サッカー部マネージャー物語

22

「少し用心が足りないんじゃないか。」
 電話の声は、明らかに香川に対する非難の色を含んでいた。
「俺がやったんじゃないよ。」
 自宅の部屋でカウチにもたれかかったまま受け答えをしていた香川は、不機嫌そうに答えた。
「でも種をまいたのはお前だろう。森川にアルバイトの罰を与えて、平島をチーフにした。」
「………。」
 反論しようのない事実に、さすがの香川も黙り込む。
「マネージャー制を続けたいなら、十分用心してあたることだ。」
 電話の相手は重ねて言った。
「わかったよ。もうわかったからいいだろう。もうすぐ理恵子が来るんだ。」
 そう言うと、香川はわざとガチャンと音を立てて、電話を切った。
「誰からの電話?」
 足下で聡子がたずねた。セクシーな黒いレースのパンティとブラジャーだけを身につけ、猫のように床に寝そべってい
る。
「関係ないよ、お前には!」
 イライラした口調で答える香川に、驚いたように目を見開き、聡子はそのまま口をつぐんだ。

 日曜日。今日も理恵子は香川に予約されていた。昨日の帰り際に、寮ではなく、自分の実家に来るように香川から言
われていた理恵子は、指定された駅で電車を降りると、重い足を引きずるように、渡された地図のとおり歩いた。
 閑静な住宅街を通って歩いて行くと、やがて、延々と続く高い塀に突き当たった。塀に沿ってなお行くと、とても個人の
家とは思えない立派なレンガ造りの門があり、「香川」と大きな表札がかかっていた。門扉の内側は広い庭になってい
るようだ。
 理恵子はインターホンのボタンに指を置き、少しためらった後、意を決してボタンを押した。
「はい、どなたでしょうか?」
 若い女性の声が答えた。
「あの…、私、高橋と言います。猛彦さんと同じ学校の。」
「ああ、伺っております。しばらくお待ちください。」
 少しして、庭の植え込みの蔭から白い人影が現れた。出てきた女性は二十歳ぐらいの、理知的な美人だった。
 理恵子は、その姿を見て思わず息を飲んだ。
 女性は一糸まとわぬ姿なのだ。釣鐘形のみごとな両乳房も、股間で逆三角形をつくっている艶やかな縮れ毛も、覆い
隠すものは一切なかった。
「さあ、こちらです。どうぞ。」
 理恵子が驚いたように見つめると、女性は恥じらうように視線をそらし、先に立って歩き出した。肉づきのいいふっくら
した臀部が左右に揺れる。
 彼女が香川の家族でないのは間違いなさそうだ。邸宅の豪華さから考えると、使用人を雇っていてもおかしくはない。
そうすると、お手伝いさんだろうか。しかし、どうして裸なのだろう。疑問は次々に湧き起こってくるが、言葉にできないま
ま、理恵子は彼女の案内に従って、庭から邸内へ、一階から二階へと進んでいく。
 その間、同じような全裸の若い女性が、庭や屋敷の中で働いているのを見かけた。疑問はますますふくらむばかりだ
った。
 一つの部屋の前で、案内の女性が立ち止まり、ドアをノックした。
「はい。」
 返事をして出てきたのは、チーフマネージャーの平島聡子だった。黒いレースの下着が肌の白さを浮き立たせ、淫靡
なムードを漂わせていた。
「遅かったじゃない、理恵子。キャプテンがお待ちかねよ。」
 理恵子の手首をつかんで部屋に引き入れながら、聡子は思い出したように、案内の女性にむかってニッコリと微笑ん
で言った。
「藤沢さん、ご苦労様。早く、あっちへ行ってくれる。目障りだから。」
 藤沢と呼ばれた女性の瞳に一瞬、怒りの色が浮かんだが、すぐに張り付いたような笑顔になり、小さな声で「ごゆっく
り」と言って頭をさげると、ゆっくりと部屋の前を立ち去った。
 思わず、理恵子は聡子に尋ねた。
「あの人たちは? どうしてあんな格好をさせられてるんですか?」
「あいつらはみんな親父の会社の女子社員さ。休日には、順番でこの家に来て、いろいろと無料奉仕をしてもらうことに
なってるんだ。」
 聡子に代わって、広い部屋の奥から香川が答えた。リラックスしたジャージ姿で、カウチにもたれている。二十畳はあ
るだろうという広い部屋は、いかにも高級そうな家具やAV機器、パソコンなどが並べられていても、少しの狭さも感じさ
せない。
「第二秘書課というところにいてね。普段はコピーとりや資料整理なんかをやってるんだけど、本当は取引先や政治家
なんかの接待が仕事さ。」
 香川の方へ理恵子の背を押すようにしながら、聡子が続けた。
「みんな聖賀高校の卒業生で、サッカー部の元マネージャー。私たちの先輩よ。そう言えば、どういう接待かは、もうあ
なたにもわかるでしょう?」
「ま、まさか!」
 理恵子は目の前がクラクラするのを感じた。行方不明になった麻美が、「卒業まで三年間の辛抱」だと言ったことがあ
ったが、どうやら「卒業しても終わらない」場合があるらしい。
「そんなことより、今日は三人でたっぷりと楽しみましょう。」
 そう言うなり、聡子はブラジャーをはずし、パンティも脱いでしまった。
「ここ、触ってみて。」
 聡子が指さした蠱惑的な恥丘は、黒々とした毛に覆われている。
 理恵子がもじもじしていると、聡子はその手首を掴んで自分の股間にあてがった。秘裂の上の合わせ目あたりに指
がとまり、理恵子はハッとした顔をする。
「ねっ、私、クリちゃんにピアスしてるのよ。」
 理恵子は少なからずショックを受けた。街で耳にピアスをあけている女の子を見るたび、自分にはとてもできないと思
ってきた彼女にとって、そんなところにピアスをするなどということは、全く異次元の世界であった。
「あなたもしてみる?」
「い…、いえ、私は、あの…、いいです。」
 理恵子が怯えたような顔でかぶりを振るのを見て、聡子は愉しそうな声で笑った。
「うふふふ…、まあいいわ。それより、あなたも早く脱ぎなさいよ。」
 理恵子は聡子の手で服を剥ぎ取られた。休日でも下着をつけないよう言われているため、ブラウスとスカートを脱がさ
れると全裸になってしまう。
 聡子は香川に見せつけるように、理恵子の身体を抱き、その唇に唇を押し当てた。閉じた唇をこじ開け、甘い唾液を
舌腹にのせ、ヌラリと相手へ送り込む。
 理恵子は聡子に抱かれたまま、押し倒されるようにして、無垢材でフローリングされた床に身を横たえた。聡子は胸
を理恵子の胸に擦りつけ、本格的なディープキスをしかけてくる。
 激しいキスに少しボーッとしてきた時、聡子が理恵子の太腿を左右に大きく割り、双臀の下にはクッションを敷いた。
そして、唇を離すと、理恵子の開いた太腿の間にあぐらをかいて座り込む。
「あっ、いやっ!」
 クッションのせいで、サラサラした繊毛の下の薄桃色の割れ目を、聡子の目の前にブリッジの体勢で突き出す格好に
なっている。太腿を閉じようとしても、聡子の膝で押さえられているため、閉じることができない。
「妬ましいくらいに、きれいなオ××コよね。」
 そう言いながら、聡子がそれを指でつつく、マシュマロよりも柔らかな感触が指先に伝わってきた。
「あっ…」
 理恵子が腰をよじる。そのせいでかえってその肉襞の内部が広く伸ばされ、サーモンピンクの中身がさらけ出され
た。
 聡子は薄い苞をくるりとめくってピンクの肉芽を剥き出した。ブルブル震えて閉ざそうとする太腿を膝を乗せて押え、
剥き出しにされてわななくクリトリスを唾液をつけた指でクリクリと優しく何度もこすりあげる。
「あうっ!」
 とろりとした蜜が溢れ、聡子の指を汚した。
「フフフ。理恵子ったら、可愛い顔していやらしいのね。アソコがもうこんなにビチョビチョになってるわよ。」
「二人で楽しんでないで、俺もまぜろよ。」
 肉塊をそそり立てて、香川が床に降りてきた。いきなり、仰向けになっている理恵子の顔面をまたぐと、床に膝を踏ん
張り、腰を浮かせて勃起を突きつける。
「あっ、ううっ…いやァ」
「何を言ってるんだ。毎日しゃぶってるだろう。」
 香川はいたぶるように言うと、理恵子の顔を押さえつけ、その口に怒張をねじこんだ。あわせて、白い桃のような乳房
を手のひらで鷲掴みにする。柔らかい乳房が、強く握られて淫らに形が歪む。
「うっ、ウグッ…」
 理恵子の細い眉が苦しげに歪んだ。真っ赤な顔を左右にねじるたび、サラサラの髪がひるがえる。
「ねえ、キャプテンあたしのも舐めてェ。」
 聡子は四つん這いになって、香川の前に尻を突き出し、ぷっくりした双臀をクネクネさせた。
「よし、それじゃあ、俺が舐めたら、理恵子の同じところを舐めてやるんだぞ。」
「フフフ、いいわ。アソコを三人で舐めっこするのね。」
 香川は聡子の尻を持ち上げると、その割れ目にむしゃぶりついた。香川が聡子の、聡子が理恵子の理恵子が香川
の性器をそれぞれしゃぶる格好になる。
 香川は聡子の股間に顔を埋め、下から上へとワレメを舐めあげながら、腰を沈めては浮かせ、理恵子の口に抜き刺
しを繰返す。
 理恵子の下半身では聡子が、薄い茂みに鼻をうずめ、奥の奥まで舌を伸ばして、香川が自分にしているのと同じよう
に、その部分を何度も何度も舐めあげていく。
「…ンッ、ンムムム…」
 理恵子は切なげな吐息をもらした。サッカー部員たちによってたかって開発された性感が、彼女の意思とは関係なく
燃え上がってくる。
「ググ…ンググ…」
 鋭敏な花芯をチューッと強く吸い上げられた。たまらず理恵子は裸身を突っ張らせ、どうにもならない官能を表現する
ように、美しい太腿をせわしなく折り曲げては伸ばしたりを繰返す。
「よし、そろそろいいだろう。」
 そう言うと、香川は理恵子を四つん這いにさせ、そそり立つ肉棒をバックから差し込んだ。
「あうっ!」
 理恵子が声をあげた。香川は軽い抽送を繰り返し、やがて根元まできっちり挿入した。温かく濡れた肉襞はすぐにペ
ニスに馴染んで、快美な一体感をもたらしてくれる。
「ああっ…あっ、うう…」
 理恵子の方も腰をくねらせ、可愛らしい喘ぎ声を洩らしはじめた。三人で絡み合い、執拗な愛撫を続けさせられたとこ
ろへ、深々とどどめを刺されたのだから、たまらない。
「うふふ…、理恵子ったら…、そんなに気持ちいいの?」
 聡子が尋ねた。こちらは香川の指で粘っこく肉層をえぐられている。
「いやぁ…、はぁぁ…」
 聡子の質問に答えることもできず、理恵子は羞恥で真っ赤になりながら、香川のピストン運動に合わせて淫らに腰を
振ってしまうのだ。
 聡子は思いついたように、四つん這いになっている理恵子の下に仰向けになって寝ころんだ。
「あらあら、あなたのオ××コ、キャプテンのオチンチンとしっかりつながってるわよ。」
「い、いや…、みな、いで…」
 男根を挿入されている局部をまじまじと他人に見られる恥ずかしさに、理恵子が喘ぎながら哀願する。
「つながってるとこ、舐めちゃお!」
 そう言うと聡子は、香川と理恵子の結合部分に舌を這わせた。
「おうっ!こりゃあたまらないな!」
 柔らかく濡れた理恵子の粘膜感に酔いしれていた香川は、さらに抜群のフェラテクで知られる聡子に舐められ、思わ
ず叫んだ。
「あっ、あっ、あぁぁ!」
 香川のピストン運動に合わせるように、聡子の舌がクリトリスに絡みつき、理恵子も耐えきれず身悶えする。
 そろそろ、最初の絶頂が近づいてきた。

 香川がカウチに寝そべり、ひんやりしたフローリングの床には二人の美少女が全裸のまま、ぐったりとして寝ころがっ
ていた。
 三人で淫らに絡み合い、何度、絶頂を迎えたことだろう。聡子は満足しきったように大の字になり、理恵子は背中を
丸めて蝦のような姿勢をとっている。
「おい、聡子、ホームバーへ行って、バーボンを取ってきてくれよ。」
 気怠そうな声で香川が言った。
「えーっ、どうして私が? 理恵子に行かせるか、藤沢に持ってこさせりゃいいじゃないですか。」
「まあ、そう言うなよ。俺はお前に取ってきて欲しいんだから。」
 不満そうな聡子にキスをしてなだめると、彼女はしぶしぶ、裸のまま部屋を出ていった。聡子とて、香川相手に強く物
が言える立場ではない。
 廊下を遠ざかる足音を確認すると、香川は理恵子をカウチに抱き上げ、耳元で囁いた。
「理恵子、俺の女になれ。もし、なるんなら、聡子の代わりにチーフマネージャーにしてもいい。いや、サッカー部のマネ
ージャーをやめさせてやってもいいぞ。」
「………。」
 何を言われたか、理恵子はとっさには理解できなかった。
「よく考えて見ろよ、高校にいる間だけじゃないぜ。さっきの女子社員を見ただろう。俺の女になれば卒業後は、大学に
行ってもいいし、親父の会社で普通にOLとして雇ってもらってもいい。けどな、もし断るんなら、無理矢理にでも親父の
会社に入れて、第二秘書課に配属してやるぞ。」
 香川は、めずらしく真剣な顔で、なだめたり透かしたりする。
 ようやく理恵子は、香川が本気で自分を求めていることを理解した。
「どうなんだ?」
 少し前なら、承知したかもしれない。今、彼女はサッカー部員たちの慰みものなのだ。香川の女になれば、少なくと
も、どこでも誰とでも淫らな行為をしなければならないという今の立場からは抜け出せる。しかし…
「私、嫌です。」
 理恵子はこれまでにないきっぱりした口調で答えた。
 理恵子の心には瞬が住むようになった。一人の「モノ」になることの方が、多くの男達の玩具でいることよりも、瞬に対
する裏切りのような気がしたのだ。
「なぜだ? 俺が嫌いか?」
 理恵子の返事は香川を打ちのめした。もちろん、断られる可能性も考えていなかったわけではないが、脅したり透か
したりすれば、そのうち承知するだろうと考えていた。しかし、今の理恵子の口調は、脅しも透かしも通用しない強い意
志を感じさせた。
「それとも好きな奴でもいるのか?」
 そう訊かれて、香川の質問にというよりは、頭に浮かんだ瞬の人懐っこい笑顔に、理恵子は思わずうなづいてしまっ
た。
 香川の表情が見る見る強張っていく。
 そして、部屋の外では聡子が耳を澄ませていた。その顔は怒りと、今の立場を失う恐れで、醜く歪んでいた。



 
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