サッカー部マネージャー物語

18

 理恵子は一人で電車の座席に座っていた。車窓からの景色はすっかり暗くなっていた。
 理恵子は放心したようにじっと床を見ている。
 ゴンドラの到着とともに愛らしい顔に男の体液を噴射された少女は、遊園地の係員の驚きと好奇の視線にさらされな
がら、飛び降りるようにして観覧車を降り、そのまま駆け出した。そして、植え込みのかげまで行くと、子供のように大声
をあげて泣きじゃくった。
 その様子に、さすがの香川も、その日は理恵子を解放することにした。到着した方が早かったと言って、セックスした
い気持ちもなくはなかったが、今後、自分のペットにするつもりの娘だ。あまり虐めすぎては、支障が出ると判断したの
だ。

 カーブで電車の車両が大きく揺れた。ふと、顔をあげた理恵子の正面に見覚えのある男性が座っていた。
 相手も視線をあげて、こちらを見た。
 サッカー部のエースストライカー、川崎瞬だった。
 駅に着くと、理恵子の隣の席があいた。ごく自然に、川崎がそこに移ってくる。
「理恵子ちゃん…、だったっけ?」
「はい。こんにちは…、川崎さん…」
 見上げた川崎の人懐っこい笑顔に、強張っていた理恵子の表情が少し和らいだ。
「どこに行ってたの?」
 川崎の質問に対して、理恵子は黙ったままだった。遊園地でのことは思い出したくなかった。
「あんまり元気がないね…。まあ、そうだね…、マネージャーってたいへんだからね。俺が言うのも変だけど…。」
 川崎は少しバツが悪そうに理恵子から視線をそらした。
 昨日までの川崎であれば、こんな形でサッカー部のマネージャーに声をかけることはなかっただろう。電車で乗り合わ
せても無視をするか、気分が乗れば、そのまま寮にでも引っ張っていって、食欲を充たすように性欲を充たしたかもし
れない。また、これが明日であれば、こんなに優しくふるまったかどうかわからない。
 今日、川崎は小夜子に会いに行った。交際を続けたいとか、結婚して欲しくないとか、そういったまとまった思いにさえ
ならない高ぶった気持ちで、とにかく会いたかったのだ。しかし、小夜子は川崎と会おうともしなかった。何度も鳴らし続
け、やっとのことでインターフォンに出た小夜子の投げた言葉は「いいかげんにしないと、警察呼ぶわよ!」の一言だっ
た。
 その後は、どこをどう歩いていたのかわからないまま歩き続けた。そして、夜になってようやく気持ちが落ち着き、寮
に帰るため、電車に乗ったのである。気持ちが落ち着いてくるにしたがって、たまらなく人恋しく、寂しくなってきた。 そ
こに理恵子がいたのである。
「もし、急いでないんなら。次の駅で降りて、ちょっと歩こうよ。」

 駅を降りると、若者に人気のある店が立ち並ぶ繁華街だ。二人は、どちらからともなく手をつないで、お洒落なショウ
ウインドウを見て回った。
 ファーストフードショップの前を通った時、トレードマークの人懐っこい笑顔を浮かべ、明るい声で川崎が言った。
「腹減ったよ。何か食べて行こうよ。」
「そうですね。」
 理恵子も、久しぶりに輝くような笑みをうかべて、うなづいた。
 店に入り、ファーストフードを頬張りながら、理恵子は川崎とお喋りをした。と言っても、実際には、ほとんど川崎の話
を相づちを打って聞いていたのだ。  話題が豊富な川崎の話は巧みで、おもしろかった。理恵子は、この一週間の悪
夢をすっかり忘れて、可愛い声をあげて笑い転げた。
 川崎も、そんな理恵子を見ていて、すっかり気持ちが穏やかになってきた。
 そうしているうちに、どんどん時間が過ぎていく。
「たいへん、こんな時間になっちゃった。」
 気がつくと、もう少しで日付が変わってしまう時間になっている。マネージャーになってから、外で泊まらされることもあ
ったが、どういう仕組みになっているのか、家には学校から正式の連絡が行き、理恵子の両親は娘の異変に気づくこと
はなかった。
「電車があるかしら。」
 不安そうにバッグを探り、時刻表を捜そうとする理恵子の手を川崎の手が握った。
「帰らなくていいだろ。」
 理恵子の顔が凍りついた。
「そうですね。私、マネージャーだから…。」
 結局、そういうことだ…、理恵子は哀しそうにつぶやいた。
 ふいに手を強く握られ、理恵子は顔を上げた。川崎が首を横に振ると、真剣な眼差しで彼女の目をまっすぐに見た。
「いや。マネージャーじゃなくて、女の子として理恵子ちゃんを愛したい。」
 川崎瞬が耳元で囁いた。理恵子は、少しためらいを見せた後で、黙ったままうなづいた。

 瞬は安いけれども、ラブホテルではない、普通のホテルに入って部屋をとった。フロント係の女性と顔見知りらしく、私
服を着ているとはいえ、いかにも高校生のカップルだというのに、全く怪しまれることなく、ツインの部屋がとれた。
 瞬は先にシャワーを浴びると、さりげなく、理恵子にシャワーを浴びるように言った。
 キスも知らない処女からいきなり性欲処理のための玩具に転落させられてしまった理恵子には、そうした心遣いがう
れしかった。
 他のサッカー部の選手たちにはそうしたデリカシーはない。香川にいたっては、逆に理恵子がセックスの前に身体を
洗うのを許さなかった。そして、自分の臭いをメスになすりつけようとするオスそのままに、自分自身も汗にまみれ、む
せ返りそうな体臭のする身体で理恵子を抱くのだった。
 着替えを持っていなかったので、再びワンピースを着て理恵子がバスルームから出てくると、瞬はベッドに腰掛けて待
っていた。
 理恵子は黙って瞬の横に腰を下ろした。
 瞬の腕が理恵子の肩に回る。
 次の瞬間、二人の唇が重ねられ、情熱的なキスが始まった。
 瞬の片手は、優しく理恵子の髪を撫でる。
 理恵子が愛撫に身を任せているうちに、背中に回された瞬の指はワンピースのファスナーを下ろしていった。
 下着姿になった理恵子を、瞬は静かにベッドに横たえた。
 大きな手がブラジャーに包まれた胸の膨らみを包み込むように揉んでいく。
 瞬の指がパンティの上から、ゆっくりと円を描くように、理恵子の股間を丁寧に撫で続けた。
「あ、あぁ…」
 理恵子がたまらず、甘い吐息を洩らした。股間の布がじっとりと湿ってくる。
 ブラジャーはいつの間にか外され、瞬はすっかり硬くなった乳首に舌と唇を這わせていた。
 その手は、下半身を覆う可愛い布に潜り込み、理恵子が最も感じる部分を直接愛している。
 ふいに腰が持ち上げられ、パンティが脱がされた。そして、瞬の陰茎が、理恵子の入り口に触れる。
(あっ!)
 理恵子は身を固くした。これまで、男との交わりは強姦か、それに近いものしか経験したことがない。それは、やはり
「同じ行為」なのだ。
 瞬はその気配を察知して、優しく肩を抱き、唇を重ねてきた。
 そして、あくまで自然に、あくまで優しく、瞬が理恵子の中に入ってきた。
「あ…、あ…、あっ…」
 瞬の腰の動きに合わせて、自然に理恵子の腰も動く。
「理恵子ちゃん、素敵だよ。」
 自分の頭の中から瞬の声が聞こえたような気がし、それだけで、理恵子は登り詰めそうになった。
 そして、目の前が真っ白になった。



 
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