ヒミツの伝説

 第1章

「ねえ、どうしたの弘志クン? 元気ないね。」
 奈月が心配そうに弘志の顔を覗き込んだ。
 睫毛の長い、二重瞼の大きな目。鼻はやや低いがきれいに筋が通り、なだらかなカーブを描く上唇と、桃色に輝くふ
っくらした頬が少女っぽくて可愛らしい。
「えっ、ああ…、ちょっと今、バッティングがスランプで…」
 弘志がドギマギしながら答えた。今日は奈月の顔をまともに見ることができない。それは、宮内から聞いた「伝説」の
せいだった。
 宮内から聞いた伝説はとんでもないものだった。
 かつて、萬町高校野球部にエースで四番を打つ名選手がいた。プロからもスカウトの声がかかった彼がキャプテンに
なった年、野球部は、学校始まって以来の甲子園出場を目前にしていた。そんな時、頼みのキャプテンが突如、スラン
プに陥ってしまったのである。
 不調はバッティングから始まった。やがて、まったく打てなくなり、それがピッチングにも影響する。
 落ち込んだ彼を救ったのが、彼の恋人であった。彼女は彼に処女を捧げ、何を考えたのか、自分の膣にバットを挿
入するように言ったのだ。不思議なことに、女の子の性器に入れ、愛液を塗り込んだバットを持って打席に立った彼は
調子を取り戻し、地区優勝を果たして、見事に甲子園に出場した。
 それ以来、萬校野球部では、有力な選手がスランプになると、バットを陰部に入れさせてもらうよう、女の子に頼むよ
うになったというのだ。
「…バットを入れさせてくれる子をみつけることができたらスランプから脱し、そうでないとスランプを抜けることができな
い…って、伝説さ。」
「そんな…、ウソでしょ?」
「そう思うだろう…。しかし、そうじゃないんだ。」
 宮内が意味深な表情を浮かべる。
「まさか?」
「そうだ。俺も、好きな子のアソコにバットを入れたんだよ。」
 声を潜めてそう言う宮内の顔は真剣そのもので、冗談で言っているのでないことがわかった。
(でも、とても奈月ちゃんに、そんなこと頼めないよ…)
 二人はまだキスさえもしていないのだ。陰部にバットを挿入するなんて変態的な行為を頼むことなど、考えることすら
できなかった。
「私、次の試合、応援にいくわ。だから、がんばって!」
 弘志の悩みを知らない奈月は、彼の手をぐっと握って、そう言った。次の試合は地区予選につながる大事な試合だ。

「2対3で勝ってるんだ。向阪、ノビノビいこう」
 キャプテンの朱川が声をかけた。せっかく奈月が応援に来たのに、弘志はここまですべて凡退。今日もまったく打てな
いのだ。この打席も、既にカウントはツーストライクと追い込まれている。
 ピッチャーはニヤリとして、ど真ん中に投げた。思い切り振ったバットは宙を切った。
「スリーストライク。バッターアウト。チェンジ」
「あーあ、だめだな…」
 朱川がイライラしながら言った。どうしても自分の思うとおりにならないバットに、弘志は明らかに焦っていた。
 結局この試合、萬町高校はなんとか一点差で逃げ切った。しかし、弘志の気持ちは晴れない。
「まるで扇風機だねぇ。ここまで涼しい風がくる。」
 相手チームの選手の揶揄が耳によみがえってくる。しかし、それ以上に弘志にとってこたえた物があった。
「弘志、最近ダメだな…」
「彼女ができてからだよな…」
「野球に身が入ってないんじゃないか…」
 それは、萬町高校のチームメイトたちの、そんなひそひそ声だった。
 球場を出たところで、奈月が待っていた。
「じゃあ、先に行くぜ。」
 キャプテンの朱川が言った。チームメイトたちは、弘志と奈月を二人残して帰って行く。
 黙ったまま並んで歩く二人。弘志の視線がふと、手にしたバット・ケースに向けられた。宮内から聞いたの「伝説」を思
い出し、奈月の陰部にバットを挿入する様子が脳裏に浮かぶ。
「どうしたの?」
「いや…、なんでもないよ。」
 弘志はぎごちない笑みを浮かべた。まともに自分の顔を見ようとしない彼の様子を見て、奈月は一つ大きな深呼吸を
してから、ポツリと呟いた。
「…いいよ、私、しても…」
「え?」
 奈月の足が止まる。弘志が振り返ると、奈月が思い詰めた表情でこちらを見ていた。
「宮内監督から聞いたの、萬校野球部の伝説…」
「でも…、そんなこと…」
 言葉を失っている弘志を追い抜き、ゆっくりと歩きながら奈月が言った。
「そんなの馬鹿馬鹿しいし、迷信だと思う…。でも、弘志クンの力になれるなら、私、何でもしてあげる…」
 奈月の言葉は、弘志の胸を熱くした。

 翌日の放課後、野球部の部室に奈月がやって来た。弘志と宮内を残して、他の部員は全員帰った後である。
「よく来てくれた。笹野、決意してくれて、ありがとう。」
 宮内が立ち上がり、うれしそうにそう言った。弘志も奈月を見て微笑んだが、すぐに、ばつの悪そうな表情を浮かべて
手にしたボールを弄り始めた。
「ちゃんと手順を踏んで練習しておかないと、笹野に怪我させることになるからな…」
 宮内の言葉に、ベンチに並んで座った二人は真剣な表情で頷いた。
「大丈夫だ。俺がコーチしてやるから。」
「はい…」
 不安そうに手を握ってくる奈月の手を握り返して、弘志が返事をする。その声はわずかに上ずっていた。
「よし。それじゃあ、まず弘志、笹野とセックスしろ。」
「えっ!」
 いきなり言われて、弘志と奈月が同時に声をあげた。
「まさか処女のアソコにバットを突っ込むわけにはいかんだろう。」
「わかりました。じゃあ、近いうちに…」
 弘志がとりあえずその場を逃がれようとしてそう言うと、宮内が厳しい表情で言葉を続けた。
「違う!今、ここでするんだ。」
 弘志と奈月が思わず顔を見合わせる。二人とも耳まで真っ赤になっていた。
「あの‥、じゃあ、二人にしていただけませんか…」
 たまりかねた奈月が言うと、宮内は少し表情を緩めて奈月を諭す。
「恥ずかしいという気持ちはわかるが、地区予選は2週間後だ。お前たちに任せておく時間がない。俺が最初から最後
まで見届けないと、できないだろう。」
「別に見届けなくても…」
 なおも不満そうな奈月を見て、宮内が意を決したように言った。その言葉は弘志と奈月にとって、衝撃的なものであっ
た。
「それに、笹野も馴れておいた方がいいだろう。なにしろ、例の伝説は、チーム全員が見ている前で成し遂げなければ
ならないんだから…」
「えーっ、そんなの聞いてません!」
「マジですか?!」
 野球部全員が見ている前で、奈月は女の子の一番恥ずかしい部分を晒し、そのうえ、そこに異物を挿入されると言う
のだ。二人は宮内に口々に抗議したものの、今さら後には引けない。先に覚悟を決めたのは奈月の方だった。
「…いいわ、弘志クン…や、優しくしてね…」
 奈月の可憐な美貌が弘志を見上げると、決意を固めるようにぎゅっと目を閉じた。
「よし、弘志、笹野にキスしろ!」
 弘志はおずおずと奈月の唇に唇を重ねた。お互い息をとめ、全身を硬直させている。ファーストキスは夢見心地だっ
た。すぐに唇を離した弘志に宮内の声が飛ぶ。
「そうじゃない、セックスの前戯なんだ。しっかり笹野の身体を抱き寄せて、舌と舌を絡ませろ!」
 弘志は奈月の小柄な身体を抱きしめた。しなやかに肩にかかる黒髪からリンスの甘い香りがした。再び勢いよくキス
すると、前歯と前歯が音を立ててぶつかったが、弘志は唇を離さなかった。
 奈月の唇の間からぬるりと舌を差し込むと、あとは無我夢中だった。奈月の口内に舌を這わせ、舌を絡ませ、甘やか
な唾液を啜った。制服の上からウエストを軽く撫でる。キュッとしまったウエストは予想以上に華奢な感じがした。
「よし、二人とも裸になって、そこに横になれ。」
 宮内が床に敷いた体操マットを指差した。

 弘志がトランクスを脱いで全裸になる。既にマットの上では、一糸まとわぬ姿になった奈月が横たわっていた。恥ずか
しそうに身体を丸めた格好が男心をそそる。弘志はマットに横たわって、後ろから奈月を抱き締めた。
 抱くようにして胸を隠している両手を取り、ゆっくりと左右に広げていく。白い膨らみがこぼれ出た。
「ううんっ!」
 すかさず片方をすくいあげると、奈月は可憐な顔を真っ赤に染めて呻いた。沈める指を、ゴム毬のように跳ね返してく
る弾力。そのくせ肌触りは瑞々しく、手のひらに吸いついてくるようだ。
「んんっ…あんっ…」
 両手を使って双乳を揉みしだくと、奈月はむずかるように身悶えた。揺れるヒップの肉がちょうど勃起にあたり、たまら
ない刺激を与えてくれる。吹きこぼれた大量の先走り液が奈月の臀部を汚す。
 弘志は興奮に息をはずませつつ、桜色の先端を指でまさぐった。柔らかな乳首がしだいに固くなり、指先で転がる。
「ああっ…ああんっ…」
 奈月が激しく首を振り、乱れた黒髪から甘い匂いが漂ってくる。弘志は奈月を仰向けにし、その上に覆いかぶさった。
「やんっ!」
 奈月が羞じらいに頬を染め、両手で剥き出しの乳房を隠す。その両手を掴んだ弘志は、ゆっくりと奈月をバンザイさ
せた。そして、そのまま乳房に舌を這わせていく。
「ううっ…ううんっ…」
 奈月は眉間に深い縦皺を刻み、長い睫毛を震わせる。閉じることのできなくなった唇から吐息をはずませている。そ
の様子を、宮内はマットのそばで胡座をかいて、じっと見つめていた。
「どうだ?気持ち良くなってきたか?」
 宮内が訊ねると、奈月はコクりと顎を引いたが、すぐに激しく首を振った。
「弘志、笹野のアソコを触ってみろ。」
 弘志の右手が奈月の股間に伸びる。生まれて初めて陰部を他人に触られる恥ずかしさで、奈月は太腿をきつく捩り合
わせる。右手がその間に潜り込んで、大陰唇の膨らみをすっぽり包み込んだ。中指に湿り気を感じてさらに潜り込ませ
ると、ヌルヌルになった割れ目があった。
「くうぅ…」
 奈月がのけぞって弘志の腕にすがりついてきた。弘志は右手で女陰を、左手で乳房を夢中で弄り続ける。
「どうだ、濡れてるか?」
「はい。」
「よし、じゃあ、やるか。」
 宮内の言葉で、弘志は奈月の太腿の間に体を割り込ませた。屹立し、大量の我慢汁を噴きこぼしている肉茎を、処
女の花園に押し付けていく。
「いくよ…」
 しかし、腰を押し出そうとすると、奈月が身体をずらして逃げてしまう。
「やっぱり、無理…」
 顔を強張らせて小刻みに首を振る奈月を、宮内が叱り飛ばした。
「こら笹野、大好きな弘志を救ってやるんじゃなかったのか!」
 その言葉が奈月の心を縛り付けた。抵抗する力が弱まり、今にも泣き出しそうな顔で弘志を見つめる。
「い…、痛いって言ったら、すぐにやめてね…」
「うん、うん…」
 必死でそう言う奈月の言葉を弘志は上の空で聞いていた。異常な興奮によって、もはや愛する彼女も欲望の対象に
しか見えなくなっている。逃がさないぞとばかりに奈月の双肩を抱きしめ、生唾をゴクンと呑み込んだ。
 弘志は奈月の気持ちが変わらないうちにと思い、勃起した男根を陰部にあてがった。肩を抱いた腕に力をこめ、ぐっ
と腰を突き出す。
「いっ、痛いっ…」
 奈月が叫び、逃れようとするのをきつく抱きしめ、割れ目に亀頭をねじ込んでいく。暖かなヌメりで陰茎を包み込んで
いく粘膜をこじ開けるように腰を使い、まだ誰も男を受け入れたことのない膣に道をつけていく。
「痛いっ…、ちょっと待って、お願い…」
「もう少しだ、弘志!我慢しろ、笹野!」
 半べそをかいた奈月の声を打ち消すように宮内の声が響く。弘志がぐいっと腰を押し込むと、急に抵抗がなくなり、肉
棒がヌルリと一気に奥まで入っていった。
「あううぅっ…」
 奈月が甲高い悲鳴をあげてのけ反る。弘志はその身体に上体を被せ、柔らかな女体を抱きしめた。腕の中の滑らか
な肌がこの上なく心地よかった。
「よし、根元まで入ったら、キスをして笹野の気持ちを落ち着かせてやれ!」
 宮内の指示で弘志は、ついばむようなフレンチキスを何度もする。そうしていると、彼自身も落ち着いてきて、奈月と
一つになった感激が胸に迫ってきた。
「痛い?」
 優しい気持ちを取り戻した弘志が、苦しげに眉根を寄せる奈月に心配そうに尋ねる。
「…うん、ちょっと…、でも、大丈夫…」
 奈月が小さな声で囁いた。最初の衝撃が落ち着いてくると、破瓜の痛みは我慢できた。なんと言っても、相手は大好
きなボーイフレンドなのだ。
 その間も弘志の肉棒はさらにみなぎりを増していく。がまんできなくなって、弘志が腰を引いた。二、三度小さく抜き差
ししただけで、痺れるような快感が体の隅々まで響き渡る。自然とピッチが速まり、挿入が深くなる。
「ううっ…、弘志クンっ…」
 苦痛に顔を歪めて奈月が弘志の肩を掴んだ。
「ご、ごめん…痛かった?」
 弘志は焦って腰の動きを止める。
「…大丈夫…、我慢する…」
 奈月の口から出たのは、気持ちとは裏腹に強がりの言葉だ。しかし、その言葉で、弘志はついに己の欲望を解放し
た。勃起しきった肉茎で、初めて男を受け入れる膣を繰り返し貫いていく。
「あんっ、あんっ、ああっ!」
 奈月が叫んだ。弘志の抽送はたちまちフルピッチに高まり、奈月の身体が浮き上がるぐらいに突き上げていた。
「もう、ダメだっ…」
 弘志は唸り、腰がフィニッシュの連打を開始した。
「あっ…あっ…あぁっ!」
 奈月が喘ぐ。もはや痛みはそれほど感じなくなり、身体の奥からジワリと快感が広がっていく。
「うっ!」
 弘志が呻いた。溜まった精液が尿道を駆け抜けていく。射精が終わっても、弘志は名残を惜しむように奈月の身体を
きつく抱きしめ、腰を動かし続けた。やがて、二人は抱き合ったまま、ハアハアと弾む荒い吐息を漏らす。
「よし、これで第一関門は突破だ!」
 一部始終を見ていた宮内の声が、夕闇迫る部室に響いた。



 
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