夏は猟奇なアルバイト

第3話

「千佳ちゃんは、ドラキュラって、知ってる?」
「はい、吸血鬼ですよね」
 明るい笑顔を向けて千佳が答える。きれいに切り揃えられたショートボブの髪。アーモンド型のパッチリした目が、笑
うと三日月のように細くなる。丸顔に丸い鼻が人懐っこい愛嬌を感じさせた。性格も明るく、活発で、5人の少女たちの
なかで、ムードメーカーになっている。
 体つきもなかなか良い。小柄で、骨組み自体は華奢だが、胸やお尻、太腿などには、まろやかな肉がついている。ミ
ニ・グラマーと呼ぶのがふさわしい、健康的なお色気を感じる身体だ。緑色のビキニから覗く、むっちりした太腿が白く
まぶしい。
「ドラキュラが、本当にいたのは、知ってますか?」
「えーっ、ウソでしょ?」
「もちろん、吸血鬼はフィクションですが、ドラキュラは実在の人物がモデルになっているんですよ。ブラム・ストーカーの
小説、ドラキュラのモデルになったと言われるのが、中世ルーマニア、当時の国名でワラキア公国の君主、ブラド・ツェ
ペシュです」
 観客に向かってそう解説をした教授は、千佳の顔を覗き込んだ。
「彼が好んだ処刑方法が、串刺しの刑でした」
「串刺し?」
「トルコ軍とのたたかいで、勇名を馳せたブラドは、捕虜にしたトルコ兵を町外れの平野で裸にして、生きたまま棒に串
刺しに、『串刺し公』の異名をとります。当時、東欧の国はトルコと死闘を演じていたので、デモンストレーションの意味も
あったんでしょうね」
 教授は部屋の入り口に展示してある、先の尖った太い丸太を観客たちに示した。
「串刺しの棒というのは、こういう物です。普通はこういう尖った棒を使うのですが、ブラドは苦しみが続くように棒の先を
丸くしたというから、残酷ですね」
 不便な場所にあるマニアックな施設なのに、今回のプレゼンテーションにも数十人の客が参加している。そのいずれ
もが男性だ。
「ところで、千佳ちゃんは、これまでエッチしたことはある?」
「しません、そんな…」
 いきなりの質問に、純情な千佳は真っ赤になって首を振る。
「そうか、もし処女じゃなかったら、これをアソコに入れてもらおうかと思ったんだけど。処女じゃあ、可哀想かな…」
 たとえ処女でなくても、そんなものを入れられてはたいへんだ。どこまで本気で、どこまでがジョークかわからない教授
の口調に、千佳はあいまいに笑いながらも、思わず身を硬くした。
「いやだなぁ、冗談に決まっているでしょう」
 教授がそう言って大声で笑い、千佳は馬鹿にされたように感じて、少しムッとする。
「さて、この第3展示室のテーマは、股裂きです」
「えっ!」
 再び千佳の表情が強張った。女性にとっては、耳にするだけで恐怖を覚えるテーマだ。
「さっきの串刺しが『貫く』形だったのに対して、ここに展示している器具は『引き裂く』形になっています。例えば、この魔
女の楔は、ヨーロッパの魔女狩りなどで使われたものです」
 そう言うと、教授は台座の上部がピラミッド状の楔になっている器具を示した。
「使用法は簡単、膣または肛門を楔の先端に置き、手足の先に重りを付けるだけ。体重と重りで楔が体内に食い込
み、引き裂かれることになります。…千佳ちゃん、ちょっと跨いでみて」
「えっ…」
 千佳は思わずイヤイヤして後ずさる。
「大丈夫、これは高さがないから」
 教授に手を掴まれ、引き寄せられた千佳は、おそるおそる楔を跨ぐまねをしてみたが、それでも恐いらしく、すぐに楔
から離れた。
「ははは、怖がりだねぇ」
 教授がからかうような笑い声を立てた。
「だって…」
 口を尖らせた千佳の頬が少し赤くなっている。意外と負けず嫌いな性格なのだろう。可愛いその表情を見ながら、教
授の目が怪しく光った。
「さて、日本で三角木馬、西洋ではロバと呼ばれた拷問器具が、これです」
 教授が高さ1.5メートルぐらいの、木と板を組み合わせて作った器具を示す。
「四本脚があって、馬の形に似ているでしょう。背中が45度から60度ぐらいに尖らせた三角形になっていて、ここ跨ら
せる拷問が木馬責めです。日本では室町時代末期に始まり、江戸時代には幕府が定めた正規の拷問方法とはされて
いませんが、キリシタンや年貢を滞納した農民をこの責めに掛けた記録があります。…千佳ちゃん、ちょっと、乗ってみ
て…」
 さっきと同様のおふざけだと思った千佳は、今度は笑われないようにと、セットされた踏み台に上って、こわごわ木馬
に跨る。その途端、顔をしかめた。
「痛い、これ!」
 踏み台にはまだ足が乗っていたので、体重はあまり股間にかかっていなかったが、それでも、尖った木が水着ごしに
割れ目に食い込む感触に、千佳が慌てて下りようとする。しかし、その身体を教授がだき抱えて止めた。
「ダメダメ、そのまま跨ってるんだよ」
 そう言うと、教授は千佳の両手を掴み、後ろ手に手錠をかけた。天井からロープを吊るし、手錠を括り付ける。
「な…、何をするんですか?!」
「落ちないようにしないとね」
「ちょ、ちょっと、ちょっと待って…」
 慌てた千佳が必死で逃れようとするのを押さえながら、教授はいきなり踏み台を外した。身体がガクンと木馬の上に
乗り、全体重が股間にかかる。
「うーッ!ううウウ…」
 千佳の喉から、悲痛な声が絞り出された。形の良い眉を折り曲げ、閉じた睫に涙を溜めて、息をするのもつらいとい
った様子だ。
「拷問を受ける者を、全裸または下半身裸にして木馬に跨らせます。特に女性にとっては、陰部に加えられる苦痛と羞
恥によって、他に類を見ない苛酷な拷問であったといえるでしょう」
 そう言いながら、教授の手がビキニの紐を引っ張る。
「キャアッ!」
 悲鳴と同時に豊かに膨らんだ瑞々しい乳房が露わになり、剥き出しにされた割れ目に木馬の背が直接食い込む。
「い…、痛い、痛い!」
 全裸にされた恥ずかしさもさることながら、布地による制約がなくなって、直接、木馬が割れ目の奥まで食い込んでく
る痛みに、千佳が泣き声をあげる。三角形の頂点が小陰唇を割り開き、鋭い峰と恥骨の間に挟まれたクリトリスは、動
く度にゴリゴリと圧迫される。
「痛い、痛いっ…、下ろしてください、お願い…」
 顔中を涙でくしゃくしゃにして、千佳が哀願する。木馬を膝で挟み込み、苦痛を和らげようとしたが、三角形に組み合
わされた板は膝上までの長さしかなく、それすらも許さない形状になっている。
「あっ、ああっ…、あうぅ…」
 千佳は唇をギュッと噛んで、首を左右に振った。痛みに悶える度に木馬は局部に食い込み、さらなる痛みが加わって
苦悶する。胸から、脇から、内腿から、体中から脂汗が噴き出し、額には玉のような汗が浮き出ていた。紅潮する肌、
苦しげな息づかい…、集まった観客たちは、そんな彼女にぎらついた視線を集中させる。
「下ろして欲しかったら、どこがどう痛いのか、きちんと説明してごらん」
「えっ…」
 千佳が戸惑いの表情を浮かべたが、痛みに耐えかねたらしく、小さな声で呟くように言った。
「木が当たって、あ…、アソコが痛いです…」
「アソコじゃあ、わからないなぁ」
「えっ?」
 観客たちが期待を込めた目で、千佳を見つめている。教授が千佳の耳元で囁く。
「いっ…、言えません、そんな…」
 周りを取り囲んだ見学者たちの視線を感じて、千佳が躊躇いを見せた。
「それじゃあダメだな、もう少し我慢しなさい」
「そんな…」
 涙で視界がぼやける。途絶えぬ苦痛は刻一刻と増していき、ほんの数分で全身が水でも浴びたように汗びっしょりに
なった。
「実際の拷問では、足に石や鉄でできた錘をつけて、苦痛を増したりしました。長時間に及ぶと股が裂けることもあった
そうです」
 説明する教授の口調は平静だが、その目は異様な光を放って千佳を見ている。
 身体を動かすと更に食い込むので、千佳は歯を食いしばり、上体をやや後ろに反らせた姿勢のまま、なるべく動かな
いようにして痛みに耐えていた。もはや自分のものとは思えない両足が痙攣する。
「こんなふうに、拷問者の元気がなくなった時には、木馬を揺らしたり、鞭で打ったりしたのですが、ここでは、もう少し優
しい方法を使いましょう」
 教授は千佳の背後から手を回して、汗にまみれた双乳を掴んだ。手のひらで豊かな膨らみをすくい上げながら、乳首
を指先で弾くように転がす。
「あんっ…」
 男の指先から逃れようとして、思わず身を捩ったものだからたまらなかった。
「ぎゃああぁーっ!」
 体重のかかり方が変わったことで、股間から全身を貫く衝撃が走り、途端に激しい悲鳴をあげる。
「あうぅ…、うくっ…、んあぁ…」
 教授が何度も、敏感な乳首を弾くが、さっきの痛みで懲りたらしく、千佳は身動きをしないまま呻き声を漏らした。
「うっ…、くっ…」
 膨らみをネチネチと揉みほぐされ、硬くしこった乳首を指先で転がされて、手錠で後ろ手にされた手が、ギュウと握り
しめられたかと思うと、また力なく開いていく。
「ふむ…、我慢強いね。じゃあ、こっちだ」
 教授の指が下腹部を撫で回し、木馬の背で割られた大陰唇をなぞる。千佳は、できるだけ身動きしないようにして、
陰部を弄られるままに耐えるしかなかった。
「ここは、どうかな?」
 教授の指がピンクの肉びらを掻き分け、木馬に押しつけられたクリトリスに触れた。千佳の背筋に電撃が走る。
「う、あううっ…」
 さすがにじっとしていることができず、千佳が身悶えする。とたんに木馬が陰部にグイグイ食い込む。
「いたっ…、痛いっ…、壊れちゃうぅ…」
 千佳が髪を振り乱して、泣き叫ぶのを見ながら、教授の指が敏感な肉芽をクリクリと転がし、柔らかく揉みしだく。
「ああっ!」
 たまらず身体を揺すってしまい、木馬が深く食い込んだ。愛撫によって勃起したクリトリスがその頂点で押しつぶされ
る。
「ぎゃあっ!いっ、痛ああっ!」
 観客が生唾を飲み込んだ。涙と汗を飛び散らせ、悲痛な叫び声を上げる千佳の表情が、サディスティック嗜好を持っ
た男達にとってはたまらなく,興奮を煽る。
「お願いだから…、もう下ろして…」
「じゃあ、どこがどう痛いか言ってみなさい」
「木馬が、…に、…食い込んで痛いです…」
 息絶え絶えになりながら、千佳が言った。それでも年頃の女の子にとって、人前で性器の俗称を口にすることは恥ず
かしいらしく、モゴモゴと口ごもっている。
「えっ、どこに食い込んでるんだって?」
「お…、オ××コ…」
 千佳が蚊の鳴くような声で呟く。
「えっ、何だって?」
「オ××コが痛いですっ!オ××コに木馬が食い込んで、痛くて、裂けちゃいそうですっ!」
 我慢も限界にきた千佳は、恥ずかしさも忘れて叫んだ。
「もう一度、言いなさい。どこが痛いんだ?」
 教授の指が容赦なく、股間をまさぐる。
「ひっ…ひぐっ、い、いたい…、オ××コ痛い…、ひっく、ひっく、オ××コが痛いよぉ!」
 とうとうタガが外れてしまったのだろう。千佳が幼児のように泣きじゃくりながら、叫ぶ。それは嗜虐心を刺激し、醜さな
ど微塵も感じさせない美少女の泣き顔だった。
 そんな千佳に、教授は満足そうな表情を向けた。




 
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