アイドル人気投票 第2章

 休憩を挟んで、白地にオレンジの清楚な花柄のワンピースを着た杏奈が再びステージに登場した。
 ファン達が拍手と歓声で迎える。髪型やメイクもきれいに直されたその姿は、清純なアイドルそのもので、
さっきのヌード撮影や全裸チェキ会が嘘のようだった。ファンたちも夢、それも自らの欲望を映し出した淫夢
を見ていたのではないかという気持ちになった。
 しかし、よく見ると杏奈の頬は上気したままで、潤んだ赤い目は楽屋でひとしきり泣いた名残りを残してい
た。何よりも、ファン達の手元にあるチェキが、さっきの出来事が夢でないことを示している。
「さあ、いよいよ、初めてのセックスですが、どうですか?」
「………」
 スタッフにコメントを求められていることは理解できたが、杏奈は答えに困って沈黙する。救いを求めるよ
うな表情でスタッフの顔を見つめる杏奈に対して、彼は容赦なく尋ねた。
「アプリコットは恋愛禁止でしたね」
「はい」
「当然、杏奈ちゃんはバージンですよね」
「…はい」
 そう答えただけで、杏奈は耳まで真っ赤になっている。
「そうすると、これからの撮影で、生まれて初めて男の人とセックスするところを、ファンやスタッフや、み
んなに見られることになりますが、今、どんな気持ちですか?」
「…緊張してます」
 やっとの思いでそれだけを言うと、杏奈は泣きそうな表情で、深いため息をついた。スタッフもさすがに可
哀想になったらしく、気まずそうな顔になって進行表に視線を落とす。
「それでは、杏奈ちゃんの初体験の相手に登場していただきましょう」
 パチパチという微妙な拍手とともに、ファンの嫉妬の視線を浴びながら、背の高い男が登場した。整髪料で
髪を後ろに撫でつけた30歳代半ばぐらいの男だ。ジーパンにパンキッシュなデザインをした黒のTシャツ、
右腕にはタトゥーが入り、金のネックレスとブレスレットを着けている。
 入って来た男をちらっと見た杏奈の顔が強張り、唇をギュッと噛みしめた。

「それでは、「公示日」から一週目の結果を見てみましょう」
 人気投票の期間は一週間ごとにイベントが組まれていて、投票結果の中間報告が発表される。最初の中間報
告は、インターネット放送で特番を組んで配信された。
 モニターに「3位 早川杏奈」と表示された。1位はコケティッシュな魅力で人気急上昇中の17歳、木島
ななせだ。いたずらな子猫を思わせる表情がモニターに映し出される。
 会場から驚きの声があがったが、それは、まだ冷静なものだった。誰もがエースと認めているからこそ、逆
に杏奈の票は毎年出足が遅く、最初の週はだいたい2〜4位ぐらいだ。3位なら、例年どおりだと言える。
 しかし、杏奈本人は気が気ではなかった。もともとガツガツしたタイプではないので、中間報告で1位にな
らなくても、例年なら「ちょっと悔しいな」と思う程度だが、今年は事情が違う。なにしろ、1位をとらなけ
ればAV出演が待っているのだ。想像しただけで、恥ずかしさと怖さが込み上げ、身体が震えてくる。アプリ
コットの親しいメンバーも心配そうな表情で、彼女を見ている。
「残念ですね、杏奈ちゃん、一週目は3位でした。ここからの逆転に向けて、決意はいかがですか?」
「頑張ります、みなさん、応援をよろしくお願いします」
 焦りを隠せない様子で、涙目になった杏奈はカメラに向かって、何度も頭を下げた。
「では、3位の杏奈ちゃんには、こちらの映像をご覧いただきます」
 モニターにどこかのスタジオの様子が映し出された。何かの撮影をしているらしい。
「あっ、あ…あぁ…」
 色っぽい声が聞こえ、カメラが全裸の女性を捉えた。乳房を露わにしてベッドに仰向けになり、その股間に
は男が頭を埋めている。
「キャアッ!」
 スタジオ内のアプリコット・メンバーの悲鳴があがる。杏奈は思わず両手で顔を覆った。「ほらほら、杏奈
ちゃんは、ちゃんと見た方がいいですよ」
 MCの言葉に、おずおずと開いた指の間から覗くと、女性は男に陰部を舐められていた。男の舌が大陰唇の
膨らみや割れ目を這い回り、女性は全身をくねらせて、身悶えしながら喘いでいる。その様子を撮影するカメ
ラやスタッフたちも映し出された。
(あんなことされて、どんな気持ちだろう…)
 杏奈はそう思った。他人に見られることを考えただけでも恥ずかしい秘所に、男が顔を埋めてキスをし、舌
で舐め回しているのだ。自分ならあんなことをされたら、恥ずかしくて死んでしまいそうだ。
 画面が変わった。男の膝の上に女が乗る形でつながっている様子が映し出される。アプリコット・メンバー
が、さらに大きな悲鳴をあげた。
 モザイクがかけられてはいるが、二人の結合部が露わになる姿勢だ。モザイク越しに、肉棒が女性の体内に
出入りしている様子がわかる。そんな卑猥なセックスがあることを初めて知って、杏奈は少なからずショック
を受けた。
「早川杏奈ちゃん、初めまして」
 映像が切り替わり、さっきまで女優とセックスしていた男が映し出された。しかも、あろうことか、杏奈に
対してカメラを通して呼びかけている。杏奈は思わず「キャッ!」と悲鳴をあげてしまった。
「AV男優のタローです」
 男は上半身裸のまま話を続ける。筋肉質の体に日焼けサロンで焼いた肌、金のネックレスをして、右腕に髑
髏のタトゥーを入れている。
「人気投票でトップが取れなかったら、AV出演ですね。その時は、僕が杏奈ちゃんの絡みの相手をさせても
らいます」
 杏奈はあらためて映像に映る男の顔を見た。確かに二枚目ではあるが、目元に剣があり、どこか不誠実そう
な感じがする。堅実な家庭で大事に育てられた杏奈は、根っから真面目な性格なので、タローのようなタイプ
は苦手だ。
(ムリ…)
 杏奈はとっさにそう思った。
 ある程度の年齢になってくると、女の子は恋愛の相手を選ぶ時、無意識に、その男性とキスしたり抱かれた
りすることが想像できるかどうかを考える。考えられなければ、顔が良くても、性格が良くても相手に選ぶこ
とはない。もしプライベートなら、杏奈がこの男を恋愛の相手には選ぶことは絶対にないだろう。まして、セ
ックスなど論外だ。
「アプリコットは恋愛禁止だって聞いてるから、杏奈ちゃんはバージンかな?すると、俺が杏奈ちゃんの最初
の男になるかも…ですね。へへっ、俺のモノ、優しく杏奈ちゃんのアソコに入れてあげるよ」
 台詞を聞くうちに、杏奈の表情がさらに険しくなった。ペナルティでAVに出演することになれば、よりに
よってこの男に処女を捧げることになるのだ。
「おっと、トップアイドルを相手にこんなことを言ってると、街を歩けなくなっちまう。じゃあ、杏奈ちゃ
ん、人気投票頑張ってね。俺は君が他のメンバーにトップを明け渡して、ベッドの上で会えるのを楽しみにし
てるよ」
 画面の男がニヤニヤ笑いながら手を振った。
 その瞬間、生中継の最中にも関わらず、糸が切れたようになって杏奈が泣き出した。メンバーたちが慌てて
駆け寄って慰める中、杏奈の背中を撫でていた木島ななせがニヤリと笑うのが、わずか一瞬だけカメラに捉え
られた。

 タローが登場するなり、ディレクターが合図を出して本番が始まった。いきなり背中から抱き締められ、男
の手がワンピースの胸を撫で始める。
「あ…」
 杏奈が戸惑いの声をあげた。セックスをする相手だから、多少はお互いの紹介や、コミュニケーションのた
めの会話があるのかと思ったが、そういうものではないらしい。苦手なタローと会話をしなくてよいのは、気
が楽ではあったが、他方で、初対面の男性にいきなり身体を触られたり、抱かれたりするのは、やはり抵抗が
あった。どこの誰かもわからない相手と裸になって抱き合い、最終的には性器と性器で繋がらなければならな
い。杏奈は自分がAVに出演していることを実感し、泣きたくなるのをグッと堪えた。
(アイドルって、ホントにちっちゃいな…)
 腕の中の華奢な体にタローはしみじみとそう思った。力を入れると折れてしまいそうな肩に手を回すと、甘
いシャンプーの香りが鼻をくすぐった。清楚なワンピースもあいまって、まるで花の妖精を抱いているみたい
だ。
 杏奈はタローのことを何も知らなったが、彼の方は、トップ・アイドル早川杏奈のことなら、よく知ってい
た。実はCDを買ったり、ライブやイベントに行くほどの彼女のファンで、今回の仕事がきた時は密かに小躍
りしたものだ。
(やっぱり、可愛いなぁ…)
 丸みを帯びた幼さの残る頬に手をあてて上を向かせると、プルンとした愛らしい唇が目の前にあった。一
瞬、驚いたような表情を見せた後、杏奈が躊躇いがちに目を閉じる。マスカラを引いていないのに睫毛が驚く
ほど長い。言いようのない優越感を覚えながら、タローは日本中の男が夢に見た、その唇に唇を重ねた。キス
どころではない、彼は国民的アイドル早川杏奈の最初の男になるのだ。これからの撮影を想像しただけで、股
間が熱くなるのを感じながら、タローは杏奈の唇を吸い、彼女の舌に舌を絡めていった。
(キスしてる…、私の…、初めての…キス…)
 そう思った途端、杏奈は心臓をギュッと掴まれたような感じがした。契約で厳しく男女交際を禁じられてい
たアイドルにとって、それは、初めてのキスだった。プライベートではけっして許されなかったファーストキ
スを、仕事で、好きでもない男に奪われたことに、杏奈は胸が苦しくなって吐息をついた。心のどこか奥の方
が傷つき、閉じた睫毛に涙が滲む。
「どうしたの、ひょっとしてキスも初めてだったかな…」
「………」
 杏奈は答えることもできず、ただ俯いた。白い頬に涙が一滴流れるのを、カメラが逃さず捉える。
 その間もタローは、背中のファスナーを下ろしながら、首筋から鎖骨の窪みへと舌を這わせていく。右手は
剥き出しになった肩を抱き、左手で背中まである黒髪を愛撫するように梳かしている。
 ワンピースが腰まですべり落ち、タローの手が杏奈のブラジャーの膨らみを揉みしだいた。ゆっくり揉みな
がら、背中のホックを外し、肩紐を外す。
「あっ…」
 慌てて胸を隠す杏奈の手を、タローが掴んで胸の前から離させる。
 お椀型に整ったきれいな形をした乳房をタローが下から掬うようにして手のひらで包んだ。円を描くように
しながら、何度も膨らみを揉みしだき、親指と人差し指で乳首を押しつぶすように摘まむ。
 タローが乳首に口を近づけてきた。
「い…、いやっ…」
 とっさに肩を捻って逃れようとしたが、強く抱きしめられ、乳首を口に含まれた。チュッと音を立てて吸わ
れ、全身に鳥肌がたつ。
「あっ、うんっ…あんっ…」
 舌で左右の乳房を舐め回され、歯で乳首を軽く甘噛みされて、杏奈が身悶えした。くすぐったいような快感
が背筋を貫く。数多くのAV作品に出演してきたタローの熟練の舌にとって、初心な杏奈の性感を翻弄するこ
となど、赤子の手を捻るより簡単だ。いつの間にか、乳首が勃起して丸く膨らんでいる。
「感じてきたんだ…」
 タローの声が耳元で囁く。初めて経験する身体の中から火照ってくるような感覚に、杏奈は戸惑いを感じ
た。ドキドキする胸の鼓動が音になって聞こえてきそうだ。
(ああ…、ホントに始まっちゃった…)
 男の愛撫を受けながら、杏奈は逃げ出したくなる思いと必死にたたかっていた。

「すみません、許してください。ムリです…」
 必死の表情でそう言う杏奈を前にして、プロデューサーの安元は渋い表情を見せた。その隣では事務所の社
長が仏頂面で腕を組んでいる。「どうしても嫌なら、社長の所に一緒に行ってあげる」と言ったマネージャー
の姿はそこにはなかった。
「アイドルは歌やダンスのパフォーマンスをお客さんに見て楽しんでもらうだろう。AVだって、パフォーマ
ンスなんだ。女の子がセックスする姿を見せて、お客さんに楽しんでもらう。これはエンタテイメントなん
だ。アイドルの活動と同じことだよ」
 安元が繰り返し力説するのを、目に涙をため、唇を噛んで聞いていた杏奈だったが、とうとう意を決したよ
うに言った。
「…それじゃあ、私、もう、アプリコットを辞めます!」
「何を言ってるんだ?」
 安元が、信じられないとばかりに首を振りながらそう言った。社長も大げさにため息をついて見せる。まっ
たく相手にしようとしない様子の二人に向かって、杏奈が眦を決して言葉を続ける。
「AVなんてできません…、私、そこまでしたくないです、芸能界ももういいです。辞めます」
 小さく震えながら、必死にそう言う杏奈を見て、社長がわざとらしく首を捻った。
「はあ?何を言ってるんだ?辞められないよ」
「えっ…」
 杏奈が目をに開き、驚いた表情を見せた。社長はここぞとばかりに身を乗り出して、言葉を重ねる。
「契約してるから、辞められないんだからね」
「契約…?」
「そうだ、タレント契約は年間契約だ。少なくとも今年いっぱいは勝手に辞めるわけにはいかないんだよ。も
し、どうしてもというなら、損害賠償を請求するよ」
 社長がそう言うと、安元が言葉を続けた。
「賠償額は数千万…、いや仮にもアプリコットのセンターだからな、億になるかもしれないぞ。そんな額、杏
奈に払えるか?払えないだろう?」
「払えないなら裁判だぞ」
 契約をたてに、大の男二人に言い募られて、杏奈はだんだん反論できなくなってきた。
「いいか、アイドルからAV女優に転向した子なんて、たくさんいるんだよ。杏奈と同じような可愛い子だっ
て、AV女優をやっているんだ」
 安元がそう言い聞かせるようにそう言うと、社長が吐き捨てるように言葉を続けた。
「難しいことじゃないだろう、裸になって、男優とセックスするだけなんだから…」
「でも…、でも、私、恥ずかしいです」
 顔を真っ赤にして、杏奈が最後の抵抗をしようとする。全身から冷や汗が出てくるような思いだった。
「何を言ってるんだ、君はプロだろう。セックスぐらいなんだ、ちょっと恥ずかしいのを我慢すればいいだけ
だろう」
 社長の言葉に、安元も大きく頷く。
「そんな…」
 ほとんど泣きべそをかいたような状態で、杏奈の声が小さくなっていく。怖くて、とにかくその場から逃げ
たいという気持ちになり、次第に追い詰められていく。
「いいね、AVやるんだよ、これは決定事項だ」
「………」
「恥ずかしかろうが、嫌だろうが、とにかくやるしかないんだよ」
「………」
「やると言うまで、何時間でも、こうして話をすることになるよ」
「…、わかりました…、やります…」
 話し合いを始めてから、すでに3時間が経過している。このままではいつまでも帰してもらえないと思った
杏奈は、とうとう、その言葉を口にしてしまった。

 パンティ一枚になった杏奈がちょこんとベッドに座ると、上半身裸になったタローが背後に回って彼女の肩
を抱いた。杏奈の背中に厚い胸板が押し付けられる。タローの両手が立膝にした杏奈の膝頭に置かれ、左右に
ぐいぐい押し開いていく。
「えっ、いやっ…」
 杏奈が戸惑いの声をあげて抵抗するが、あっと言う間にベッドの上でM字開脚の姿勢をとらされた。
「…いやっ、いやっ、…恥ずかしい…」
 杏奈が両手で顔を隠し、いやいやするように頭を振った。男の力で押さえられ、脚を閉じることができなく
なった杏奈の股間にカメラが接近する。パンティのクロッチの部分に楕円形の染みができていた。杏奈自身の
気持ちとは裏腹に、さっきのキスと愛撫のせいで、陰部が潤ってしまったのだ。
「ほら、見てごらん、パンティが濡れてるよ」
「いや…、だめっ…」
 なんとか脚を閉じようとする杏奈を抑え込みながら、タローはパンティ越しに、指先で圧迫するように股間
の割れ目を上下になぞっていった。薄い生地に縦長の溝ができて、大陰唇の形が浮き出てくる。その溝にそっ
て、タローは指を曲げ伸ばしして、爪で掻くように擦っていく。
「ううっ、いっ…、いや…」
 杏奈の眉が恥辱に歪む。
「さあ、パンティを脱ごうか」
「………」
 杏奈が無言のまま、唇を噛んだ。すでに、スタッフやファンに性器を見られ、チェキ撮影の時には大勢のフ
ァンに触られてしまったのだ。ここまできて、抵抗しても意味がないような気がした。
 タローの手でパンティが足元までするすると下ろされる。
(だめ…、やっぱり、恥ずかしい…)
 杏奈は思わず両手で蓋するように前を隠したが、その手をタローに掴まれて左右に引き離された。
「恥ずかしい…」
 そう呟きながら羞恥で真っ赤になった杏奈の表情をカメラが捉える。杏奈は思わず両手で顔を隠した。カメ
ラが股間のあたりまで接近し、杏奈の性器がアップで撮影されていく。
タローは指先で大陰唇を開閉し、小陰唇の肉びらを広げ、膣口の周りをなぞる。男の指が思うままに杏奈の陰
部を弄る様子を、一部始終ビデオカメラが撮影していた。スタジオに設置されたモニターにはサーモンピンク
に色づいた性器がアップで大きく映し出され、ファンが食い入るように見つめている。さっき触ったその部分
の柔らかな手触りを、それぞれが思い出しているのだ。
 割れ目の中に輝く液体が溜まっているのを見つけ、タローが耳元で囁いた。
「ほら、やっぱり濡れてる…、気持ちいいんだろ…」
 タローは大陰唇の膨らみを左手の指先で押し開くと、右手の指を使って、濡れた粘膜をなぞりあげた。その
指先に透明な粘液が付着し、糸を引いている。
「そ、そんなこと…」
 「ない」と否定できないのが悔しくて、杏奈が口ごもる。
「もっと気持ち良くしてあげよう…」
 そう言うと、タローは全裸になった杏奈をベッドに横たえた。タローの顔が彼女の腰のあたりにくる。
(いやっ…、いやっ、それはいやっ!)
 杏奈がイヤイヤするように激しく首を振った。中間発表の中継で見せられた映像が脳裏によみがえる。あの
映像の女性のように、自分も股間にタローの顔を埋められ、性器を舐め回されるのだと思うと、激しい羞恥心
が襲ってきた。
「じっとして!」
 叱りつけるように言うと、タローは杏奈の太腿を左右に押し開き、その間に入って顔を近づけてきた。
「いやっ、ダメっ、やめてっ!」
 必死で股間を隠そうとする杏奈の両手を掴むと、鼻息がかかる程の距離に顔を接近させる。目の前には、茂
みに覆われた柔肌の膨らみがある。縦に走る亀裂が少し開き、中のサーモンピンクの肉肌を覗かせている。
「きれいなオ××コだよ」
 タローが顔を近づけ、熱い息をフッと吹きかけてから、小陰唇の花びらを舌でベロリと舐めあげた。
「きゃあっ!」
 杏奈が悲鳴をあげた。あまりの恥ずかしさに身を捩り、タローにつかまれた手を振りほどこうと暴れ、広げ
られた股間を必死になって閉じようとする。
「ほら、じっとして」
 タローは叱るようにそう言うと、逃げられないように股間に顔を埋め、花びらの合わせ目をゆっくり、下か
ら上に舐めあげた。
「だめっ…、汚い…」
 チェキ会の後にもあらためてシャワーを浴びたし、常に清潔にしているつもりだが、そうは言っても臭いが
しないか気になるし、そもそも他人に舐められることなど、これまで考えたこともなかったところである。そ
んな杏奈の思いに気づいたかのように、タローが鼻をちかづけ、クンクンと音を立てて匂いを嗅いでいる。
「いやぁ…やめてぇ、恥ずかしい…、恥ずかしい、恥ずかしい…」
 子どものように泣きべそをかきながら、杏奈は何とかして股を閉じようと足をくねらせる。その太腿をしっ
かり押さえつけたタローは、唇を女陰に押し当て、割れ目に舌を這わせた。
「くうっ…」
 杏奈が押し殺したような声を漏らす。タローは花びらを舐めしゃぶり、口の中に含んで唾液を絡める。背筋
に電流が走り、思わず腰が浮き上がる。
 カメラがグッと近くに寄って来た。股間をアップに、杏奈の表情もわかるアングルで捉える。タローの舌先
が彼女の性器を舐め、しゃぶる様子をモニターに映し出した。スタジオに集まったファンは息を飲んで、モニ
ターとベッドの上の杏奈を見つめている。
 杏奈の脳裏に、股間を舐められて悶えていたAV女優の映像が浮かんだ。気を失いそうなほど恥ずかしいこ
とをされているのに、あの女性はどこか気持ちよさそうな顔をして、腰をうねらせていた。その淫らな姿が、
今の自分の姿と重なる。
(いやっ、あんなのはいやっ!)
 激しく首を振る杏奈を見て、タローは一旦顔をあげ、指先で花びらを広げた。肉の合わせ目を探り、ピンク
色の突起が顔を覗かせているのをカメラに収めさせると、タローはそれを舌先で軽く突いた。
「ああんっ!」
 杏奈が声をあげ、太腿でタローの顔を挟んでくる。その股間をM字に押し開き、しっかりと固定すると、タ
ローは再び股間にむしゃぶりついた。包皮を剥いた敏感な芽を口に含んでチュッと吸い上げ、舌先で転がす。
ひと舐めするごとにクリトリスは真珠のように膨らんでいった。
「ああっ!」
 杏奈の身体が小刻みに震え、喘ぎ声をあげて身悶えした。身体の中をビッ、ビッと電気が流れるような気が
する。カメラは今、自分の姿をしっかりと記録しているだろう、あのAV女優のように…。
「い、いやっ!いや、いや、いや、いやーっ!」
 杏奈は体内からこみ上げてくる快感になんとか抵抗しようと、声をあげて泣き叫んだ。
「気持ち良くなっていいんだよ…」
 杏奈の葛藤に気づいたタローがニヤリと笑ってそう言うと、ジュルジュルと愛液を啜る淫らな音を立てなが
ら、彼女の性器にむしゃぶりついた。
「あっ、あんっ、ああっ…」
 耐えきれなくなって、杏奈が悩ましげな声を漏らす。ピンクに上気した全身が妖しくくねり始めた。




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