国防省附属「星園・癒しの館」
 
第3章 運命の交差点 1
 
 新朝新聞釧路支局。
 支局長の他は一人の記者しかいない小さな支局では、ちょうどその二人の男がにらみ合うような形で座っていた。
「どうして、この原稿がボツになるんだ!」
 そう声をあげたのは、眼鏡をかけた背の高い、年は40歳代半ばだが、どこか青年臭さを残す男だ。彼が手にした原
稿は、釧路で軍事演習を行っているアルメリア兵による、女子高校生集団レイプ事件のスクープ記事だった。
「まあ、落ち着けよ、森脇。どうだ、一服。」
 煙草の箱を差し出したのは、同じ年頃だが、森脇とは逆に老成した雰囲気を持つ小太りの男である。
「煙草はやめたんだ。高い代金のほとんどが税金で、しかも、戦争に使われるんだからな。」
 森脇が吐き捨てるように言う。
「お上からストップがかかったのさ。」
 小太りの男はそう言って、煙草に火をつけると、ため息まじりに、深く煙を吐き出した。
 この男、青山和男が、現在、釧路支局長を勤めている。支局長の発言を聞いて、たった一人の部下である森脇のボ
ルテージは、いっそう上がっていく。
「おいおい、これは政治的な事件じゃないぜ。純粋な刑事事件だ。どうして情報統制の対象になるんだ。」
「フサイン共和国への派遣を間近に控えて、同盟関係にひびくような物を載せるのは自粛しろということだろうよ。」
「これまで、同じような事件があった時は、報道してきたじゃないか。」
「それは、今が有事態勢だからだよ。しかたないじゃないか、あらゆる情報は国防省が管理するんだ。それに、この国
のお偉方にとって、国民よりアルメリアとの同盟関係の方がはるかに大事だというのは、今始まったことじゃないさ。」
 あきらめの口調で言う青山に、森脇は椅子から立ち上がって叫んだ。
「納得できない、全く納得できない!」
「お前なあ、ちょっとは大人になったらどうだ。わかってるのか?新朝新聞の花形記者だったお前が、どうしてこんな最
果ての支局で、落ちこぼれの俺なんかの部下になって閉じこめられているのか。」
 青山になだめるように言われ、森脇は少し落ち着いて椅子に腰掛けた。二人は同期で、もともと仲の良い友達であ
る。森脇が空母「しらとり」購入反対のキャンペーンを張った件で政府筋から睨まれた時、あわやクビになるところを、
釧路支局長の青山が拾ってくれたのだ。
「本社に行って、掛け合ってみたい。」
 森脇がぽつりとそう言った。
「この記事のことだけじゃなくって、最近、新聞の編集方針が全体的におかしいと思うんだ。ジャーナリストは、どんな時
代でも、ギリギリのところで権力に屈することのない部分が必要なんだよ。」
 思い詰めたように言う森脇に、青山は優しい視線を投げる。
「まあ、気の済むようにやれや。微力ながら、俺からも本社に電話を入れとくよ。」
「ありがとう…、それと、ついでに、久しぶりに横木に帰ってみようと思うんだ。」
 なかなか言い出すタイミングがなかったのだが、実は森脇には気になることがあった。この1か月程の間、妻と娘を残
してきた横木市の自宅との連絡がとれなくなっていたのだ。
「そうだな。そうすればいいよ。」
 青山はゆっくりとうなづいた。
 
「それでは、これから道徳の授業を始める。」
 「授業」に出席する全員が着席すると、教室に入ってきたひょろりと背の高い教師、安達芳朗が言った。彼は3年生の
担任になっているが、3年生の女生徒たちはすでに校舎のあちこちで隊員達に犯され、性欲を直接処理する役割を担
っていた。
「さて、今日は女子のみんなに、国を愛する気持ちや、国民を代表して、危険を省みず遠いフサイン共和国まで派遣さ
れる防衛隊員諸君への感謝の気持ちを、一人一人述べてもらう。」
 そう言って、女生徒たちの顔を見回す安達の表情は氷のように冷たい。女生徒達の間にピーンと張りつめた空気が
漂った。3人の「担任」たちの中で、最も非情で冷酷なのが、この官僚あがりの男であることを、生徒達は身を以て教え
込まれていた。しかも、命令に従わなかった女生徒の一人が、彼によって、見せしめに半死半生の目に遭わされてい
た。
「それでは、まず森脇、委員長の君が模範を示しなさい。」
 森脇が渋々という感じで立ち上がり、教壇に立って、生徒達の方を向いた。いつものように背筋はピンと伸ばしている
ものの、視線は床に落としたままで、表情も強張っている。
「森脇亜弓です…、スリーサイズはバスト78、ウエスト54、ヒップ80です。私は、今まで、お…」
 亜弓の震える声がそこで途切れた。これから口にするのは、隊員を慰安することが決まってから一週間、何度も覚え
込まされた台詞だ。まして、シェークスピアを英語で暗唱できる記憶力を誇る亜弓が、言葉を忘れて、つまったわけでは
決してなかった。教室中の視線が自分に集まるのを感じた彼女は、深いため息を一つついて、言葉を続けた。
「男の人と…、せ…、セックスしたことがありません。」
「おおっ!」
「すげえ!処女だって!」
 数人の隊員たちが、興奮した様子で声をあげた。亜弓は屈辱に身を震わせた。恥ずかしくないように、できるだけサ
ラッと言おうとしたのに、「セックス」と言うだけで声がうわずってしまった。そして、この後、さらに過酷な言葉を言わなけ
ればならないのだ。亜弓はごくりと生唾を呑み込むと、やっとの思いで口を開く。
「でも、今は有事ですから、慰安嬢として、自分の身体を…、私のオッパイも…、お尻も…、お、オ××コも…、すべて国
のために差し出して、愛国心を示したいと思っています…。」
 つっかえつっかえそこまで言ったものの、悔しさが込み上げてくるのか、目には光るものがにじんできている。特に、
恥ずかしそうに「オ××コ」と口にした時には、はっきりわかるほど声が震え、みるみるうちに耳まで真っ赤になってい
く。
「いいぞ!それでこそ、愛国少女だ!」
 体育の時間に、亜弓を恥ずかしい目に遭わせたあの「イタズラ坊主」がおどけた口調で言うと、ドッと笑い声がおき
た。誰の目にも無理やり言わされていることが明らかな、たどたどしい台詞が、サディステックな男達に興奮を覚えさせ
る。亜弓は、それでも気丈に自分を侮辱した男をキッと睨んだ。
「さあ、続けなさい。」
 安達が亜弓を促した。その声は静かだが、ピシリとしなる鞭のようだ。とにかくさっさと言ってしまえば終わる。それだ
けを考えて、亜弓は言葉を続けた。
「今日は、国のために遠い中東まで行かれるみなさんに…、私の、か、身体を…、心ゆくまで楽しんでいただきたいと思
います。ど…、どんなにエッチなこと、恥ずかしいことでも、がんばって…、皆さんのおっしゃるとおりいたしますので、な
んなりとお命じください…。よろしくお願いします。」
 亜弓が深々と頭を下げると、男達の拍手が湧き起こり、ひやかすような口笛が吹かれる。なんとか服従の誓いを言い
終えた亜弓は屈辱に下唇を噛み、俯いたまま教壇に立っていた。
「それじゃあ、愛国心を示すために、マンズリするところを見せてくれよ。」
「えっ!」
 思わず顔をあげた亜弓の目に、ニヤニヤ笑う男の表情がとびこんできた。体育のトレーニングで茉莉とペアだった橋
口曹長だった。
「マンズリってのは、オナニーだよ。森脇、お前、オナニーしたことあるな?」
 安達が亜弓の顔を覗き込んで質問した。
「い…、いえ…、ありません…」
 それは嘘だった。高校受験の時、ある晩、深夜まで勉強していた亜弓は、ちょっとした好奇心から自分の性器に触っ
てみた。それがきっかけとなって、今では一週間に一度ぐらい自慰行為をし、軽いオーガスムスを得るようにまでなって
いる。イケナイことをしているという罪悪感もあったが、一方で、それがちょうど良い気分転換になって、勉強がはかどる
ような気がするのだ。
「嘘をついちゃいかんぞ。」
 そう言いながら、心の中を見透かすような視線で安達にじっと見つめられた亜弓は、密かな習慣になっている自らの
行為を思い出して、全身が真っ赤に染まるのほどの羞恥を感じた。
「どうした?真っ赤になってるぞ。」
「ご、ごめんなさい…、ちょっとだけ…」
「ほら見ろ!優等生面して、実はしょっちゅう乳房やオ××コをいじくって、よがってるんだな。本当に淫乱で、いやらし
い女だな、森脇は!」
「そんなこと…」
 亜弓がとうとう認めてしまうと、安達は教室中に響く声で彼女を嬲り始めた。隊員たちも卑猥な笑みを浮かべ、亜弓の
ことを見つめている。
「何でも従うと誓っただろう。さあ早く、いつもやってるように、オナニーをして見せなさい。」
 ひとしきり亜弓をいじめた安達が、当然のことのように命令する。恥辱の誓いを言い終えれば、それで解放されるの
ではないかと微かに期待していたのだが、やはりそれは甘かったのだ。
「みんなに見えるように、教卓の上でやるんだぞ。」
 安達の命令で、亜弓は無言のまま教卓の上に乗り、膝を立てて座った。オナニーのことを言い立てられて、すっかり
しおれてしまっている。まっすぐ前を見て胸を反らし、ハキハキ答えていた優等生の姿は、どこにもない。
「いつもどうやっているのか、説明しながらやってくれよ。」
 そう注文をつけたのは、琴美の処女を奪った「小隊長」だ。恥ずかしい命令だったが、もはや亜弓に逆らう元気は残
っていなかった。
「ま…、まず、胸を触ります…」
 亜弓は制服のブラウスのボタンを外し、目を閉じると、ブラジャーの上からゆっくりと胸の膨らみを揉み始めた。
 すぐに安達がブラウスの中に手を入れて、ブラジャーの肩紐やホックを外す。ハラリと白い布が教壇に落ち、ちょうど
良い大きさの真っ白な乳房が露わになった。
「これでいい。直接、オッパイを揉みなさい。」
 亜弓は見られるのが恥ずかしくて、両手で包み込むようにして乳房を揉んでいく。しばらくすると、掌に乳頭のコロコロ
した感触が伝わってきた。愛撫が次第に激しくなり、柔らかな肉の膨らみにほっそりした指が食い込んでいく。
「よし、ちょっと見せて見ろ!」
 安達が亜弓の手首を掴んで、胸から引き剥がした。
「あっ…、いや…」
 亜弓が羞恥に身をよじった。白い膨らみの上でピンクの乳首と乳輪がプックリとせり出している。
「おおっ、乳首が立ってるぜ!」
「ホントだ!感じやすい胸だな。」
「乳首を摘んでみろよ」
 男達が囃し立てる中、亜弓は少し大きめの乳首を指先でいじり始めた。
「うンっ…、あふ…」
 いつも以上に敏感になっているらしく、指が乳首に触れたとたん、亜弓はつい色っぽい声を洩らしてしまった。それを
聞いて、男達が大喜びする。
「次はどうするんだ?」
 卑猥な笑みを浮かべながら、小隊長が質問する。
「それから、ここを…」
 そう言いながら、亜弓はM字形に股を広げる態勢をとる。まくれ上がったスカートの中、立てた膝の間から、白いショ
ーツに隠された股間が見えた。それが、じっくりと観察する男達の想像をかきたてていく。知的な印象を与える亜弓が
浮かべる羞恥の表情も最高だった。
「気分が出てきたら、オ××コをいじくり回すんだな?」
 小隊長の言葉に男達が下品な笑い声をあげる中、亜弓はおずおずと股間に手をあてた。パンティー越しに指に熱が
伝わってくる。その指がショーツの上から肉づきのよい丘の谷間をなぞり上げていく。
「あ…、あぅっ…」
 敏感な芽の上を指が這った時、亜弓はまたもや声を上げてしまった。秘孔の奥から、トロリと淫蜜が流れ出てくるを感
じる。
「格好つけないで、パンティの中に手を入れて、直接、いやらしいオ××コをいじれよ。いつもそうやってるんだろ?」
「し…、知りませんっ!」
 悲鳴になる寸前の声でそう叫び、失礼な男を睨もうとして、亜弓はあきらめたような表情を浮かべた。逆らえる状態に
ないことを思い出したからだ。
 恥骨をおおい隠すショーツの上縁から、無駄な肉ひとつない腹を押して指がつっと入っていく。
(見られている…、恥ずかしい…)
 しかし、粘り着くような男達の視線を感じながらするオナニーがもたらしたのは、今までに感じたことのないような快感
だった。大勢が見ている前でオナニーするのは、嫌で嫌でたまらないはずなのに、ショーツの中でいやらしい汁が溢れ
出しているのを指先に感じる。
「あっ、パンティに染みができてるぞ!」
 亜弓の身体の変化を、男が容赦なく指摘する。恥ずかしい部分から溢れ出している愛液は、すでにパンティを濡らし
て染みを作り始めている。
「パンティ、脱いじまえよ。」
 そう言ったのは、最初、女子の着替えを見て鼻血を出していた小野原だ。彼も今やすっかり大胆になって、女生徒を
いたぶりにかかっている。亜弓は、教卓に乗ったままショーツを脱いだ。
「オ××コがよく見えるように、脚を開いて、割れ目をこっちにむけろ。」
 最初に、亜弓にオナニーするように命令した橋口が叫んだ。亜弓は、ぎごちなく腰を持ち上げ、脚を開いていく。白い
太股の間から、繊毛に飾られた乙女の秘所が現れる。
「ずいぶんとドテ高だな。高いのはプライドだけじゃないのか。」
 ふっくらしたビーナスの丘を眺めながら、馬鹿にするように言ったのは少尉の坂巻だ。彼の部下達が追従の声をあげ
る。
「オ××コの中を、自分で広げて見せろ。」
 また別の男の命令が飛ぶ。小隊長の部下の空井だ。もはや集団で亜弓を嬲りにかかっているのだ。そして、「オ××
コ」を連発される度に、自分が女の子の最も恥ずかしい部分を人前に晒していることを意識させられる。
「さあ、まずオ××コどこを触るんだ?」
「こ、ここです…」
 亜弓は片手で胸を揉みながら、もう片方の手で大陰唇の膨らみを柔らかく押すようにして揉み始めた。
「大陰唇を揉むんだな、自分の口で言って見ろ。」
「だ…、大陰唇を…、揉みます…」
 指先が割れ目をなぞり、小陰唇のヒダヒダを撫でていく。
「しょ、小陰唇を…、撫でながら、気持ちよくなるまで、ク…、クリトリスを触ります…。うっ…、くくっ…」
 亜弓は自らの恥ずかしい行為を解説しながら、性器を愛撫していく。男達は冷やかすのも忘れて、その淫らな行為に
見入っていた。
「あん…、あぁ…、それから、ち…、膣にちょっとだけ、ゆ、ゆびを…」
 亜弓は中指を自分の蜜壷に入れた。指先が膣内に入り、ちょうどかぎ爪で引っかけるようにクックッととリズムよく陰
部を叩いた。
「あ…、あぁ…」
 目を閉じ、切ない声をあげて、亜弓は自分の指を蜜壷の中に入れ掻き混ぜた。もう一方の手は胸を強く揉みながら、
固くなった乳首を摘んでいる。
 クチュ、クチュ、クチュッ…
 亜弓の性器から粘りのある液体が空気と混ざり合う音が漏れ、教室中に響いていく。
「なんだかいやらしい音がするぞ。オナニーしてるとこ見られて、嬉しいのか?」
 沈黙を破ったのは坂巻だった。
「やっぱり、こいつ、淫乱の変態だな。」
 男達のあざける声が遠くで聞こえた。同時に全身が火照り、心臓の鼓動がドクンドクンと早くなるのを感じる。亜弓は
屈辱に身を震わせながらも、官能の波に沈み込み、自分の意識の奥にある欲望の命じるままに、指を強く、そして激し
く動かしていくのだった。
 それだけが、今の彼女に許された救いだった。
 
 本社に出向くのを後回しにし、横木駅のホームを降り立った森脇は、なぜか胸騒ぎを覚えて、できるだけ早く自宅に
帰ろうと急ぎ足で歩き始めた。駆け抜けるような勢いで中央改札を出た時、サングラスをかけた黒っぽいスーツ姿の二
人組の男がスッと森脇に近づいてきた。
「新朝新聞の森脇さんだね?」
「ああ、そうだが…」
 声をかけられ、そう返事をするかしないかのうちに、森脇の腹に衝撃が訪れ、目の前が真っ暗になった。
 


 
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