国防省附属「星園・癒しの館」・外伝
 
嘆きのテニス少女 第6章
 
「それじゃあ、授業を始めます。」
 「体育理論」というのが、石堂が受け持つ授業である。
「今日は、各クラブの朝練の様子を見て見ましょう。」
 さっき美奈たちの制服を運んで来た男が、教室の隅に置いてあった液晶テレビを教卓の横にセットした。57型の大
画面だ。
 教室の後ろに並んでいるのは、体育科1組を担当する教員と、教務・用務のスタッフだと説明された。美奈たち転校
生の最初の授業なので、様子を見に来たのだと言う。「星園に来られたお客様や地域の方が見学に来られることもあ
りますよ。」というのが石堂の説明であった。
 テレビをセットした男は、恭しくお辞儀をして、石堂にリモコンを渡した。
「ありがとう、良宏…」
 良宏と呼ばれたのは、背が高く、メガネをかけた細面のハンサムな青年だった。
「転入生は、彼のことをよく覚えておきなさい。生徒の身の回りのことを担当する用務課の責任者の岩崎主査、文教省
から出向して来てるのよ。」
 そう言いながら、石堂がリモコンを押すと、陸上競技のトラックが映し出される。スタートラインの所に5人の少女が並
んで、クラウチングスタートの姿勢をとっていた。
「最初は、陸上部ね。」
「位置について…」
 スターターの声がする。画面を見ていた美奈は、少女たちの後ろに、一人ずつ男が立っているのに気がついた。
「よーい…」
 少女たちが一斉に腰を上げる。
「えっ!?」
 千春が驚きの声をあげる。セパレーツのウエアを着ていると思った少女たちは、下半身に何も身につけていなかった
のだ。
「うそっ!」
 今度は美奈が声をあげた。少女たちの後ろに立っていた男たちが、彼女らの腰を掴み、自らの腰を押しつけている。
カメラアングルが切り変わると、少女の白い臀部が横から映り、男の陰茎が抜き差しされる様子がアップで映し出され
た。クラウチングスタートの姿勢で後ろから犯されているのだ。
「この姿勢のままじっと我慢するのが、ロケットスタートの練習になるのね。」
 石堂が、怪しい解説をする。画面の中では、地面に両手をつき、お尻を高く突き出した少女たちと、その後ろで卑猥
なピストン運動をする男たちが映っている。
「あっ、あっ、あっ…」
 少女たちの声が、途切れ途切れに漏れた。男たちは少女の奥深くに男根を打ち込んでいる。男の腰がお尻を叩く音
が響く。
「バレー部は筋力トレーニングね。」
 次に映し出されたのは、手押し車で校庭を進む少女たち、こちらも下半身は裸だ。手押し車をしている男も下半身裸
で、太腿のあたりを持っており、少女たちの体内に陰茎が挿入されているのは明らかだった。
「あ…、あうぅ!」
 よちよちと進みながら、時折り、男がグイッと腰を動かす。それに合わせて少女が身悶えし、ぷりぷりした尻が大きくう
ねった。
 全裸で泳ぐ水泳部、男に組み敷かれて犯される柔道部、乳房や陰部を剥き出しにして演技をする体操部…、ハレン
チな朝練の様子が次々に画面に映し出され、石堂が羞恥心を煽るようなコメントをする。「体育理論」とは、女生徒たち
を精神的にいたぶることが目的の授業のようであった。
「あら、佳織ちゃん!」
 石堂の意地悪い声がひときわ大きくなった。画面に映ったのはスケートリンクの中央でフィギアスケートの衣装を着て
立つ少女の映像だ。美奈も彼女には見覚えがあった。美少女スケーターとしてアイドル的人気を誇った村川佳織では
ないか。
 濡れたような瞳をした目が大きく、前髪が眉毛にかかるところで綺麗に切りそろえられているせいで、愛らしく幼く見え
る。
「今日も可愛いわねぇ…」
 イヤミっぽくそう言う石堂の視線の先に、村川佳織その人が座っていた。天才少女と呼ばれ、オリンピックの金メダル
候補と言われた彼女が試合に出なくなったのは、半年ほど前のことだ。国際選手権のテレビ放送、金メダルをとった表
彰式のシーンで彼女がアップで映し出された時、その唇が国歌を歌っていなかったのだ。これが、スポーツ選手に国歌
を歌うよう義務づけた法律に違反するものだとして、問題にされたのである。
 画面の佳織が着ている衣装は、この卑猥な施設にふさわしいものだった。デザインや上品なピンクの色使いこそ、か
つての衣装と変わらないものの、フワットとした薄い生地の衣装は、シースルーのドレスのように透けて、白い肌や引き
締まった身体をなまめかしく映している。衣装を着ているというより、全裸に薄物をまとっただけといった格好だ。しか
も、スカートの下は何も身につけていないらしく、太腿の間から陰毛の翳りが覗いている。
 彼女の代名詞ともなったイタリアオペラの名曲が流れる。両手を大きく広げて滑り始めた胸に、お椀型に整った乳房
もピンク色をした可愛い乳首も余すところなく透けて見える。
 佳織が見事な3回転ジャンプを見せた。フワフワのスカートが大きく捲れ、丸みを帯びた白い臀部も、股間の翳りも露
わになる。
 ワッと歓声が聞こえる。見ると、リンクには観客で満員になっているようだ。
「おおっ!」
 その観客がどよめいている。連続してジャンプするたびに、佳織の下半身が剥き出しになるのだ。
 大技の合間に見せる可愛らしい仕種、キュートでエレガントと絶賛された芸術性の高い演技構成はまったく変わって
いない。すらりと伸びた長い足がとてもきれいだ。太腿は鍛え上げられているはずだが、画面で見る限り、筋肉質には
見えず、太からず細からずの絶妙のバランスを保っている。
 その美しい足を高く上げ、佳織はビールマン姿勢をとった。スカートは腰まで捲れ上がり、佳織のお尻も、恥部の翳り
もすべて剥き出しになってしまった。ゆで卵を剥いたようなツルリとしたヒップの間に、菊座へとつながるベージュの襞が
覗いている。その下に産毛のような恥毛に囲まれた花唇が縦に口を閉じていた。
「カオリーン!」
 観客席から嘲笑を含んだ声援が飛ぶ。かつて、同じ声援にニッコリ笑って手を振った「もう一人のプリンセス」は、今
は恥辱と哀しみの表情を浮かべていた。
「身体の柔らかさを生かしたスパイラル・シーケンスが、佳織ちゃんの得意技よね。」
 大きく脚を開いてゆっくり滑る佳織が映し出された。片足をあげ、軽く腰を後ろに曲げる姿勢をとっているせいで、必
然的に陰部が剥き出しになってしまう。観客席に男たちが鈴なりになって、食い入るように見ている。その前を、性器を
見せつけるようにして、佳織がゆっくり滑っていく。
 真っ白な下腹部に可憐な扇形の茂み。柔らかな繊毛がそのままふんわりとクレヴァスの周囲になだれ込んでいる。ぷ
っくりとした大陰唇はわずかに開いて、ピンク色の肉びらを覗かせていた。
「あらあら、恥ずかしいわね。オ××コが開いて、ビラビラまで見えちゃってるわよ。」
 嘲笑を含んだ声で石堂が言う。美奈の視線の先で、画面を見つめながら佳織が屈辱に身を震わせている。
「最後はテニス部ね。今日は転校生があったから、転校生たちがここに来る前の映像から見ておきましょう。」
 映し出されたのは、美奈の映像である。いずれかの試合の時に撮った盗撮映像らしい。激しいプレーでスコートは大
きく捲れ、太股も露わになっている。大きく揺れた胸がウェアからはみ出しそうだ。
「昨年のアジアユース選手権の決勝の映像のようね。撮影した人のコメントを読み上げておくわ。『この美奈のおっぱい
の揺れは最高、このおっぱいに挟んでパイズリ想像するだけで毎夜2回はオナれる』…」
 美奈はカーッと顔に血がのぼってくるのを感じた。アジアユースと言えば、苦しいセットカウントの応酬のすえゲームを
取った、美奈にとって思い出に残る試合だった。その姿を見ながらいやらしい行為をしていると聞いて、激しい怒りが込
み上げてくる。
「次は井上さんね。」
「きゃっ!」
 千春の悲鳴が聞こえた。画面に映し出されたのは、着替え中のところを撮った盗撮写真。ショートパンツを脱いだ直
後らしいパンティ姿である。
「『千春はショートパンツなのが残念、しかし着替えの時チェックが甘いのでそこが狙い目』というコメントね。羞恥心がな
いのかしら?」
「そ、そんなことあれへんわ!」
 そう叫びながら、千春はこれがいつの写真か思いあたった。初めて始地区大会で優勝した直後に撮られたものだ。う
れしさのあまり周囲を警戒せずに着替えてしまったのだ。もちろん、建物の裏で誰も見ていないはずだったのだが、マ
ニアの目ざとさから逃れることはできなかったのだ。
「あら、コメントに続きがあるわよ。『試合前に千春のショートパンツをゲット、股間部分にザーメンを発射、そのまま返
却…』」
「えっ!」
 千春が絶句した。確かに、あの時、ショートパンツが濡れていた。間違って飲み物でもこぼしたのだと思って、ちょっと
気持ち悪かったものの、時間もなかったので、さほど気にせずに履いてしまったのだ。パンティのクロッチ部分に湿り気
を感じたことを思い起こして、千春の全身に鳥肌が立った。
「ひ…、ひどいわっ!」
 思わずそう叫んだのは千春ではなく、美奈の方だった。自分たちが青春をかけて取り組んでいることを侮辱されたと
感じて、黙っていられなくなったのだ。
「何を偉そうなことを言ってるの?ほら、朝練の様子が映るわよ。見てごらんなさい。」
 石堂が笑いを含んでそう言う。
 画面に映し出されたのは、美奈の姿だった。その手がためらいがちに乳房のすそ野あたりを繰り返し撫でている。
「あらあら、いきなりオナニーしてるの!」
 石堂があきれたように大声をあげ、教室の後ろから男たちの笑い声が響いた。
「ち…、違いますっ!」
 とっさにそう言ったものの、画面の中の美奈は、紛れもなく自らの胸の膨らみにゆっくりと指を這わせ、やわやわと揉
んでいる。愛撫に反応して、乳首が固く勃起している様子までも、カメラはしっかりと捉えていた。
「あらあら、右手が下のほうにおりていくわよ。何をするのかしら?」
 脇腹から腰に降りた手は、下腹部を斜めに滑ってくる。切れ切れに押し殺した喘ぎ声が漏れる。そして、短い間だっ
たが、美奈の手は間違いなく股間に触れ、指先で陰部を撫でていた。
「なんだ、有岡、お前はマンズリしなくてもいいんだぞ。」
 ビデオの中で平沼の大声が響いた。美奈は耳まで真っ赤になって俯いてしまう。
「ホッホッホ…、やっぱりいやらしい子ね!」
 そう言って、石堂が高笑いをした。
「そう…、テニス部は足腰の訓練だったのね。」
 テレビ画面には、冴子が男に跨がって腰を揺する姿が映っている。
「あぁん、あぁん…」
 鼻にかかった声で喘ぎながら、硬質の美貌を淫らな陶酔に輝かせ、女体をゆっくり上下動させて男根を締め付ける。
「この腰使いはさすがね。男の弱点をきっちり押さえてるわ。」
 石堂が批評した途端、画面の男がブルッと体を震わせた。
「ううっ…、出ちまった…」
 未練たらしく言う男に妖艶な笑みを送って、冴子は次の男にまたがる。
 続いて朋美が映った。男の上で激しく腰を振り、髪を振り乱している。
「いい、いいの…、もっと奥まで入れて…」
 朋美は、腰をくねらせながら男の怒張を自分の身体の奥に引き込もうとする。
「中西さんは、腰の動きがいやらしいわね。オ××コの襞でオ×ン×ンを擦りあげてるのね。」
 石堂が言った時、朋美の視線がディスプレイの横に立っている良宏の方をチラッと見たのが、美奈の目に入った。
「腰を動かせ!」
「そんなん、できひん…」
「少しずつ動かしてみろ…」
 つらそうに唇を噛みしめ、腰から下をおそるおそる前後に揺する千春の姿が映った。満足そうな顔で寝そべっている
男は、もちろん富士局長である。
「井上さんは、まだまだ練習不足ね。しっかり足腰を鍛えないと、ここではやっていけないわよ。」
 石堂が突き放すように厳しく言う。
 そして、最後に美奈が映った。
 グイッ、グイッと男が腰を突き上げ、その動きに合わせて美奈の腰も自然と動いてしまう。
「あ、ああっ!」
 催淫クリームを乳房や陰部にたっぷり塗りこまれたせいで、普段は考えられないような淫らなふるまいをしている様子
が、映像だけでも伝わってくる。
「さすがね、初日から上手に腰を使ってるじゃないの。」
 石堂が呆れたような口調で言った。
「あっ、あぁん、んんっ…」
 画面の中の美奈は、切なげな声をあげている。男の腰の上で、贅肉のない引き締まった腰が左右に前後に、また、
円を描くように動く。
(ああ…、恥ずかしい…)
 快楽をむさぼるように腰を振り続ける自分の姿に、美奈は消えてなくなりたいぐらいの羞恥心と自己嫌悪を覚えた。
そして、そんな姿を見世物にされていることに、激しい怒りがこみ上げてくる。
 男が腰を動かすピッチを早めた。美奈の身体を上下に揺さぶり、一気に腰を打ち込んでいく。ウエアの胸を捲り上げ
られているせいで、美奈の乳房がタプンタプンと大きく上下に揺れる。
「あっ…、ああん…、いやん。も、もう許して…」
 切羽詰まった美奈の声が教室中に響いた。みるみる上体がのけぞって、頭ががっくりと後ろへ倒れる。
「もう、いい加減にして!」
 突然立ち上がって叫んだ美奈の声で、教室はシーンと静まり返った。
 ハッと我に返って、前を見ると、薄笑いを浮かべた石堂と視線がぶつかった。
「あなたは、まだ自分の立場がわかっていないようね。」
 石堂の声が教室に静かに響く。そして、冷たい笑いを浮かべながらこう言った。
「有岡美奈さん、午後半日の反省室行きを命じます。」

 


 
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