美鈴の強化合宿

第1章
 
 避暑地として有名な高原。その中心地から少し離れた場所に、学校に良く似た施設がぽつんと立っていた。
「ここか…、まあまあ、きれいなところよね…」
 荷物を詰め込んだキャリーバッグを手に、溝口美鈴はそう呟いた。一流ホテル並みとはいかないものの、年頃の女
の子が3週間寝泊りするのが嫌になるような場所ではなかったことに、まずは一安心する。
 美鈴は17歳の高校2年生。レスリング女子48キロ級の選手で、夏休みを使った強化合宿のためにこの施設を訪れ
たのだ。
 エントランスで待っていると、この合宿から彼女のコーチに就任する島田龍造が、数人のスタッフを連れて姿を現し
た。精力の強そうな顎の張った顔、太くて濃い眉、筋骨たくましい浅黒い肌の持ち主だ。身長が高く、がっしりした体格
に圧倒される思いを感じながらも、美鈴は島田に近づいて、挨拶した。
「初めまして、溝口美鈴です。よろしくお願いします!」
 元気良く、愛らしい笑顔で挨拶する美鈴に、スタッフたちの顔が緩む。「可愛い過ぎるレスリング選手」「女子レスリン
グ界のアイドル」などと言って、マスコミが騒ぐのも無理のない美少女だ。
「じゃあ、割り当てられた部屋に荷物を置いたら、体育館に来なさい。さっそく練習を始めよう」
「はい」
 島田の指示にそう返事をすると、美鈴はスタッフの一人に案内されて宿泊する部屋へと向かった。
「この中に、練習で着るシングレットが入っています。これに着替えて、30分後に体育館に集合してください」
 そう言ってスタッフが出て行くと、美鈴は渡された袋の中から赤いシングレットを取り出した。
 レスリングの正式なユニフォームをシングレットと呼ぶが、練習でシングレットを着ない選手は少なくない。美鈴も試合
の時には仕方なく着るものの、身体のラインが出るのが恥ずかしくて、普段は短パンにTシャツで練習している。しか
し、強化合宿ではシングレットを着用するように指示されることが多い。
 見ると、袋の中にメモが入っていた。メモには『メーカーから素材のチェックを指示されているため、下に水着やサポ
ーターは着けないこと』と書かれてある。
(裸のうえに、これを着るの?)
 美鈴は眉を歪め、表情を曇らせる。いつもは水着の上から着ていたので、素肌に着るのは、ちょっと抵抗がある。し
かも、渡されたシングレットは、布地が通常のものよりかなり薄い。手に取ってかざしてみると、向こうが透けて見えそう
だ。
 不安を覚えながらも、実際に着てみる。
 生地が身体に貼りつくように感じる。胸に視線を落とすと、押しつぶされた胸の頂上に小さな膨らみが浮き上がり、乳
首の色もうっすらと透けている。
「やっぱり…」
 鏡の前に立った美鈴が思わず呟いた。ぴったりフィットした布地は、身体のラインを浮かび上がらせている。胸は乳
房の形がはっきりわかり、下腹部は恥丘のもりあがりを映している。股間には布地が食い込んで、割れ目がくっきり浮
き出ていた。赤い生地には、うっすらとではあるが、乳暈や下腹部の翳りさえ浮かびあがらせている。
(イヤだわ、こんなの、着れない…)
 全裸でいるのとかわらない。いや、むしろ薄い布地が貼りついている分、全裸よりも恥ずかしい格好だった。美鈴の
頬が赤らんだ。
 一旦、私服に着替えた美鈴は、エントランス付近でスタッフと打ち合わせをしていたコーチの島田をみつけた。
「あ、あの…」
 美鈴が声をかけると、島田が振り返った。レスリングのコーチとして有名な男の威圧感のある厳しい表情に出会っ
て、思わずひるみかけたものの、勇気を振り絞って尋ねる。
「このシングレット、着なくちゃいけないんですか?」
「当然だ。強化合宿ではシングレット着用が義務だろ」
「でも、これはちょっと…」
 美鈴は困惑した表情で、手に持った赤いシングレットを握り締めた。
「自分で持ってきたのを着るのはだめですか?」
 島田がとんでもないとばかりに手を横に振る。
「ダメダメ、袋に書いてあっただろう、ユニフォームの提供を受けているメーカーの実験も兼ねているんだ」
「でも…」
 しばらく躊躇っていた美鈴だったが、思い切って口を開いた。
「これ、薄くって、身体の線が出ちゃうんです」
 途端に、コーチの表情が険しくなった。
「何を言っている、そんなことを恥ずかしがっていてどうするんだ。へんなことを考えるから、恥ずかしいんだ」
 畳み掛けるように叱られて、美鈴はしゅんとなってしまう。
「わかりました…」
 美鈴は諦めて、このシングレットで練習をすることにした。

 小走りで体育館へと向かいながら、美鈴は誰にも会わないように祈った。思い切って着てはみたものの、用意された
シングレットで人前に出るのは、かなりの勇気が必要だった。自然と手で胸と股間を隠してしまう。
 何度か施設のスタッフに出会いそうになり、その度に物陰に隠れながら、やっと体育館にたどり着いたが、入口のとこ
ろでぴたっと足が止まってしまった。
(男子選手もいる…、どうしよう)
 体育館には、コーチの他に4人の強化選手がいた。いずれも男子選手だ。そもそも、今回の合宿、女子は美鈴だけ
である。男子と一緒に練習することでパワーアップするのが、美鈴が今回の合宿に参加した目的なのだから、そこに男
子がいるのは当たり前ではある。
(でも…)
 思わず自分の胸に視線を落とした。赤いシングレットの胸に乳首がポッチリと浮かび上がっている。下腹部は何度直
しても、すぐに割れ目に食い込んでくる。そんな半裸といってもいい格好で、男子たちの前に出ていかなければならない
のだ。
(いやだなぁ、どうしよう…)
 中に入ることができず、入り口でもじもじしていると、美鈴の姿を見つけた島田コーチが大声で呼んだ。
「何をしている、早く来い、練習が始まるぞ!」
 その声に、男子選手たちも一斉に美鈴の方を見た。その表情に、一様に驚きの色が浮かぶ。薄いシングレットを身
に着けた彼女の姿に驚いているのは明らかだ。
「よろしくお願いします」
 できるだけ元気にそう挨拶したものの、顔が火照って熱くなり、心臓が激しく脈打っている。不自然にならないよう気を
つけながら、腕を胸の前に寄せ、膨らみを少しでも隠そうと努力した。手は自然に下半身を庇い、ぴったり閉じた太腿
にもギュッと力が入る。
 柔軟体操をしながらも、美鈴は全身に男たちの視線を感じていた。
 身体を動かすことで、薄い生地はさらに食い込み、双臀や大陰唇の形まで露わにする。どうかすると、食い込み捩れ
た布地の両側に媚肉が盛り上がり、お尻の膨らみがはみ出してしまう。慌ててシングレットを直した後、思わず周囲を
見ると、男子選手たちがサッと目を逸らすことが何度もあった。
「胸のポッチリ、あれ、乳首だよね?」
 男子の一人が他の選手に密かに耳打ちするのが聞こえた。甘いマスクのなかにも精悍さが漂う選手団のエースで、
美鈴が密かに憧れていた石原選手だ。
(…恥ずかしい…)
 美鈴は思わず唇を噛んでうつむいた。全身から汗が噴き出すような感じがする。
 そして、スパーリングが始まった。
 もちろん、スパーリングの相手も男子だ。最初はチーム最古参のベテラン、古河選手が美鈴の相手をつとめる。
(まいったな…)
 目のやり場を失った古河は心の中でそう呟き、思わず苦笑した。
 向かい合った美鈴は、前屈みの姿勢になっているために、シングレットの胸が釣鐘型に強調され、乳房の形がくっき
り浮かび上がっていた。胸元から見える白い谷間に、慌てて視線を落とすと、腰を落として肩幅に開いた太腿の間か
ら、女陰の割れ目に薄い布地が食い込んでいるのが見える。
(いかんいかん、練習に集中しよう…)
 古河は両手で頬をパチンと打って気合を入れた。
 一方、美鈴の方も古河の視線を意識し、顔から火が出そうに感じていた。見られていることを意識して、どうしても動
きがぎこちなくなってしまう。
「動きながら、技をかけろっ!」
 島田コーチの指示が飛ぶ。
(…ダメだわ、こんなことじゃ。とにかく、練習に集中しなきゃ…)
 それぞれに練習に集中することを決意した古河と美鈴は、低く構えた姿勢から、お互い、足へのタックルを狙う。
 スピードに勝る美鈴が古河の片足を取って、彼を倒しにかかった。一瞬バランスを崩しかけた古河だったが、さすが
に踏みとどまって、美鈴のタックルを受け止め、がぶりの体勢になる。
 美鈴の胸にまわした古河の腕に、柔らかな膨らみを押しつぶすような感覚があった。うなじからは、甘いリンスの香り
が漂ってくる。
(こりゃあ、たまらんな…)
 思わず力を緩めた隙に、美鈴は古河の腕から逃れ、二人は再び向かい合って構える。
「次は、正面からタックルしてきなさい」
 自らの妄想を打ち払おうと、古河が大きな声で美鈴に声をかけた。
「はい!」
 美鈴も、わざと元気良く返事をして、低く構えた。乱れた呼吸に合わせて、たわわな胸が揺れている。
 美鈴が、今度は古河の胴を狙ってタックルしてきた。古河はその身体を抱きとめ、股関節に手をまわしてロックする。
「あっ…」
 美鈴が困惑の声を漏らした。
 レッグホールドという、れっきとしたレスリングの技なのだが、美鈴が身につけているシングレットのせいで、少女の股
間に手を回していることを妙に意識してしまう。薄い布地ごしに、彼女の性器を手で押えているイメージが、古河の頭の
中で膨らむ。古河は、本来なら後方に投げるところを、妙に優しい手つきで美鈴の身体を床に倒した。
「よし、他の選手と交替だ…」
 古河は、コーチの合図を待たずにそう言うと、シングレットの股間の膨らみを気取られないよう、さりげない様子を装
ってトイレへと消えていった。
「ふむ、古河は優等生過ぎるところが課題だな。もうちょっとワイルドにならないとダメだ…」
 一部始終を見ていたコーチの島田は、そう言って手にしたノートに書き込んだ。
 次に、今回参加した男子では最年少、美鈴とは同い年にあたる池下涼太が「受け手」となって、美鈴が攻撃の練習を
することになった。
 美鈴と向き合った池下の顔に困惑の色が浮かんだ。「カツオ君」とあだ名される坊主頭の童顔が、目を伏せて真っ赤
になっている。それでも気になってしかたないらしく、時折、チラチラと美鈴の身体に視線を這わせていた。
(あんまり見ないでよ!)
 相手が同世代とあって、少し強気になった美鈴がギュッと睨むと、池下は慌てて目を逸らす。
「よし、溝口、攻めていけ!」
 島田の指示で池下が仰向けになったところに、美鈴がフォールの体勢に入る。
 池下が抜け出そうとするのを、美鈴が必死で押さえ込む。汗に濡れたなめらかな肌が池下の肌と触れあい、甘い香り
が男の鼻腔をくすぐる。薄い布越しに、少女の柔らかな肉体が押し付けられる。池下は自分の胸に、乳房の膨らみが
押し付けられるのを感じた。
(や…、やべぇ…)
 まるで、裸になって女の子と抱き合っているような感覚に陥り、池下の体中の血が逆流し、一個所に集まっていく。
(あ…)
 美鈴の目の前で、池下の股間の盛り上がりが見る見る大きくなってきた。彼が、自分の身体を意識していることを明
確に示す変化に、美鈴の方も恥ずかしくなってきて、思わず目を逸らした。
「うっ…」
 突然、池下は呻き声を漏らし、美鈴の身体を跳ね除けると、慌ててトイレに駆け込んでいった。周囲には栗の花のよ
うな臭いが漂っている。
「池下は、もっとタフにならないといけないな」
 コーチが首を捻ってそう言った。
 3人目は、アグレッシブな試合展開で定評がある実力派の相葉だ。最初は、相葉がほとんど防御せずに美鈴に攻め
させていたが、徐々に動きを早くして、実践的な練習になってきた。美鈴の技を崩したり、タックルも仕掛けてくようにな
り、とうとう、相葉が美鈴を押え込んだ。
 上半身を使って美鈴の下半身を押さえ込んだために、ちょうど、股間の盛り上がりに刻まれた縦裂が、相葉の目の前
にきた。
(こりゃ、すげぇぜ!)
 間近で見ると、薄い生地越しに、陰毛の生え具合やふっくらした大陰唇の形まで、はっきりとわかる。それが、相葉の
理性を溶かしてしまった。次の瞬間、相葉の手は美鈴の股間を鷲掴みにしていた。
「あっ、いやっ!」
 驚いた美鈴は、相葉の体を両手で突き放そうとするが、びくともしない。なにしろ、レスリングの男子選手なのだ。必死
でもがく美鈴にお構いなしで、相葉の指が土手の形を確かめるように、シングレットの股間を撫でていった。
「やめてください!」
 美鈴が抵抗するのも構わず、相葉はもう一方の手を美鈴の胸にあてがい、強く揉んだ。相葉の大きな手のひらが胸
を覆い、五本の指が柔らかい膨らみに食い込む。
「あ…、ああ…」
 相葉は、美鈴の胸に食い込んだ指をムニュッ、ムニュッと動かした。胸の膨らみが、男の手でさまざまに形を変える。
胸と股間、女の子の急所を両方掴まれ、美鈴が激しくイヤイヤするように顔を横に振る。
「キャアッ!」
 美鈴が鋭い悲鳴をあげた。相葉の手が太ももの付け根を滑り、シングレットの中に潜り込んだのだ。美鈴は慌てて股
に力を入れるが、相葉は容赦無く指を忍ばせていった。
「いや…、ホントにいや…、だめっ、やめてっ…」
 美鈴は既に涙声になっている。相葉は直に手のひらで下腹部を撫で、繊毛の感触を楽しんだ後、陰裂を指先でなぞ
っていく。
「ああっ、…いやぁ…、お願い、やめて!」
「ほろほら、こうしてオ××コを弄られるのが嫌なら、全力を振り絞って、この体勢から抜け出してみろ!」
必死で逃れようとする美鈴を押え込み、あくまで練習を装ってそう言うと、相葉の指は恥丘を割り亀裂の中に入っていっ
た。
「あっ…、ダメ…」
 美鈴は、思わず太股をぎゅっと締め、相葉の手を挟んだ。しかし、相葉の指は動きを止めない。
「いやっ、いや…、いやっ!」
 いやらしい攻撃から何とか逃れようとして、美鈴が強く身体を捻った拍子に、シングレットが捩れる。相場の手が胸に
あったせいだろう、胸元が大きく引っ張られ、乳房が片方こぼれ出た。
「きゃッ!」
 悲鳴をあげて胸を隠そうとするが、相葉に組み敷かれ、がっちりと押さえ込まれているために身動きが取れない。美
鈴は乳房を出したままの状態で、もがくことしかできなかった。
 その様子を、トイレから戻って来た池下がポカンと口を開けてみている。スパーリングをしていた古河と石原もさすが
に気になる様子で、お互いに技を仕掛ける動きが緩やかになり、時折、美鈴たちに視線を投げかける。
 そんな中、相葉の攻めは一層エスカレートしていった。割れ目の中を遠慮なくまさぐり、時折、膣口から指先を少し挿
入する。
「さあ、早く抜け出さないと、オ××コに指を入れるぞ」
「い…、いやっ…、うぅ、あうぅっ…」
 美鈴の口から、喘ぎ声に似た声が漏れる。弄っているうちに、相葉は指先にぬめりを感じた。
(おや、濡れてきたぞ…)
 興奮した相葉の力がわずかに緩んだ瞬間、さすがトップレベルのレスリング選手らしく、美鈴はスルリと彼の押え込み
から抜け出し、胸元を整えながら、よろよろと立ち上がった。相葉と向き合って構えの姿勢を取ると、汗と涙でビショビシ
ョに濡れた真っ赤な顔で、目を潤ませ、彼のことを恨めしそうに睨んでいる。
(さすがに、ちょっとやり過ぎたか…)
 怒りに震える美鈴の視線を受けて、少し反省した相葉は、思わず頭を掻いた。
「そこまで!」
 コーチが合図を送った途端、美鈴はその場でしゃがんで、しくしくと泣き出した。
「ゴメン、ゴメン、大丈夫…?」
 そう言って、相葉が近づこうとすると、美鈴は悲鳴をあげ、飛び上がるようにして逃げ出た。そして、体育館の隅にしゃ
がみ込み、子供のように泣きじゃくる。
「アグレッシブな相葉はともかく、美鈴はメンタル面も課題だな…」
 島田コーチは、例のノートに書き込んだ。これで、合宿のカリキュラムは全て固まった。



 
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