サッカー部マネージャー物語

13

「ああああぁぁぁ!」
 理恵子が、黒坂に全裸の肩を抱かれながら三階にあがってきた時、つきあたりの部屋から少女の絶叫が聞こえた。
「な…、何ですか?今の?」
 理恵子が黒坂に尋ねた。すると、同じ部屋から「ビシィッ!」という何かを叩くような音が響き、続いて「キャアッ!」とい
う悲鳴が聞こえた。
「白井の部屋だな。あいつ、またやってんのかな。」
 黒坂が独り言のように言った。二年生の白井はレギュラーになってしばらくした頃、先代のキャプテンに叱られてレギ
ュラーから外されたことがあったのだ。
「ちょっと見てみるか。」
 そう言うと、黒坂は白井の部屋のドアをノックした。
「はい。」
 白井が出てきた。その容貌を見る限りごく普通の高校生で、猛獣のような香川や巨漢の橋本、陰気な黒坂などに比
べると、むしろ穏やかで、優しそうにさえ見える。
「何をしてるんだ。」
「笹森とプレイしてたんですよ。見てみますか?」
 そう言うと、白井は黒坂と理恵子を部屋に招き入れた。
 部屋の中では笹森弥生が全裸で、X字状に柱と鴨居に両手両足を縛りつけられていた。全身にビッショリ汗をかき、
その尻には蚯蚓腫れが何本も走っている。理恵子は思わず駆け寄って、声をかけた。
「弥生ちゃん!」
「り…、理恵子ちゃん?」
 弥生がうつむいていた顔をあげて理恵子を見た。その顔は汗と涙でグショグショになっていた。
 白井は女を痛めつけることでしか性的興奮を覚えない正真正銘のサディストなのだ。先代のキャプテンに叱られ、一
時、レギュラーから外されたのもSMプレイで女子マネージャーに怪我をさせたからだった。
 レギュラー選手はマネージャーの身体を好きにできるとは言うものの、彼女たちはレギュラー全員のモノなので、身体
に傷をつけることは禁止されている。
 ヒュッ、ヒューンッ!
 白井が手にした鞭が空気を切り裂き、弥生の素肌に炸裂した。
 ビィッシィィーッッ!
「くうううぅぅッッ!」
 弥生は臀部に走る激痛に背中をそらせ、身をよじる。蚯蚓腫れになったところから血がにじんでいるようだ。
「黒坂さん、お願いです。白井さんをとめてください。」
 理恵子は自分の立場も忘れて、黒坂に頼んだ。
「そう言われてもな…。」
 黒坂は言葉を濁した。白井のやっていることは規則違反であるが、それに口を出して、面倒なことに関わりたくないと
いうのが本音のところだ。そんなことよりも、理恵子を一刻も早く部屋に連れて帰って、セックスしたかった。
 白井の方は、そんな二人を全く気にしないかのように、弥生への鞭打ちを続けた。
「それじゃあ、次はオッパイをブッてやろう。」
「もういや…、やめてください…」
 弥生が弱々しい声で哀願する。
「女の急所だからな、痛いぞぉ。覚悟しろよ。」
 白井は、痛みと恐怖で震える弥生を愉しげに見つめながら、わざと焦らすようにして、ゆっくりと鞭をかまえた。その目
に狂気の光が宿っている。
「よし、いくぞ。」
 ヒューンッ!
 バッシィィーンッッ!
「あぐうッ!」
 鞭は左右の胸の膨らみを斜めに横切り、その柔肌に食い込んだ。
 呼吸が一瞬止まり、弥生は乳房がもぎとられて、はじけ飛ばされるような気がした。胸の膨らみをじかに鞭打たれた
痛みは、臀部を鞭打たれるのとは比べものにならなかった。彼女は身をよじって泣いた。
「弥生ちゃんを助けてあげてください。私、な…、何でもしますから…」
 親友のあまりに痛々しい姿に、理恵子は必死の形相で黒坂に頼んだ。
「そうだな…。」
 黒坂はあまり乗り気でない様子だったが、理恵子の迫力に押されて、白井に声をかけた。
「あのな…、白井、ちょっと、悲鳴が気になるんだが…。」
 白井はキョトンとした表情で黒坂を見たが、
「そうですか、じゃあ、ギャクでもかませましょう。」と言うと、机の中からゴルフボールのような物を取りだして、弥生の口
にかませた。そして、再び鞭を振り下ろす。
 ビィシィィーッッ!
「うぐっ!」
 柔らかな乳房の先端のピンクの尖りに強烈な一撃を浴び、弥生は背筋をのけぞらせ、全身を痙攣させるかのように
硬直させた。ギャグから唾液が糸を引いて床に落ちる。
「どうです? これで、悲鳴が外に響くことはないでしょう。」
 白井は、鞭で弥生を責めるのをやめるつもりはなさそうだった。
「いや、そうじゃなくて…」
 そこまで言って、黒坂は思い出した。そういえば、香川は自分もSMプレイを楽しむために、最近、特定のマネージャ
ーに限って白井のプレイを認めたという話を聞いたことがあった。それが弥生なのだろう。
「ひどい怪我をさせないよう、ほどほどにな…」
 黒坂はそう言うと、理恵子を押し出すようにして外に出ると、後ろ手にドアをしめた。
「黒坂さん!」
 理恵子は非難と哀願がないまぜになった視線を黒坂に向けた。
「悪く思うなよ。あいつ、マジでヤバイからな。」
 バツが悪そうに、理恵子の視線をそらせ、言い訳がましく黒坂が言う。
 ビシーーッ!
「うぐぅぅぅ!」
 ドアの向こうから鞭の音とくぐもった声が聞こえてくる。
「俺はお前のこと叩いたりせず、可愛いがってやるぜ。さあ、昼休みの続きをやろうぜ。」
 黒坂は、理恵子の股間に手を潜り込ませながら言った。弥生のように鞭で責められなくても、男の玩具であることは、
理恵子も変わらないのだ。

「えっ、今、何て言ったの?」
 川崎は、一瞬、耳を疑った。
「私、結婚するのって言ったのよ。だから、もう電話してこないでね。」
 電話の声はひどく冷たかった。
 小夜子とは、昨年の夏休みにアルバイト先のスポーツ用品店で知り合った。彼女はその年の春に短大を卒業してそ
の店に就職した店員だった。それから一年近くつきあっていることになる。もちろん、その間にも、マネージャーを抱い
たり、他の様々な女の子とのセックスもとぎれることはなかったが、一人の女と「つきあっている」と言える期間が半年
以上続いていることは、川崎にしてはめずらしいことだった。
「じゃあね、今まで楽しかったわ。バイバイ…」
「ちょっと待ってよ!もしもし、もしもし…」
 電話が切れる音が耳に響いた。
 川崎は呆然としていた。女を振ったことは掃いて捨てるほどある彼も、女に振られたのは生まれてはじめてだった。
 その時、部屋をノックする音が聞こえた。
「こんばんわ。高橋です。」
 麻美の声であった。すっかり忘れてしまっていたが、練習の後、オナニーができなくて泣き出した一年生の身代わりに
なった麻美に、つい声をかけてしまったのを思い出した。
 しかし、ひどくプライドを傷つけられていた川崎は、彼女を抱く気にはなれなかった。
「今日はそんな気にならないんだ。帰ってくれよ!」
 麻美は川崎の様子がおかしいことに気がついた。
「ねえ、川崎くん、どうしちゃったの?」
「うるさい、帰れ!」
 そこにいるのが麻美ではなく、小夜子であるかのように、川崎は怒りをぶつけた。
 麻美はしばらくキョトンとしてドアの前に立っていたが、くるりと川崎の部屋のドアに背を向けると、ことさら胸を張って
ゆっくりと歩き去った。
「あれっ…、どうしてだろ、涙なんか出てきちゃって…」
 麻美は手の甲で頬をぬぐって独り言を言った。その顔がみるみるゆがんでいく。 そして、階段を駆け下りた麻美は
何か柔らかいものにぶつかるのを感じた。顔をあげてみると、理恵子だった。
 全裸で黒坂に手を引っ張られている。黒坂に何かを訴えていたらしい。
「理恵子、今日はここだったの?」
 麻美は泣いたことに気づかれないよう、顔を伏せながら理恵子に諭すように言った。
「覚悟を決めなきゃだめだっていったでしょ。きちんと黒坂さんに抱いてもらいなさい。」
 麻美は、理恵子が黒坂とセックスするのを拒んでいるのだと思った。しかし、理恵子の返事は意外なものだった。
「高橋さん。弥生ちゃん…、笹森さんを助けてあげてください。」

「白井君、いくら女子マネージャーの体を好きにしてもいいといったって、怪我をさせるのは許されていないはずよ。」
 白井の部屋に入って、柱に縛られている弥生を見るなり、麻美は白井に詰め寄った。白井のやっていたことは明らか
だった。
「麻美さん、キャプテンの了解はもらってるんですよ。」
 白井は赤い蚯蚓腫れが何本も走る弥生の乳房を愛撫しながら、悪びれる様子もなくそう言った。白井の手で傷口を
撫でられて汗がしみるのだろう、弥生はギャグの奥でうめき声をあげている。
「そんな嘘をついてもダメよ!いい加減になさいよ!」
 麻美はめずらしく、完全に喧嘩腰になっている。川崎とのやりとりで味わった切なさが、いつもの冷静さを失わせ、白
井に対する怒りに転化してしまったようだ。
 チーフマネージャーの猛烈な抗議に、さすがの白井もたじろいだかに見えたそのとき、ドアの方から声が響いた。
「いや、嘘じゃないぜ」
 そこには香川が立っていた。
 麻美は唖然として、香川を見た。
「そんな…。あなたがキャプテンになる前から、クラブの規則でそんなことは許されていないでしょ。それに…」
 麻美がなおも言い募ろうとするのを押しとどめ、香川は断固として言い放った。「だが、今は俺がキャプテンだ。クラブ
の運営は全て俺に任されているんだ。」
 麻美は、これ以上は何を言ってもムダだと思い口をつぐんだ。
 すると香川は、卑猥な笑みを浮かべ、
「そうだな。麻美、寮の連中の前で理恵子とレスビアンショーをやってみせるんなら、笹森を解放してやってもいいぞ。」
と言い、麻美と理恵子、二人の美少女を見比べた。
 麻美はため息をついて、理恵子を見ると、
「いい? 理恵子。」
とだけ尋ねた。
「はい。」
 理恵子は、思い詰めた表情でうなづいた。



 
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