今度は薄い布地が小豆大の乳首をくっきりと映し 出してしまう。ノーパンでいるため、短いスカートの裾も気になる。いずれにしても、他人の視線を気にせずにはいられ ない服装だ。 「そうか…。すると、もしかして、あのワンピースの下は…。」 肥後の声に、吉井がニヤニヤしながら応えた。 「当然、下着の線がつかないように…」 そして、二人は声を合わせた。 「ノーパン・ノーブラ!」 「ようし!」と言うと、肥後が照明の角度を変えた。 ピンスポットが朱美にあたった。 朱美がまぶしそうに顔に手をかざした。身体のラインがくっきりシルエットで浮かび上がる。ワンピースの下には何も つけていないのは誰の目にも明らかだ。 楽屋に入るや否や、炭谷が朱美に命じた。 「さあ、今着ている服を脱いで、そこのハンガーに掛けておきなさい。」 朱美は楽屋を見渡した。 「何をキョロキョロしてるんだ。」 「着替えはどこにあるんですか?」 ガランとした楽屋には、衣装ケースなどはまだ届いていない。 「ステージ衣装はまだ来ていないさ。開演の1時間ぐらい前には、届くはずだ。」 「それじゃあ、まだ着替えられません。」 朱美はちょっと非難するような視線を向けたが、炭谷は動じる様子もなく言った。 「着替えるんじゃない。脱げと言ったんだよ。」 「えっ!」 「楽屋ではいつも全裸でいるんだ。これも、体に余分なラインをつけないためだ。ちゃんとしないと、一流のタレントには なれないぞ。」 マネージャーにそう言われると、いくら理不尽な命令でも従わないわけにはいかない。芸能界に強い憧れを持ってい る朱美には、そういう言い方が一番だという土本のアドバイスを炭谷は忠実に実行しているのだ。 案の定、朱美は一つため息をつくと、観念してワンピースを脱ぎ始めた。炭谷は楽屋を出ていこうとせず、ニヤニヤ 笑いながら彼女が脱ぐのを見ていた。 「こっちへ来て、見せてみろ。」 炭谷は朱美を自分の前に立たせると、気をつけの姿勢をとらせ、舐めるような視線で彼女の裸体を凝視した。 「へへへ、お前ホントにエッチな身体してるな。」 嬲るような炭谷の言葉に、朱美は唇を噛んで黙っている。 「よし、体に服のラインはついていないな。」 そう言いながら、やっと炭谷が出て行った。しかし、一人残された朱美は、急に不安になった。 (誰か入ってきたらどうしよう…) 炭谷に視姦されるのはいつものことだが、他の者には楽屋で全裸でいるところを見られたくなかった。せめて鍵をか けようとしたが、ドアのどこにも鍵は見あたらない。 なんとかしなければと思っていると、いきなりドアが開いて、数人の男たちが入ってきた。朱美は慌てて部屋の隅に行 き、両手で胸と下腹部を覆った。 「さあ、打ち合わせだ。朱美もテーブルにつきなさい。」 炭谷に背中を押されるようにして、朱美は裸のままテーブルについた。さきにテーブルについていた4人の男たちは、 最初は目を丸くし、つぎに卑猥な笑みを浮かべながら朱美を眺めている。 朱美に男達が紹介された。イベントのディレクターの森岡、バックを務めるBURNというバンドのメンバーが2人、そし て、ホールマネージャーの吉井均だ。 「火山朱美です。よろしくお願いします。」 朱美はぎごちない笑顔を浮かべて、男達にあいさつした。その間もできるだけ裸を見られないように両手で身体を庇 っているのだが、人一倍大きな乳房は、隠そうとする腕からはみ出しまっている。かえって男の欲情がそそられる光景 だ。 「朱美ちゃん、ちょっとオッパイ見せてよ。」 いかにもギョーカイ人という感じの森岡が、軽いノリを装って朱美の手首を掴んだ。 「キャッ!」 朱美の悲鳴とともに、豊かな乳房がプルンとこぼれ出た。 「おおっ!」 「すげえっ!」 おどけた森岡の声に、吉井の声が重なる。BURNの二人も食い入るように朱美の胸を見ていた。 「やめてくださいっ!」 朱美は、そう叫んで森岡の腕を振りほどいた。そして、胸を抱くようにしてつぶやく。 「ひどいわっ…」 もう少しで涙が出てきそうになるのを、やっとの思いでこらえた。 打ち合わせは30分程で終わったが、ふと、朱美はひっかかるものを感じた。 全員に配られた進行表をなぞる形で打ち合わせがされたのだが、彼女の持っている進行表は最後のページまでいっ たのに、他のスタッフが持っている進行表にはあと2、3ページ余分についているようなのだ。ちょっと不思議に思った が、スタッフだけに関することが書かれてあるのだろうと、それ以上は気にとめなかった。それよりも、一刻も早く打ち合 わせが終わって欲しいと、それだけを考えていた朱美だった。 開演のブザーが鳴った。 収容可能人員の200人を100名以上うわ回り、ホールは超満員だった。今日の朱美のデビューイベントには、プロ ダクションが組織したファンクラブの会員を中心に、抽選に当たったファンや業界関係者などの招待客が集まってい る。 会場はライブハウスだが、朱美は歌手デビューをしたわけではないので、持ち歌があるわけではない。司会とのトー クや観客を交えてのゲームの合間に、人気アイドルや土本がプロデュースしたロックバンドの曲をカバーして歌うという のがイベントの内容だった。 そうした歌やゲームよりもむしろ、イベントの最大の魅力は朱美のボディだった。朱美は次々に衣装を着替えて、ステ ージに登場する。その多くが、水着や露出度の高いセクシーな衣装だ。観客は、朱美の見事な肢体に酔い、揺れる乳 房に興奮した。 こうしてイベントは、ファンの熱気で大いに盛り上がり、大成功を収めた。朱美が舞台の袖に引っ込んでも、アンコー ルの拍手が鳴りやまない。 「朱美、アンコールだ。」 ディレクターの森岡が言った。 「でも、アンコールで歌う曲も、ゲームも特に用意していませんよ。」 「構わないさ。さあ、ステージに戻って!」 森岡に促されて朱美がステージに戻ると、照明が再び明るくなり、観客の拍手と歓声がひときわ大きくなった。 「みなさん。火山朱美ちゃんのデビューイベントを盛り上げていただいて、ありがとうございました。」 司会があいさつをする。ジャック菅野というFM番組をやっているハーフのDJだ。会場の熱気を受けて、トレードマー クの髭に汗がにじんでいる。 「ありがとうございました。」 その横で、朱美がピョコンと頭を下げた。デビューイベントが大成功した安堵と喜び、それに興奮のため、汗をかき上 気した顔で、会場の声援に応えて手を振り、ニコニコとキュートな笑顔をふりまいている。 「それじゃあ、このイベントのアンコールです。」 客席に拍手が響く。 「火山朱美ちゃんは、グラビアアイドルとしてデビューしました。水着姿になることの多いグラビアアイドルは、ムダ毛の お手入れは欠かせません。」 (どうして、ムダ毛の話が出てくるの?) 朱美が怪訝な顔をして、菅野を見た。 「そこで、今日お集まりのみなさんだけの特別サービスです。」 ステージサイドから運び込まれた物を見て、朱美は「いやーっ!」と悲鳴をあげて逃げ出そうとした。運び込まれたの は、忘れもしない、スターハント21の最終審査で彼女が縛り付けられた、あの内診台だ。 「みなさんに、順番に朱美ちゃんのアンダーヘアのお手入れをしていただきます。」 数人のスタッフが逃げようとする朱美を抱きかかえ、内診台の上に押さえつけた。衣装の肩紐が切り落とされると、み ごとな双球が観客の前に露わになった。 「おおーっ!」 観客の歓声があがった。 スタッフの持ったハサミが、なおも容赦なく、朱美の衣装を切り裂いていく。 「やめてっ!お願い、いやっ!」 抵抗もむなしく、朱美は大きく脚を開き、陰部を剥き出しにして内診台に縛り付けられた。オーディションで2000人の 前に晒し物にされた朱美だったが、とうてい慣れることなどできない恥辱のポーズだ。衣装の残骸を腰にまとわりつい ているのが哀しい。 「いやあ、色っぽいなぁ!」 菅野が興奮した口調で言った。半分、仕事を忘れているようだ。 汗でしっとりと潤った肌が、スポットライトに照らされて、艶めかしくうねる。2つの胸の膨らみは完璧な円錐形でツンと 上を向き、その存在をアピールしている。下腹部に密生した繁みは、細長い逆三角形に綺麗に揃えられており、ムダ 毛処理をする必要があるとは思えない。その絨毛の中にピンクに割れた陰裂が覗いていた。 場内がシーンと静まり返った。観客たちは息を殺し、朱美のあられもない姿に目を凝らしている。 「どうだい。朱美ちゃん?みんなが君の恥ずかしい姿を見ているよ。」 「あ、あ、いやあ…、見ないで…」 いたぶるような菅野の問いかけに、朱美は涙声で訴えた。しかし、菅野はニヤニヤと笑って、客席に声をかけた。 「さあ、はじめましょう。まずファンクラブの皆さん、ステージに上がって会員番号順に並んでください。」 スタッフの誘導に従って、最初の男が朱美の前で仁王立ちになった。長髪で眼鏡をかけた、いかにもアイドルオタクと いう感じの学生風の男だ。 「剃刀で剃ったりすると後でチクチクして痛いので、毛抜きで朱美ちゃんのヘアを、愛情を込めて1本ずつ抜いてあげて ください。」 男は渡された毛抜きを手に、両脚を開いた朱美の前にしゃがみ込んだ。 「やあっ、やだぁ…」 男は朱美の秘所をまじまじと覗き込んだ。パックリと陰裂が見える。荒い息が股間にかかるのを感じて、朱美は全身 をくねらせて嫌がる。 「朱美ちゃん、抜くよ。」 「いっ、痛いっ!」 陰毛を引き抜かれた痛みに、朱美は思わず悲鳴をあげた。 上半身を半分起こしたような格好になっているため、縛られたままでも、ステージから客席まで観客が並んでいるの が目に入る。ズラリと並んだ男たちに無防備な股間を見られ、恥毛を抜き取られるのだと思うと、気が遠くなりそうだっ た。すでに3人目が、片手を朱美の下腹部にあて、毛抜きで毛をはさんでいる。 痛みと恥辱に思わず視線を逸らした先で、最初に陰毛を抜いた男が目に入った。ピンクの小さな手帳を広げ、指先 につまんだ陰毛を大事そうに透明のシールで貼り付けている。ハッと気がついて、行列に視線を戻すと、みんな手に手 に同じ手帳を持っているのが見えた。 「今日、みなさんにお配りしたファンクラブの会員証には、今抜いたヘアを貼っておくページが作ってあります。今日来ら れたみなさんには、親衛隊として朱美ちゃんをずっと応援していただきたいと思っていますので、そんなみなさんへの朱 美ちゃんからのプレゼントだと思って、いつも大事に持ち歩いてくださいね。」 「おーっ!」 菅野の呼びかけに、並んだファンたちがひときわ大きな歓声をあげる。朱美は悪夢の中にいるように感じた。 行列に並んだファンが次から次へと、股間をのぞき込み、恥毛を抜いていく。朱美は歯を食いしばり、たまらない恥ず かしさと痛みに耐えていた。しかし、だんだん性器に近い部分の毛を抜かれようになると、痛さの質が違ってきた。 「ひいぃっ!いたっ、痛いーっ!」 脳天に響く激しい苦痛に、朱美が悲愴な声をあげた。見ると、下腹部やビーナスの丘に生えた毛はほとんど抜かれ、 粘膜に近い敏感な部分だけが残った状態になっている。毛抜きで引き抜くのはもう限界のようだ。 「そろそろ抜くヘアがなくなってきましたね。」 「エーッ!」 まだ並んでいる観客が抗議の声をあげる。 「なんだぁ!まだ、オ××コの周りにいっぱい毛が生えてんじゃんかよお!」 次の順番になっている男が、今にもスタッフにくってかかりそうな勢いを示している。全くデリカシーのない露骨な言い 方に、朱美はカーッと顔が熱くなるのを感じた。何かスポーツをやっているようながっしりした体格だが、「スポーツ青 年」という清々しい言葉とは縁遠く、いかにも粗野でガサツそうな男だ。 「わかりました。ここから先は脱毛剤で抜いた方がよさそうですから、それじゃあ、あなた。朱美ちゃんのアソコに脱毛剤 を塗ってあげてください。」 「やったぜ!」 朱美の秘部を撫で回すことができるとわかり、今までの不機嫌さなど忘れたように、男は小躍りしている。 スタッフから脱毛剤のチューブを受け取ると、男は手にベッタリとつけ、柔らかな感触を楽しむように、朱美のデルタ全 体をいやらしく撫で回した。 「いやっ、やめて!」 なんとか逃れようと、朱美は必死で哀願と抵抗を繰り返したが、全く無駄だった。男の手はヌルヌルと朱美の股間を 這い回る。それどころか、脱毛とは関係ない陰裂の中にまで指を入れ、女の秘所を思う存分いじっていく。 「あ、あん…」 割れ目に沿って動かした指先がクリトリスに触れた。ヌメヌメした指先で敏感な部分をまさぐられていると、否応なく体 の力が抜けていく。 「ああン、いや…」 豊かな膨らみの頂上で、朱美の乳首は痛いくらい膨らんでいた。 「はい。もう、それぐらいで十分でしょう。」 「ちぇっ、もう終わりか…」 菅野に肩を叩かれ、男が不満そうに客席に戻って行った。 スタッフが駆け寄って、脱毛剤でベトベトになった朱美の局部を濡れタオルで拭っていく。 観客の視線が、朱美の股間に集中した。 「おおっ!きれいになっちゃって、子供みたいにツルツルだねぇ!」 菅野が大げさにリアクションして、笑みをもらした。 「朱美ちゃんも、自分で見てごらん。」 そういうと、菅野が朱美の前に手鏡を置いた。 鏡に目をやった朱美は、ハッと身体を硬直させる。そこには、ツルツルになった恥丘が映っていた。鏡の真ん中でピ ンクの陰裂が剥き出しになっている。隠すものがなくなったため、それは生々しく卑猥に見えた。さっきの男にいじられ たためか、肉びらの奥にサーモンピンクのぬめりまでが見える。 「朱美ちゃん、可愛いよっ!」 「でも、嫌らしいっ!」 客席から声が飛び、ホールが卑猥な笑い声で満たされた。 「いやァ…、こんなのいやぁ…」 朱美はとうとう、ステージの上で、子供のように声をあげて泣き出した。 |