サッカー部マネージャー物語

30

「ねえ、あなた。」
 放課後、野村京子は廊下でおしゃべりをしている1年生に声をかけた。
「はい?」
「なんですか?」
 声を掛けられた2人の1年生は、そう返事をして京子を振り返るなり、頬をポッと赤らめ、目を輝かせた。
 キリッとした顔立ちと男の子のようなショートカットの髪、背が高くスリムな京子は、聖賀高校の可愛らしい制服を着て
いてすら、少女というよりは、むしろ美少年に見える。そんな彼女は、異性との恋愛を知る前の思春期の少女たちの憧
れを勝ち取るに十分な魅力を持っていた。
「あなた、サッカー部のマネージャーにならない。」
 2人のうち、京子が目をつけたのは、パッチリした目の、栗色の髪をポニーテールにしたなかなか可愛い女の子だっ
た。
 ところが、サッカー部と聞いた途端、ポニーテールの目に困惑と怯えの色が広がった。
「えっ、でも…、私いいです。」
(まただわ!)
 そう思って京子は表情を強張らせ、心の中で舌打ちすると、もう1人の1年生を見た。ちょっと大柄で、ポニーテール
に比べると見劣りするものの、まあ十人並み以上のルックスだと言ってよい。
「じゃあ、あなた、どう?」
「私も、結構です。」
 もう一人も、京子の申し出をにべもなく断った。
 すでに10人以上に声をかけたが、いずれも断られている。サッカー部は聖賀高校の花形と言われてきたクラブであ
る。以前なら、こうも立て続けに断られることはなかったはずだ。まして、京子が口説いて落ちなかった娘など、これまで
は考えられなかった。
 さすがに派手にやりすぎたのだろう。サッカー部は少しおかしいという噂が立ち始めているのだ。
(香川と聡子が悪いんじゃない!どうして私が、必死でマネージャー集めないといけないのよ!)
 心の中でそう憤慨しながらも、京子にしても必死だった。今日は放課後になっても練習に参加せずに、新しくマネージ
ャーになる女生徒を探しまわっている。
 チーフマネージャーになった聡子と仲の良かった京子は、当初は選手たちの相手をするスケジュールに手心をくわえ
てもらっていた。しかし、最近は聡子のワガママが目に余るようになり、京子のことなど考えようともしない。しかも、麻
美、弥生がいなくなり、聡子が香川以外の誰の相手もせず、その香川は理恵子を独占しているという状況で、レギュラ
ー達の性欲を処理するマネージャーが少なくなってしまっている。そのために、京子は1年生で最初にクラブに入ってき
た時と変わらないスケジュールで、毎日数人の選手とセックスしなければならなかった。
 そのうえ、今日、新しいマネージャーが一人も捕まらなければ、今晩の京子の相手はSM狂の白井だと言われてい
る。すっかり女王様気取りの聡子を相手に昨日、つい口喧嘩をしてしまった。その罰なのである。
 白井は相手をする女の子を虐めないと性欲が満たされないSMマニアで、女子マネージャーたちから恐れられてい
る。
 女子マネージャーの身体に傷をつけてはならないという決まりがあるので、ひどい怪我をさせられることはなかった
が、SMプレイの結果、「不注意で」傷がついてしまうことも少なくない。事実、白井の相手をさせれた時は手首、足首に
拘束具による擦り傷を負うのはあたりまえだったし、きつく縛られた縄目の痕が乳房を赤く覆い、二、三日消えなかった
こともある。ろうそくで焙られて陰部に軽い火傷をさせられたことさえあった。後々まで残るような傷さえつけなければ、
キャプテンに対して謝ったり、少し謹慎するだけで許されているのだ。マネージャーたちの間では、こうした軽い怪我は
けっして「不注意で」させられたものではないというのが、常識になっている。
 しかし、京子にとって、そうした肉体に与えられる苦痛よりも辛かったのは、毎回奴隷の誓いをさせられ、言葉で嬲ら
れることだった。とりわけ、刺激に対する女体の反応を指摘して嘲笑され、卑猥な言葉でSMプレイや愛撫、セックスな
どをおねだりをさせられるのは、プライドの高い京子には耐えられなかった。

 結局、新しいマネージャーは見つからず、京子はガックリした様子で部室に帰ってきた。時間は既に7時近くになって
おり、部員たちは既にあらかた帰ってしまっている。
 いきなりドアが開いて、白井が部室に入ってきた。中肉中背で目立たない、大人しそうなタイプだが、チームにあって
は、なかなか優秀なゴールキーパーだ。そして、女子と二人きりになると悪魔に変貌する…。
 京子はビクッとして、白井を見た。しかし、彼はなにやら浮かれた様子で、帰り支度をしている。不審に思いながら、京
子は声をかけてみた。
「白井さん…」
 呼びかけられて、白井は初めて京子がそこにいるのに気がついたらしく、驚いた表情で彼女を見た。
「ああ、そうか、今日は、京子を予約してたんだ。でも、キャンセルだ。」
 一瞬の後、納得の表情を浮かべると、白井は事も無げにそう言った。
「キャンセル?」
「そう。キャプテンの許可が出たんだよ。今日は、いよいよ理恵子にプレイの相手をさせることができるんだ。というわけ
で、君はキャンセルだ。じゃあな!」
 そう言うと、白井はいそいそと部室から出て行き、京子はポツンと取り残された。
(何よ、それって…)
 異常な白井に身体を玩具にされるのは嫌だったが、こうして取り残されてみると不思議なもので、なんとなく馬鹿にさ
れたような気がする。自分より理恵子の方がいいのかという嫉妬心もムラムラとわき上がってきた。
 その時、部室のドアがガチャリと鳴った。
「何よっ!まだ、何か用なの!」
 そう怒鳴って入り口を見ると、シャワーを浴びた後らしく、上半身裸でタオルを肩にかけた黒坂が目をパチクリさせな
がら立っていた。
「あっ、黒坂さんだったのか。」
「何してるんだよ、一人で。いきなり怒鳴ったりして、何かあったのか?」
「別に…」
 二人の間に、沈黙が流れる。やがて、京子が妙に元気良く尋ねた。
「黒坂さん、今夜誰か予約してる?」
「今日はあぶれちまったよ。」
 黒坂はそう言うと、おどけた調子でいじけた仕草をして見せた。マネージャーが少なくなっているため、レギュラーでも
あぶれる者が出てくる。そう言えば、香川と仲の悪い黒坂は、最近、よくあぶれているなと京子は思った。
「私はキャンセルされたわ。」
「そうか、じゃあ…」
 そう言うと、黒坂は京子を抱き寄せて唇を奪い、濃厚なディープキスを始めた。何度も何度もお互いの舌を絡ませ、
二人して崩れるように部室の床に倒れ込む。
 黒坂の手が京子の胸へと移動していく。ブラウスの胸元から手を差し込み、ノーブラの胸に這わせると、掌に収まる
サイズの乳房を揉みしだいた。キスを続けながら、胸の膨らみを両手ですくい上げるように包み込み、指先で乳頭を刺
激する。
「む…、むぅ…」
 唇を塞がれた京子の呻き声が聞こえる。キスを終えた黒坂の唇がゆっくりと京子の白い首筋を下っていく。そして、ツ
ンと尖った桜色の乳首を含んだ。
「あん…」
 うっとりと目を閉じる京子の反応を見ながら、黒坂は舌で乳頭を転がし、もう片方の乳房をやさしい指使いで愛撫しつ
づける。
「感じるか?」
「うん…、気持ちイイ…」
 黒坂の問いに、京子が素直に答えた。
 黒坂は片手を京子の秘苑へと忍び込ませた。指先で隅々までまさぐると、京子は時々きゅっと眉を寄せて、鼻から甘
い息を漏らした。
 黒坂は指を奥深く侵入させて、Gスポットあたりまで入れ、熱くぬめった肉壁を刺激する。
「ああぅ…、んふぅ…」
 京子は言葉にならないよがり声をあげる。
 十分愛撫したあとで、黒坂は京子のスカートを脱がせ、自分もズボンとトランクスを脱ぐと、女の股の間に腰を滑り込
ませた。もう一度、秘部を確かめてみると、黒坂の愛撫でいつでも男を受け入れる体勢が整っている。
「京子、入れるぞ…」
 そう言いながら黒坂は濡れそぼった京子の秘苑に、ゆっくりと自分の先端を差し込んだ。
「あん…」
 京子が反応して、キリッとした眉をきゅっと歪めた。
 京子の秘孔は、これまで数え切れないほど男のモノを受け入れているはずなのに未だきつい入り口は緩んではいな
い。黒坂は少し力を込めて、ぐいと腰を押し込んだ。
「はうっ!」
 京子は両手で黒坂の腕をつかみ、きゅっと力を込めた。今日の黒坂は、そんな京子のしぐさを可愛いと感じた。
「もう少しだ…」
 黒坂がそう言って、ぐいと肉棒を京子の粘膜へと突き入れていく。
「京子…」
 名前をぽつり呟き、黒坂はピストン運動を開始した。
「あぁ…、気持ちいい…、黒坂さん…」
 京子はよがりながら、黒坂の首に手を回す。そして、自ら黒坂の唇に自分の唇を重ねた。
「んぅ…」
 積極的な京子の愛撫に黒坂は口を開け、好き放題にさせてやる。京子は情熱的に舌を動かした。
 黒坂はぐいと京子を抱きしめ、下から激しく突き上げた。
「んああっ!いい…」
 京子は唇を離し、身悶えしてよがると、きゅっと秘孔を締め、黒坂を導く。
 黒坂も切羽詰まってきた。
「京子…、イクぞ…」
「ああ、イキそう…」
 ただ性欲を処理するためにしてきたセックスとは違っていた。している事は同じだが、二人が経験したこれまでのどの
セックスよりエッチで、興奮し、そして、暖かかった。
 互いに相手を求めるようにぎゅっと抱き合いながら、二人は絶頂に達した。

「黒坂さん…、黒坂さん。」
 うつらうつらしていた黒坂の耳に、誰かが呼ぶ声が聞こえた。
 目を開けると、見覚えのある姿があった。聡子に対する強姦などの容疑で逮捕されたはずの川崎瞬だった。
「川崎、お前、どうして。」
 驚いた黒坂が勢い良く立ち上がった。その傍らで京子も上半身を起こす。彼女の方は、まだ快感の余韻に浸るような
甘くトロンと溶けた表情だった。
「無実が証明されたんだ。」
 川崎が逮捕された経緯は知らなかったが、香川と聡子の罠だということは薄々感づいていた黒坂だった。川崎のこと
は気の毒だとは思ったが、かと言って、川崎のために積極的に弁解してやる気力もなかった。それに、自分たちが女
子マネージャーにしていることだって、罪になるだろうということは、理解している。正直、警察に行って何か喋ったらヤ
バいという思いしか頭に浮かばなかったのだ。
「…そうか…、よかったじゃないか…。」
 黒坂はやっとそれだけ言うと、黙って京子の方を見た。川崎は黒坂に近づいて言った。
「黒坂さんに頼みがある。力を貸してもらいたいんだ。」
 黒坂は真剣な色を浮かべた川崎瞬の瞳を見た。



 
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