「よし、ちょっと確認してみよう」
ビデオ映像で一通りのアドバイスをした島田がそう言うと、美鈴に声をかけた。
「溝口、構えのポーズをとってみろ」
「は、はい…」
美鈴が立ち上がり、部屋の真ん中に移動すると、おずおずとレスリングの構えの姿勢をとった。それまで、両手で庇ったり、腕や脚を閉じてできるだけ見えないようにしていた胸や下半身を隠すことができなくなる。
お椀型の双乳も、陰毛に彩られた下腹部も、キュッとしまったお尻も剥き出しのまま、ポーズをとる美鈴の周りを、3人の男子選手と十人近くいるスタッフが取り囲んだ。みんなの視線を剥き出しの身体に感じて、美鈴の頬が火のように熱くなってきた。
「キャッ!」
フラッシュに驚いた美鈴が、悲鳴に似た声をあげる。見ると、スタッフが手にしたカメラとビデオが自分に向けられている。
「いやっ!うっ、写さないでっ!」
美鈴は思わず、その場にしゃがみ込んだ。 |