国防省附属「星園・癒しの館」
 
第5章 荒ぶる来訪者 2
 
 剣を片手に、世界に「自由」を伝道するアルメイア軍兵士たちは、柔順な同盟国が提供した淫靡な休日を思い思いに
楽しんでいる。
 司令官アンドリュー・グローバーは贅を尽くした食事を終えて、貴賓室でくつろいでいた。その足元には、4人の女が
全裸で四つん這いになっていた。美咲ら、元星園高校の教師たちである。彼女たちの首にはチェーン付きの鉄環をは
められ、グローバーが犬のリードのようにチェーンを握っていた。
 アルメイア海外駐留軍の司令官は通常、中将であるが、グローバーはその上の大将である。紛争やテロが集中し
「不安定な弧」と呼ばれる地域を担当エリアに持つ東半球司令部の重要性を考えての配置と言うのは嘘ではないが、
歴戦の英雄でありながら、あまりに危険なグローバーを本国に置いておきたくないという政府の意向もあった。
 テロ勢力掃討作戦の責任者であった彼は、テロリストが隠れている可能性があると言うだけで、フォルダーという名の
都市を廃墟にし、住民を皆殺しにした。もともと、この都市は特別、反アルメイア感情の強い所ではなかったが、アルメ
イア軍が学校を占拠したり、市民のデモに発砲したことで反アルメイア感情を高めてしまった場所である。しかも、その
後始末を任されたグローバーは、町に進攻した際、生き残っていた若い女を全裸にして一カ所に集め、三日三晩かけ
て集団で凌辱し、嬲り殺しにしたのである。この事実は、フォルダーからマスコミを締め出したり、国際機関の立ち入り
を拒否するなどして、軍上層部がやっきになってもみ消した。しかし、こうした噂はどこからか漏れるものである。しか
も、グローバーは、その前にある捕虜収容所の所長を務めていたが、そこでも捕虜虐待の噂が耐えなかったのであ
る。そうした噂の断片から、彼はいつしか、「クレイジー・アンディ」と呼ばれるようになった。
「それでは、閣下、撮影いたします。」
 カメラマンの言葉が通訳されると、グローバーが女の背中を土足で踏みつけ、ポーズを決めた。女が苦痛に顔を歪め
た時、ピカッとストロボが光った。捕虜の処遇を任された時にはこうして記念撮影をするのが、収容所長の頃からの彼
の習慣になっている。
 撮影が済むと、グローバーはカバンの中から、鞭を取り出し、テーブルの上に並べていく。バラ鞭、乗馬鞭、一本鞭
…、様々な形とサイズの鞭が次々と取り出される。
"これにするか"
 そう言って、彼が手に取ったのは少し短めの一本鞭だった。一本鞭は衝撃が大きい。
「ひぐうっ!」
 鞭が風を切って、美咲の背中に命中し、肉を裂いてしまいそうな音が響く。それは、悲鳴をあげることすらできない激
烈な衝撃だった。美咲は打たれた瞬間、呼吸が止まるかと思った。
 殺人淫楽の傾向のある本物のサディスト…、その情報は館にも伝わっており、大事な女生徒には相手をさせないとい
うのが諸藤の作戦だった。それについては、最初に須崎の了解も取っている。
 右にいる女教師がうめき声をあげ、再び美咲の尻を衝撃が襲った。魔王は、気の向くままに4人の体を鞭打っている
のだ。
 瑞紀は目尻に涙をにじませながら、それでも絶望することはなかった。岩田らと一緒に準備してきた計画が成功すれ
ば、これが、癒しの館で行われる最後の凌辱になるのだ。

 それは3日前のことである。岩田は密かに主だった同志を集めた。
「今日、国防省を告発するのに必要な資料が全て揃いました。」
 大切そうに取り出したクリーム色のファイルを見せながら言う岩田の言葉に、集まった数人の口から、感慨深げな声
がもれた。中には目頭を押さえる者もいる。星園高校が慰安施設にされて以来、軟禁状態のもとでの厳しい強制労働
に耐えながら、集めてきた資料なのだ。
「特に、篠原先生が加わってくださったことは、大きかったです。私たちでは、直接見聞きすることができない、生徒達に
加えられているおぞましい暴力の実態を明らかにすることができたのですから。」
 岩田がそう労うと、他の同志も口々に感謝の言葉を述べ、美咲は思わず涙ぐんだ。
「後はこれを校長先生にお届けすれば、校長先生が野党各党とマスコミ各社に渡してくださることになっています。」
「そうだ、私の大学時代の先輩がJBCのプロデューサーをやっています。なんとか連絡をとって…」
 同志の一人がそう言うと、別の一人が口を挟んだ。
「だめですよ、JBCなんて、未だに国営放送気分で、与党の政治家にお伺いを立てて番組を作ってるんですから。」
「それを言えば、野党にしたところで、政友会なんて、言ってることが、与党とほとんど変わらない。」
 そこに岩田が割って入った。
「だからこそ、すべての野党、すべてのマスコミに届けることが大切なのです。その中にはきっと、私たちの決死のメッ
セージを受け止めてくれるところがあるでしょう。」
 同志が口を噤んで、リーダーの言うことに耳を傾ける。
「政治や言論は多様さが保障されなければなりません。私たちの社会がそうした多様さを大切にしていれば、この国は
ここまで悪くならなかった…。」
 岩田は半ば独り言のように言って、同志の顔を見渡した。
「それはさておき、問題は、誰が校長先生に資料を届けるかです。」
 途端に、一同の顔が曇る。彼ら「元教師」は自由に館から出ることは許されないのだ。
「私が行きましょう。」
 そう名乗り出たのは前川だった。意外だという表情で、全員が一斉に彼を見た。
「3日後にアルメイア軍を受け入れることになっていますが、その時に必要な食材について、かなり細かい注文がつけら
れていて、業者任せにできないところがあるのです。」
 彼は厨房で働いている。下働きには違いないが、他の元教師がきつい、汚い仕事をさせられているところから考える
と、破格の待遇である。
「私は、明日から食材調達のために出掛けるメンバーに入っていますので、機会を見て校長先生に資料を渡すことは、
十分可能ですよ。」
 その言葉が終わるか終わらないかのうちに、他の同志達から反対意見が出された。はっきり言って、前川に対する
信頼は薄いのだ。
「以前から、あなたの教育姿勢には疑問をもっていたんだ。それに、今も、なぜあなただけが厨房で働いているんだ、
国防省と通じているからではないのか!」
「し…、し、失礼だろう!私も自らの危険を顧みずここに参加しているんだ!」
 廃棄物と汚物の処理をさせられている同志が、激昂して言うと、前川も顔色を変えて言い返す。とうとう岩田が割って
入った。
「おやめなさい、二人とも。仲間割れしている時ではないでしょう。…みなさんのご意見は承知していますが、近いうちに
一時的にでもここを出ることのできるのは前川先生しかおられないのです。それに、前川先生は、我が身の危険を顧
みず、那須君を救い出して私たちの所に連れて来てくれた方です。今回の任務もお願いしようではありませんか。」
 リーダーの岩田にそこまで言われると、さすがに反対する者はいなかった。しかし、他のメンバー同様、美咲も心の奥
に不安が澱になって溜まっていくのを感じずにはいられなかった。

 アルメイア軍を受け入れるにあたって、食堂は、上級士官のためのバーになっていた。そこには、将校の相手をする
グループに選ばれた慰安嬢たちが配置されていた。
 食堂の中央では、琴美たちチアリーディーング部員がユニフォームのまま参加し、それを将校たちが取り巻いてい
る。
 琴美はユニフォームの裾を捲り上げられ、豊かで美しい乳房を露わにしていた。屈強な男の手で両手を後ろで押さえ
つけられた状態で、立たされている。
 正面にいる男が、アンダーバストから包み込むようにして双乳を揉みこんでゆく。絹のような滑らかな肌がしっとりと手
のひらに吸いつき、柔肉の塊にズブズブと指先がめりこんでゆく。それでいてゴムボールのような張りがあり、心地よい
弾力に指が押し返される。男は夢中になって乳房を揉みしだいた。
「あ…、あぁ…、あぁん…」
 琴美が恥ずかしげな喘ぎ声を洩した。いつの間にか乳暈が微かに隆起して、乳首が尖ってくる。
"おおっ、乳首が、硬くなってきているぞ!"
"乳を揉まれて、感じてきてやがる!"
 敏感な女体の変化に気づいて、周りで見ている男たちが声をあげてはしゃぐ。琴美は強く唇を噛んだ。卑猥なことを
言われているようなのだが、何を言われているかはっきりわからない分だけ、屈辱感は増すように感じられる。
 男は赤ん坊のように乳首にしゃぶりついた。
「ふぅん…、はあぁ…」
 強く乳首を吸うたび、琴美の唇の隙間から甘い吐息が漏れてくる。乳輪をなめ回し、乳頭に軽く歯を当てれば、少女
はピクンと身を震わせ、切なげな喘ぎ声を響かせる。
 後ろに立つ男の手がスコートに潜り込んで左右の腰骨を撫で、そのまま下腹部に伸びていった。
 サッとスコートが捲られた。柔らかな繊毛が扇状に生え揃った下半身を覗き込もうと、数人の男が琴美の前にしゃが
み込んだ。
 チアリーダー以外の娘たちは、食堂のあちこちに散らばって、男に声を掛けられるのを待っている。茉莉は薄いキャ
ミソールにスキャンティという姿で壁際のカウンターバーの隅に立っていた。
「HEY、カノジョ、オ××コ、シタイ?」
 将校の中では比較的若い三人組が声をかけてきた。三人とも、欲望でギラギラした視線を茉莉の身体に這わせてい
る。薄い布地越しに見える肌は、裸でいる以上になまめかしく、男たちの欲情をかきたてるのだ。
 茉莉がうつむいたまま、石のように黙っていると、男達は馬鹿にしたようにゲラゲラ笑いながら彼女の周りを取り囲ん
だ。追い詰められた茉莉が目をギュッと瞑り、両手を胸の前に抱くようにして体を縮める。心臓が激しく脈をうち、今にも
口から飛び出しそうだ。
 ふいに、周りの男たちとは違う、聞き取り易いきれいな発音の英語が聞こえ、茉莉は目を開いた。
"君たち、そのお嬢さん、私に譲ってくれないか?"
 茉莉の肩を掴もうとしていた男がムッとした顔で振り返ったが、相手の顔を見ると、いきなり表情を改めて敬礼した。
他の男たちも居住まいを正して敬礼し、すごすごとその場を後にした。かわって、ブロンドの背の高いハンサムな青年
が茉莉の前に立つ。
「ボクハ、ジェフリー・エドワーズ。ジェフ、トヨンデクダサイ…。」
 片言の日本語でそう言うと、その若い将校は茉莉の手を取り、まるでお姫様にするようにキスをした。茉莉の心の中
で何かがとけ出し、ふいに涙がポロポロこぼれ出した。
「ナカナイデ…、ネ、ナカナイデ…」
 泣きじゃくる茉莉を見てうろたえるジェフの様子に、今度はおかしくなって、泣き笑いの表情を浮かべる茉莉。すると、
ジェフもニッコリ笑う。その顔は少年のようだった。人種も、年齢も違うのだが、その笑顔はどこか那須信彦を思い出さ
せた。
(どうせ誰かの相手をしなきゃいけないのなら、この人と…)
 茉莉はふとそう思った。

 一般兵士の相手をする女生徒たちは、体育館横の更衣室に集められていた。選ばれたのは、教師に対して反抗的
だったり、利用者との間でトラブルを起こしたことのある娘たちである。と言っても、慰安嬢の半数を選び出すという方
針が先にあったので、容姿に際立ったところのない者が些細な理由からこちらに回されることが多かった。
 その中に、由香の姿があった。ルックスから言うと、茉莉や琴美と一緒に上級士官担当に選ばれても不思議はない
彼女だったが、風俗業界からやってきた教師を反抗的な目で睨んだのが見つかってしまったのだ。そんな不潔な仕事
など想像したこともない女生徒たちにとって、元ソープ嬢やストリップの舞台監督を教師とすることには、多かれ少なか
れ抵抗があるものだが、もともと乙女らしい潔癖さが人一倍強い由香には、彼らは見るだけで汚らわしく、厭わしい存
在だったのだ。
「さあ、10人ずつ3つの組に分れるんだ!」
 体育館の担当になっている3年生担任の安達が、そう言いながら、女生徒達をグループ分けしていく。
「じゃあ、最初のグループ、体育館に移動!」
 号令に従って最初のグループが体育館に向かう。由香もその中に入っていた。
 体育館の奥にはパーテーションで区切ったブースのような物が10個作られ、すぐ横に机が4つずつ、くっつけて並べ
られていた。その手前に、数百人に兵士たちがガヤガヤ騒々しい音を立てながら待っている。
 館の制服を身に纏った少女たちが10人登場し、アルメイア兵の前に横一列で並んだ。ちょうど真ん中、5人目が由
香である。
 少女たちは、一斉に机に上って正座し、三つ指ついて日本語で挨拶をした。
「これから皆様に可愛がっていただきます。よろしくお願いします。」
 少女たちは机に立って、着ている物を脱ぎ始めた。兵士たちは、それぞれお気に入りの娘の机を取り囲んだ。
 由香はセーラーカラーの上着をするりと脱ぎ捨てる。続いて、ブラウスのボタンに手をかけ、一つずつ外していく。すぐ
に、双乳を包み込んでいる白いブラジャーが覗く。そのまま、由香はボタンを全部外しきり、ブラウスを脱ぐと、続いてス
カートの中身が覗けるか覗けないくらいにかがみながら、白いハイソックスを脱いでいく。
 兵士たちは、ここで少女たちが裸になるのを鑑賞しながら自分が抱きたい相手を選ぶ。一方、一番人気を獲得した
女生徒は、自分を選んだ男たちの相手を終えれば、交替要員と交替できる。この、いつ果てるともないセックス地獄か
ら解放されるのだ。登場した時の第一印象では、容姿で群を抜く由香を選んだ男が最も多かった。
 由香はため息を一つつき、ためらうような視線を足元に落とす。可憐で、抱き締めたくなる仕草だったが、欲望にたぎ
る異国の荒くれたちに、その魅力がわかったかどうかは、はなはだ疑問である。
 そんなしぐさも一瞬で、由香はスカートのホックに手をかける。ストン、と勢い良くスカートが床に落ち、ブラジャーと対
になっている館指定の白いショーツが、ふっくらと盛り上がった恥丘を包み込んでいた。
 下着だけになった由香は、その場でゆっくりと一回転りして、机の周りに群がり、食い入るように見つめているアルメ
イア兵に下着姿を晒す。
 少女たちがそうして脱いでいく間にも、兵士たちの移動があった。下着姿になったことで、好みのプロポーションの相
手を見つけやすくなったためだろう。肉感的な美女が喜ばれる国であるせいか、どちらかと言えばスリムな由香の周り
に集まる男が心なしか減ったようだ。
 由香は背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。ふわっと、締め付けがなくなったブラジャーが机の上に落ちる。
そこにいた男がブラジャーを掴み取り、ひとしきり匂いを嗅いで、隣の男に渡した。その辺りにいる男たちが順番に匂い
を嗅いでいく。中には、舌を出し、カップの中を舐める者もいた。
 ショーツに手をかけ、由香はゆっくり引き降ろす。やや濃いとも言える繊毛が顔を出し、由香の秘部が露わになる。一
気にやってしまわないと、とてもできることではないと思った彼女は、すぐに足首から丸まったショーツを引き抜き、一糸
纏わぬ姿をアルメイア兵の前に晒した。そして、下着姿の時と同様、くるりと一回転をして、健康美をたたえる肢体をあ
ますことなく男たちに見せるのだ。
 由香の周りにまた人があつまり始めた。特にアジア系やヒスパニックといったマイノリティの支持が集まっているよう
だ。その時、男たちの視線が一斉に横に流れた。
 由香の横、6人目の女生徒が、机に座ってM字に脚を開き、性器を指で開いて男たちに見せているのだ。浜本明日
菜というその3年生は、変わってしまった「学校」にいち早く順応することで、他の女生徒より少しでも有利な立場を確保
しようと割り切り、これまでもお客相手にあえて過激なサービスを自ら進んでしていた。そういう姿勢は、実は諸藤館長
の趣味に合わず、それが、彼女が今日、「体育館組」に選ばれた理由なのだが、明けっ広げで派手好きなアルメイア人
には、むしろ、おおいに受けたようだった。
 自分の前にいた男たちが、ゾロゾロと隣に移動するのを見た時、由香の胸にフツフツと湧き上がるものがあった。
(明日菜なんかに負けられない…)
 もし隣にいるのが他の娘だったら、そんなふうには感じなかっただろう。もともと、明日菜とは馬が合わないところがあ
ったのだが、星園が癒しの館になってからでも、生徒会長の亜弓を中心に、できるだけみんなが辛い目に遭わないよう
庇いあっている中で、明日菜は自分さえよければ、というところが端々に見られた。1000人と言われるアルメイア兵を
相手に身体を投げ出すのは、恐怖以外の何物でもなかったが、それ以上に、そこからいち早く解放されるのが明日菜
だと言うのは、由香にはどうしても納得できなかった。
 由香はありったけの勇気を絞り出して机の上に座り、手を後ろに回して膝を立てた。
"おっ!この子も、オ××コをみせてくれるらしいぜっ!"
 一番前に陣取っていた黒人兵が周りの男たちを見回してそう言い、男たちが一斉に机に近づいてきた。
 由香は徐々に脚を開いていった。死にたいほどの恥辱に体中がほんのり赤くなり、脚も震えている。
"おいっ!早くしろ!"
"気を持たせるんじゃないぜ!"
 目を血走らせて、大声をあげる異国の兵士たちの様子は、由香に、明日菜と張り合おうとしたことを心から後悔させ
た。それと同時に、もう後戻りできない状況を彼女に悟らせた。
 由香は眼を固くつぶって、さらに脚を開いていった。両足が120度位の角度になり、自分の秘部を見て下さい、と言
わんばかりの格好になった。下腹部の中心の黒い三角地帯が丸見えになり、繊毛の間から紅いものが見える。
"おい、よく見えないぞ、隣の娘みたいに、指でアソコを開けよ!"
 黒人兵がスラングでまくし立てる。言葉は分からなくても、股間に手を当てて指を開くジェスチャーで、何を要求されて
いるのかは明らかだった。
 由香は、男たちが息を飲んで見守る中、右手を前に回し、秘部の割れ目に手をかけた。そして、少しずつ開いていく。
外気の侵入する感覚が、嫌でも自分の取っている格好の破廉恥さを思い知らせる。
"やったぜ、丸見えだぁ!"
"わぁ、すっげー、大胆だぜぇ!"
 男たちがはしゃいだ声をあげ、股間を覗き込んでくる。 
 由香はついに衆人環視の中でM字開脚をし、自らの秘部を開くという、究極の羞恥のポーズをとった。それは、彼女
が嫌い、反発した「教師」最上俊成に怪しげな「授業」で習った格好だった。

「そういう趣向で時間を稼ぐとしても、いずれ、1000人の男の性欲を満たさなければならないわけでしょう?」
「カネを使って風俗嬢をかき集めてくることは、できなかったんですか?」
 憤慨した様子の教師たちに、険しい顔をした南原事務局長が答える。
「そんなことをしたら、施設管理部に突っ込まれるだろう。彼らの狙いは、この館を我々の手から取り上げて、管理部の
直属にすることにあるんだ。自前の態勢でアルメイア軍を満足させられなかったとなれば、絶好の口実を与えることに
なるだけだ。」
「でも、こっそりやれば…」
「ダメだな。外部の風俗嬢を大量に雇うにはまとまったカネが要る。うちの予算が動けば、管理部に筒抜けになる。」
「畜生、他の部署は裏金作りを組織的にやっているくせに!」
 南原と教師たちの会話を聞きながら、諸藤は黙ったまま、じっと時計を見つめていた。

 明日菜が自らの陰部に指を這わせ、兵士たちの見ている前でオナニーを始めた。擦り上げる指がしだいに激しさを
増すと、割れ目が段々と口を開いてゆき、いつの間にか中指が蜜壺の中に入っている。
「あ、ああ、ああん」
 悩ましい喘ぎ声を漏らす明日菜を、集まった兵士たちが食い入るように見ている。その数は他の娘の周りにいる男た
ちよりも明らかに多い。
 由香は、明日菜を呆然と眺めていたが、決意を秘めた表情を浮かべると、膝を立てて座り直し、右手を脚の間に滑り
込ませていった。
"おい、見てみてみろよ。こっちの娘もマスをかき出したぜ。"
"清純そうな顔をして、見かけによらないな。"
"でも、その方がそそられるぜ。"
 男たちは、競うようにオナニーを繰り広げる由香と明日菜を見比べて、好みの方に集まっていく。
「あっ、いい…、いいわぁ…」
 明日菜は派手に身悶えして、男の興奮を煽ろうとする。膣奥からにじみ出た愛液を二本の指に絡ませ、狂ったように
指を動かすと、蜜壷がクチャッ、クチャと淫らな音をててる。
「うっ…、うくっ…」
 対する由香は敏感な芽に指を這わせ、くりくりと回転させるようにゆっくりと擦っていった。自分の性感帯を把握し、ど
んな状況でも自らの体に火をつける術は、エリカに教え込まれたものだ。声を殺して、恥じらいを捨て切れない様子が、
淫らな行為をしていてなお、可憐さを感じさせる。
「もうだめ…、イク…、いくぅ…」
 明日菜は快楽の頂点に上り詰めようとしているように見えた。しかし、彼女のことをよく知っている者なら、それがきわ
めてよくできた演技だとわかっただろう。
 由香の方は、本当に限界に達しようとしていた。
「あッ、あっ…、あぁ!」
 由香は大きくのけぞり、肩で大きく息をしていた。机にはおしっこを漏らしたみたいな水たまりが広がっていた。
「プレゼンテーション終了!」
 安達の声が体育館に響いた。由香の周りには多くの兵士たちが集まっていた。しかし、わずかの差で一番人気を獲
得したのは、明日菜だった。
 


 
 「国防省附属「星園・癒しの館」目次へ
 
 「Novels」へ
 
 「ぷろとこーる・ラボ」トップぺージへ 
動画 アダルト動画 ライブチャット