国防省附属「星園・癒しの館」
 
第6章 魔王の饗宴 1
 
 身なりを整えた茉莉と亜弓が貴賓室の前に着くと、そこにはすでに由香と琴美が来ていた。校舎をそのまま利用した
建物には不釣り合いなほど重厚なドアを、亜弓がノックする。
「入りなさい。」
 中から安達の返事があった。4人が部屋に入ると、葉巻をくわえ、軍服を着た恰幅の良い男が、正面のソファに深々
と腰をかけていた。その脇に、3年生の担任で英語教師でもある安達が、まるで召使のように控えている。その横に
は、全裸で犬の首輪をつけた女が四つん這いになっていた。よく見ると、それは星園高校の若い教師だった。
 部屋の右端には、天井から全裸の女がYの字に逆さ吊りにされていた。両腕を背後にぎりぎりと縛りあげられ、両脚
は大きく左右に割り広げられている。
「篠原先生っ!」
 由香が思わず声をかける。美人教師として、男子に人気のあった篠原美咲だ。すらりとした長い脚、官能的な張りを
見せる太腿、キュッと引き締まった双臀、そして、豊かな乳房が常とは逆の方向に引力に引かれ、苦しげな呼吸に合わ
せて揺れていた。
「ううぅ…、くっ…」
 逆さ吊りにされて頭に血が上っているせいか、女の秘所を露わにされている恥辱からか、満面を紅潮させた美咲が、
名前を呼ばれて裸身をよじった。
「ううっ…」
 軍人の足元で苦しげな呻き声が聞こえる。全裸の女が仰向けになり、その乳房と下腹部に男の足が置かれているの
だ。少女たちはハッと息を飲み、顔を見合わせた。軍靴に白い肌を踏みつけられているのは、美術の授業を受け持っ
ていた女教師だ。
 尋常ではない光景を目にして呆然とする女生徒たちに向かって、安達が声をかけた。
「こちらは、アルメイア軍司令官のグローバー大将閣下だ。お前たちをご指名なのでな。失礼がないよう、おもてなしす
るんだ。」
 するとその途端、堂々とした体躯をソファに預けたグローバーが、安達を追い払うように手を振った。
"はっ?!"
 自分が追い出されるとは夢にも思っていなかった安逹が、目を白黒させてグローバーを見る。
"出て行け。"
 グローバーが静かにそう言うと、安達は最敬礼をして、部屋を飛び出して行った。サディストで女生徒から恐れられて
いる安達だったが、魔王のごときクレイジー・アンディが相手では役者が違い過ぎる。
「ああーっ!」
 犬のように四つん這いになっていた女教師が悲鳴をあげた。グローバーが首輪を掴んで引き寄せ、その尻で葉巻を
もみ消したのだ。女生徒たちの間に凍りつくような緊張が走る中、魔王は静かな口調のまま、亜弓に話しかけた。
"お前は英語が話せるそうだから、通訳をさせることにした。"
"はい、閣下…"
"本当は、他の娘たちと同様のサービスをしてもらいたいと思ったのだが、何故かここの連中が、お前だけは勘弁してく
れと言うのでな。"
"………。"
 亜弓は無言のままだった。もちろん、好きでもない男と性的な関係を結ぶなど、考えただけで吐き気がするほど嫌
だ。しかし、学友たち全員がそういう境遇にある中で、自分だけが免除されているというのも、また辛い立場であった。
あわせて、自分がそうして「人質」になっているせいで、父が主義主張に反する仕事をさせられているという思いもあ
る。責任感が強く、真面目な性格だけに、亜弓は考え出すといたたまれなくなるのだった。
 そんな亜弓の思いとは関係なく、グローバーは彼女に命じた。
"その娘たちに、着ている物を全て脱ぐように言うのだ。"

「万が一、魏国や蜀国などと戦端を開くこととなれば、派兵の規模はこれまでにないものとなります。」
 自政党幹事長室を訪問してそう切り出した伊東に、須崎はたしなめるように言った。
「おいおい、魏国はいろいろと難しい国だけに対話が重要だし、蜀国や呉国とは友好関係を築いていかなければならん
だろう。」
「まことに、そのとおりでございます。」
 そう言いながら、須崎の言葉がどこまで本気か伊東は疑っていた。
 魏国、呉国、蜀国といった近隣の国に対する須崎の外交姿勢は、高圧的と言えるほど強気だ。これらの国が度々抗
議してきているにもかかわらず、須崎自身の大伯父も祀られている邦清大社に参拝に行くよう歴代の総理に求めてき
たのも、彼である。公式の場では「友好」を口にするが、その行動は常に近隣諸国を見下し、好戦的ですらある。もし須
崎が首相になり、仮にアルメイアがこれらの国との戦争を決断すれば、魏国はもとより、友好条約を結んでいる蜀国で
あっても、何のためらいもなく集団的安全保障にもとづいて攻め込むに違いないと、伊東は踏んでいる。
「しかし、軍事や外交というものは、万が一のことも想定しておかなければなりません。仮にそうなれば、それを支える
後方支援態勢も抜本的な強化が必要となりますから、今のうちから整備しておくことが必要です。」
「まあ、それはそうだろうな。」
「その一つとして、兵士に対する慰安事業も、それ相応のものが求められます。国防省の事務方が先生方のご意見を
お聞きして戦略的に、政策を以てこれに臨むべきです。星園の施設は、その中核に据わるべき施設です。現在のよう
に、制服組の一部の者に、自らの性的嗜好にこだわった運営を許す時期は終わったものと思量する次第です。」
「うむ…」
 しかし、伊東がふるう熱弁に、須崎はいっこうに関心を示す様子はなかった。彼の頭の中は、つまらない官僚の陳情
よりも、星園での胸躍る一夜の思い出が占めていた。
(あの娘、確か、茉莉と言ったな…)
 可憐な美少女を思いのままにした体験が甘美な記憶となって、須崎の脳裏に浮かび上がる。

「さて、魔王の狂宴は、どうなっているだろうな…」
 そう言いながら、滝川はディスプレイのスイッチを入れた。信彦は食い入るように画面を眺めた。
 滝川は信彦を連れて、視聴覚教室に入り込んだのだ。今晩、この部屋は故障した機器の整備をするとの名目で、誰
も立ち入ることができなくなっている。だが、実際にはそんな整備は行われない。自由に部屋を使えるよう、滝川が情報
操作をした結果なのである。
 信彦は、前川から渡されたファイルのことを、まだ滝川に話していない。それを情報部に渡すということは、彼が尊敬
する岩田耕一や、憧れの眼差しを向けていた篠原美咲の決死の努力を無駄にすることになる。それどころか、岩田た
ちを死に追いやることになるかもしれないのだ。逆に、もしうまく使えば、このファイルは自分や茉莉、そして星園高校
のみんなを解放する命綱になるかもしれない。多くの人たちの運命を握るファイルを自分が持っていることに、信彦は
全身が震えるような思いを感じていた。
「おや、今始まったばかりのようだ。」
 滝川が指さすディスプレイを見た信彦は、ハッと息を飲んだ。生まれたままの姿になった由香と琴美の隣で、恥ずかし
そうにパンティを脱ぐ茉莉の姿が、ディスプレイに鮮明に映し出されていた。

 癒しの館の貴賓室では、グローバーがテーブルに置いた乗馬用の鞭を手に取った。しなり具合を確かめ、軽く鞭を床
に打ちつける。部屋中に乾いた音が響き渡り、全裸になった少女たちが思わず身をすくめた。
"よし、お前には、歓迎式典で見せたチアリーディングを見せてもらおう。"
「琴美、ここでチアリーディングの演技をして…」
「えっ、でも、この格好で…」
 琴美が恥ずかしさに躊躇し、哀願するような視線を亜弓に向けた。全裸で演技をするということは、体の隅々まで晒し
ながら踊るということだ。亜弓は思わず視線を逸らす。グローバーが次々に出す恥辱の命令を、亜弓が通訳して、他の
3人に伝えなければならない。単に通訳しているだけなのだが、亜弓が命令をしているかのような雰囲気になり、亜弓と
琴美の間に微妙な空気が流れてしまう。
"早くやれ!"
 グローバーはそう叫んで、手にした鞭で足下の美術教師を打った、とばっちりを食った格好の女教師の悲鳴があが
り、白い太腿に赤い鞭の痕が残る。
「…琴美、早くして…」
 亜弓が視線を逸らしたまま、辛そうな表情を浮かべて言った。琴美は、硬い表情のままうなずいた。
「ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー、フォー…」
 自ら号令をかけて、琴美がチアリーディングの演技を始めた。開いたり閉じたりする太腿、それにあわせてチラリと見
え隠れする小陰唇。リズムに動きに合わせて、みずみずしく豊かな胸の膨らみがプルンプルンと揺れる。琴美はあまり
の屈辱に、目に涙を浮かべていた。
 見つめていたグローバーの股間がムクムクと大きくなり、何事かを亜弓に命じる。
「由香、閣下の…、…しゃぶって、ご奉仕して…。」
 亜弓がグローバーの命令を通訳して、由香に伝える。
「………。」
 由香は黙ったまま、グローバーの前にひざまづいた。そして、彼のズボンのチャックを下げて驚いた。「馬なみ」と表現
することがあるが、白人には日本人には信じられないぐらいに大きなペニスを持つ者がいる。いわゆるモンスター・コッ
クというやつだが、グローバーは、まさにそれだった。
 由香はおそるおそる両手をペニスへと伸ばし、捧げ持つように包み込んだ。握ると指がまわらないほどの極太サイズ
だ。
"そのまま舌先で舐めろ。"
 由香は唇を寄せると、伸ばした舌先をレロレロと動かしてペニスの先端を舐めた。
「そうよ。空いている手でしごいて、袋のところを揉むようにして…」
 言われるままに、由香は右手でペニスを上下にしごきながら、左手で袋を揉むようにして愛撫する。
「口にくわえて、しゃぶって…」
 通訳する亜弓も耳まで真っ赤になっている。由香は大きく口を開いてペニスを含むと、頬をへこませて頭を動かし、吸
い上げながら肉の棍棒をしゃぶる。すると、グローバーが由香の頭を掴み、グイッと腰を突き出した。
「ん…、んぐ…、ん…」
 由香はえづきそうになって、呻き声を上げた。巨大なグローバーのペニスが喉奥深くにまで達して、窒息しそうだ。両
目から涙がポロポロこぼれ出た。
 ソファに寝そべるようにして由香の奉仕を受けながら、グローバは茉利を手招きで呼び、ソファの前に立たせた。
「足を開いて…」
 グローバーの命令を亜弓が訳して茉莉に伝える。茉莉はおずおずと肩幅に足を開く。グローバーのちょうど目の前
に、きれいな小判型の繊毛が生えた茉莉の下腹部がくる。
「…開いて、見せて…」
「…はい…」
 既に開いている両脚を更に開こうとする茉莉に、亜弓が辛そうに言った。
「違うわ…。あ、アソコを…、指で開いて見せるの。」
「えっ…、恥ずかしい…」
 言いながらも茉莉は右手を股間へと伸ばし、躊躇いながら人差し指と中指でVサインを作るようにして自ら開き、ピン
ク色した秘所をグローバーの眼前に差し出した。グローバーは、太いごつごつした指を露わになった陰門にズブッと無
造作に突き刺す。
「あっ、ああっ…」
 グローバーが、指を抜き差しし、徐々に手を動かす速度をあげていく。茉莉は思わず声をあげる。前後左右に揺り動
く指が膣内で暴れ回っていた。乱暴な動きから柔らかな秘肉を守ろうとするかのように愛液が溢れてヌルヌルになり、
指の出入りに合わせて、グジュジュと音をたて始める。
"これは、どうだ?"
 そう言うと、グローバーは親指以外の四本をいきなり内部に突き入れた。
「い、痛いっ!」
 股間が裂けてしまうような痛みに茉莉が悲鳴をあげるのも構わず、魔王はそのまま四本指がすべて埋まるほど力を
入れる。
「ひ…、いたい…、いたい…、痛いっ…」
 茉莉の悲鳴が泣き声になるのを聞き、笑い声をあげて指を引き抜くと、グローバーは茉莉をソファに腰掛けさせた。
そして、ポケットからアーミーナイフを取り出して鞘を抜き放ち、美しい隆起を見せる茉利の乳房をスーッと切った。
「つっ…!」
 茉莉の体がビクッと痙攣する。切られたのは皮一重だけだが、じわりと傷口に血が滲み、疼くような痛みが湧き起る。
白い肌の上で赤い血が滴となるのを見計らって、グローバーはそれを舌で嘗めとった。そして、手にしたブランデーをう
まそうに飲む。ゆっくりと間を置きながら、今度は腹を傷つける。痛みよりも、素肌に刃物を当てられるショックと恐怖
に、茉利は失神しそうになった。
「Yeah!」
 その間もずっとチアの演技をしていた琴美の脚が高く上がる。股間の繁みからピンク色の舌がチラッとのぞき、割れ
目がねじれて、包皮のかぶさったクリトリスが見えた。
 ピシーッ!
 鋭い音が響き、肉塊で口を塞がれた由香のくぐもった悲鳴が漏れた。グローバーが何の前触れもなく、手にもった鞭
を彼女の白い尻に打ちつけたのだ。
 グローバーはゲラゲラ笑いながら、亜弓に向かって声をかけた。
"通訳だけではつまらんだろう。お前には、酒を飲ませてもらおう。口移しでな。"
 亜弓はグローバーから渡されたブランデーを口に含むと、グローバーの唇に淡いピンクの唇を重ねた。グローバーは
唇をぐいぐい押しつけ、舌を入れて口中をかきまわす。2人の唇の間から琥珀色の液体がこぼれ出て、鼻先に高級ブ
ランデーの香りが立ち上ってきた。

 妄想にふける須崎の様子を見て、内心で舌打ちしながら、伊東はとっておきのカードを切ることにした。
「実は、先生。今夜、星園はアルメイア兵の慰安を受け入れております。この件について、私どもは危惧をもっておりま
して。」
「うむ?」
 須崎の表情が動いた。周辺国に対するのとは対照的に、アルメイアには、植民地もかくやと思わせる従属姿勢を示
す須崎を動かすためのカードだ。
 ところで、彼が崇拝する邦清大社は、過去に日本がアルメイアと戦争したことについて、「アルメイアの謀略によって、
やむを得ず戦争に追い込まれた」とする立場に立っている。この点について、彼の頭の中でどう整理されているのか、
伊東にはもう一つ理解できないでいた。
 それはともかく、かつて海外のメディアに「アルメイアの忠犬」と揶揄されたほどの須崎に、このカードは予想どおり覿
面の効果をもたらしたようである。
「施設の管理を委ねられた者が、自らの趣味、嗜好にこだわったばかりに、これまで多額の予算を使っているにもかか
わらず、施設の整備が整わず、わが同盟国の兵士たちの十分な慰安ができないのではないか、との分析をいたしてお
ります。」
「それは、アルメイア軍からクレームが出されるということかね?」
 それまで、さして興味がなさそうであった須崎が、にわかに関心を示し始めた。してやったり、とばかりに、伊東は心の
中でほくそ笑む。
「このようなことでアルメイア軍の不興を買うことになれば、それこそ、国益を損ねることとなりましょう。」
「それは、もちろん、そのとおりだ。」
「もし、そうした不手際が明らかとなりました際には、現在の管理者たちを解任し、以後、星園の管理、運営は私ども、
施設管理局の方でさせていただければと思うのですが、よろしいでしょうか?」
「わかった。君の陳情については、今回のアルメイア軍慰安の首尾を見て、判断させてもらおう。」
 その言葉を潮に、伊東は丁重に頭を下げて、須崎の前を辞した。
 


 
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