アイドル人気投票 第6章

 ドレッサーの前に腰かけた杏奈の目に涙が滲み、メイク道具の脇にポタリと落ちた。
 撮影が終わって放心状態で楽屋に戻ってきたが、少し落ち着いてくると、さっき撮影された内容が思い出さ
れ、恥辱で全身が熱くなった。身体を開いて恥ずかしい部分を余さず晒し、自らの手で乳房や股間を弄り回す
というあさましい姿を撮影されてしまった。考えただけで、頬が火を噴くように熱くなってくる。
 それだけではない、ファンの男性によって卑猥な道具で性器を弄ばれた。最初のサラリーマン風のファンだ
けではなく、抽選は5回行われ、様々な大きさや形の淫具で女性器を刺激され、膣内に突っ込まれ、お腹の中
をかき回されたのだ。その感触と恥ずかしさを思い出す度に、全身に鳥肌が立つ程の気持ち悪さを感じる。
 そんないやらしいことをされながら、杏奈は何度も絶頂に昇りつめ、よがり声をあげ、その一部始終が映像
に収められたのだ。そんな淫らな自分の姿が、やがて商品として世の中に出回る。
(やっぱり、どうしてもイヤだって、断れば良かった…)
 激しい後悔の念に襲われた杏奈は、その場に突っ伏して嗚咽を漏らし始めた。
「いつまでメソメソしてるんだ?」
 背後から聞きなれた声が響いた。顔を上げると、鏡の中に安元の姿が映っていた。
「プロデューサー!」
 勢いよく振り返って安元を見つめる杏奈の視線や表情には、抗議、怒り、哀願、悲しみ…様々な感情が溢れ
出ているようだった。
「もう…」
 「やめます」という言葉を出す前に、安元が先手を取って喋り出した。それは、杏奈がアプリコットに合格
して以来、まったく変わっていない。
「そうだな…、まずガウンを脱いで、こっちに貸して」
「えっ…?」
 いきなりの指示に、杏奈が驚いて目を見開いた。
「裸でいることに、できるだけ慣れておいた方がいいからね」
「どういうことですか?」
 杏奈の表情が強張る。
「今回の撮影を第一弾として、これから杏奈は新たにAVアイドルとしてデビューするんだ」
「えっ…、そ…そんなこと…、そんなこと聞いてません!」
 こみ上げてくる怒りと恐怖で、最後は悲鳴に近い声になってしまった。
「だから、今、説明してる」
「説明って…、そんなこと…」
 杏奈の声は今にも泣きそうになっていた。ガウン一枚で包まれた身体が小刻みに震えている。
「国民的アイドルグループ、アプリコット・ビューティ・クラブの不動のセンター、清純派ナンバーワンの早
川杏奈が20歳になったばかりの人気の絶頂で、処女喪失の一部始終を作品にしてリリースし、そのままAV
女優に転身…だ、スゴイ話題性だろ」
 自分の言葉に酔いしれるように、安元のテンションが上がっていく。プロデューサーの安元は一種の独裁者
で、こうなった彼を止めることは、もはや誰にもできない。それは、杏奈がABCに所属するようになってか
ら何度も見て来た光景だ。もしかすると、今回の人気投票の結果も、AV出演も、すべては安元によって仕組
まれていたことなのかもしれないと、杏奈は絶望の思いとともに、そこに思い至った。
「さあ、ガウンを脱ぎなさい」
「でも…」
「わかっているのか?!君はもう契約書にサインしたんだ。プロらしく振舞いなさい!」
「…は…い…、わかりました…」
 安元に一喝されて、杏奈は俯いたまま、ガウンの紐をゆっくりと解いた。ABCに所属するアイドルたち
は、活動を続けるうちに、次第に絶対権力者である安元には逆らえない心理状態に置かれ、それが習い性にな
っていく。ことこの場面に至っても、それは杏奈を縛る鎖になっていた。
 脱いだガウンを胸の前に抱くようにしている杏奈に手を伸ばし、安元は剥ぎ取るようにガウンを取り上げ
た。眩いばかりの全裸が彼の前に現れる。杏奈は慌てて、胸と股間を両手で隠した。
「今日を皮切りに、とりあえず一週間、毎日撮影が続くことになる。これが、そのスケジュールだ」
 安元は杏奈に一枚の紙を渡した。それも、これまでと全く変わらない。
 渡されたスケジュール表には、出演作のタイトルらしきものが数本分書かれている。タイトルを見ただけで
恥ずかしくて顔が赤くなりそうな文字が、杏奈の名前とともにおどっていた。
「明日は『堕ちていく聖少女、思い切りイカセテ…』の撮影だな。ちょっとハードだけど、デビューしてすぐ
に凌辱ものをやると、話題性がグッと上がるからね。学園もので、先生役からのレイプや同級生役5人の男優
による輪姦シーンもあるから、ちゃんと心の準備をしておきなさい」
 安元の言葉に、杏奈は全身の血の気が引いていくのを感じた。
「ん…?どうした?」
「わ…、私、男の人に身体を触られたりするの、イヤです!」
 実際には触るどころではない。さっきのように男と裸で抱き合い、身体を舐め合った挙句、セックスまです
るのだ。考えただけで恥ずかしく、吐き気がするほど気持ちが悪い。
「まあ、さっきまで処女だったわけだから、今はそう思うかもしれない。人前でセックスするのは、慣れるま
では抵抗があるかもしれないけどね、すぐに慣れるさ。絡みの撮影は、しばらくの間、毎日あるからね」
「しかも、知らない男の人と…そんなこと…、できません…」
 杏奈の目に涙が溢れてきた。セックスは、男性と愛し合った末に一つになるための神聖な営みだと考えて来
た彼女にとって、仕事で毎日、その場その場で初めて会った知らない男とセックスするなど、地獄のような
日々だとしか考えられなかった。
「それだって、仕事だと割り切れば、すぐに慣れるさ。来週の男優は全部で20人ぐらいだが、文字どおり身
体を張ってがんばってるAV女優のことは、みんな大事にしてくれるよ。まあ、絡んでみて、どうしても嫌な
相手がいれば、次回作から、NGにするように言ってあげるから」
 裏返して言えば、連れていかれた先で、目の前に現れた男がどんな相手であっても、少なくとも一度はセッ
クスしなければならないということだ。
「できません…」
「ダメダメ、『性交を含む成人向けコンテンツへの出演』は契約に入ってるんだ。これからは、歌やダンスに
かわって、セックスを見せることが、君のパフォーマンスになるんだからね。まあ、デビューしたての新人の
時期は、恥ずかしそうに犯されるのも悪くないけどね」
 そう言いながら安元は、杏奈の全身に視線を這わせた。椅子の上で身体を丸めるように小さくして、途中か
らすすり泣き始めた杏奈は、一糸まとわぬ姿だ。ほっそりした肩からデコルテの白く輝くような肌、腕で隠さ
れていることでかえって存在感見せる胸の膨らみ、キュッとくびれた腰のラインを見ているうちに、安元は股
間が熱く硬くなってくるのを感じた。
(男たちに寄ってたかって犯される前に、俺もこの初々しい身体を味わっておくか…)
 安元は、杏奈が座っている椅子の後ろに回り込んだ。剥き出しになった杏奈の肩に両手を置き、わざとらし
くその手で肩を揉みほぐす。杏奈の身体がビクッと震えた。
「えっ…、なんですか…?」
「ほら、肩の力を抜いて、リラックスしてごらん…」
 そう言いながら、安元は肩を揉んでいた手をすっと胸の方に滑らせていく。なめらかな肌の官能的な手触り
があり、やがて指先に柔らかな膨らみの感触が伝わってくる。
「い、いやっ!」
 途端に、杏奈が弾かれたように立ち上がった。慌てて逃げようとする身体を、安元は背中から抱すくめた。
楽屋に設置された姿見に、裸のまま安元に抱き締められた杏奈の全身が映っている。
「あっ…」
 安元の手が、必死で乳房を隠す杏奈の腕をこじ開けようとする。身を捩って逃がれようとする杏奈の身体を
ギュッと抱き寄せて、安元が耳元で囁いた。
「手を胸から離しなさい…」
「で…、でも…」
「さっき、全裸チェキ会も、処女喪失も、オナニーも撮影を済ませただろう…、君はもうAV女優だ。後戻り
などできないんだぞ!」
 語気を強めてそう言うと、しばらくして杏奈の腕の力が緩み、両腕が身体の横にダランと垂らされた。露わ
になった美しい胸の膨らみが鏡に映し出される。肌の色は抜けるように白く、ピンク色の乳首が愛らしい。鏡
に映し出された泣きそうな顔がキュッと唇を噛んでいるのがいじらしかった。
「鏡を見てごらん、こんな可愛い女の子が裸になって、セックスする姿を見せるんだから、人気が出ないわけ
ないだろう…」
 杏奈を屈服させると、安元は柔らかな感触を楽しむように掌で隆起を撫でまわし、いやらしい手つきで思う
ままに乳房を揉みしだく。
「いやぁ…、だっ、だめぇ…」
 杏奈は恥ずかしさから、顔を真っ赤にして首を横に振った。お椀型のきれいな形をした乳房が、安元の手で
さまざまに形を変える様子が鏡に映っている。いつまでも揉んでいられそうなぐらいに官能的だ。安元は中指
を杏奈の乳首の周りに円を描くように動かしていった。
「うっ…、うっ…」
 敏感な部分を刺激されて、杏奈が可愛い呻き声を漏らす。
「おっ、乳首が立ってきたぞ…」
 そうしていると、乳首が膨らんで丸くなってきた。安元は、可愛らしく飛び出した肉球の先端を指の腹で確
かめるようにコリコリと転がす。
「あ…、ああぁ…」
 杏奈が思わず身を捩り、安元は手の甲にポツリと温かい滴を感じた。鏡を見ると、閉じた杏奈の長い睫毛に
涙がいっぱい溜まっている。唇を噛みしめてじっと耐えているその様子に、安元の興奮が否応もなく高まって
いく。
「さあ、ここに手をついて」
 そう言いながら安元は杏奈の手を掴み、ドレッサーに手を突かせ、杏奈の腰を自分の方に引き寄せた。杏奈
の上半身が前に倒れ、お尻を突き出すような格好になった。
「可愛いお尻だ」
 引き締まった、それでいて理想的な丸みの双臀が突き出されている。安元は両手でこねるように杏奈のお尻
を撫で回した。
「いや、だっ、だめ…」
 股間に指を忍ばせると、杏奈が激しく腰を振り、太股を閉じて侵入を阻もうとした。逃がさないようにもう
一方の腕を腰に回し、割れ目をなぞっていくと、そこはすでにじっとりと潤っている。杏奈はそのことを自覚
し、身体の変化を知られるのを恐れて、安元に触られることに抵抗したのだ。
 ニヤリと笑った安元の指が縦裂の中を、杏奈の愛蜜をすくい取るようになぞる。安元は、その指を杏奈の目
の前に突き出して見せた。
「ほら、もう、こんなに濡れているよ、杏奈のオ××コ。乳首もこんなにしこってる。興奮してきたんだ
ろ?」
「ち、違います…、安元さんが、そんなこと…、するから…」
 杏奈が今にも泣きだしそうな声で答えた。その可憐な様子を楽しみながら、安元はズボンのチャックを開
け、勃起した陰茎を取り出した。勢いよく跳ね上がるようにして、肉棒がズボンの中から飛び出す。
 安元は、下半身で反り返っている怒張を杏奈のお尻の割れ目に押し当てた。
「あっ!な…何を…」
「私が初めてプロデュースするAVアイドルだ。自分のチ×ポで、オ××コの具合もちゃんと確認しておかな
いとね…」
「い、イヤですっ!」
 杏奈はそう叫んで、安元の腕から逃れようともがいた。見ず知らずの男とセックスさせられるのは気持ち悪
かったが、よく知っている好きでもない男に、無理やり犯されるのは、それとはまた違った激しい恥辱を感じ
る。
「そんな、だめです…しないで…、お願いです」
「何言ってるんだ。オ××コをこんなに濡らして、チ×ポを受け入れる準備は十分じゃないか」
 安元は杏奈を逃がさないように、腰に巻き付けた腕にぐいっと力を込め、お尻の割れ目に怒張を擦り付け
る。
「いやっ、いやです…お願い、やめてっ!」
 小さな白い背中に自らの上半身を覆いかぶせ、安元はすっかり勃起した肉棒の先端を杏奈の膣口に押し込ん
だ。
「い…、いやっ、だめっ、だめぇ!」
 杏奈は腰を右に左に振って逃れようとするが、安元は両手で彼女の肩を掴んでゆっくりと腰を送り込む。膨
張した亀頭が杏奈の花びらをかき分けていった。
「うっ…、だめっ、ああっ、いや…」
 なおも抵抗する杏奈をがっちり押さえつけ、安元は荒い息を吐きながらズンッ、ズンッと肉棒を送り込む。
「ああぁぁ…」
 杏奈が苦しげに眉を歪め、喘ぎ声を漏らす。怒張が根元まで埋め込まれ、膣の奥にまで達したのだ。ドレッ
サーの鏡に、男根を挿入されて苦悶の表情を浮かべる杏奈の顔が映っている。
「いいぞ、杏奈、チ×ポを受け入れる表情も、グッとそそられる…」
 興奮でギラギラした目を鏡に向けながら、安元は杏奈の腰を掴んで、大きなピッチでストロークを開始し
た。濡れた膣肉が肉棒に甘く絡みついてくる。
「笑顔やおすまし顔がいくら可愛くても、AVアイドルはセックスしてる時の顔が可愛くないとな…」
「あ、ああ…」
 鏡の中の杏奈がギュっと眉根を寄せ、唇を半開きにして、痛みに堪えるように顔を歪めた。いつものグラビ
ア写真で見せる表情に負けないほど美しく、艶っぽく、愛らしいその表情は、男の性的興奮を煽り、嗜虐心を
くすぐる。
「いいぞ、杏奈、その表情、素晴らしい…」
 上機嫌でそう言うと、安元は腰を激しく前後させて怒張を送り込んでいった。
「はうっ…はぁ…ああぁぁ!」
 杏奈の身体がのけ反り、耐えきれなくなった様子で声をあげる。
(へ、変だわ…、さっきと違う…)
 さっきの処女喪失の撮影の時は、ただひたすら痛みと恥ずかしさを我慢するだけで、男性器を挿入されて
も、快感には程遠いものだった。淫具で性器を弄り回された時は、強制的に感じさせられはしたが、それはセ
ックスとは別物で、拷問と変わらなかった。
「あっ…、うぅん、あはぁ…」
 杏奈の口から甘いよがり声が漏れ出す。タローに処女を奪われた時とは明らかに違う感覚が、彼女の身体の
奥に芽生えていた。
「おっ、いい声だぞ!杏奈、感じてるんだろ?」
 安元は、怒張で秘孔の奥を責めながら、前屈みになって砲弾型になった双乳を、牛の乳を搾るように強く揉
む。
「あ…、あんっ…あんっ…」
「そうだ。いっぱい感じて、よがり声でもファンを魅了できるようにならないとな…、ほら、もっと可愛く、
いやらしく悶えてみろ」
 安元は、腰の振りを早め、一気に攻め立てた。
「あぁん…、あ、あんっ…」
 尖りだした乳首を摘み、コリコリと転がしては、乳房を揉みしだく。杏奈の鼻先から、甘ったるい悦楽の喘
ぎが零れるようになってきた。
「杏奈、凄いぞ、もうそんないやらしい声を出せるようになったのか…」
 安元が嬲るように耳元で囁く。
「ああん…い、いやっ…恥ずかしい」
 杏奈が小さくイヤイヤするのを見て、安元はズブリズブリと突きまくる。太った身体に似合わない器用さで
卑猥に腰をグラインドさせては、ズーンという直線的な深い突きを繰り出し、杏奈の官能を追い詰める。
(ど、どうして、こんなに…。感じちゃうの?)
 杏奈は知る由もなかったが、それは、芸能界で活躍する数多の女性たちの枕営業を受け、プロデュースして
きたアイドルたちも、気が向けばお構いなしに味見をすることで身に着けて来た安元のセックス・テクニック
だ。
「ああぁぁぁ…」
 安元にえぐられるにつれ、杏奈の喘ぎはどんどん高まり、悩ましいよがり泣きへと変わった。いつの間にか
男の動きにあわせて、くびれた腰がうねりを見せるようになっていた。それでいて、淫らさの中にも可憐さ、
清純さを失わず、それが男心に切ない程の愛おしさを募らせる。
(やっぱり、早川杏奈は別格だな。AVに堕としたのをきっかけに、時折、こうしてプライベートレッスンし
てみるか…)
 とびきりの美少女の身体がもたらす快楽の中で、安元はそう思った。このところ、杏奈を一方的にライバル
視している木島ななせが、彼に接近してきたのを良いことに、摘まみ食いしているが、ちょうど少し飽きて来
たところだ。
(変…、変になっちゃう…)
 杏奈の身体がビクンと跳ねた。喉を伸ばし、頭を仰け反らしながら、痙攣するように震えている。
「いいか、イク時は、ちゃんとイクって言うんだぞ」
「あああぁぁぁ…い、い、ぃぃぃ…」
 口に出してイクことに抵抗があるらしく、杏奈が声を噛み殺すように喘ぎ声を漏らす。
「ほら、ちゃんと声を出して、『イク』っと言うんだ!」
「あっ…、い…、い、いくぅ…」
 杏奈が恥ずかしそうに声を出し、そして、絶頂を迎えた。
「中に出すぞ…」
「い、いやっ、や…、やめて!」
 杏奈が叫び声をあげて身を捩った。男の精液を体内に注がれる気持ち悪さはもとより、ピルは飲んでいる
が、万が一、妊娠したらという恐怖がつきまとう。
「うっ…」
 安元の呻き声とともに、杏奈の中で熱いものが爆ぜた。
「ああっ…」
 杏奈が哀しげな、絶望の声を漏らした。逃れる術もなく、肉棒が胎内ビクンビクンと痙攣し、杏奈の中に安
元の体液を注ぎ込まれていく。
 その瞬間、ドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
 杏奈の裸体を背中から抱きしめ、射精の余韻に浸りながら、安元が返事をする。
「えっ、待って!ちょっと…、そんな…」
 慌てふためく杏奈を後目に、楽屋のドアが開き、見知らぬ男が二人入って来た。ひょろっとした若い男と、
杏奈の父親より年配の小太りの男だ。入って来た時はさすがに驚いた様子で、全裸で繋がっている安元と杏奈
を見ていたが、慌てて目を逸らして、出て行こうとする。
「出て行かなくてもいいぞ」
 安元はそう答えて、杏奈の身体から離れた。
「あっ…あの…、おはようございます…」
 やっと安元の手を逃れた杏奈は、両手で胸と股間を隠しながらも、丁寧に頭を下げて挨拶する。挨拶はこの
業界の基本だ。こんな場合であっても、ほぼ反射的に身体が動くようになっている。
「次のシーンで絡みをやる男優だよ」
 肩を窄め、身も世もない様子で恥ずかしそうにしている杏奈に向かって、安元はそれだけを紹介し、男優た
ちに合図を送った。二人は着ていた物を脱いで、トランクス一枚になる。
「悪いが、杏奈のオ××コをきれいにしてやってくれるか」
 安元に指示された若い男優がウエットティッシュを持ってきて、杏奈の股間を拭おうとする。
「あっ、大丈夫です、自分でやります!」
 後ずさりする杏奈を見て、年配の男優が背後から抱きすくめた。
「やってもらいなさい。このままスタジオに入って撮影するんだから。こいつらも俺の精液がついたオ××コ
を舐めたくないだろう」
 若い男優がその場で跪き、杏奈の性器から溢れる安元の精液をふき取っていく。次の撮影までシャワーを浴
びる時間も与えられないらしい。
「恥ずかしい…」
 安元との性交の後始末を他人の手でされる恥ずかしさに、杏奈は、頬を染めうつむき、思わず涙ぐんだ。そ
の様子を安元がニヤニヤ笑いながら見ている。
「さあ、撮影の時間だ。次の撮影で、仕事としてセックスすることに十分に慣れてもらうよ」
 安元の合図とともに、楽屋のドアが開かれた。200人の観客が、杏奈の再登場を今か今かと待っている。




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