国防省附属「星園・癒しの館」
 
第7章 遥かなる思い 3
 
 防衛隊のフサイン共和国駐屯地では、中央テントに、横木市から派遣された第17小隊の正規隊員、ボランティア隊
員が全員集められていた。
「司令部から特別に衛星通信装置をお借りすることができた。先日のテロリスト掃討作戦における我が隊の活躍が評
価されてのことである。」
 坂巻が得意げに話す様子に、立花徹は思わず吐き気を覚えた。彼の言う「テロリスト掃討作戦」の実態は、民家に押
し入り、そこにいる住民を、老若男女の区別なく虐殺することであった。その場面を見た時の衝撃は、今も心に重くのし
かかっている。坂巻から目を逸らすと、かつての野球部のチームメートたちがニヤニヤ笑っているのが目に入った。
(益本、大谷…、あいつら…)
 苦々しい思いが込み上げた。成果をあげた者は、帰国することができる、そう言われて以来、ボランティア隊員の中
に変化が現れた。坂巻らに取り入り、帰国させてもらおうと考える者が、少なからず出てきたのだ。益本や大谷らは、も
っとも露骨なグループで、先日の「掃討作戦」でも、積極的に住民を殺傷していた。後で本人たちが自慢げに語ってい
たところでは、坂巻らと一緒になって、捕まえた少女を輪姦したうえで、殺すことまでやったらしい。堕ちるところまで堕
ちたという感じだが、この地獄ではそれが称賛される。物資の輸送だけを仕方なしにやっている徹たちは、帰国が許さ
れることはないだろう。
「そこで、ボランティア隊員諸君の母校に設置された『星園癒しの館』と衛星通信を結んで、諸君に、懐かしい母校やガ
ールフレンドたちの様子を見てもらおうと思う。そう、今日は、ちょうど文化祭が開かれているはずだ。」
 坂巻がそう言うと、通信兵が機材のチューニングを始めた。しばらくして、見覚えのある風景が画面に映し出された。
校舎の正面入口を入ったところにあるエントランスロビーだ。
「えっ…、つながったの?」
 画面に映った女生徒が、横を向いて誰かに尋ねている。手にマイクを持った、子猫を思わせる可愛い娘は、放送部
の小森美緒だ。画面の外にいる誰かの指示を受けると、美緒はカメラの方を向いた。
「フサインにいる男子のみんな、元気?」

 撮影スタッフが持つ小さなモニター画面に、大勢の兵士がこっちを見ている様子が映し出される。よく見ると正面に固
まって座っている一団には多くの見覚えある顔が含まれていた。他の兵士たちよりも若く、ボロボロの格好をし、疲れた
表情の少年兵たち、連行された星園の男子たちだと一目でわかる。
 ぐっと胸が詰まり、あやうく涙ぐみそうになるのを堪えて、美緒は無理に明るい顔と声を作る。
「こんにちは、今日、星園は文化祭です。文化祭のこと、覚えてますか?そう、星園の一大イベントだったよね。今は遠
くに行っちゃったみんなのために、文化祭の様子を中継しますから、見てくださいね。」
 そう言うと、美緒は廊下を歩いて行く。見慣れた廊下にポスターが貼られ、華やかに飾り付けられているのは、毎年
の文化祭の風景そのままだ。
「まず、文化部の展示を見ていきましょう。みんな、戦場で心が疲れちゃってるよね。それじゃあ、最初に、きれいなお
花はどうかしら?華道部の展示を一緒に見ましょう。」
 そう言いながら教室に入って行く美緒をカメラが追いかける。
 教室の壁際に机が並べられ、生け花が展示されている。それを順番に映していたカメラが、目を疑うような物を捉え
た。それは、机に横たわる女生徒だった。いや、彼女も生け花なのだろう。全裸の少女の乳房は蔓のような植物で縛ら
れ、性器と肛門に数種類の花が生けられていた。
「…き、きれいなお花でしょう…。こっちにもあるのよ…」
 さすがに口ごもりながら、美緒がそう言うと、カメラが180度回転した。そこには、両肘をつき、四つん這いで尻を高々
と上げた和服の少女がいた。脚は60度くらいに開いており、着物は腰のあたりまで捲れて、ふたつの桃のような尻が
丸出しになっている。そして、彼女の陰部と肛門にも、やはり色とりどりの花が咲き乱れていた。
「おおっ!」
 遠い砂漠の国で画面を見つめていた男たちは、食い入るように淫らな生け花を見つめた。
「華道部の展示をご覧いただき、ありがとうございます。」
 品の良い花柄の、赤い振り袖を着た娘が現れた。目を見張るような美少女ではないが、なかなか可愛い、そばにい
るとホッとするような「癒し系」の娘だ。
「よ…、吉崎さんだ…」
 ボランティア隊員の中から、思わず声がもれた。振り袖の少女は、2年生の吉崎佳奈だ。
「これから、生け花の実演をご覧いただきます。」
 教室の中央には机が舞台のように組み合わせて置かれ、白い布が掛けられていた。佳奈はゆっくりその上に昇る
と、膝を立てて座った。白い布に赤い着物がよく映えて、そのコントラストが美しい。
 机の周りに大勢の見物客が集まった。
「………。」
 佳奈は無言のまま着物の帯を緩め、裾を広げた。太股が露わになり、下腹部まで剥き出しになる。下着はつけておら
ず、逆三角形に生えた繁みが見えている。
 続いて、襟元もしどけなく緩める。胸を大きく開くと、袂から意外と豊かな乳房がこぼれ出る。膨らみは白く柔らかで、
ピンクの乳頭が小さめの乳輪の中に埋もれていた。
 恥ずかしさを堪えて、佳奈はM字開脚の姿勢で大きく脚を開く。性器が見物客と中継カメラに向かって、あますところ
なく露わになった。佳奈の心臓は恥辱でドクン、ドクンと、張り裂けんばかりの鼓動を刻んでいる。
「…よく、ご覧ください…」
 少しうわずった声で言うと、佳奈の指が陰唇を開いていく。サーモンピンクの媚肉が現れる。机の前に並んだ男たち
は、開いた秘裂に視線を集中させた。
「アソコの毛はそれほど濃くないな。」
「奇麗なオ××コだ。」
「若い娘のオ××コは、やっぱり違いますな。色もピンク色で鮮やかだ。」
 かぶりつきで見ているのは、港特別区自治会の面々だ。男たちは、佳奈の秘部をつぶさに観察し、事細かに批評し
ている。露骨な好奇の視線を感じて、佳奈は羞恥で体が熱くなるのを感じた。
「こうして、オ××コに花を生けます。」
 そう言うと、佳奈は机の上の花を一輪取って、局部に挿し込んだ。
「お尻の穴にも…、入れます…」
 小さく窄まった菊座にも植物の茎が挿入された。
 佳奈は自分の膣と肛門を花瓶にして、花を生けていく。机いっぱいに並べられていた花が、一つまた一つと手に取ら
れ、彼女の股間を飾っていく。女陰を見ると、何本も詰め込まれたために、花の茎が割れ目を押し広げていた。
 佳奈の手が止まった。最後に残ったのは、バラの花だ。茎には刺がついている。これを生けると、膣内の粘膜を傷つ
けることになる。
「………。」
 佳奈はバラを手に取ると、少し躊躇った後、咲き乱れる花の中央にそれを生けていった。
「吉崎…」
 フサインでは、佳奈のクラスメートだった男子が絶句する。大人しく、慎ましやかな彼女のことを話す時、男子生徒は
よく「大和撫子」と言っていた。人一倍恥ずかしがり屋の彼女にとって、こんな姿で晒し者になるのは、どんなに辛いこと
だろう。
「あの、恥ずかしそうな様子がいいな。」
「ああ、そそられるぜ。」
 益本と大谷が言った。モニターに羞恥に震える佳奈の顔が映る。恥ずかしい姿を見世物のように晒しながら、どうす
ることもできず、眼をつぶって首だけを振る佳奈の様子は、男たちの嗜虐心を強く刺激した。
「ここへおいでになるのは久しぶりでしょう。」
 見物客に交じって、あっけにとられた表情で佳奈の生け花を見ている初老の男に、前川は粘っこい口調で話しかけ
た。彼が案内しているのは、元星園高校の校長、渡部だった。
「ああ…」
 渡部がうなづいた。その表情は苦悩の色が滲んでいる。
「年一回の文化祭ですから、国防省の施設になっても続けることになったのです。今日はゆっくりと、生徒たちの成長ぶ
りをご覧いただきましょう。」
 前川が、薄笑いを浮かべてそう言った。
「…なんということ…」
 渡部は熱に浮かされたように、そんな呟きを繰り返していた。前川の存在など、忘れてしまったかのように、怒りと嘆
きに沈み込んでいるようだ。
 そんな渡部の表情をのぞき込みながら、前川はサディスティックな気分を楽しんでいた。

 美緒は教室を巡って、文化部の展示を次々に中継していった。
 文芸部は、女生徒に書かせた官能小説の朗読と即売会をやっていた。
「男はいきなりオチ×チ×を出し、私のオ××コに押し当てた。愛液に濡れた私のオ××コは、男のオチ×チ×をズブ
ズブと咥え込んでいく。『ああン…、ああぁ…、もっとぉ…』、あまりの気持ち良さに私は腰を振り、大きなよがり声をあげ
た…」
 恥ずかしさに頬を赤らめながら、露骨なセックス描写を朗読する女生徒。そこに書かれている全てが、癒しの館での
実体験に基づくものである。
 美術部では、部員たちが全裸になって、淫らなポーズをとり、訪問客にデッサンをさせていた。衛星中継のカメラが映
し出した訪問客の男は、絵に心得があるらしく、襞の一本一本まで詳細に写生された女性器が、スケッチブックに描か
れている。
 写真部の企画はヌード撮影会だ。十数人がカメラを構える前で、若い男が全裸の女生徒とセックスしている。フラッシ
ュが光る度に二人は体位を変え、結合部をカメラに晒す。
「希望するお客さんは、ハメ撮りの記念撮影もできます。お気に入りの女の子の裏本も作れるのよ。」
 美緒がそう説明する。
 そして、カメラは書道部へ移る。
 教室の中央に、たたみ二畳分ぐらいの白い和紙が広げられていた。
 そこに、全裸の少女が現れた。墨をたっぷり含ませた手帚ほどの筆を手に持っている。書道部の部長、樫村美里。
男子たちが星園にいた時は、生徒会の副会長だった。美人で勉強もでき、頭も良いのだが、大人しく控えめな性格な
ので、2年生の森脇亜弓のように「才女」という印象は与えない。
 美里は、和紙の上部に筆を押し付けた。そして、直径3センチ程ある筆の柄の先端を陰部にあてがい、ゆっくり腰を
落としていく。
「うっ…」
 美里が小さな呻き声をもらす。太い筆の柄がズブズブと胎内に呑み込まれていった。
 そうして筆を性器でくわえ込むと、美里は膝を軽く曲げ、中腰の姿勢で和紙の上を動き始めた。陰部に挿入した筆を
使って字を書くパフォーマンスなのだ。
(ああ…、恥ずかしい…)
 美里は羞恥と屈辱のなかで「性」という字を書いている。全裸で少しガニ股になって、中腰でよちよちと歩く姿は、この
うえなく情けなく、滑稽で恥ずかしい。
「ほう、器用なものだな。」
「毎日、アソコを鍛えてるからな。」
「きっと、締まりがいいぞ。」
「チ×ポを入れたら、食いちぎられそうだ。」
 見物客たちがそう言い合い、卑猥な笑い声を立てた。
 そうした美里のパフォーマンスを鑑賞している客の中に、政友会の代議士西沢がいた。西沢は思い出したように、案
内役の南原事務長に尋ねた。
「ところで、あの娘はどこにいるんだ…?」
 「あの娘」というのは、西沢が処女を奪った嶋田麻衣のことである。
「ちょっと、体調を崩しておりまして…」
「そうか…?」
 西沢は疑わしそうな表情を浮かべた。このところ、星園に来ると毎回尋ねるのだが、その都度、いろいろ理由な理由
で麻衣とは会えずにいる。
「まさか、わざと儂と会わせないようにしてるんじゃないだろうな。」
「と、とんでもございません!」
 南原が冷や汗をかきながら否定する。
 その時、書を書き終えた美里が、見物客の所にやってきた。
「最後に、私のマン拓を捺して、完成します。どなたか、私のオ××コに墨を塗っていただける方はございませんか?」
 それを見て、好都合とばかりに、南原が美里から筆を受け取り、西沢に差し出した。
「では、先生、どうぞ。」
 西沢は筆を手にすると、嬉々として美里の所へ行く。南原はホッとした表情を浮かべた。
 体調を崩しているというのは真っ赤な嘘で、実は麻衣は行方不明になっているのだ。それも、あのアルメイア兵を慰
安した日からである。
 どさくさに紛れて、不届きなアルメイア兵が拉致していったのではないかとの疑惑は、当初からあったのだが、館とし
ては、それを調べる術がなかった。もともと軍事同盟に伴う地位協定という、他国では考えられないような屈辱的な決ま
りがあるおかげで、アルメイア兵は犯罪を犯してもすぐに逮捕されなかった。それが、有事が宣言されて以来、完全な
治外法権の状態になっている。それを、野党議員の西沢に騒ぎ立てられては、どんな面倒なことにならないとも限らな
い。南原の心配は、そこにあったのだ。
「さあ、スミズミまでスミを塗ってやる。ウヒヒヒ…」
 浮かれた様子で、くだらない駄洒落を言いながら、西沢は細筆に墨をふくませ、美里に近づいた。
 西沢は、脚を大きく開いて座る美里の前にしゃがみ込んで、その性器を押し開き、大陰唇に墨を塗り始めた。触れん
ばかりに顔を近づけているせいで、興奮した西沢の荒い息遣いをひっきりなしに股間に感じ、美里は思わず身震いし
た。
「うっ、うぐっ…」
 秘花の外周を筆がなぞっていく。美里は歯を食いしばって掻痒感に耐えていた。
「はんっ…、はぁん…、もう…、許して下さい…」
 筆が花弁のヒダヒダから肉襞の奥に忍び込み、そのシワの一本一本に微妙な刺激を加えはじめると、美里の反応は
せっぱ詰まったものになってきた。細い筆でくすぐるような感触は、まさに拷問だった。
「まだまだ…。ほら、ここにも、墨を塗っておかないとな…」
 そう言って、西沢はクリトリスに筆を寄せていく。
「あっ…、駄目っ…、はぁあんっ!」
 美里が身悶えした。敏感な芽は、数回筆で掃いただけでみるみる固さを増し、勃起していく。
「う、あンン…、うふん…」
 美里の声が高くなった。繊細な筆のタッチで肉芽をなぞられるのは、気が狂いそうなほどの性感だった。秘部は淫蜜
に濡れそぼり、墨を含んで肛門の方へ流れていく。
「おやおや、お尻の穴の方にまで、墨が垂れてるぞ。どうしてだ?」
「ああ…、言わないで…」
「感じてるんだろ?」
「う、う、あうう…、ち、ちがいます」
「そうかな?」
 ニヤリと笑って、西沢は勃起しきったクリトリスを、筆先で何度も何度も撫で回す。美里は腰をブルブル震わせて悲鳴
をあげた。
「やめてっ…、あぁん…、あぁ…」
「やはり感じてるんだな。スケベな娘だ」
「あっ…あぁっ!」
 美里は西沢の執拗な愛撫を受け、時おり身体を震わせて、もはや悶絶寸前だ。それでも、筆は容赦なく彼女の秘部
を刺激する。
「あッ…、あぁッッ!くぅッ…、はぁぁッ!」
 いきなり全身を大きく震わせて、美里はオルガスムスに達してしまった。
 それでも西沢は、秘花を弄ぶのをすぐにはやめようとせず、書道部員たちに止められて、やっと未練たっぷりの様子
で美里から離れた。
 西沢から解放された美里は、フラフラと立ち上がり、今度は和紙の上でペタンと座り込んだ。性感の余韻ではずむ呼
吸を整え、ゆっくりと立ち上がる。
「おおっ!」
 見物人たちが声をあげた。
 いやらしい形が、白い和紙にしっかりと写し取られていた。

 


 
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