国防省附属「星園・癒しの館」第2部
 
第4章 慰安嬢たち 4

「癒しの館ガイドツアーへ、ようこそ!」
 正門付近に集まった十数名の訪問客の前で、黒い学生服を着た町田と大谷が、漫才コンビのように、にこやかに挨
拶をした。館では時折、こうしたガイドツアーが組まれる。本格的な「慰安」ではないが、館の持つエロスを気軽に味わ
えるということで、なかなか人気のイベントだった。
 案内役は、フサインから戻ってきた男子たちだ。
「当施設は、防衛隊員をはじめ、お国のために働いておられる皆さんの心身のケアを目的とした、画期的な福利厚生
施設です」
 優等生らしい口調で町田が流暢に言うと、口べたなタイプの大谷がそれを受ける。
「えーと…、ここは、もともと横木市立星園高校っていって、僕らが通う高校でした」
「学校がなくなっちゃったのかい。それは、たいへんだね」
 ツアーに参加した客にそう言われて、町田が首を横に振る。
「いいえ、僕たちは、母校が接収され、お国の役に立っていることを、たいへん名誉なことだと考えています。館は、高
校として使われていた様子をそのまま残しつつ、先進の機能を備えた施設に生まれ変わったのです」
「エアコンはバッチリだし、食堂のメニューは一流シェフが手掛けていて、おいしいし…、昔とは大違い」
 大谷のどこかとぼけた味わいに、ツアー客の笑いが起こる。
 伝統ある名門校を思わせる落ち着いた雰囲気の施設と、よく手入れされた木々が立ち並ぶキャンパスを、ツアー客
たちは、ゆっくりと歩いていく。
「設備やホスピタリティも一流ですが、この施設の中心は、なんと言っても、慰安嬢と呼ばれる女の子たちです」
 町田が説明していた時、少女が一人、こちらに歩いて来た。
「あっ、吉崎だ!ちょうどいいや」
 大谷が吉崎佳奈を呼び止め、ツアー客の前に連れて来た。
「ご紹介します。2年生の吉崎佳奈です」
「吉崎です」
 お淑やかな仕草でお辞儀をする吉崎に、ツアー客の表情が緩む。
「彼女は、僕たちと一緒に星園高校に通っていた普通の女子高生でした。学校が接収される時、通っていた女子生徒
のうち数十名が選ばれて、ボランティアとしてお国のために身を捧げる覚悟をし、ここに残りました。それが慰安嬢の始
まりです」
「可愛い子ばっかりが、選ばれたんですよ」
 大谷の言葉にツアー客が頷いた。目の前の佳奈も、サラサラの黒髪を背中まで真っ直ぐに伸ばした、清純で楚々とし
た美少女である。町田が説明を続けた。
「『有事宣言に基づく兵役及び青少年の国家動員に関する法律』、通称『徴兵法』ができた後は、同法によるボランティ
ア施設に指定され、ボランティアとして応募してきた全国の女子高生の中から、容姿端麗で品行方正な、愛国心あふれ
る処女が選抜されて任命されるようになりました。館は、新たな時代に入ったのです」
「ここで、慰安嬢の制服について説明します」
 そう言うと、大谷は佳奈を客の前で起立させた。
「清楚で可愛らしい制服になるよう、若者にも人気がある世界的なデザイナーがデザインしました。リボンの色は、1年
生が黄色、2年生が青、3年生が赤です」
「星園の慰安嬢たるもの、常に身だしなみには気をつけていなければならないと決められ、着崩したりするのはもって
の外だとされています」
 町田がフォローして説明する。
「たとえば、スカート丈は股下2センチ、これよりも長くても短くてもいけません」
 ツアー客の視線が集中する。スカートからすらりと伸びた脚は太腿まで剥き出しになっており、白い素肌が眩しい。今
にもパンティが覗けそうで覗けない、微妙な長さが劣情をかきたてる。
「では、下着も見てみましょう」
 大谷がスカートを捲る。佳奈は一瞬身じろぎしたが、起立の姿勢を崩さず、頬を真っ赤に染めて俯く。
「お客様によく見えるように、裾を持ってろ」
「はい」
 佳奈が自ら裾を捲りあげた状態にし、白いパンティがツアー客の眼に晒された。艶のある布地が、お尻の隆起や下
腹部の膨らみを包んでいる。
「パンティもブラジャーもすべてオーダーメイド。毎月採寸して最高の技術で仕立ててもらっています。着用後は訪問客
にプレゼントされることが多いからです」
「ちょっとだけハイレグになってるんですよ」
 そう言いながら、大谷の指が下腹部と太腿の境を、パンティラインに沿ってなぞっていった。佳奈がくすぐったそうに、
腰をもじもじさせる。
「でも、なんといってもポイントは、ここ」
 大谷の指が恥丘の中央に移り、そこを撫でた。薄手でやや小さめのパンティが割れ目に食い込み、陰部の形をくっき
り示している。
「お尻やアソコにしっかり食い込むように穿くことが、校則で決められているのです」
 中央を走る亀裂に沿って、大谷の指が動く。
「どうです?触ってみませんか?」
 町田に促されて、ツアー客の一人が佳奈に近づいた。男の指は、パンティの上から佳奈の縦裂をなぞってくる。
「あっ、そこは…、ああん…」
 指先がクリトリスに触れ、佳奈が声を上げた。
「ブラジャーも見てみますか」
 そう言いながら、大谷が制服のボタンを外していく。開かれたブラウスの間で、白いブラジャーに包まれた隆起が、呼
吸に合わせて揺れている。
 別の客が佳奈の胸に手を伸ばし、大きな掌で胸の膨らみを揉んだ。張りのある乳房を確かめるかのように、指を押し
返す弾力を味わっている。ブラジャーの布地が尖りだした乳首に擦れる。



「あ、ああっ、ダメ…」
 耐え切れなくなった佳奈が身を捩る。二人の男になすがままにされている彼女を、他の客が食い入るようにじっと見
つめていた。

「それほど気になるものなのですか?」
 午後のひと時、館長室で香り高いコーヒーを啜りながら、滝川が尋ねた。いつもと変わらぬ憂鬱そうな表情を浮かべ
ながら、諸藤が答える。
「このファイルは実によくできている。館ができた経緯や関与した人物、その役割までが正確に記録され、その上で館
の実態を告発している。使い方によっては、この館を潰すことができるでしょう。もしかしたら、有事態勢の解除も可能
かもしれない」
 机の上には、岩田が命懸けで残したファイルが乗っている。
「しかし、それを作った反愛国者はこの世を去り、ファイルはあなたの手にある」
 滝川の言葉に、諸藤が首を横に振った。
「実は、このファイルの内容をデータにしたDVDがあと一枚、どこかにあるはずなのですよ。しかも、館の外に出ている
形跡があるのです」
「それは、うかつな…」
 滝川も把握していなかったらしく、めずらしく驚いた表情を見せる。「情報部の怪人」が見せるその様子に、心の底で
暗い喜びを覚えながら、諸藤が言葉を続けた。
「施設部が管理していた頃のことでしてね」
「ああ、当時はセキュリティなど、ザルでしたからね」
 設立当初、館の運営で主導権を握っていた伊東ら、国防省の文官たちの顔を思い浮かべながら、滝川は深く頷い
た。
「問題の女生徒は、どうやら、それに関与しているらしいのです」
「なるほど…」
 諸藤の憂鬱の理由を知って、滝川も納得した。
「…で、わかりましたか?誰が『協力者』なのか」
「実は研修生にやらせてましてね。2年生だということはわかったのですが、それ以上の絞り込みに手間取っているよう
ですね」
 滝川が自ら動いていないことに諸藤は不満そうな表情を浮かべたが、それ以上は何も言わず、軽く頭を下げた。
「まあ…、なるべく早急にお願いします」

 校舎の入ってすぐのエントランスホールに、大きな掲示板があった。訪問客らしい男たちが、掲示物に見入っている。
 そこに、町田・大谷組が引率するツアーの一行がやってきた。
「数十人でスタートした館の慰安嬢も、現在200名弱になりました。1クラス約20人で、各学年3クラスです。ここに、各
クラスの公開授業や部活、イベントの予定が掲示されています」
 町田が説明すると、大谷が掲示板を指さした。
「今、公開授業をやっているのは4クラスです。クラブは陸上部、テニス部、チアリーディング部、茶道部、吹奏楽部が
活動してますね」
「午後は訪問客をお招きした公開授業ですが、午前中は、立派な慰安嬢になるための、厳しい授業が行われていま
す。例えば、今日は、1年A組は松葉崩しに鶯の綱渡りの四十八手、2年B組は潜望鏡やスケベ椅子の使い方などの
最新ソープ技、3年C組は生板本番ショーのストリップの習得といった内容です」
「午前中の授業では、僕たちも手伝うんで、チ×ポが乾く間がありません」
 大谷の言葉に、ツアー客の笑いが起こる。
「男女の身体の仕組みや性風俗を学び、セックスのテクニックを身につけることは授業の中心ですが、礼儀作法や一
般教養もしっかり教え込まれます。茶道や華道、日本舞踊といった日本の伝統文化も必須です。そういう意味では、江
戸時代の花魁に近いのかもしれません」
 ガイドブック的な説明は、町田が担当する。
「授業や慰安がない時でも、慰安嬢は自己研鑽を怠りません。スタイルを維持するフィットネス体操や、アソコの締りを
良くする運動も、毎日義務づけられています」
 入り口の所に、浜本明日菜とその取り巻き数名がたむろしている。やって来た客の中から気に入った相手をみつけ
て声をかけ、指名してもらおうとしているのだ。
「浜本さん、カバンを持って、こっちに来て」
 町田に呼ばれて、渋々といった様子で明日菜がやってきた。以前なら、ガリ勉の下級生など歯牙にもかけない女王様
だったが、今は立場が違う。
 町田は明日菜が持っていたカバンを手に取って、中から何かを取り出した。
「おっ、それは…」
 ツアー客の中から驚きの声があがる。それは、男根を模した電動式の大人の玩具だった。
「慰安嬢は、こうして各自、愛用のバイブを持ち歩いています」
 町田が言うと、ツアー客が好色そうな視線を明日菜に投げかける。大人っぽく、セクシーで大輪の華のような少女が、
淫具で戯れる様子をあれこれ想像しているのだ。
「ちょっと、使って見せてよ」
 町田が言うと、明日菜は顔をしかめた。
「いやよ」
 思いもよらない拒否に、町田の顔色が変わる。
「なんだって、男子に向かってそんなこと、言っていいの?」
 脅迫するような口調も気にせず、明日菜が掲示板の方を顎でしゃくった。
「ほら、そこに生徒会長がいるじゃない。模範なら、彼女に示してもらえば」
 見ると、ちょうど亜弓がやってきて、掲示物を貼り変えているところだった。その瞬間、町田の関心はすっかり明日菜
から離れた。
「うん、そうだ、そうだね。おーい、森脇さーん」
 目を輝かせて、町田が亜弓を呼んだ。明日菜とは対照的な、知的で凜とした、白百合を思わせる美少女の登場に、
ツアー客の期待も一気に高まる。
「森脇さんのバイブ、見せて」
 亜弓は一瞬戸惑いを見せた後、手にしたカバンから赤黒い疑似男根を取り出した。清楚な容姿との淫らな玩具との
落差に、ツアー客がざわめく。各自が愛用のバイブを携行しているというのは、本当だったようだ。
「これは、何のために持ってるの、森脇さん?」
 町田が意地悪く、亜弓に尋ねる。
「授業で使ったり、自分でフェラチオの練習をしたり、身体の感度を高めるためです」
「感度を高めるって何、具体的に言ってよ?」
 そう問い詰めたのは、明日菜だった。いつの間にか、彼女とその取り巻きたちは、ツアー客と一緒に亜弓を囲んでい
る。
「…オナニーすることです」
「もっとはっきり言わないと、男の人にはわからないわよねぇ」
 明日菜が言うと、町田と大谷が頷いた。すっかり、主導権を奪われてしまっている。
「乳首に当てたり、お…オ××コに入れて、気持ち良くなることです」
 できるだけ淡々とした口調で言おうとした亜弓だったが、声が掠れてしまい、成功しなかった。白い頬に朱が射してい
る。
「じゃあ、ここでオ××コに入れて見せてよ、みんなに模範を示すのが生徒会長でしょ」
 明日菜が皮肉たっぷりの口調で言った。何につけても人の輪の中心にいたい明日菜は、亜弓が慰安嬢たちのまとめ
役になっていることが、気に入らないのだ。
「…はい、わかりました」
 静かにそう言うと、亜弓の舌がゴム製の男根に唾液を塗していく。亀頭そっくりの部分にピンクの舌が這うのを見て、
男たちの興奮も高まっていく。亜弓はバイブを口にくわえて、しゃぶり始めた。
淫具が艶やかな唇を出入りする。
「もういいでしょ、早くオ××コに入れなさいよ」
 明日菜にせかされ、パンティを脱いで廊下に座り込むと、亜弓は膝を立てて脚を開いた。
「おおっ!」
 ツアー客が口々に声をあげる。制服のミニスカートは、M字に開かれた股間を隠す役には立たなかった。すらりと伸
びた太腿の間で秘花が咲き、愛液に濡れてピンクに輝く襞肉が覗いている。
 スイッチが押され、ブウーッと音を立てて、バイブが振動を始めた。しかし、亜弓は、すぐに秘孔に入れることはしなか
った。唾液に濡れたバイブが、振動と共にクネクネと動きながら敏感な浅瀬を滑っていく。
「あっ、ああっ…、うう…」
 淫媚な振動に、亜弓は背筋を伸ばし、肢体をガクッガクと震わせる。
 亜弓がバイブを持つ手に力を入れた。秘唇を押し開き、先端が柔肉に埋もれていく。グチュッと音を立て、カリの部分
が肉の割れ目に隠れた。
「ううっ…」
 亜弓が小さく呻いて、涼しげな眉をたわめた。疑似男根が根元まで入っていく。
「あっ、うん…うんん…」
 亜弓の中でバイブレーターがブーンという音と共に、細かい振動を送りつづける。亜弓は顎を引き、唇を噛んだ。ひし
ひしと押し寄せる官能の波に、必死で耐えようとする。
「何してるの、そんなんじゃ、ちっとも模範にならないじゃない。真面目にやりなさいよ」
 明日菜が手厳しく言うと、亜弓は、秘孔に入れたバイブを出し入れし始めた。口から漏れる吐息が早くなっていく。い
つの間にか左手が制服の胸を揉んでいる。
「あはっ、はぁ…、はぁ、はぁ…」
 まとわりつく愛蜜は、グチュグチュと音を立て泡立ち、バイブのすべりを加速する。バイブに押し出された愛液がアヌ
スを濡らし、さらに垂れて、床を濡らしていく。
「いやだぁ、こんなに濡らしちゃって」
 明日菜があきれたような声をあげた。亜弓は聞こえないふりをして、左手に力を入れ、強く胸を揉んだ。そして、バイ
ブを持った右手を激しく動かす。
「あっ、あっ、い、いいいっ…」
 亜弓は頭を激しく振る。汗ばんだ額に、頬に、黒髪が張りついた。太股がピクピクと痙攣し、膣が淫具を締め付ける。
「あぁ、あぁ、あぁ…」
 口が開き、吐息とも喘ぎ声ともつかない声が漏れ続ける。
「ふふっ、もうすぐイクわよ。ツアーに参加されたみなさん、生徒会長、森脇亜弓のアクメ、しっかり目に焼き付けてくださ
ーい!」
「いっ、いい…、いっ、いっちゃう、いっ、いぃ…、いくぅ…」
 明日菜が囃し立て、ツアー客たちが見守る中、亜弓の身体が激しく跳ねた。そして、亜弓は首を大きく折り、俯いて吐
息を漏らした。
「ふふっ、森脇さんって淫乱ね。慰安嬢になれて、よかったじゃない」
 明日菜がそう言って、意地悪な笑い声を上げた。

「じゃあ、進捗状況を報告したまえ」
 滝川に呼ばれて、視聴覚室にやって来た信彦は、厳しい視線に耐えながら、声を絞り出した。
「…今のところ、進展は…ありません」
 美咲の報告から「内通者」を茉莉と由香の二人に絞り込んだことを、信彦はまだ滝川に伝えていなかった。
 美咲とミキを二人につけ、様子を探らせているが、もし、滝川に伝えたら、拷問にかけてでも自白させようとするだろ
う。それどころか、二人ともどうにかしてしまうかもしれない。その二人こそは、彼の恋人と、その親友なのだ。
「私に伝えていないことは、ないだろうね」
 内心、ギクッとしながら、信彦は有らん限りの力を総動員して平静を装った。
「そんな…、とんでもありません」
「そうか…。まあ、いずれにしても、情報は早さが命だ。わかってるな」
「はい…」
 信彦は表情を見られないよう、俯いて答えた。

「浴室とトイレも見ておきましょう」
 公開授業とクラブ活動の見学を終えたツアー一行に、町田がそう声をかけた。
「浴室では、慰安嬢と一緒に入って身体を洗い合うサービスが人気です。あと、慰安嬢は午後の健康診断の後、全員
入浴して、お客様を迎える準備をしますが、その時は壁面のブラインドが全て開いて、入浴姿を鑑賞することができま
す」
 そう言うと町田は、今はスチール製のブラインドが降りて、全く中が見えなくなっている壁を指さした。
「健康診断も公開されてますから、一度ご覧になってください。お医者さんごっこみたいで、なかなか興奮しますよ」
 さらに進むと、廊下に面した壁がガラス張りになっていた。ガラスの向こうに、和式の便器が置かれた個室が5つ並ん
でいた。
「こちらが、館内唯一の女子トイレです。こういうのがお好きなお客様は、慰安嬢が排泄する姿をじっくり観察することが
できます」
「実は、私は浣腸プレイが大好きでね」
 熱心に中を覗いていた恰幅の良い中年男が、ニヤニヤ笑いながら言った。
「それなら、健康診断の時にぜひお越しください。慰安嬢は、お客様の求めがあれば、いつでもアナル・セックスに応じ
られるよう、浣腸されるんです。腸内がきれいになるまで、お腹が膨らむのがわかるぐらいの量の浣腸液を何度も入れ
られるので、マニアにはたまらないと思いますよ」
 隣の男子トイレには、清掃中のサインが出ている。
「こちらが男子トイレです。ちょうど清掃中のようです。入ってみましょう」
 トイレは清潔で快適であった。体操服にブルマ姿の女生徒たちが一つずつ便器を任されて、直接、雑巾で水拭きして
いる。
「掃除が終わって、教師が点検に来た時には、自分が掃除した便器を舐めてみせないといけないので、みんな必死で
きれいにしています」
「ちょうど、もよおしてきちゃったんだが、使えるのかね?」
 客の一人がそう言うと、大谷が掃除をしていた女生徒に声をかける。
「紺野、ションベンしたいんだけどいい?」
「はい」
 クリッとした可愛らしい目を伏せて女生徒が頷くと、ツアー客数人と並んで、大谷も小便器の前に立った。
「きれいにしてくれる?」
 滴もきらずに大谷が突き出した陰茎を、紺野希が跪いて口に含む。かつてのクラスメートに排泄後の尿道まで吸わ
せ、大谷がご満悦の表情を浮かべる。
「よろしかったら、みなさんも、きれいにしてもらってください」
 便器ごとに割り振られた少女が、滴がしたたるツアー客のペニスを舐めて清めていく。
「これは、たまらんなぁ…」
 ツアー客の肉棒が、少女の口の中でビクンビクンと跳ねる。舐められているうちにすっかり勃起してしまったのだ。
 少女はゆっくりとペニスを口から出し、なおも竿の部分を舐めながら、上目遣いに客を見た。キュートな顔立ちの小森
美緒である。
「大丈夫ですよ。お客さま」
 そう言うと、美緒は怒張を咥え、舌を絡めてしゃぶり始めた。
「おうっ、おうっ、おうっ!」
 あまりの気持ち良さに、客がオットセイのような声をあげた。
「小森のフェラテクは定評があるんです。何しろ、女子アナを目指して、舌がよく回るようトレーニングしてましたからね」
 大事な夢を大谷に茶化されて、肉棒を咥える美緒の表情が強ばる。
「もうだめだ。出ちゃう…」
 その横では、少女の手の中で客の怒張が跳ね、口にする前にネバネバの白い液を放った。放たれた精液は、少女
の鼻から頬に掛り、垂れて床に落ちた。
「おい、駄目じゃないか!」
 町田が少女を叱りつける。最近、館に連れて来られた新人だ。
「す、すみません…。すぐ拭きますから」
 慌てて雑巾を取ろうとする少女の手を、町田が強くはたく。
「舐めて、きれいにしろ」
 あまりの指示に少女は、言葉を失った。トイレの床のタイルを舐めろと言っているのだ。今にも泣き出しそうな表情を
見て、町田の顔がサディスティックな喜びに輝いている。
「は、はい…」
 少女は顔を床に近づけ、タイルに落ちた精液を舐めていく。一滴二滴と涙が床に落ち、少女のすすり泣きが聞こえて
きた。

 校内を一通り見学したツアー一行がエントランスホールの近くに戻って来た。
「ここは、購買部です。来観記念のグッズも置いてますよ」
 大谷の案内で客たちは、売店のようなスペースに立ち寄る。ツアーお決まりの「おみやげ購入」の時間だ。
 壁には慰安嬢たちのポスターやカレンダーが貼られ、棚には『星の園』のバックナンバー全巻と、慰安嬢たちのDVD
が並んでいる。
「ほう、これは…」
 客がニヤニヤ笑いながら手に取ったのは、携帯ストラップだ。親指サイズの女性器をラテックスで精巧に造形してい
る。
「それは、ミス星園と呼ばれている慰安嬢、安藤茉莉のアソコから直接型を取り、縮小して作ってるんですよ」
「へえ、この娘か…、可愛い子だね」
 ストラップには茉莉の写真がプレートになって付いている。大人のおもちゃよろしく、見る角度によって制服姿と全裸
の写真が浮かび上がる。
「他の子のもあるんだね」
 そう言って男が手にしたのは、ふっくらした形の琴美ストラップだ。こちらのプレートは、チアのユニフォームとヌードの
琴美が浮かぶ。
「もしよかったら、これを製造販売している広山文房具店にも行ってみてください。ストラップは慰安嬢全員のが揃ってま
すし、オッパイマウスパットとか、オシリクッションとか、品揃えもハンパじゃないっすよ」
 大谷の口調に、ツアー客の笑いが起きる。
 客たちが思い思いに買い物をすませた頃合いを見て、町田が声をかけた。
「いかがでしたか。この後、食堂にご案内して、そこでツアーは解散です。さっき大谷も言ってましたが、見かけは普通
の学食でも、味は超一流ですから、必ず満足していただけると思います」
 そして、町田と大谷は、二人並んでツアー客に深々とお辞儀をして、こう言った。
「夜の慰安を希望される方は、生徒会室が受付になっていますので、そちらにおいでください」



 
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