国防省附属「星園・癒しの館」
 
第1章 「癒しの館」設置 1
 
「備えあれば、憂いなし!」
 小柳慎太郎首相はそう言って胸を張った。
 結局、十分な議論もされないまま、与党の賛成多数で有事体制整備法は可決成立した。
 批判の声をあげる人もないわけではなかったが、国民の多くは日々の生活に追われて、新しい法律ができたことすら
気がつかなかった。いや、気づいていながらも、不安な世相を漠然とした「有事」という言葉に負いかぶせて、不安から
逃れようという空気があったのかもしれない。
 それから数年後の物語である。
 
* * *
 
「なんか、校庭にスゴイ自動車がいっぱい停まってたね。ちょっと、戦車みたいの。」
 教室に入ってきた茉莉が言った。
「あれ、防衛隊だよ。」
 由香が『そんなことも知らないの?』という調子で言う。ショートカットで、見るからに活発なしっかり者という印象の彼
女は、顔立ちもハーフのように彫りが深くハッキリしている。
「へえ?ボーエータイ?」
 とぼけた声をあげたのは琴美だ。小柄で少しポッチャリした彼女は、肩までの髪に縁取られた童顔のせいで、中学生
ぐらいにしか見えない。笑顔が愛らしく、フワフワっとした、いかにも女の子っぽいイメージで、結構、男子生徒の人気が
ある。
「そう言えば、今は『有事』なんだよね。」
 茉莉が答える。小首を傾げてみせるしぐさにあわせて、背中まであるストレートのロングヘアがサラサラと流れる。色
白で、二重のつぶらな瞳、通った鼻筋、形のよい唇…と、仲良し3人組の中で、みんなの目を惹く正統派美少女という
感じなのが茉莉だ。
「ユージって誰?」
「バカね、琴美ったら。ちょっとは新聞とかニュースとか見ないと、ホントにお馬鹿になっちゃうよ。」
 いつものように琴美がワンテンポ遅れた感じの反応をし、由香がつっこみを入れる。
 日本と同盟関係にあるアルメイア合衆国が、中東にあるフサイン共和国に侵攻したのは1か月前のことである。その
日の夜、内閣総理大臣の野崎紘夫は、同盟国が戦闘状態に入ったとして、「有事」を宣言し、対策本部を設置した。
「でも、あたしたちには関係ないじゃん。」
 実際、琴美の言うとおり、別に日本がどこかの国に攻められたわけではなかったし、「有事」が宣言されたからといっ
てこの1か月間、ほとんどの市民の生活には変化はなかった。もちろん、この横木市立星園高校の生徒たちの日常に
も、ほとんど影響はなかったのだ。
「起立!」
 委員長の森脇亜弓の涼やかで稟とした声が響く。それは、2年B組の授業開始の合図だ。茉莉たちがおしゃべりして
いる間に、1時間目の授業時間になったらしい。
 生徒達が起立すると、担任の前川晋吾の後ろから、学校には場違いな防衛隊の制服を着た30代半ばぐらいの男が
教室に入ってきた。中肉中背で眼鏡をかけ、特徴のない顔立ちをしており、防衛隊の制服を着ていなければ、いっそ影
が薄いと言ってよい男だった。
「こちらは、防衛隊第10兵站部隊第2分隊の諸藤中尉です。中尉からみなさんに大切なお話がありますので、よく聞い
て下さい。」
 着席した生徒たちに、前川はそう言った。それだけの言葉だったが、先生の声が震えていることに多くの生徒が気づ
いた。一方、諸藤中尉の方は、地味な印象からは想像もつかない朗々とした口調で喋り始めた。
「今日の朝、有事対策本部は全国の大学、高等学校の通常のカリキュラムを当分の間、停止することを決めました。
大学生、高校生の若いみなさんに、有事態勢に協力していただくためです。」
 初めて聞く話に、あっけにとられている様子の生徒達に向かって、諸藤中尉は言葉を続ける。
「男子生徒については、今日付けで全員が防衛隊に配属されます。」
「えーっ!」
 何人かの男子が非難の声をあげた。
「強制的に防衛隊に入らせるなんて、それは人権問題ではありませんか!」
 一人の男子生徒がスクッと立ち上がって、前川に向かって叫んだ。
 那須信彦。正義感の強いスポーツマンで、成績も優秀な生徒だ。信彦の強い視線を受けておどおどする前川に代わ
って、諸藤中尉が冴えない顔に妙に凄みのある笑みを浮かべて答えた。
「有事のもとでは、人権は『公共の福祉』によって制約されるのだよ、君。」
 その途端、教室に防衛隊の制服を着た数人の男たちが入って来て、信彦を取り囲む。
「何をするんだ!」
 防衛隊の男たちは抵抗する信彦を引っ立てていく。
「さあ、男子諸君、ついて行きたまえ!」
 諸藤中尉の命令のもと、防衛隊の男たちに促されて、男子生徒達は教室から出て行った。
 女生徒だけになった教室で、これまで凍りついたように突っ立っていた前川が口を開いた。
「女子は、いくつかの施設でボランティア活動することになる。これから、どの施設で活動するか決めるので全員、校庭
に出なさい。」
 
 女生徒たちが校庭に出て行くと、朝礼台の隣に机が並べられ、防衛隊の制服やスーツを着た男たちが10人ほど並
んで椅子に腰掛けていた。
 女生徒たちは机の前に一列に並ばされ、面接を受ける時のように男たちの前で、一人ずつ順番にクラスと名前、生
年月日を言わされた。男たちは舐め回すようにジロジロと女生徒を見て何事か相談し、体育館に行かせる者と教室に
戻らせる者に振り分けた。その様子を見ていれば、女生徒を容姿によって振り分けており、美少女、可愛い娘を体育
館に行かせているのが明らかだった。
 体育館の中では、身長や体重、視力などを測る機器が並べられ、白衣を着た医者の姿も見える。どうやら健康診断
の準備がされているようだった。
「ここで健康診断を行います。」
 集められた女生徒にそう説明するのは、さっき2年B組に来た諸藤中尉だ。
 女生徒たちの表情が、一様に不安ととまどいを示した。
 体育館の中にはさっき面接をした男たちがファイルを抱えて、女生徒たちの様子を見ていたし、防衛隊の制服を着た
男が10人以上、体育館のあちこちに立っている。医師も全員男性だ。とても、女子の健康診断をやる様子ではない。
「それじゃあ、ここで、今着ている物を脱いでもらいます。下着も全部ね。」
 女生徒たちの不安はズバリ的中した。
「早く脱げよ!」
「とっとと、素っ裸になるんだ!」
 数人の防衛隊員たちが女生徒たちの周りに立ち、大声をあげて威嚇した。
「恥ずかしいわ…」
 ブラウスのボタンを外しながら、茉莉が震える声で言った。ファイルを持った男達が申し合わせたように、期待を込め
て彼女を見つめている。
「キャッ!」
 女生徒たちの間から悲鳴があがった。防衛隊員が卑猥な目つきで、女生徒たちが服を脱ぐ様子を見ながら、片手に
竹刀を持ってその間をねり歩いている。そして、恥ずかしさのあまり脱げずにいる娘がいると、容赦なく柔肌を打ち据え
ているのだ。
「どうして、こんなことをしなくちゃいけないんですか。」
 気丈に防衛隊員に食ってかかる女生徒の声がした。2年B組学級委員長の森脇亜弓。眼鏡を外した彼女は、日本人
形のような美貌の持ち主だが、けっこう気が強い。
「なんだと?」
「お前たちに質問する権利はないんだよ!」
 防衛隊員は口々に亜弓を怒鳴りつけると、白いブラウスに手をかけた。
 ビーッ!
「きゃあっ!」
 驚きと恐怖のあまり亜弓の体が硬直する。服がはぎ取られ、白い肌が剥き出しになる。
 ブラジャーとパンティだけの姿にされた亜弓は、とっさに小さく丸まり、しゃがんで膝を抱え、男たちの視線から逃れよ
うとする。
「ああっ!」
 亜弓の悲鳴が続く。防衛隊員の一人が彼女を羽交い締めにして立ち上がらせた。ブラが外され、少し前のめりになっ
た亜弓の胸で、自由になったバストがプルンと揺れる。
 別の防衛隊員が彼女の前に立ってパンティに手をかけた。
「さあ、生意気な女のオ××コの毛がどう生えているか、見せてもらうぞ。」
 卑猥な笑みを浮かべて言うと、男はじわじわと亜弓の白いパンティをずらしていった。
「あッ、いやっ、やめてっ!」
 男は、両膝をくの字に合わせてパンティの落下をふせごうとする膝小僧をつかみ、開かせておいて、コットンの布地を
抜き取った。
「あぁぁ…」
 泣きべそをかきながら、亜弓は両腿をよじりあわせる。しかし、どうあがいても、繊細な翳りは男達の目にさらされてし
まう。防衛隊員の一人が彼女の陰毛を見て卑猥な冗談をとばし、他の防衛隊員が大きな笑い声があげた。
 由香、茉莉、琴美の3人はその様子を息をのんで見ていた。
 3人はなんとかスリップ姿になったものの、男に見られながら下着を脱ぐ勇気は出て来なかった。茉莉などは、真っ赤
な顔でうつむき、今にも泣き出しそうだ。
「さあ、お前たちも全部脱ぐんだ。」
 そう言いながら防衛服を着た男達が近づいてくる。
「脱ごう!そうしないと竹刀で叩かれるよ。それに、委員長見ただろ。抵抗しても結局、無理矢理脱がされてしまうん
だ。」
 しっかり者の由香は、茉莉と琴美を励ますように言った。
「みんなが脱ぐんだから、大丈夫よ。」
 そう言いながら、由香はブラウスを脱いだ。とは言うものの、由香自身も恥ずかしかった。彼女も十分に魅力的な美
少女であり、体育館の男達の卑猥な視線を注がれているのだ。
「そう、大丈夫よ…」
 今後は自分に言い聞かせるように言うと、由香は思い切ってブラジャーを外し、さらにパンティを脱いだ。
 由香の思いきりの良さに励まされて、茉莉がスリップを脱いだ時、防衛隊員が3人、ニヤニヤしながら近づいて来た。
男達は茉莉を取り囲むようにして立ち、そのうちの1人が茉莉の手からスリップを奪い取る。
「きゃっ!」
「脱ぎやすいように、預かっといてやるよ。」
 一旦は脱ぐ決意をした茉莉だったが、石のように固まってしまった。男達が見ている前で下着を脱ぐなんて、とてもで
はないができない。
「痛い思いをしなきゃ、脱げないのか?」
 そう言いながら、防衛隊員が茉莉の太腿を竹刀で軽く叩く。茉莉は足がすくんだ。
 どんなに嫌でも、男達の指示に従わなくてはならないことをあらためて思い出した茉莉は、震える指先で肩ひもから両
腕を抜いた。支えを失って不安定になったブラを片手で必死に押さえながら、背中に手をやってホックを外す。すぐに手
で隠したものの、一瞬、胸の膨らみがカップから飛び出すのがチラリとのぞいた。
「おっ、今チラッと見えたぞ!」
「可愛いオッパイじゃないか。」
「残念だな、俺、見逃しちゃったぜ。」
 周りにいた防衛隊員が口々に言い、茉莉はあまりの恥ずかしさに耳まで真っ赤になってうつむいた。
「じゃあ、最後はパンティーだな。」
 茉莉からブラジャーを引ったくりながら、男が言った。
 茉莉は上目遣いで男達の様子を見ながら、両手でサッとパンティを下ろし、必死に下腹部を隠しながら、パンティを両
脚から抜き去った。しかし、どんなに素早くやっても、何秒かの間は、隠していた乳房も股間の翳りも男達の前に晒さな
ければならない。そして、めざとい男達の視線を免れることは決してなかった。
「あっ、ヘアーが見えた。」
「可愛い顔して、しっかり生えてるぜ。」
「今度は、ちゃんとオッパイも丸見えだ!」
 身に着けていた物を全て脱いだ茉莉は、両手で胸と股間を隠し、羞恥に震えていた。
 男達は今度は茉莉の後ろにまわり、隠しきれずに剥き出しになっているヒップの品評を始めた。
「いいケツしてるな。」
「腰からヒップにかけてのラインが、完璧だな。ヒップも大きくないが、ウェストとのバランスが絶妙だ。」
「この尻を掴んで、バックスタイルで犯りたいね。」
「うっ、うう…」
 無遠慮な男達の言葉で、恥ずかしさのあまり、とうとう茉莉は泣き出してしまった。
 


 
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