国防省附属「星園・癒しの館」・外伝
 
テニス少女・遠征 第20章

 まだ明るい日差しのもと、テニス少女たちが一列になって、基地の中を行進していく。その両手首と首はギロチンのよ
うな枷でつながれたままであった。枷だけではない。身に着けているものも、胸と股間を切り取られたスクール水着のま
まだ。胎内や腸に注がれた男の精液が太腿を伝うが、それを拭うことすら許されない。
「辛いだろうが仕方ない、捕虜の連行なんだからな…」
 先導する松川が振り返り、言葉とは裏腹に楽しそうに言った。
 少女たちは、これ以上ないほど、惨めで恥ずかしい姿を晒しながら、市街地訓練施設から約4キロ離れた飛行場まで
歩いていく。その道のりは基地内のメインストリートにあたり、いくつもの施設が並んでいる。そんな少女たちの恥辱の
パレードを一目見ようと、隊員たちがびっしりと沿道を埋め尽くしていた。
(ああ…、もう許してぇ…)
 恭子は重い足取りで、クタクタになった身体を引きずるように歩いていく。
「見ろよ、ツルツルにしたアソコとオッパイを堂々と晒して歩いてるぜ!」
 男たちの声に恥ずかしさが増す。恭子は隊員たちの投げかける視線と、卑猥な言葉に耐えながら、歩き続ける。
「気持ちよかったぜ、恭子のオ××コ!」
「また、俺のチ×ポを入れさせてくれよな!」
 あきらかに自分に向けられた声が聞こえる。視線を向けると、見覚えのある男たちがニヤニヤしながら手を振ってい
た。恭子の対戦相手だった川端、そして、昨夜、寄ってたかって彼女の身体を犯した男たちだ。恭子は、真っ赤に染め
た顔を弱々しく振り、唇を噛んだ。
 そんな中、美奈だけはシャワーで身体を清められ、真新しい制服を着せられていた。
「有岡さんは、捕虜にならなかったから、当然でしょ」
 石堂が毒を含んだ笑いを見せた。他の部員たちが、惨めな姿で引き回されていく中で、一人だけ、きちんと身なりを
整えて歩かされることは、美奈のような気質を持つ者にとって、耐え難いことを百も承知しているのだ。美奈の戦略で、
戦闘訓練が早期に終結したことに対する、彼女らしい報復である。
 せめて、部員たちが倒れたりしないよう気を配ろうと、隊列に目をやる美奈の前で、明穂が足元をふらつかせた。
「明穂っ、大丈夫?」
 美奈が駆け寄って支えると、明穂が健気にも力のない笑顔を見せた。その顔にも髪にも、大量の精液を浴びせられ
た痕跡が残っている。丸く切り取られた胸から、汗と精液でぬるぬるになった乳房が飛び出し、濡れた無毛の陰部も露
わになっているが、両手を首と同じ高さで固定されているため、隠すことすらできない。男たちによって、好き勝手に汚
された身体を、大勢の見物人に晒して歩かなければならないのだ。
「あそこツルツルに剃ってるんだ。親が見たら泣くな、自分の彼女ならドン引きだぜ」
 好奇心に満ちた視線を明穂に向ける男の声が聞こえた。
「太腿が濡れてるぜ。いくら可愛くても、毎日数えきれない男の精子を中に出されてた女の子を彼女にするのは勘弁だ
な」
 一緒に見ていた男が聞こえよがしに言う。二人とも二十歳そこそこの、少年の面影を残した若者だ。明穂の表情が、
目に見えて強張っていく。
「誰とでもセックスできるなんて、よほどスキモノじゃなきゃ無理だろ」
「普通の女の子には無理だよな、もとからそういう素質があったのんじゃないのか?」
「今だって実は見られて感じてるんじゃないか、乳首なんて完全に立ってるし、ヘンタイだな」
 沿道に並んだ男たちが、言いたい放題の言葉を浴びせかける。女として、人間としての尊厳を侮辱する言葉が、一歩
歩くごとに少女たちの心を傷つけていく。唇を噛んでいた明穂の目尻に涙が滲んだ。
「君、わりと好みなのに。露出癖の上にセックス依存症の子とは付き合えないんだ、ゴメンネぇ」
 明穂の後ろを歩いていた千花に向かって、一人の男がおどけた調子で言い、周囲から笑い声が起きる。惨めさが身
を貫き、千花はたまらず嗚咽にむせんだ。
(どうして、そんな酷いことが言えるの!)
 怒りの視線を向けた美奈は、男たちの顔に浮かぶ陶酔したような表情を見て、すべてを悟った。これは、集団心理に
よるいじめの一種なのである。
 ここにいるのは、徴兵によって集められ、これから死地に送り込まれようとしている抑圧された集団だ。そこに「生贄
の羊」が投げ込まれれば、たちまち、鬱憤晴らしの対象となることは火を見るより明らかである。
 そして、自分たちが対象となったのは、ひとえに「反愛国者」として逮捕され、「館」で矯正教育を受けていると思われ
ているところに根源がある。マスコミの世論操作が徹底して行われ、付和雷同型の反応が起こりやすくなったこの国で
は、「反愛国者」のレッテルを貼られた時点で、すべてが決まる。美奈たちは「社会的制裁を受けて当然」「人権などなく
て当然」の存在に落とされてしまったのだ。
 その結果の、執拗な凌辱。そうして、「羊」を投げ込んだ者は、集団を効率よく管理していく。
(…許せない、絶対に…)
 美奈の瞳に、やり場のない怒りの色が浮かんだ。

「おっ、来たぞ!」
 テニス少女たちの隊列が近づいてくるのを見て、川嶋が声をあげた。
 行進の終着点である飛行場では、出発までの残り時間で基地隊員へのお礼を兼ねた慰問終了のセレモニーが行わ
れる。
 飛行場に設置された観覧席には、すでに大勢の隊員が詰め掛けていた。
「特等席だよな。松倉たちに感謝しなくちゃ!」
 川嶋が妙にはしゃいだ声で言う。実行委員が彼らの同僚だということもあって、川嶋たち、若手士官グループは最前
列の席を確保されていた。手を伸ばせば届く程の距離を、首枷をした慰安嬢が通っていく。実際、中には手を伸ばし
て、その胸やお尻、股間にタッチしている者もいる。
「よし、俺も…」
 そう言うと、川嶋はちょうど目の前を通った少女の乳房に触れ、その感触を楽しんだ。驚いて立ち止まった少女の身
体に、あちこちから手が伸びてくる。
 そんな川嶋の隣で、三沢は慰安嬢たちの隊列をじっと見ていた。岩口基地を衝撃と興奮に包み込んだ慰問試合のイ
ベントも、これで終わりだと思うと感慨深いものがあった。
 思えば、初日、制服姿の彼女たちが輸送ヘリから降りてきた時、あまりの清楚な可愛らしさに、淫らなことを想像する
どころか、まともに見ることすらはばかるような印象を受けた。ところが、その少女たちが今は、恥部も露わな性奴隷そ
のままの姿で、目の前を歩いていく。
 しかし、それは、彼女たちに対する隊員たちのイメージの変化にふさわしい姿と言えた。今や、基地の誰もが、彼女た
ちのことを、性欲処理のための「道具」か、良くても「奴隷」「ペット」としてしか見ていない。
 そんなことを考えながら、思わず股間を撫でてしまった自分の手に気づいて、三沢は慌てて、その手を膝に乗せた。
 整列すると、少女たちは、やっと枷から開放された。数人がその場で崩れそうになるのを、松川や平沼たちが近寄
り、腕を掴んで立ち上がらせる。
「気をつけっ!」
 石堂が号令をかける。枷から開放されても、身体を隠せるわけではなく、少女たちは直立して、剥き出しになった乳房
や股間を人目に晒し続けなければならない。
 用意された演台に最初に立ったのは、実行委員でテニス部長の松倉だった。最後のセレモニーは実行委員会に委
ねられており、基地の幹部は同席していない。
「みなさんと過ごしたこの3日間は、国のために命をかけて働こうという、私たちの決意を固める、またとない機会となり
ました…」
 彼は、慰問試合が大成功したことに心から満足していた。その自信が態度にも表れ、上司や同僚から、ちゃらんぽら
んな性格だと言われていた男が、今やすっかり幹部然としている。
 実は今回の慰問試合は、基地テニス部主催ということになっているが、基地の士気を高めようという、上層部の意向
を受けたものだった。それを無事に成功させたことで、松倉に対する上層部の覚えもめでたく、近々、昇進の話がある
らしい。
 副部長の岡田は、中西朋美の姿をじっと目で追っていた。卑猥な細工がされた水着を着、凌辱の痕跡を残していても
なお、彼女にはたおやかな気品があり、そして甘い色香がある。根が真面目な男だけに、岡田は、初日夜の打ち合わ
せで彼女とセックスして以来、すっかり心を奪われていたのだ。
 隊列に同行して写真を撮影していた鈴木が、慰安嬢たちの正面でカメラを構えた。イベントの全体像を記録するのが
彼の役割だが、そのレンズは、すぐに有岡美奈を捕らえてしまう。
「お願いします…」
 コケティッシュな表情でそう言うと、美奈は彼の前で大きく脚を開いた。
 鈴木は、国民的ヒロインの秘密の場所の構造を余すところなく撮影できるように、肉ビラを指で挟んで、左右に広げ
た。
 自慢のカメラで愛撫するように、何枚も何枚も接写したあと、とうとう我慢できなくなり、ぬめ光る肉芽を一気に舐め上
げた。
「あぅっ!」
 美奈の身体がビクンっと大きく跳ね上がった。今度は膣孔のあたりから肉芽までを時間をかけてゆっくりと舐め上げ
る。
「あうぅ…、ああん…」
 悩ましく身悶えする美奈。カメラ小僧の鈴木が撮影を忘れ、美奈の媚肉を口一杯に頬張り、大きな音をさせてしゃぶ
りまくった。
 その後、シックスナインの態勢でお互いの股間を思う存分舐めあい、騎乗位、後背位、正常位と、カメラを片手にハメ
撮り…、それが、彼女の依頼を引き受けた報酬だった。
 少女たちの中央に並び、直立する美奈にカメラを向けた鈴木は、夢のようだった彼女との情事を頭の中で反芻し、い
つしかパンツの中で射精していた。

 用意された演台に石堂が立った。
「国のために尽くす男性の性欲を処理するのが、国に身体を捧げた慰安嬢の役目です」
 そう切り出した石堂は、さすがの貫禄で集まった隊員たちを、そして、テニス部員たちを見渡した。
「今回の慰問では、白熱した試合で、みなさんの股間を熱くさせ、夜には、口、膣、アナルと、すべての穴を使って親睦
を深めることもできました。訓練に参加し、お互い励ましあう貴重な体験もさせていただきました…」
 その言葉で、慰問中の数々のイベントが、集まった面々の脳裏に浮かぶ。隊員たちにとっては興奮と快楽の、テニス
部員たちにとっては羞恥と屈辱のイベントだ。
「慰安嬢にとって、性欲処理は手段ではなく目的です。相手の性欲を満たすためなら、どんな屈辱的なセックスだろう
と、死にたくなるほどの羞恥も喜んで引き受けるのが慰安嬢です。今回の慰問は、彼女たちにとっても、その決意を固
める良い機会となりました」
 石堂の言葉に、隊員たちは改めて少女たちに目をやった、いずれ劣らぬ清楚な美少女が、風俗嬢や売春婦ですら顔
をしかめるほどの過激な性的奉仕を行う。慰安嬢という存在は、それだけで男の興奮と嗜虐心をくすぐるのだ。
「さあ、最後のあいさつよ!」
 石堂に促され、実行委員長を務めた松倉のもとに、キャプテンの美奈がやってきた。間近で、その美貌と向き合い、
松倉が魂を抜かれたような表情で見惚れている。
「慰問試合に呼んでいただき、ありがとうございました。私たちもとっても、貴重な経験になり、楽しい思い出ができまし
た」
 そう言うと、美奈は飛行場に集まった全員が見守る中、松倉の前に正座した。
「名残惜しいですが、お別れのご挨拶をさせていただきます」
 そう言うと、美奈は松倉のズボンのチャックを下ろし、白魚のような指でペニスを取り出した。
「ありがとうございました」
 再びそう言うと、美奈は頬に垂れかかる髪を耳にかきあげながら、怒張の根元をペロペロさすり始めた。
「ううっ…」
 松倉が声を漏らした。館で仕込まれた、美奈のフェラチオはかなりのものだ。唾液をたっぷり乗せ、弓なりに沿ってゆ
るやかに舌を運ぶ。ひと舐めかふた舐めで、松倉の勃起はグイグイ頂点まで達する。
「ああ…」
 悩ましいため息を漏らしながら、赤黒く猛る肉棒の先端を、柔らかな唇が吸い付き、チュプチュプと音を立てて愛撫す
る。そして、そそり立つ肉塊をすっぽり口腔に呑み込んでいく。
「や…、やべぇ…」
 松倉が慌てた声をあげる。美奈は肉棒を根元近くまで受け入れては吐き出し、受け入れては吐き出し、それを何度も
繰り返す。口腔での濃厚な舌づかいを示すように、頬の肉がピクピク卑猥な収縮を見せる。
「ちょっと…、ちょっと待ってくれ!」
 顔面を真っ赤にして、松倉が声をあげる。腰骨までジーンと痺れて、海綿体ごと破裂しそうな快感だった。
「さあ、みんな行きなさい!」
 石堂の号令で、テニス部員たちが一斉に、客席に散った。
「ありがとうござました…」
「また…、私たちと試合してください」
 小便をする時のようにチャックを下ろして待つ男たちに向かって、お礼の言葉を口にしながら、少女たちは男たちの
前に跪き、突き出されたペニスを口にくわえる。
 少し遅れて客席に向かおうとする朋美の腕を、誰かがギュっと握った。見ると、テニス部副部長の岡田である。
「お世話になりました…」
 挨拶する朋美のやつれた表情は、なんとも言えない色気があった。高ぶりを抑え切れず、岡田は黙って朋美の唇を
吸った。他の男にフェラチオしていたことなど、気にならなかった。
 どこまでも甘く、柔らかな唇の感触を楽しみながら、舌を差し入れる。口腔は甘美な唾液にあふれ、岡田をユラユラと
夢見心地にさせる。
 舌と舌を深々とからませ、じゃれ合い、唾液を送ってはまぶし合う。そんな淫らなキスを何度も繰り返しながら、岡田
の指は剥き出しになった乳房を揉み、片手でヒップを撫で回す。朋美の鼻先からは甘い声が漏れ、その腰がクネクネ
揺れ動き始めた。
「次はもっとエッチなプレーを見せます!」
 疲れきった表情に、精一杯の作り笑いを浮かべて、恭子が口唇奉仕を続ける。肉棒に舌の腹を押し付けるように、最
初は弱く、そして徐々に力を入れ、ペロリペロリと粘っこく何度も何度も舐め上げる。前髪が額にべっとり張りつき、顔を
動かすたび、胸の膨らみがプルンプルンと揺れた。
「いっぱい見て貰ってうれしかったです」
 鳥居仁美がそう言いながら、肉棹にたっぷりキスを注ぐと、さらに顔を沈め、玉袋を舐めはじめた。袋全体を舌ですく
いとるように持ち上げ、こねくりまわし、ついには口に含んで、しゃぶり始める。その間も、指ではペニスを巧みにしごい
ている。
 男の股間に顔を埋め、ピチャピチャといやらしい音を立てながら、毛むくじゃらの鼠蹊部から内腿へと舌を走らせてい
た千春の体が、不意に後ろから抱きしめられた。
 驚いて振り返った千春がその顔を見て、思わず息を呑む。彼女を抱いたのは辻本だった。
「森島さんやったら、きっと大丈夫や。あの人は強い人やから…」
 キスするふりをしながら、耳元でそっと囁くと、辻本は愛撫一つせずに群集の中に消えていった。
 体力と精神力に秀でたレギュラー陣は別にして、きちんと挨拶をし、口唇奉仕ができている人数はそう多くはなかっ
た。フラフラした足取りで客席に向かったものの、その場でペタンと座り込み、一方的に精液をかけられている子の方
が圧倒的に多い。何しろ、ほとんどの少女がここに来るまでに、すでに気力、体力ともに限界まできているのだ。
「ゴフッ…」
 男の両手で頭を掴まれ、イマラチオされていた香奈枝が、男が射精すると同時に激しく咳き込み、全身を痙攣させ
て、その場に倒れこんだ。午後の訓練で、最初に捕虜になった彼女は既に2時間近く、数え切れない男に繰り返し輪姦
されていた。身体に負担がかかる拘束パレードを終えて、空港に着いたときには、もはや意識も朦朧とした状態だった
のだ。
 失神し、地面に倒れた香奈枝に追い討ちをかけるように、幾筋もの白濁液が、なおも容赦なく放たれた。
「清水さん、しっかり…」
 隣にいた仁美が香奈枝を抱き起こした。合図を受けた良宏の指示で担架が運び込まれる。
「石堂先生、そろそろ、限界じゃないですか?」
 石堂に向かって、良宏が言った。
「でも、まだやれそうな子もいるじゃない」
 そう言う石堂の目は、松倉への挨拶を終え、他の部員たちと一緒に客席で男たちの性欲を処理している美奈を見て
いた。
「はい、チーズ!」
 美奈との写真撮影を望む男たちが、彼女を取り囲んでいる。普通に撮影したあと、美奈は求められるままにスカート
を捲り、仰向けになった男の腰に跨った。勃起を掴んで膣口にあてがい、ゆっくり腰を沈めていく。
「うっ、うーんっ…、あはぁ…」
 根元まで挿入し、甘い吐息を漏らす美奈の両手に、左右の男の肉棒が握らされた。
 最後の一人が美奈の身体を前に倒すと、その背後に立つ。腰を掴んでお尻を持ち上げると、自分の肉棒を美奈の菊
座に当てる。
「ううう…」
 ウィークポイントの肛門から背筋に貫いて走る性感に、美奈が呻き声を漏らす。男が腰を突き出して、美奈のアナル
にぐいぐい挿入していった。
「準備はいいか?」
「よーし、いくぞ」
 男たちが後ろと前から同時に、ピストン運動を始めた。
「あぁ、あぁ、あぁ、ああぁ…」
 二つの穴を同時に擦られ、苦しげな喘ぎ声をあげながら、美奈は男たちの動きにあわせて腰を振った。その間も、両
手に握った肉棒を絶妙な手つきで擦っていく。
 鈴木がカメラを構え、周りにいた男たちがカウントダウンする。
「…3、2、1、ゼロ!」
「ああっ…、いくぅ…」
 美奈が体をピクッと硬直させて、アナルと膣で男根を締めつけた。二人が射精するのと同時に、両手の肉棒が白濁
液を噴出させた。その瞬間を逃すことなく、鈴木がシャッターを切る。
 ぴったりと全員のタイミングを合わせた美奈のテクニックに、拍手と歓声が湧き起こる。
「はあ、はあ、はあ…」
 そんな美奈も、男たちのペニスから解放されると、両手をついた姿勢で地面に座り込み、大きく肩で息をしていた。彼
女でさえ、もはや体力の限界が近いのだ。
「一人でも慰安嬢を壊しちゃったら、館長にどう説明します?」
 ポツリと言った良宏の一言が、石堂に決断をさせた。石堂は、物足りなそうな表情を浮かべながら、美奈の所に歩い
ていく。
「有岡さん、このセレモニーを締めなさい」
 最後の気力を振り絞り、美奈は自らの身体を引きずるようにして、演台に立った。周囲からいっせいに、歓声と拍手
が上がる。
「み…なさんとの思い出は…」
 そこまで言って、美奈は思わず口元を押さえた。別れを惜しんで胸がつかえたのではない。喋ろうとすると、大量に飲
まされた精液が喉元から逆流してきそうになるのだ。
「…私たちの心と、身体に刻み込まれています…、また、会いましょう…、それまでお元気で…」

 戦闘訓練で勝利した堀江ら紅軍の隊員たちは、訓練終了後、自由時間を手に入れた。他の隊員たちは、慰安嬢たち
のパレードやセレモニーに参加しようと、喜び勇んで宿舎を後にしたが、堀江は、行くかどうか迷っていた。
 美奈は堀江にとって、アイドルだった。それは、彼女がどんな辱めを受ける姿を見ても変わらなかった。それどころ
か、今回の慰問を通じて、彼女に対する想いは募り、あの戦闘訓練を経た今では、女神を崇拝するのに近い気持ちに
なっている。
 それだけに、他の男が彼女にくわえる辱めを見ることは耐え難い苦痛だった。そして、崇拝する美奈を相手に、強制
的にセックスさせられたことも、未だ消えない心の傷になっている。
「おい、堀江!」
 ふいに声をかけられ、振り返ると、そこにはモップを手にした城島がいた。戦闘訓練で敗れた白軍の隊員たちは、トイ
レ掃除をすることになっているのだ。
「いいこと教えてやるよ。お前、どうやら急遽、来月出発のフサイン派遣部隊に組み込まれたらしいぞ」
「えっ…」
 堀江の表情に驚きの色が浮かぶ。いずれ戦地に送られる可能性があることはわかっていたものの、ろくに訓練も受
けないうちから、いきなり最前線に派遣されるというのは想定外だった。
「何しろ、戦闘訓練で優秀な成績を収めたからなぁ…」
 嫌味を言う城島の声を、しかし、堀江は聞いていなかった。
(もう二度と、帰って来れないかもしれない…)
 そう思った途端、彼の脳裏に浮かんだのは、華麗にスマッシュを決める有岡美奈の、凛々しく、美しい姿だった。
 堀江がハッとして、時計を見た。美奈たちが出発するまで、あと15分しか残っていない。
 堀江は全力で飛行場までの道を駆け抜けた。
 飛行場に着くと、慰安嬢たちを乗せたヘリを見送るために、大勢の隊員たちがヘリポートに集まっている。人ごみを掻
き分け、掻き分け、堀江は少しずつヘリに近づいていった。
 下半身フラフラになっている部員たちに肩を貸し、全員がヘリに乗り込んだのを見届けた美奈が、見送りの隊員たち
に向かって丁寧に一礼して、ヘリに乗り込む。ヘリのクルーがドアを閉めようとした瞬間、叫び声をあげながら、堀江が
群衆の中から飛び出してきた。
「待ってくれ!」
 堀江が前に進み出て、ヘリに駆け寄ってくる。その姿を認めた美奈が、一瞬驚いた表情を浮かべ、次に優しく微笑ん
だ。
 言葉をかける間も、笑顔を返す間もなく、ヘリのドアが閉まる。堀江の中に鮮やかな印象と生きる希望を残して…。



 
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