サッカー部マネージャー物語
 
32
 
 理由も告げられずいきなり校長に呼ばれた時、なんとなく不吉な予感を抱いた春日幸孝は、校長室の前で一瞬、躊
躇した後、軽くドアをノックした。
「失礼します。」
 そう声をかけて部屋に入った春日を迎えたのは、冴えない顔で部屋の奥の椅子に座っている校長ではなく、ソファに
ふんぞり返っている別の男の声だった。
「おう幸孝、久しぶりやな。」
 視線の先に、柄物のワイシャツに趣味の悪い色のスーツを着たチンピラヤクザ風の男が、不敵な笑いを浮かべてい
る。怪訝な表情で男を見つめていた春日は、やがて驚愕の表情を浮かべた。
「お前、い、池辺か?」
最後に会ってからずいぶん時間が経っているうえ、あまりにイメージが変わったせいですぐにはわからなかったが、確
かに見覚えのある少年時代の面影が残っている。先日、校舎のあたりで見かけたのも、この男に間違いない。
「春日君、この方は、君の古くからの友人だそうだね。」
 疲れたような表情の校長が、かすれた声で春日に確認する。息を飲んで言葉を捜す春日の代わりに、池辺が勝手に
説明を始めた。
「そうそう。儂ら、子供の頃からのつきあいですねん。同じ少年クラブチームに入ってまして、これでも、二人してプロの
サッカー選手を目指したこともあるんですわ。そうやな、幸孝。」
 池辺はニヤリと不敵な笑いを浮かべて、立ち尽くす春日の顔を眺めた。ふと春日の脳裏に浮かんだのは、川崎瞬が
ゴールを決める姿だった。その姿が、目の前の男の少年時代の姿と二重写しになった時、なぜ瞬の華麗で力強いプレ
イが春日を落ち着かない気分にさせるのか思い当たった。
「もし、儂が少年院に行くことがなかったら、二人でJリーグに入っとったかもしれへんな。まあ、お前だけは保護観察処
分で済んで良かったけどな。」
 池辺の笑い顔に毒が含まれる。その目は脅しつけるような色を浮かべて春日を見つめている。
「そやけど、『女子マネージャー制』やなんて、お前、まだビョーキが治ってへんかったんやな。」
 そう言うと、強張った表情で顔を見合わせる二人を尻目に、池辺はカラカラと大声で笑い出した。

「これまで、理恵子はサッカー部の秘密を明かした罰を受けてきたが、今日から、理恵子はキャプテン専属のマネージ
ャーになる。」
 香川は部室に集まった部員たちに向かって、宣言するように言った。彼の横に立っているのは理恵子だ。いつもは、
着ている物を全て脱いで部員たちが集まるのを待っている彼女だが、今日は、清楚な制服姿のままである。
「したがって、罰を与えるのもこれで終わりだ。」
 もう理恵子を苛めることができなくなることを知って、白井や三芳ががっかりした表情を浮かべたが、あえて異論を述
べることはなかった。
「理恵子は俺専属のセックス奴隷になるんだ。だから、今日から他の部員は理恵子を指名するんじゃないぞ。」
 今度はほとんどのレギュラー選手たちが不満そうな表情を見せた。やはりなんと言っても、理恵子はとびきりの美少
女だ。彼女を裸にし、その体を弄び、羞恥の表情を見るのはクラブ活動の最大の楽しみになっていると言って、言い過
ぎではない。それを香川に独占されるのは、つまらなかった。しかし、やはりキャプテンに逆らう者はいない。
 次に香川は、理恵子に向かって言った。
「スカートを捲くってみろ。」
 恥ずかしそうにうつむいて理恵子が自らの手でスカートを捲くる。パンティは今日も穿いていないため、白いスベスベ
の肌に黒い下腹部の翳りが露わになる。
「専属マネージャーの証に、これを着けてやろう。」
 そう言いながら、香川は金属でできたベルトのような物を取り出した。周囲で見ていた部員たちが興味津々の顔でそ
れを見る。
「それは、いったい…?」
 部員たちに意味ありげな視線を投げられた理恵子が不安そうな声で尋ねる。
「貞操帯だよ。ステンレスでできてるんだ。皮やラバーでできたSMごっこ用のじゃないぜ。皮なんかとちがって長い間連
続して着けていることができるし、ハサミやナイフで切ることもできないから、鍵を開ける他に外すことはできないん
だ。」
「ええっ!」
 信じられない香川の説明に、理恵子は思わず抗議の声をあげた。
「なんだ不満なのか?お前は、俺だけの物になると言っただろう。セックス奴隷になることを誓ったのさ。これを着けて
鍵をかければ、俺が鍵を開けない限り、お前は誰ともセックスできないし、オナニーだってできない。これで、俺はお前
を完全に支配することができるのさ。」
「そ、そんなぁ…。」
 理恵子は哀しげにつぶやいた。香川に「俺の物になれ」と言われた時、恋人になるよう言われたのだと思っていた
が、彼の欲望はもっと身勝手で、淫らで、異常な物だったことに、やっと気がついたのだ。
「そうそう。今日は初日だから、訓練のためにこれもつけておかないとな。」
 そう言うと、香川は太い棒のような物を貞操帯の内側に二本取り付けた。それは、貞操帯を着けた者を責めるための
張り型だった。
「へへへ、痛くないようにこれを塗っておいてやるよ。」
 香川はチューブ入りのクリームを指につけ、理恵子の陰部にたっぷりと塗りつけた。
「ううっ!」
 香川が張型を理恵子の体内に埋め込んだ。ヌルヌルするクリームのおかげで痛みはなかったが、異物を入れられる
不快感に呻き声をあげる。
「こっちも入れないとな。」
 香川は肛門にクリームを塗り込み、貞操帯についた大人の親指より一回り大きい棒を理恵子の菊座に挿入した。
「うぅ…」
「どんな感じだ?きついか?」
「き、きついです…、お願いですから外してください…」
「そうだろう。この2つの張り型は、オ××コや肛門を拡張したり、罰を与えるために使うんだが、今日はどんな感じが
するか試してみるんだ。明日は外してやるから、1日我慢するんだな。」
 そう言うと香川は、理恵子の腰に貞操帯のウエストバンドをしめた。貞操帯がぎゅっと締め付けてきて、理恵子の肌に
しっかりと食い込んだ。
排泄用の穴が空いたステンレスのガードが股間を覆う。香川は満足そうな笑みを浮かべて、ちょうどお臍の下あたりに
ある穴に鍵を差し込んだ。鍵がかかるカチャリという音が、理恵子の耳にやたら大きく響いた。
「どうだ?貞操帯をつけられた感じは?」
 意地悪い笑いを浮かべて香川が尋ねる。ずしっとした重みが腰にかかり、大陰唇に押しつけられたステンレスの感触
が理恵子の不安感をかき立ててやまない。前後の秘孔に挿入された突起物は、冷たい金属の密着度に比例するよう
に彼女の体内にしっかりと食い込んでいる。
「学校にいる時だけじゃない。家にいる時も、外に出る時も貞操帯をつけて暮らすんだ。俺とセックスする時以外は、寝
る時も、風呂に入る時も、トイレで用をたす時も、24時間、貞操帯を外すことは許さない。」
 香川の言葉を聞いていた理恵子の目に涙があふれ、彼女は両手で顔をおおった。あまりの惨めさに胸が詰まったか
らだ。そんな彼女に、さらなる責めが加わる。
「うっ、ううぅ…」
 理恵子は呻き声を洩らすと、貞操帯に覆われた下腹部を両手で押さえて、床にうずくまった。
「へへへ、オ××コと尻の穴が疼くんだろう。そうさ、さっき塗ったのは媚薬のクリームだからな。」
 股間が熱くなり、敏感な粘膜にじわじわ広がるような痒みが走る。掻けば楽になるのだろうが、貞操帯をされているた
めに、まったく肌に触れることができない。なんとか隙間から指を入れようとしても、彼女の細っそりした指でさえ、入り
そうで入らないのだ。
「うう…、お願い…ゆるして…」
 身悶えしながら哀願する理恵子に、部員たちは憐れみを感じると同時に嗜虐心を刺激され、強い興奮を覚えた。
「オ××コ、いじってほしいか?それなら、声に出してお願いするんだ。」
 床の上で身じろぎした理恵子は、顔をあげ、懇願するような目つきで、香川の方を見た。強い掻痒感のせいか、呼吸
も大きく乱れている。
 その時、部室のドアが音を立てて開いた。外にいた部員が制止しようとするのを振り切って入ってきたのは、川崎瞬
だ。
「なんだ、お前、少年院から脱走でもしてきたのか?」
 他の部員たちが凍ったように動きを止める中、香川はすぐに態勢を立て直すと、嘲笑を浮かべて言った。向かい合っ
て対峙している瞬は、それに答えることなく、キッとした表情で香川を睨み付けた。
「あんたにはキャプテンを降りてもらう。それに、女子マネージャー制もお仕舞いにするんだ。」
「おいおい、いきなり入ってきて、何だ?婦女暴行で捕まったと思ったら、今度は頭でもおかしくなったか?」
 そう言って、香川はわざとらしい笑い声を立てた。追従の笑いが広がることを期待したが、誰も笑う者はおらず、彼一
人の声が部室内にむなしく響く。
「川崎は本気だよ。」
 ぽつりとそう言ったのは、黒坂だった。
「なんだよ、黒坂、お前まで…」
 さすがに香川の声が狼狽で揺れる。周りを見回すと、黒坂の周りにいる部員たちも、彼に同調している様子だ。香川
と同じように驚きの表情を浮かべたり、キョロキョロしているのは、橋本や白井など、香川の側近と言ってよい数人のレ
ギュラーとマネージャーの三芳ぐらいだ。どうやら、筋書きはできあがっていたらしい。
「俺は降りないぞっ!」
 怒りの表情も露わに香川が怒鳴った。
「お前らも知っているだろうが、クラブの規則には、キャプテンは、自分がやめると言わない限り、降ろすことはできない
んだぞ。それに、キャプテンは3年生から選ぶことになっているんだ。瞬、来年までお前には資格がないんだぞ。」
 その途端、ふいに黒坂が立ち上がった。
「俺がキャプテンに立候補する。そして、紅白戦を求める。」
「く、黒坂…、おまえっ!」
 香川が立ち上がり、黒坂に掴みかかろうとする。その時、再び部室のドアが開いた。
「香川、だからあれほど用心するように言っただろう。部員たちに不満の種をまいたのはお前自身だぞ。」
 そう言いながら部室に入ってきたのは、どこか憔悴した感じの春日だった。その横にいるヤクザ風の男は、香川は初
めて見る男だが、池辺耕造である。
「『キャプテンの交代を求める者は、自分を支持する部員でチームを組んで紅白戦を挑む。勝った方をキャプテンとす
る。』、実力主義っちゅうわけか。幸孝、お前、おもろい規則作ったな。」
 池辺が手に持った『聖賀高校サッカー部規則集』を読み上げて、ニヤリと笑う。
「先生っ!」
「仕方ないだろう、香川。黒坂の挑戦を受けるしかない。試合は一週間後だ。2人とも自分を支持する選手を11名以上
集めること。もし、集まらなければ、不戦敗になるからな。」
 苦々しげな春日の言葉に、池辺が満足げに笑みを浮かべ、瞬にウインクして見せた。
「うぅ…、あぁ、あはぁ…」
 理恵子が激しく喘ぎ声をあげて、床の上をのたうち回った。股間の痒みと妖しい感覚に、とうとう耐えきれなくなってき
たのだ。瞬が駆け寄って床に膝をつき、彼女の上半身を抱き起こす。
「理恵子っ!」
「か…、わ、さきさん…」
 荒い息づかいの中で、額に汗をびっしょりかいた理恵子の顔に微笑みが浮かんだ。捲れたスカートから銀色に光る
金属が見える。瞬は少女の股間の禍々しい物の存在に気がついた。
「おい、これを外せ!」
 これまでになく強い声で瞬が貞操帯を指さし、香川に向かって叫んだ。
「嫌だね。俺はまだキャプテンだ。理恵子はキャプテン専属マネージャーだ。お前に理恵子を渡すもんか。」
「何だと!」
 瞬が立ち上がる。香川は手にした鍵を揺らしながら、瞬を睨み付けたまま、うそぶいた。
「その貞操帯は、この鍵でしか開かないんだ。相当な強さがあるステンレスで作ってあるから、ヤスリだとか、ちょっとや
そっとの道具じゃあ切れないだろうな。大がかりな工作機械でも置いてある工場なら切断して外すこともできるかもしれ
ないが、肌に傷がついたり、怪我をするかもしれないぜ。それに、こんなものつけているのを人様に見せるなんて、恥
ずかしいよなぁ、理恵子。」
 香川は、そう言い放つと、怒りのあまり身を震わせた瞬の一瞬のスキを衝いて、理恵子を抱き起こし、ひきずるように
部室を出て行った。なおも追いすがろうとする瞬の前に橋本が立ちはだかる。その巨体に殴りかかろうとした瞬の腕を
掴んだのは、池辺だった。
「落ち着くんや、瞬。ここでこいつを殴ったら、鑑別所に逆戻りやぞ!」
「一週間後、一週間後に紅白試合だぞっ!」
 瞬はそう叫ぶと、怒りに燃えた目で、外に出ていく香川と理恵子の姿を追った。
 



 
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