国防省附属「星園・癒しの館」
 
第7章 遥かなる思い 2
 
「…ところが、このところ、防衛隊入隊者は減少傾向にあり、同盟国の出動要請に応えきれていないのが実情です。そ
こで、わが国が『普通の国』を目指すうえにおいても、徴兵制度は必要不可欠であります。また、兵役によって、規律あ
る集団生活を営む訓練をすることで、『愛国心』を涵養し、青少年の犯罪にも大きな歯止めがかかるものと思料いたし
ます。」
 須崎の賛成討論に、衆議院特別委員会の議場は割れんばかりの拍手に包まれた。なにしろ3分の2を与党が占めて
いる議会である。しかも残りの議席をほぼ占めている野党政友会も、最初は反対していたはずが、いつの間にか賛成
に回り、反対派の論客だったはずの西沢が昨日は、むしろ、与党の案を後押しする質問をし、一気に法案審議が加速
したのだ。
「徴兵制度は憲法違反です。法案の撤回を求めます!」
 必死で食い下がっているのは、労働党党首の志村瑞樹だ。比例代表がなくなり、小選挙区だけになった選挙制度の
もとで、それなりの得票率を取っても、労働党が議席を取るのは、ほぼ不可能になっている。議員になる前から美人弁
護士として知られ、テレビ出演も多かった志村だけが、かろうじて党の議席を守っていた。
「おやおや、現行憲法には反対された労働党から、そのようなご意見をお聞きするとは、夢にも思いませんでしたなぁ
…」
 須崎がおどけた口調で言うと、それに呼応するように与党や政友会から品のない野次が飛ばされる。嘲笑が渦巻く
中で、志村は屈辱に顔を歪めた。
「ご希望とあれば、再度、憲法改正をやっても良いのですが、現行憲法においても、『防衛隊を置く』ということは明記さ
れ、憲法前文には『国民には国を守る責務がある』と規定されているのですから、これを合わせて考えれば、徴兵制度
は憲法違反ではありません。法律があれば、実施できることは明らかであります。」
「何を言うの!そんなの、暴論だわ!」
 怒りを露わにして志村が立ち上がった時、与党席から声が飛んだ。
「議論は尽きた!委員長、採決を!」
 それが合図だった。議場のあちこちから「賛成!」「採決!」の声が湧き上がる。
「だめですっ、委員長、徹底審議を!」
 瑞樹は全身の力を振り絞って叫んだが、その声は「賛成!」の声と拍手にかき消された。

 食堂に続く廊下の片隅で、茉莉と由香はぼんやりと窓の外を眺めていた。「星園文化祭」と書かれた横断幕が校舎の
窓から掲げられている。
「午前中は私、A班だよね。」
 茉莉が尋ねると、由香がうなずいた。
「午後は、交替…」
 茉莉は、確かめるようにそう呟く。
「ねぇ、去年の文化祭、覚えてる?」
 由香がぽつりと言った。
「うん…」
 茉莉が遠くを見たままうなずく。
「楽しかったね…。」
「うん…」
「あれから、1年しか経ってないのに…」
 由香はそこまで言って、声を詰まらせた。
 茉莉の脳裏にも昨年の思い出が浮かんでは消える。準備で遅くまで作業をしている男子に、一旦家に帰った女子が
お弁当を作って来て一緒に食べたこと、着ぐるみを着て踊り回るクラスメートを大笑いしながら囃したこと、模擬店で思
わぬ売上げをあげて、みんなでバンザイしたこと、キャンプファイヤーを囲んでのフォークダンス、そして…。
 信彦から告白されたのも、去年の文化祭が終わって、一緒に帰る電車の中だった。
「さあ、もう行かなきゃ。文化祭が始まるよ。」
 茉莉の目が潤んでいるのを見た由香は、遥かなる思いを振り切るようにそう言った。

「どこから見る?」
「どこも、楽しそうじゃないか。」
 入り口で手渡されたパンフレットを開き、校舎案内を眺めながら、広山と徳本は言った。
 校内に植えられた木々は紅葉の時期を迎えている。小春日和のキャンパスは、去年までとまったく変わらず、生徒た
ちや見学者が行き交い、色とりどりのポスターが貼られ、様々な飾り付けがされて、華やいだ雰囲気に包まれていた。
 広山と徳本を含む十人のこのグループは、この付近に住居を構える自治会の役員である。
 横木市港区本町、有事が宣言されると同時に「防衛特区」に指定された基地の町は、徐々にその姿を変えていた。
住民の多くが反対したにもかかわらず、防衛隊に加えてアルメイア軍の司令部も移転してきて、多くの住民が町を去っ
た。代わってやってきたのは、国防省や防衛隊関係者、アルメイア軍関係者だ。
 しかし、中にはそのまま、港特別区に住み続けている者もいる。軍を相手に商売をする商店や、公務員、軍需産業に
関わる企業に勤めている会社員が中心で、基地受け入れに賛成してきた人々だ。自治会は主にそうした住民たちで運
営されていた。
「この、華やいだ雰囲気は変わらないな。」
 市職員で副会長の徳本は、あたりを見渡してそう言った。自由な校風で知られていた横木高校の文化祭は、誰でも
自由に見学できた。生徒達が工夫を凝らした催しや、見ごたえのある研究発表に、他校の生徒や地域住民でおおいに
にぎわったものだ。今年からは、招待状がないと入れないようになったのだが、国防省や軍需産業の関係者、徳本た
ちのような自治会役員も含めて、例年と変わらないぐらいの人出だ。
「でも、内容はずいぶん変わったようだぞ。」
 広山はそう言うと、ニヤニヤ笑いながらパンフレットを示した。

 各学年の模擬店
  1年生 全部見せます「ストリップ・ライブ」 場所:1年生の教室
  2年生 昔懐かしの「ノーパン喫茶」     場所:食堂
  3年生 大満足の「シャワー・ソープランド」 場所:シャワー室

 その他、各クラブの催しや展示、体育館の舞台発表も、風俗店のビラかと思うようなエロチックで卑猥な言葉が並ん
でいた。
「どの学年も別嬪の女の子ばかりを残したんだが、中でも別嬪が多いのが、2年生なんだ。」
「広山さん、あんた、よく知ってるねぇ…」
「そりゃあ、広山さんのところの息子も、星園高校に通ってたからな。それに、この近くで文房具店をやってるんだ。よく
知ってても不思議はないわな。」
「ところで、息子はどうしたんだい?」
 徳本に尋ねられて、広山が得意げに言った。
「ああ、有事が宣言された時に、転校したんだ。須崎先生のところから連絡をもらってな。」
「そうか、広山さん、須崎後援会に入ってたもんなぁ。」
 一同が納得したように言った。続いて、広山が提案する。
「というわけで、いきなりだが、食堂に寄ってお茶にしながら、予定を立てるとしようや。」
「じゃあ、そうしようか。」
「ノーパン喫茶なんて、懐かしいねぇ。」
「これは、楽しみだなぁ。」
 港特別区自治会の一行は下卑た笑い声をあげながら、意気揚々と校舎に向かって歩いて行く。

「星園の文化祭と言えば、『自由、創造、独立』の校訓の象徴として、生徒も教師も誇りにしていたのに、こんな形で歪
められるなんて…」
 そう言うと、美咲は思わず声をつまらせた。
 その横で、岩田がトイレの便器を拭いている。ここは女子トイレの中だ。二人が情報交換できる場所は、こんな所しか
なかった。
「…みんな、可哀想…」
 美咲が涙ぐんだ。
 私物はほとんど没収されたが、自分が担任を持っていたクラスの集合写真や、由香や茉莉など、自分のことを慕って
くれる生徒たちの写真はこっそり隠し持っていた。時折、監視の目を盗んで、それをこっそり見ては涙している。写真の
中の笑顔などどこか遠い世界のようで、今や、ところ構わず犯され、泣いている彼女たちしか思い浮かべることが出来
なくなっていた。
「…ところで、ないんですか…」
 美咲は声を潜めて尋ねた。トイレにもカメラやマイクが仕掛けられている。というより、この施設において、女子トイレ
は公開の場だと言った方が正確かもしれない。
 それがわかっている岩田は、声に出さず、微かにうなずいた。
 美咲の表情にも影がさす。星園の実情を記録したファイルを前川に託し、元校長の渡部に渡してから、もう1月以上
たとうとしている。しかし、何の動きもなかった。渡部は受け取ったファイルを複製し、マスコミ各社とすべての野党に送
る手筈になっており、それが完了すれば、なんらかの連絡をくれることになっていたが、それも全くない。岩田や美咲た
ちは、日に日に強まってくる焦りやいらだちと必死に闘っていた。
「もしや…、届いてないのでは…」
 不安げに呟く美咲の声が、岩田の胸を騒がせた。

 食堂に続く廊下には、入りきれないお客が長蛇の列をなしており、港特別区自治会一行は、1時間近く待って、やっと
中に入ることができた。
 ウエイトレスとして客をもてなしている女生徒は、制服のブラウスとミニスカートをはいている。床一面が鏡張りになっ
ていて、下着を着けていないスカートの中を映していた。
「おおっ!」
「これは目の保養だ!」
 そう言って、盛り上がりながら、一行はテーブルについた。ショートカットの美少女が、おしぼりとお冷やを乗せたお盆
を持って近づいてくる。
「いらっしゃいませ…」
「おや、茉莉ちゃんじゃないか。」
 広山はそう言うと、ねっとりした視線を茉莉に向けてきた。
「あっ…、こ…、こんにちは…」
 かつてのクラスメートの父親、そして文房具店の店主の広山を、星園の近くに家がある茉莉は、小さい頃からよく知っ
ている。しかし、知っている相手に体を見られるのは、見ず知らずの相手に見られるより何倍も恥ずかしい。できるもの
なら逃げ出したかったが、そうするわけにもいかない。
「なかなか色っぽいねぇ。」
 そう言いながら、広山は茉莉の体を上から下まで、なめるように見回した。ブラジャーも着けていないらしく、ブラウス
を持ち上げている乳房の美しい隆起や、白い生地にうっすらと透ける乳首を見ることができた。
 その視線が、床の鏡に下りる。ぷっくりと膨らんだ恥丘や淡い翳りが、床の鏡に映し出されていた。男たちは、夢中で
それを覗き込んでいる。
(いやっ、そんなに見ないで…)
 茉莉は心の中の叫んだが、それを口にすることは許されない。せめて、さっさと注文を取って、その場を立ち去りたか
った。
「ご注文はお決まりですか?」
「注文…、注文だねぇ…」
「何にするかなぁ…」
 迷っているふりをしながら、男たちは茉莉の身体をじろじろ見るだけで、なかなか決めようとしない。普通の喫茶店な
ら、「決まりましたら、お呼びください」と言って、立ち去ることができるが、それはできない決まりになっていた。
「おい、これを見てみろよ。」
 メニューを手にした男の顔が、見る見るにやけてくる。彼が示した部分には、次のように書かれてあった。
『よろしかったら、ウエイトレスのアソコに触ってみてください。指入れOKです。』
「じゃあ、遠慮なく…」
 そう言って、男の手がさっそくスカートの中へ入ってきた。
「キャッ!」
 茉莉は悲鳴をあげて、思わず一瞬腰を引いたものの、指を拒むことは許されなかった。すぐに肩幅に足を開いて立
つと、男が割れ目をなぞり、その上端の突起を指で弄ぶのを、歯を食いしばって耐えた。
「儂も触らせてもらおう…」
 もう一人、老人と言ってよい年配の男の手が伸びてきた。皺だらけの掌が、若い肌を楽しむようにヒップをさすり、太
腿を撫でる。
「あっ…!うっ…!」
 茉莉の体がビクンと反応し、腰が微妙なうねりを示す。性器を弄っていた男の指が膣の中に潜り込んできたのだ。老
人の指は肛門の襞をなぞっている。
「次は俺だ。」
「じゃあ、その次。」
 男たちは、代わる代わる茉莉の股間を愛撫する。茉莉は、男たちの指が乱暴に体内をかき回すのに必死で耐えなが
ら、言った。
「ご…、ご注文は…?」
「コーヒーにするかな。」
 掌を茉莉の股間にあてがい、中指を割れ目に沿って動かしながら、広山がやっとオーダーを口にした。
「俺もだ。」
 徳本がそう言ってから、メニューを指さした。
「ところで、このスペシャル・メニュー、3万円って何だい?」
「3万円とは、文化祭の模擬店にしては、えらく高いなぁ…」
「誰が頼むんだい、そんな高いもの。」
 男たちは口々に言う。広山は、少し興味をそそられて、茉莉に尋ねた。
「茉莉ちゃん、スペシャル・メニューって、何?」
「そ、それは…」
 茉莉が言いよどんだ時、隣の席にワゴンが運ばれて来た。確かにワゴンには違いないのだが、長く、大きなそれは、
むしろ寝台といった方がふさわしい。
 そして、その上には全裸の少女が横たわり、体の上にオードブルやデザートがふんだんに並べられているのだ。
「ひょっとすると…?」
「あれが…?」
「はい。スペシャル・メニューの…、女体盛りです…。」
 茉莉が頬を染めながら答えた。
「俺達も、スペシャル・メニュー!」
 広山たちは口を揃えて注文した。

 しばらくして、茉莉が重そうに、寝台のようなワゴンを押して来た。
「おおっ!」
「これは、うまそうだ!」
 男たちは、一斉にうれしそうな声をあげた。
 素っ裸の美少女が、両手両足をワゴンの4つの足に縛られ、X字型の格好で磔にされていた。そして、その体にはフ
ルーツやサンドイッチ、チーズやスモークサーモンが所狭しと並べられていた。ただし、乳房はほぼ露出しており、その
頂上に乗せられたホイップクリームが辛うじて乳首を隠していた。秘部には生ハムが盛られている。
「これは凄い、お皿は由香ちゃんか!」
 広山がはしゃいだ声をあげる。ピチピチした美少女の女体盛りを楽しめるとは、まったく夢のようだ。
「スペシャル・メニューとビールをお持ちしました。」
 少し強ばった、いかにもそれとわかる作り笑顔で、茉莉が言う。由香の方は皿になりきろうとしているかのように、何も
言わず、ただ固く眼を閉じて、体を小さく震わせていた。
「さあ、いただきましょう!」
 広山が言うとともに、男たちは一斉に由香に手を伸ばした。
「あっ、いやっ…」
 由香が思わず声をあげた。男たちは、食べ物を取るついでに、当然のことのように由香の体を弄ぶ。二十本の手に
胸や腹、太腿や首筋を触られ、撫でられ、揉まれて、由香は喘ぎ声を漏らし、自由にならない手足を揺すって悶えた。
 男たちが料理を食べるにしたがって、由香の体がどんどん露出していく。しかし、誰もが乳首のホイップクリームと秘
部の生ハムには手をつけない。それは最後の楽しみだと、暗黙の了解ができているのだ。
「さて、そろそろ胸のクリーム、いきましょう。みんなで少しずついただきましょうか。」
 広山がそう言うと、最初の二人がタイミングを合わせて由香の胸にしゃぶりつく。
「い、いやあ! あぁん、だめぇっ!」
 由香は体を這う男の舌の、おぞましい感覚に悶えた。彼らの口がクリームを半分ほど残して離れると、すぐに交替し
た口がむしゃぶりつく。右の乳房をなめているのは広山だ。執拗に意地悪く乳首を吸い上げ、舌でチロチロと乳首の根
元を刺激する。由香はさらに身悶え、腰を跳ね上げた。
「じゃあ、私は生ハムをいただきましょう。」
 徳本がそう言って秘部に手を伸ばすと、小陰唇をつまんで引っ張る。
「そ、それは…、違うわ…」
 由香が慌てて、思わず言った。
「なんだ、オ××コのビラビラか。よく似てたんでね。間違えてしまったよ。」
 徳本は小陰唇を指先でこね回しながら、わざとらしくそう言うと、生ハムを掴むふりをして秘裂に指を差し入れた。そし
て、そのまま奧まで挿入する。
「おやおや、オ××コをぐっしょり濡らして…、次から次へと愛液が出てくるぞ。」
 そう言いながら、さらに今度は、親指の腹で包皮を押し上げた。ツヤツヤしたクリトリスが顔を出すと、唾液をつけた
指でそれをクリクリと圧迫する。
「あっ、あんっ!」
 由香がたまらず声を上げた。他の男もその声に刺激され、次々に由香の秘部に指を突っ込んだ。
「あ…、あ…、あ…、ああぁ…」
 由香は男たちの指の動きにあわせて、喘ぎ声をあげ、身悶えた。
 広山は、由香の双乳を鷲掴みにし、乳輪をなぞるように舌を這わせて、唾液でヌルヌルになった乳首を夢中で吸う。
量感といい、柔らかさといい申し分のない白い膨らみが、広山の手でさまざまに形を変え、桃色の可憐な乳頭がツンと
尖っていく。
 胸と秘部からあぶれた男は太ももや首筋など、由香の体中の性感帯を撫でたり、なめたりして刺激する。
「あうっ…、あんっ!」
 徳本が股間に顔を近づけて、生ハムを食べると、そのまま由香の性器を貪欲になめ始めた。とがらせた舌先でクリト
リスを弾くように刺激を与え、湧き出た蜜をすべて舐め尽しても、なおもなめ続けている。
 瞬く間に、生クリームと生ハムはなくなった。もはや由香の体を隠すものは何もなく、乳房も股間も剥き出しになってい
る。男たちは、満足そうに彼女の体を見つめていた。由香は性感の波がまだおさまらず、頬を真っ赤に火照らせて、ハ
アハアと喘いでいる。
「お下げいたします。」
 茉莉がやってきて、由香の乗ったワゴンに手をかけた。そして、名残惜しそうな様子の男たちに向かって、作り笑いを
浮かべてこう言った。
「この後も、星園文化祭を、心行くまでお楽しみください。」

 


 
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