清香は、ポケットから可愛い漆塗りの鏡を取り出して覗き込んだ。 睫毛が長くパッチリした目。鼻は小さくちょっとだけ上向きだが、それが全体の顔立ちをかえって親しみやすく、チャー ミングなものにしている。頬から顎にかけての線はふっくらして、まだ幼さが残っていた。そして、小ぶりだがプックリした 唇はつややかに輝き、清楚で可憐な容貌の中で、ほのかな色気を見せている。 清香は、鏡に向かってニッコリほほ笑んでみた。唇からほんの少しだけ八重歯がのぞく。スター・ハント21で、2000 人の観客を虜にしたあの笑顔が浮かんだ。 「うん!大丈夫!」 鏡は金沢の高校から転校する時、憧れの先輩にプレゼントされたものだ。清香も所属していた演劇部の部長で、女 の子なのにこのうえなくカッコ良かった。しかも、演劇の才能には天才的なものがあり、清香などは足下にも及ばなかっ た。先輩=神長燈歌がこのまま演劇の道に進めば、また、いつかどこかで一緒にお芝居をやれる日が来るかもしれな いと、清香は密かにその日を楽しみにしている。 そして、今、この鏡を開いたのは、金沢にいた時のように、先輩に勇気づけてもらいたいと願ったからだった。 両親の反対を押し切って、歌手デビューのために上京して来てから3日目。昨日から清香はスタジオで歌のレッスン を始めた。 最初の1時間は好調だった。歌手になる、ならないで両親と喧嘩し、このところほとんど歌っていなかったにもかかわ らず、声も出たし、それなりに情感も込めて歌えた。しかし、2時間、3時間と経つうちに、スタミナが無くなり、声の伸び もなくなった。これまで自分なりに歌のレッスンをしてきたつもりだったが、歌手デビューを控えて、本格的に歌い始めて みると、やはり素人芸だったということか。生まれ育った金沢を出てくる時のドタバタで練習不足だったことも強く後悔し た。 歌うことが好きで、自信もあっただけに、ちゃんと歌えなかったことに強いショックを受けている清香に、土本は今日か ら2週間の特訓を命じたのだった。ここまで来たら、もう後戻りはできない。 「そうね。がんばらなくっちゃ!」 清香は鏡に向かって、力強く言った。 午前中の徹底した発声練習を終えて、午後からは、彼女が所属することになったトーリープロダクションの事務所近く にあるスポーツジムに通う。スタミナをつけるとともに、腹式呼吸の基礎になる腹筋を鍛えるためだ。 更衣室に入って、清香は事務所から渡されたトレーニングウエアを取り出した。 「なにこのウエア?」 清香は思わず声に出してしまった。それは、白のタンクトップに白のショートパンツだった。タンクトップの胸元は大きく 開いて胸の谷間が見えている。ショートパンツはワンサイズ大きいようだ。 (生地も薄いけど、大丈夫かしら? 下着が透けちゃわないかしら…) 心配しながら、着替えてみると、案の定、白いブラジャーの輪郭と、パンティの小さな黄色い花模様がうっすらと透けて 見えている。 (嫌だわ。これじゃあ、下着姿でいるのと変わらないわ。どうしよう…) 「清香、早く始めないと時間がなくなるぞ。」 ドアの外から、マネージャーの伊吹和馬の声がした。40歳代の伊吹は清香の父とそう年齢が変わらない。数々のス ターを育ててきたトーリープロダクションの実力者だ。 「すみません。ちょっと、このウエア、変えてほしいんですけど…。」 清香が言い終わらないうちに、急にドアがバタンと開いて、伊吹が更衣室に入ってきた。 「あっ!」 清香は体をひねって、伊吹の視線を避けようとした。 「何をぐずぐず言ってるんだ。早く出てきなさい。」 伊吹が厳しく命じた。普段はホテルマンでもつとまりそうな紳士だが、今は、金沢の高校にいた生活指導の恐い先生 みたいだ。 「ウエアの生地が薄くて、下着が見えてしまうので、変えて欲しいんです…」 「別におかしくないよ。とにかく時間がないんだ、早くトレーニングを始めなさい。」 清香はなおも必死で訴えたが、伊吹は聞く耳を持たない様子で、彼女の腕を掴み、ひきずるようにしてトレーニング室 に連れて行った。 そこでは、すでに数人、しかも男性ばかりがマシーンを使っていて、清香が入ってくると、一斉に彼女の方を振り返っ た。 (いやだ…、恥ずかしい…) 男ばかりの所に、下着が透けたウエアを着て入って行く恥ずかしさに、清香は入り口の所で立ちすくんでいた。 最終審査の時の恥辱が脳裏によみがえった。ヌード審査、そして秘部の審査と、あまりの恥ずかしさに強いショックを 受け、あの日、清香は結果発表を待たずに、泣きじゃくって帰ろうとした。しかし、土本はそれを押しとどめ、補って余り ある夢を彼女に見せたのだ。グランプリを取った翌日から2週間、清香は都内の最高級のホテルに部屋をとってもら い、一流のコンサートや演劇のステージを思う存分鑑賞し、歌手や俳優など憧れの人たちに次々紹介された。その間、 恥ずかしいことも、辛いことも一切なかった。歌手を夢見るウブな少女を舞い上がらせ、最終審査のことは一瞬の悪夢 であり、成功するための試練だったのだと思わせるには十分な仕掛けだった。もちろん、それは彼女を捕らえるための 巧妙な罠以外の何物でもなかったのだが…。 「こんにちは、清香ちゃん。しっかりトレーニングしようね。」 インストラクターの青年がニヤけた顔で近寄って来て、そう言いながら、清香の体を上から下まで舐めるように眺め た。遠慮ない視線を浴びて、清香は思わず内股で立ち、左手で上半身を、右手で下腹部のあたりを隠す。ウエアのこと は何かの手違いだろうと思う半面で、今後に対する不安がムクムクと頭をもたげてくるのを止められなかった。 「さあ、ここに寝て、腹筋のトレーニングだ。」 インストラクターが床に敷いてあるマットを指さした。 いつまでもぐずぐずしていても、状況は変わらない。とにかく今は、さっさとトレーニングを済ませてしまおうと、清香は 覚悟を決めて、腹筋のトレーニングを始めた。 まず、仰向けの姿勢で、膝を伸ばしたまま、まっすぐ両脚を揃えて天井に向けて直角にあげる。次に、膝を床と平行 になるように曲げる。そして、また脚をまっすぐにして、脚が床につかないところで止める。これを繰り返すのだ。 「ノルマは50回だからね。ちゃんと50回やるまで、休んじゃだめだよ。」 インストラクターは簡単に言うが、やってみると、これはかなりキツいトレーニングだった。数回やっただけで、清香は 額に汗をかき、苦しそうな表情になった。汗をかいたせいで、薄手のタンクトップが貼り付いて肌が透けて見え、ブラジ ャーがはっきり映ってしまっている。 「さあ、しっかり続けて!」 インストラクターは清香の足の方に立って、声をかけた。その視線は一か所に集中している。腹筋がきついため、股 の間が自然に無防備に開いてしまい、インストラクターから見れば、大股開きに近いエロティックな姿勢になっているの だ。 (へへっ、可愛いパンティが透けてるぜ!) しかも、ショートパンツのサイズが大きいため、ひざを曲げる度に裾がずりあがってくる。白く柔らかな太腿は、すでに 脚の付け根あたりまで剥き出しになっていた。めくれ上がったショートパンツのすき間からは、パンティが顔を覗かせて いる。 若々しい弾力を感じさせる太腿を見つめて、インストラクターはゴクンと生唾を飲んだ。 (あっ…、見られてる…) 清香もインストラクターが食い入るように見ているのに気がついた。顔が熱くなり、火が出るような気がした。まだま だ、回数は残っている。 いつの間にか、周りでマシーンを使っていた男達もトレーニングを止め、ニヤニヤと卑猥な笑いを浮かべて、清香を 見つめている。男達は、頭の中で清香を裸にして、何度も何度も犯していた。 ジムでのトレーニングを終えて事務所に戻った清香は、事務所奥のミーティング・ルームに通された。 楕円形のテーブルの一番奥に座っているのは、トーリー・プロダクション代表の十李菅人だ。身長185センチはある 長身で細身。長く伸ばした髪を頭の後ろで束ね、キツネ目に小さな眼鏡をかけている。 「よう、今日から特訓だな。しっかりがんばるんだぞ。」 十李の横に座っていた土本創児が、清香に声をかけた。会議テーブルには2人の他に8人の男が席についている。 「ちょうどあなたのデビュー曲について、企画会議をしていたところですよ。」 十李が言った。言葉使いは丁寧だが、その響きは氷のようだ。顔は微笑みを浮かべているが、目はいつも笑ってい ない。その目でじっと見られると、清香はいつも背筋に冷たい物を感じてしまうのだった。 「スタッフの皆さんにご挨拶なさい。」 ヘビににらまれたカエルのように立ちすくんでいる清香の耳元で、伊吹が促した。 「よろしくお願いします。」 ハッと我に返った清香が丁寧にお辞儀をすると、伊吹はホテルマンのように慇懃な口調で、十李に向かって声をかけ た。 「社長、清香の最後のレッスンがまだですので、今日はここでお願いしようと思いまして。」 「へえ、俺、そんなメニュー立ててないぞ。ここでどういうレッスンをするんだ?」 十李が答える前に、土本が不思議そうな顔をして聞いた。 「清香に、みなさんの逸物をしゃぶらせるのです。」 「えっ!」 清香は自分の耳を疑って、伊吹を見た。 「逸物というと、ペニスかい。」 「そうです。チ×ポです。」 「いやっ、いやですっ!」 聞き間違えでないことを悟って、清香が悲鳴のような近い声をあげる。 ウブな清香だが、それでも今時の高校生だ。フェラチオの話ぐらいは聞いたことがある。しかし、男性器を口に含んだ り、舐めたりするなどというのは、変態がやることだと思っていた。オシッコもそこから出るのだ。そんな不潔なことを自 分は、どんなに好きな人に頼まれても、否、死んでもしたくないと思っていた。 「でも、いきなりそれは、ちょっと可哀想だなぁ。」 「そうです…、お願いです…、土本さん。」 土本が眉をひそめたのを見て、清香は、土本にすがるような視線を投げる。 「土本さん、それに他の皆さん、これは、非常に大切なレッスンなのです。」 伊吹は土本達を相手に熱弁をふるった。 「土本さんは、清香の発音を良くし、ハキハキとした声が出るようにする必要があると言っておられましたが、そのため には顔面、特に口の周りの筋肉と舌の動きが重要です。」 「そうだね。だから、普通、顔面マッサージをやってみたりするんだ。」 「フェラチオは、口の周りの筋肉と舌の動きのレッスンには最適なのです。また、マイクを使う練習にもなります。」 「ふむ…。」 「理由はそれだけではありません。体型を維持したまま体力をつける事が、今の清香の重要な課題です。」 「そう。だから、俺はジムでのトレーニングと、食事の管理をするように言ったんだ。」 土本の返事に、伊吹は得意顔で説明を続けた。 「例えばマドンナは朝食はスープだけしかとらないと言われていますが、医者とも相談したところ、清香の場合は朝と昼 はきちんと食べて、夜は高タンパクで低カロリーのものを取るのが良いだろうということでした。そこで、いろいろ考えた 末、栄養価が高く、体をつくるタンパク質を多く含み、カロリーも低い理想的な食事として浮かんできたのが、男の精液 なのです。」 「なるほど、それは合理的だ。」 土本が感心したように頷いた。 「フェラチオで出てきたザーメンは、必ず全部飲ませます。しかも、特訓期間中は、これが夕食代わりですから、1人、2 人じゃあだめです。ノルマは1日10人です。」 他の男達も興味津々で、伊吹の話を聞いている。誰も助け船を出してくれないとわかって、清香はガックリ首を落とし て、わなわなと震えている。 「そして、今日もレコーディングスタッフが集まっておられますが、これから清香がお世話になる方々のチ×ポをしゃぶら せていただくことで、これ以上ないご挨拶になります。心を込めてご奉仕すれば、みなさん、清香のために全力を尽くし てやろうという気になっていただけるでしょう。」 「そのとおりです。」 十李が頷き、他の男達に向かって尋ねた。 「みなさん、協力していただけますか。」 「喜んで!」 「清香ちゃんのためだ、しかたない。」 思いがけない展開だったが、デビュー前のアイドルに自分の陰茎をしゃぶらせることができるチャンスに、男達は歓 声をあげそうな勢いで答えた。 「清香ちゃんに、俺のおチンチンを舐めてもらうなんて、恥ずかしいけどな。」 土本がおどけて言い、男たちは爆笑した。 「嫌です、私、嫌ですっ!」 伊吹は激しく抵抗する清香を抱きかかえるようにして、床に跪かせた。その顔面は蒼白になり、今にも泣き出しそうな 様子でうつむいている。 「じゃあ、最初は、清香を発掘されたプロデューサーから。」 十李が言うと、土本が手を振った。 「いえいえ。これからずっとお世話になる社長が、一番最初ですよ。」 「それじゃあ、お言葉に甘えて。」 そう言うと、十李はズボンのチャックを下げ、張り詰めた肉棒を取り出した。 「い、いやあ!」 目の前に男根を突きつけられて、清香は顔を背けるようにして叫んだ。初めて目のあたりする男性器は赤黒い亀頭 を剥き出しにし、蒸れた臭いを放っている。清香の目にはこのうえなくグロテスクに映った。 「ううっ!」 プックリしたピンクの唇に陰茎が押しつけられた。先端からにじんだヌルヌルした液体が、ファーストキッスの経験もな い少女の唇を汚していく。それでも清香は中に入れさせまいと、必死で唇を閉ざしていた。 「清香、いい加減にしないと、社長に失礼だろう。」 伊吹は、清香の顎を掴み、無理矢理口をこじ開けさせる。 「さあ、社長。入れてやって下さい」 十李は両手で清香の頭を掴んで、ぐいっと股間に引き寄せた。 「ぐっ。ううっ」 清香はいきなり押し込まれた異物に喉を衝かれ、嘔吐しそうになった。すでに肉棒は根元近くまで埋め込まれてい る。十李は、苦しげな清香の表情を楽しげに見下ろすと、その頭を掴んだまま、卑猥に腰を動かしてピストン運動を始 めた。 「…う、うぐ…」 喉に肉棒を容赦なく叩きつけられて、清香はむせかえりそうになり、苦しさで目には涙が滲み出す。 「もっと、舌を使うんだ。」 伊吹が横で「指導」するが、清香は嘔吐を耐えるだけで精一杯だった。 必死に叫び声をあげようとするが、肉の塊が口いっぱいに膨らんでいるため、くぐもった喘ぎにしかならない。 「さあ、清香、こぼざずに飲み込むんですよ。」 十李はひとしきり腰を激しく動かすと、「うっ」と呻き声をあげて、清香の口の中に射精した。 「ううっ。ぐっぐっ」 清香は、口いっぱいに放出された十李の精液を吐き出そうとしたが、伊吹に口と鼻を摘ままれているため、苦しさの あまりに飲み干さざるを得ない。しかたなく、口の中に溜まった精液を嚥下していった。ネバネバしたなま暖かい液体 が、清香の喉を通り抜けていく。 「よし、次は俺だな。」 「いやっ!…うぐっ、うっ」 清香の口の中に、昂ぶりきった土本の熱い肉棒が押し込まれる。残尿臭が清香の鼻をつき、喉の奥まで突き立てら れた肉棒の苦しさとあいまって、清香に鳴咽を起こさせる。 「ううっ、ぐっ…」 清香は息苦しさのあまり、土本の肉棒を吐き出そうとあがくのだが、その無我夢中の行為が土本にとろけるような快 感を与えていた。土本はうっとりと目を閉じ、鼻息を荒くしている。 「そうだ…、いい舌づかいだぞ…」 息苦しさに悶える舌が土本の肉茎を這いずり回り、たまたま土本の急所を刺激する。我慢できなくなった土本は、腰 を激しくグラインドさせ、身体の緊張を一気に解く。 「う、うう、ううぅ…」 ドクンドクンと脈打つ肉棒から、土本の白いマグマが溢れ出す。清香の喉を熱く粘っこい液体が激しく打った。 「飲めよ。全部飲むんだ」 噴出はやんだかと思うと、また起こった。口内に発射された大量の粘液を、清香は肉茎を含んだまま、懸命に飲み干 していく。 「よし、交代!」 ミキシングエンジニア、レコード会社のディレクター、バンドのメンバーたちと、男達は順番に清香の口に陰茎を突っ込 み、美少女の唇と口内の温かく滑らかな感触を楽しんだ末に、白い体液を注ぎ込んでいった。 最後の1人が終わった時、清香は放心状態で床にペタンと座り込んでいた。 虚ろに開かれた唇の端から、飲み切れなかった男達の白濁液が、糸を引いて床に落ちた。 それが、合図だったかのように、清香の顔はくしゃくしゃに歪み、目から涙がポロポロ溢れ出た。 |