国防省附属「星園・癒しの館」
 
第3章 運命の交差点 4
 
 森脇哲行は椅子に縛りつけられて、監禁されていた。サッシの窓から三日月が見えている。時間の感覚がよくわから
ないが、横木駅で拉致されてから半日は経ったのだろうか。この部屋は事務室のように見えるが、一般的な会社のオ
フィスとは少し雰囲気が違う。どこかで見覚えのある部屋なのだが、それがどこだったか思い出せない。
 突然、ドアが開いて、防衛隊の制服を着た、背の高いやせ形の中年男が入ってきた。男はきびきびした身のこなしで
森脇の前に立つと、にこやかな笑みを浮かべて話しかけてくる。
「やあやあ森脇さん、初めまして。私は防衛隊情報部の滝川と申します。」
 陽気そうな口調でそう言う滝川だったが、体中から諜報機関で働く者の闇の暗さがにじみ出ている。その目は鋭く、け
っして笑ってはいない。
 森脇は胡散臭そうに、無言のまま相手を睨みつけたが、滝川は全く意に介さない様子で喋り続ける。
「…と言っても、私の方はあまり初めてお会いするような気がしないのですよ。森脇さんの書いた記事はいつも読ませて
いただいてましたからね。いやあ、見事な文章です、その場にいて、事件を目の当たりにしているような臨場感、それで
いて、単なる事実の描写にとどまらず、物事の本質を浮き彫りにする筆致、とても一介の新聞記者とは思えない…。」
「くだらないお喋りはいい加減にしろ。何のために俺を連れてきたんだ!」
 森脇が噛みつくように言うと、滝川は口をとざして、記者の目を真っ正面から見つめた。すこし間をおいて、滝川は不
気味なぐらい静かな声で話し始めた。
「なるほど、単刀直入がお好みか。それでは、申し上げよう。明日の朝、防衛隊のフサイン派遣部隊が横木港から出港
する。そこで、あなたにその従軍取材をお願いしたい。」
「本気か?俺が従軍取材などしたら、好き勝手なことを書くぜ。」
「もちろん、それでは困る。あなたには、フサイン共和国への防衛隊派遣は、国際貢献や人道的見地から意義深い行
動だということを書いていただきたい。」
「おい、俺に大本営発表を書けっていうのか。お断りだね。今回の派遣は、あくまでアルメリアのご機嫌とりであって、フ
サインの人々のことなど全く考えていないじゃないか。」
 持ち前の正義感のせいか、だんだん怒りが露わになっていく森脇に対して、滝川の方はあくまで冷静だ。
「フサイン軍のゲリラ戦のおかげで、防衛隊の犠牲者がここのところ増えてきており、戦意に微妙な翳りが出始めた。」
「権力者におもねった戦意高揚の記事なら、他に書きたい奴がいっぱいいるだろう!」
「もちろんマスコミ各社から記者が従軍取材する。しかし、あなたにはぜひ参加していただかなければならない。」
「お断りだ!」
「率直に申し上げるが、今回の防衛隊の派遣は、国内法の解釈からも、国際的にも、かなり無理をしての派遣だ。」
「そんなこと、国民みんなが知っているさ。」
「そう、そして、国民の多くは好都合なことに、自分に直接被害が及ばなければ、あまり関心を持たない。」
「………。」
「だが、今回は多くの国民が思っている以上にヤバイ橋を渡っての派遣だ。国内で反対運動が広がったり、国際世論
に騒がれたくない。そこで、内外で反戦平和のジャーナリストとして名高いあなたに従軍記事を書いていただくことが、
どうしても必要なのだよ。」
「断る!」
 相手が言い終わるか終わらないかのうちに、そう言い放ち、森脇はそっぽを向いてしまった。
「ふふふ、さすが反骨の士だな。しかし、いつまでそうやって突っ張っていられるかね。」
 滝川が含み笑いを浮かべながらそう言った時、数人の男が、部屋をノックして入ってきた。
「滝川少佐、そろそろおいでいただきましょう。」
 男達の先頭に立って入ってきたスーツ姿の、眼鏡をかけた冴えない顔立ちの男が、陰気な口調で森脇に言う。
「さあ、森脇さん、行こうか。」
 滝川が森脇に向かって言うと、男達が縛られたままの森脇を立ち上がらせ、引きずるようにして歩かせた。
「ところで、ここがどこか気がついているかね。」
 ドアをくぐり、廊下に出たところで、滝川がニヤリと笑ってそう質問した。どこかで見たことがある建物なのだが、まだ
思い出せない。首をひねる森脇を見て、並んで歩いていた眼鏡の男、諸藤宗光が答えた。
「横木市立星園高校。現在は、国防省付属星園癒しの館です。」
 どおりで見覚えがあるはずだ。そこは、娘の亜弓が通っている学校だったのだ。
 国防省付属とは何のことか、なぜここへ連れてこられたのか…、なんとなく不安を感じながら、あれこれ考えている間
に、森脇が連れて来られた所は体育館だった。
 そこで繰り広げられている光景を見て、彼は愕然とした。
「こ、これは!」
 体育館では十数人の男女が痴態を繰り広げていた。女の方は全員、この学校の女生徒らしい少女だったが、男の年
齢にはバラツキがあるようだ。
 目の前のマットで女生徒が開脚前転をしていた。割れ目がくっきり浮き出たブルマーの股間に思わず目がいった瞬
間、周りで見ていた四人の男が襲いかかり、女生徒を大の字にマットに押さえつけた。
「や、やめてっ!」
 女生徒はもがいたが、男達は四人がかりで押さえつけて、体操服を捲り上げ、ブルマーを脱がしてしまった。ブルマー
の下には何も穿いていなかったらしく、少女の秘部が露わになる。
 一人が女生徒の唇を奪い、もう一人は股間に顔を埋めた。残る二人は剥き出しの乳房を左右から揉みしだいてい
る。
 あちらでは、吊り輪に両手をくくりつけられた少女が、体操服の胸を捲られ、ブルマーを膝までずり下ろされて、男に
素肌を撫で回されていた。
 下半身裸で平均台を跨いでわたる女生徒の顔が苦痛に歪んでいる。平均台は三角木馬のように、上を頂点にした三
角柱になっているのだ。
「何なんだっ!これはっ!」
「おわかりにならないかな?この学校は、国防省が管理する慰安施設になったのですよ。」
 驚愕の声をあげる森脇に、諸藤が楽しそうに答えた。この場は彼に任せたらしく、滝川の方は、パイプ椅子に座らさ
れた森脇の後ろで黙って立っている。
 体育館の扉が開き、数人の学生服を着た男子生徒に取り囲まれるようにして、一人の少女が入ってきた。
「あ!亜弓っ!」
 娘の名前を呼び、森脇は絶句した。亜弓は後手に縛り上げられ、体操服を着た上半身もロープで無残に絞り上げら
れていた。歪んだ胸の膨らみが痛ましい。下半身は下着一つ身につけておらず、犬のような首輪をされ、二、三歩前で
男子が首輪についた鎖を引っ張っている。
「お、お父さん…」
 呼ばれた娘はうなだれていた顔を上げ、父の顔を見た。その顔がみるみる涙でくしゃくしゃになっていく。
 その途端、首輪を引っ張られ、亜弓が転倒する。
「いっ、いたいっ!」
 とたんに亜弓が悲痛な声をあげた。その場にうずくまって、身動きするのが辛そうに顔をしかめ、起きあがるのもノロ
ノロした動作だ。見ると、腰につけた縄に細紐がくくりつけてあり、それが股間に伸びている。
「気づいたかね。彼女の性器には紐のついた洗濯バサミがつけられている。紐は強く左右に引っ張られて腰縄にくくら
れているので、女の敏感な部分をこれ以上ないほど引っ張り、無理矢理広げているのだよ。」
 諸藤が粘っこい声で言う。
「亜弓ッ!」
 縛られたパイプ椅子などもろともせず、思わず駆け寄ろうとした森脇を、周りにいた男たちが押しとどめる。
「お父さんが会いたいそうだ。その娘をこっちに連れて来きてくれたまえ。」
 諸藤が声をかけると、乱暴に首輪を引っ張られ、亜弓は泣きながらよちよちと歩いてきた。歩く度に敏感な部分に痛
みが走り、何度も気が遠くなる。
「よし、ここに仰向けに身体を倒して。」
 諸藤が指さしたのは、跳び箱だった。4段積みの跳び箱を背にして仰向けになると、亜弓の下腹部は男達の鑑賞に
ちょうど良い位置にくる。
「そうそう、そして、オ××コがよく見えるように、もっと足を開かせよう。」
「いやっ、だめっ、恥ずかしいっ!」
 亜弓は必死になって両脚を交差させ、秘所を見えないようにしようとしたが、その努力も虚しかった。彼女の両脚は跳
び箱の側面に回され、ブリッジをするように男達に目の前に股間を突き出す格好になった。男達の目に、亜弓の秘所
が隠すところなく見える。
 無残にはみ出したラビアが、左右二つずつのプラスチック製の洗濯バサミに挟まれている。それが紐で引っ張られて
ピンク色の粘膜を剥き出しにし、その内部の秘孔さえ僅かに露出させている。穴の周りの処女膜も確認できた。
「おおっ、これはいやらしい格好じゃないか。なあ、森脇さん。」
「ああぁ…、こんなのイヤ…」
 諸藤が父と娘を嬲るように言い、父親には絶対に見られたくない姿を見られた亜弓が、泣き声を洩らした。森脇はギ
リギリと歯ぎしりする。
「さあ、派遣部隊のみなさん。」
 亜弓を連れてきた「生徒たち」に諸藤が声をかけた。学生服を着ているが、彼らはもちろん本当の高校生ではなく、今
夜の「お客」であるフサイン派遣部隊の防衛隊員たちだ。
「ここにいるのは、この娘の父親です。ここでは、父親参観で、娘が大人になっていく姿を見てもらいます。みなさんで森
脇亜弓を大人にしてやってください。」
「何を言っているっ!亜弓を放せっ!」
 諸藤の言葉に一瞬唖然とした隊員たちだったが、これも何かの演出だろうと思い、凌辱劇を楽しむことにした。
「親父さんの前で、感じさせてやるよ。」
 そう言った隊員の手に細長い卵型のローターが握られ、ジーッという淫らな振動音を立てていた。
 男はいきなり急所を責めることはしなかった。ローターを亜弓の唇に当て、その振動を感じさせると、そのままゆっくり
と首筋を滑らせていった。
「ああっ、だめっ!」
 くすぐったさと、背筋がゾクゾクするような感覚に、亜弓が叫び声をあげる。
「や、やめろっ!」
 森脇が縛られた身をよじって、大声で叫んだ。
 隊員の一人がハサミを持ち出すと、ロープで縛られた胸の布地を切り裂いていく。
「あうぅ…、お父さん…、見ないでぇ…」
 ローターが剥き出しになった乳首に触れ、亜弓が切なそうな声をあげて身悶えする。クリクリ動くローターの動きに責
められて、可憐な乳首が隆起していく。
「ようし、俺達もやろうぜ。」
 他の隊員たちも手に手にローターやバイブレーターを持って、亜弓の全身を隈なく愛撫していく。
「ああっ…、ああっ…、ああっ!」
「ところで、さっきの話、どうするかね、森脇さん。」
 それまで黙っていた滝川が、森脇の耳元に顔をよせて囁いた。静かで、そして意味深な口調だった。
 ちょうどその時、隊員の一人が、陰唇を挟んだ洗濯バサミを指で大きく押し広げて、バイブで肉襞をなぞり、亜弓に悲
鳴をあげさせた。全身の性感帯を刺激されたため、真珠色のクリトリスが包皮を押し上げるようにツンと勃起し、溢れる
愛液で肉襞が淫靡に濡れて、妖しい光を放っている。
「あん、あんっ、ああっ…」
 亜弓の声が大きくなった。隊員の手にしたバイブが秘苑の肉芽に押しつけられたからだ。
「やめろ!やめろっ!」
 森脇は、目の前で繰り広げられる娘の凌辱をやめさせようと声を限りに叫び、滝川の声など聞こえない様子だ。滝川
が肩をすくめて見せると、諸藤が隊員達に声をかける。
「オ××コもドロドロに濡れているようですし、そろそろ準備はいいでしょう。父親参観で処女喪失といきましょう。」
 「おおっ!」と声をあげ、隊員たちはジャンケンをした。幸運にもロストヴァージンを引き当てた隊員が下半身裸になっ
て、跳び箱の上に仰向けになった亜弓の前に立った。
男は開かれた脚の間に立ち、洗濯バサミがついたままの性器の、周囲に処女膜が見える穴に肉棒の先端を入れ、思
い切り突き上げた。
「あっ、あうっ!」
 亜弓は深く眉根に皺を寄せ、破瓜の苦痛に耐え忍ぶように下唇を噛みしめている。男は絡み付くような収縮を示す肉
襞を荒々しく突き上げていく。
「うっ、ううぅ…」
 亜弓のもらす泣き声とピタンピタンという淫らに肉を打つ音が響く。男は、ロープで引き絞られた乳房を揉みしだき、
腰に力を入れて、がむしゃらに肉棒をピストンさせる。
「やめろっ、やめてくれ…」
 力無くそう言った森脇は、凌辱される娘の姿を正視できず、とうとう目を閉じてうつむいた。
「ほら、森脇さん、しっかり目を開けて見ていなさい。娘さんの身悶える様子を。」
 諸藤の声がした。目を閉ざしたままの森脇の耳に、男が果てたらしいうめき声と亜弓の悲しげな啜り泣きが聞こえる。
「ようし、次はオレだっ!」
 思わず開いた目に、跳び箱の上の亜弓の身体に次の男がのしかかるのが見えた。
「従軍取材のことだが…」
 再度、滝川の囁き声がする。
「やめろ…、もういい…」
 森脇はがっくりとうなだれて、床に膝をついた。
 


 
 「国防省附属「星園・癒しの館」目次へ
 
 「Novels」へ
 
 「ぷろとこーる・ラボ」トップぺージへ 
動画 アダルト動画 ライブチャット