国防省附属「星園・癒しの館」・外伝
 
嘆きのテニス少女 第12章
 
 チャイムが鳴ると、テニス部の部室に、部員たちが次々にやってきた。きれいに片付けられた明るい室内には、ロッ
カーが並び、ミーティング用テーブルと椅子が置かれている。壁に掛かった当番表やホワイトボードにびっしり書き込ま
れた練習スケジュールが強豪校らしさを滲ませている。「新人戦優勝 有岡美奈」「選抜優勝 那珂冴子」「関西大会優
勝 井上千春」「インターハイ団体優勝 恵聖学園」…、部員たちの輝かしい経歴が書かれた賞状やトロフィーが、その
時の写真とともに飾られている。トロフィーと一緒に棚に飾られたぬいぐるみ、賞状の横の壁に貼られたツーショット写
真が、女子高の部室らしい華やいだ雰囲気を見せていた。
 部員に続いて、十人ほどの見学者が部室に入って来た。見学者のうち最後の三人は防衛隊の制服を着ていたが、
年も若く、階級章にも小さな星が一つしかついていなかった。その中の一人がぬいぐるみに手を伸ばした。
「いいなぁ、女子高生らしくて…」
 ぬいぐるみを手に取った男の言葉が途中で途切れた。目は大きく見開かれている。クマのぬいぐるみの股間には、
男根そっくりのゴム製品が縫いつけられている。見ると、棚に飾られたぬいぐるみにはすべて凶悪なペニスが縫い付け
られていた。
 よく見ると、ツーショット写真の方も、相手は様々な年齢の男たちであり、女子部員はみんな涙目になっている。実は
この男たちが彼女たちの処女を奪った相手で、記念に強制的に貼られているのだ。
  当番表もコンドームの調達係やセックス回数記録係、盗撮要員に観客席慰安担当といった普通ではない分担が書い
てある。練習メニューにもノーパンランニング、腰振り素振り、騎乗位本番10人抜き、バックとフォア(正面)から5人ず
つ交代でセックスと、淫らな単語がびっしり書き込まれていた。
 部員たちは、男たちが見ている前で、ウエアをスポーツバッグから出してテーブルに置き、着替えを始めた。若い三
人の隊員が慌てて出て行こうとするのを、案内役らしい男が止めた。
「出て行く必要はないんだよ。女の子たちが着替えるのを見ていればいいんだ。」
 三人の目の前にいるのは、アイドルタレントでデビューできそうな可愛い少女だった。バッグに書かれた名前から、清
水香奈枝という名前が見てとれた。
 香奈枝の手が胸のリボンを解く。胸のボタンが一つ、二つと外された。二つの胸の膨らみと、それを包むブラジャーが
ブラウスの奥に覗く。窓から差し込む日差しに照らされ、白い肌が輝いている。
 香奈枝がブラウスを脱いでいく。ブラジャーが露わになる。合わせ目にピンクのリボンが付いた清楚なものだ。布地に
包まれた隆起は想像以上に大きく、柔らかな胸の膨らみを示している。香奈枝の顔が桜色の染まっているのが分か
る。
 香奈枝は唇を噛み締め、スカートのファスナーに手を掛けた。そして、天を仰ぐと、両手をスカートから離した。支えを
失ったスカートが、すとんと床に落ちる。ブラジャーとお揃いのピンクのリボンに飾られたパンティが男たちの目に晒さ
れた。
 肩ひもを外し、後ろのホックを外す。ブラジャーの拘束を解かれると豊かな乳房が飛び出し、ブルンと揺れる。香奈枝
は、思わず両手で胸を隠した。隠しきれない双乳が腕に押されてはみ出し、胸の谷間を強調する。
 とうとう身に着けるのは最後の一枚の布のみとなった。香奈枝は胸を覆っていた腕をゆっくり下に降ろし、パンティに
指をかけた。腰骨にかかるパンティを下げようと腰を振ると、たわわに実った乳房が左右に揺れる。若い隊員たちが生
唾を飲み込んだ。
 全裸になった少女たちは、一糸まとわぬ姿のまま、脱いだ制服や下着を丁寧に畳んでいく。折り目一つ乱れないよう
にきれいに畳まなければ、罰則があるのだ。その間、見学者の男たちは、彼女たちの裸体をじっくり鑑賞することがで
きた。一番上にパンティとブラジャーがくるようにきれいにテーブルの上に置いてから、少女たちは、やっとアンダースコ
ートを手に取った。
 下着なしでアンダースコートをはいた香奈枝は、男の視線を気にするようにチラチラと見ると、その中に手を入れた。
割れ目を指で広げ、そこにアンダースコートを食い込ませ、クッキリとした縦スジを作るのだった。



 部員たちが着替えを終えたのを見計らったかのように、別室でウエアに着替えたレギュラーとコーチの松川が現れ
た。
「それでは、ミーティングを始めます。」
 キャプテンの美奈の声が部室に響いた。
 松川がコーチに就任してから、部活前には必ずミーティングが行われるようになった。神妙な表情で集まった部員を
前に、美奈と副キャプテンの冴子が立ち、二人の間に松川が椅子を置いて、ふんぞり返って座る。
「今日の朝練の反省です。何件か苦情が来ていますので、読み上げます。」
 冴子がそう言って、手にした紙を読み上げる。
「『朝練で一年を盗撮しようとしたが、なかなかシャッターチャンスがなかった。しかも食い込みが甘く、撮る気がしない。
有望なテニス部員を集めたと聞いて期待していたが、失望した。たるんでいる。まじめに練習する気があるのか?テニ
ス部員なら、しっかりパンチラしろ!』」
 自己中心的で、セクハラと言うよりもう犯罪と言っていい、とんでもない内容だ。しかし、慰安嬢はそれを全て肯定し、
受け入れなければならない。美奈が部員たちに向かって言った。
「盗撮への配慮は、テニスでもっとも基本的なマナーです。一部では盗撮を犯罪と見なす風潮さえありますが、それは
間違いです、テニスでの盗撮は、観客から選手への最大の礼儀であり、それに答えることは、選手の当然のマナーで
す。私を見て撮ってくれてありがとうございます。私の体を楽しんで、私でいっぱいヌイて下さい、と感謝の気持ちを持ち
ましょう、そうすれば自然と食い込みにも気を配るようなります、撮ってくださるカメラの存在にも気づきます。」
 その時、松川の手が美奈の方へ伸びてきた。真っ白な美奈のアンスコが膝まで下げられた。松川は腕を滑らせて、
美奈の下腹をさぐる。
「あっ…」
 松川の指が、美奈の秘唇に触れた。思わず声をあげ、身を捩ったものの、それ以上の抵抗は示さず、言葉を続け
た。
「ご…、午後の練習で、一年生は前半はロードワーク、途中の公園で筋トレとストレッチを5セット。事前に公園で盗撮
の特訓をすることを告知しています、一年生は朝練の反省を踏まえがんばるように…。」
 そう言っている間も、松川の手が引き締まったお尻を撫で、太ももの付け根から股間にかけて弄っていく。美奈の顔
が屈辱に歪んだ。
「盗撮されたれ写真は、明日、部員別に商店街に張り出されます、通行人に採点してもらいますので、そのつもりで。」
 1年生の哀しげな視線から目を逸らすようにして美奈はそう言うと、冴子に次の紙を読み上げるよう促す。
「次の苦情です。『慰安嬢としての気品が欠落している。男の上に跨り、嬉しそうに腰を振り、しかも男のチ×ポを美味
そうにしゃぶりまくって、あれではただのヤリマン商売女と同じだ。恥じらいを忘れ、清楚さを失った慰安嬢の君達を見
たら、きっと実家の親御さんが悲しむぞ。』」
 松川は、読み上げる冴子の背後に立つと、ウエアの胸を捲り、剥き出しになった乳房を強く揉んだ。
「お前の親父さんは、元気にしてるのか?」
 松川が耳元で囁く。冴子がハッと息を飲んだ。元プロテニスプレイヤーの冴子の父は、彼のコーチを勤めていたこと
があったのだ。
「胸もすっかり成長して…」
 いやらしく笑う松川の指が柔肉に食い込み、双乳が歪む。普段は表情を表に出さない冴子の顔に怒りの色が映っ
た。中学時代にも、この男にこうしてセクハラされたことがあった。それをきっかけに、父が松川の素行に疑問を持ち、
ついに彼をプロ引退に追い込んだのだ。
「これは、一番注意しなければいけません。常に恥じらいを忘れないように…、それと…、キャッ!ああっ…」
 部員に注意を与えていた美奈が、思わず悲鳴をあげた。再び椅子に腰掛けた松川が、美奈の媚肉に指を挿入し、熱
く熟した肉襞とわずかにその姿を覗かせている肉芽を弄っているのだ。
「もう少し腰を落とせ…。違う!内股になってしまったら、足が閉じてしまうだろ!」
 松川の命じるまま、美奈はがに股とまではいかないが、足を開き加減のままで腰を落とした。人差し指と中指が膣内
をかき回し、親指は容赦なくクリトリスを刺激し続ける。グシュッという音と共に、蜜壷に溜まっていた愛液が流れ出し
た。
「ああ、いやっ…」
「なんだ、有岡、濡れてるみたいだぞ。おしっこを漏らしたのか?」
「ちっ…、違いますっ…それは、違いますっ!」
 美奈が慌てて否定した。
「嘘をつけ。じゃあ何だ、この濡れているのは?」
 松川は、肉の割れ目を這わせていた指を美奈に見せた。
「そ…、それはっ…」
「それは?」
 そう尋ねながら松川は再び美奈の蜜壷に指を入れ、中を掻き回すように激しく責め立てる。
「うぅ…あ…愛液です…、あぁん…もう…許して下さい…」
「ははは、なんだ、オ××コを弄られて、気持ち良くなっていたのか、ふふ…スケベな奴だ。」
「違いますっ…そんなことありませんっ!…あぁ」
 松川は、美奈の性器に指を何本も入れて、音が出るほど激しくかき回す。
「今、那珂が読んでた『ヤリマン商売女』ってのは、有岡、お前じゃないのか?」
 松川の卑猥な笑いが部室に響いた。
 部員たちは、美奈たちがいたずらされる様子を、じっと注視していた。ミーティング中に顔を伏せたり目を瞑ったりする
と、練習で地獄の別メニューが言い渡されるはめになる。悲しみと恐れに満ちた目で、尊敬する先輩が凌辱される様子
を見つめる部員たち…。松川は、そんな彼女たちの反応をも楽しんでいるのだ。
 松川は花弁に溢れる蜜をたっぷりと指で掬い取り、それをアヌスに塗りたくっていく。すぐにアヌスの周りは愛液でびし
ょびしょになった。ひくひくと収縮を繰り返しているアヌスに指先をくぐらせると、美奈の全身がビクッと激しく震えた。同
時に、壷の奥から蜜があふれ出る。
「い…、いや…」
 美奈が弱々しい声を漏らして顔をそむける。
 その時、朋美が手を上げた。
「庶務課からの連絡です。明日から慰問試合まで毎日オナニーして、汚れた染み付きパンティを10枚、朝練の前まで
に提出してください。オナニーは最後までしっかりイクこと。染みが少なかったらやり直しで、次の日に加算されますから
注意してください。」
 朋美は庶務課の連絡を受ける係になっていた。庶務課の担当者は良宏だ。庶務課からの連絡が終われば、ミーティ
ングも終わりである。松川は朋美をちょっと睨んだが、朋美が時計を指さすと「まあいいだろう」と目顔で言い、美奈の
股間から手を出した。
(ありがとう、朋美…)
 肩で息をしながら、美奈は感謝の視線を朋美に投げた。しかし、その表情はどことなくぎごちない。校長室の一件以
来、朋美とはなんとなく顔を合わせづらかった。強制されたとは言え、良宏とセックスしてしまったのだ。意識するなと言
っても、意識してしまう。一方、朋美の方はそれを知ってか知らずか、普段と変わらない様子で優しげな微笑を返す。
「…それでは、今日も練習がんばりましょう!」
 ことさら元気に言った美奈の掛け声で、部員たちが松川に「よろしくお願いします」と頭を下げ、部室を出て行った。
 他の見学者が部員たちの後をついて行く中、若い三人の防衛隊員は、目の前で繰り広げられた出来事に、ただ呆然
とたたずんでいた。
 
「テニス部の中西朋美は、中西産業の娘らしいね。」
 庶務課を訪れた富士局長は、良宏がいれたコーヒーを片手にそう切り出した。富士は慰安嬢をいたぶる合間を縫っ
て、時折、良宏の所に休憩をしに来る。ともに文部教育省の出身であり、幹部職員と有望な若手という関係で、館に来
る前から面識があったのだ。
「そうですか。」
 関心がなさそうな様子で書類整理をしながら、良宏は文教省の上司に生返事をした。
「君の実家も、取引きがあったんじゃないのか?」
「さあ…、私は大学を出てすぐに役所に入りましたから、実家の事業のことには、まったくタッチしておりませんので。」
「彼女のような良家の娘が、なぜこんな所に来ているか、知っているかね?」
 そう言うと、富士は得意げに話し始めた。
 中西産業は流通大手の会社だったが、社長である朋美の父は、ある時、それまで行っていた自政党への政治献金
を断った。それが原因で中西産業は「反愛国会社」のレッテルを貼られた。しかも、その直後、社長が贈賄容疑で逮捕
されてしまい、会社は倒産の危機に陥ったのだ。そこで、新社長になった朋美の叔父は国防省との取引きに応じ、会
社存続と引き替えに、朋美を館に差し出すことを決めたのである。
「局長は、よくご存じでいらっしゃいますね。」
 心の中の動揺を見事なまでに隠して、良宏が言った。
「さっき諸藤館長に、いろいろ資料を見せてもらっていたんだよ。」
 良宏の目がキラッと光った。しかし、相変わらず関心がなさそうな様子で「そうですか。」と生返事をした。富士は基本
的にはお喋りだし、常に話題の中心にいたいから、自分が提供した話題に周囲が関心を示さないと、逆にむきになって
話し続ける。
「いやあ驚いたね、この館が設立されてからの様々な資料が、館長室のキャビネットの中に収まってるんだ。特に、設
立当時に作られたらしいファイルはよくできていたよ。館を告発する内容になってるんだがね。あれは、誰が作ったんだ
ろうね。」
 さすがの良宏も胸の高鳴りを抑えきれなかった。それこそが目指す「イワタファイル」に間違いない。
「さすがですね、局長。そんな重要な資料を見せてもらえるなんて。」
 良宏は富士に尊敬の眼差しを向けて言う。この、おだてに切り替えるタイミングが重要なのだ。
「そんな重要書類なら、かなり厳重に保管されているんでしょう。鍵も生態認証か何かになってるんでしょうね。」
「いや。多少は頑丈そうだったが普通の鍵だよ。諸藤が肌身離さず持ってるんだ。」
 得意げに話す富士を見て、良宏は心の中でほくそ笑んだ。

 テニス部を見学した三人の隊員たちは、癒しの館の応接室にいた。
「まあ、リラックスしたまえ。」
 ガチガチに緊張している隊員たちにそう声をかけた松林中佐は、星園基地の運営責任者である。その横に座ってい
るのは、テニス部顧問の平沼だ。
 コンコンとノックの音が響く。
「失礼します。」
 そう言って入って来たのは、テニスウェア姿の少女たちだ。隊員たちの顔がパッと輝く。有岡美奈、井上千春、那珂冴
子、中西朋美、テニス界のアイドルと言っていい四人が揃って入って来たのだ。
 限界まで短くされたスコートから伸びる素足。体にぴったりフィットした白いウエアの胸は、ブラジャーを着けていないら
しく、揺れる膨らみがはっきりとうかがえ、頂点のポッチも浮き出ている。隊員たちは、目のやり場に困った。
「失礼します。」
 礼儀正しくお辞儀をして、テニス少女たちが隊員の前に座る。ソファに腰掛けると、スコートが太腿の付け根近くまで
捲れ、白いアンダースコートが顔を覗かせる。ますます視線の持って行き場をなくした隊員たちは、落ち着かない様子
で松林中佐の方を見た。
「紹介しよう。最初に慰問試合に行ってもらう岩口基地の諸君だ。」
 松林中佐が、隊員たちを紹介した。
「岩口基地にはテニス部がありまして、余暇の時間、テニスを楽しんでいる隊員が結構いるんです。」
 隊員の一人が説明する。今回の慰問試合は、隊員たちで作るテニス部が主催する形になると言う。実際、地方の基
地に館のスタッフがぞろぞろと同行するわけにもいかない。慰問試合では、それぞれの基地で受け入れ態勢を作る必
要がある。隊員たちはその打ち合わせのために館にやって来たのだった。
「そこで、ちょっとスケジュールを立ててみたんですが、見てもらえますか?」
 そう言って、隊員が机の上にワープロ打ちされた紙を置いた。
 1日目 歓迎パーティー
 2日目 癒しの館テニス部によるテニス教室。基地紹介も兼ねた癒しの館テニス部員の体験入隊
 3日目 練習試合
「どうでしょう?」
 隊員が尋ねる。
「ダメですね。」
 切って捨てるように冴子が言う。隊員は恐縮して頭を掻く。
「いやー、アイデア不足なものですから…。スター選手に来ていただいて、何をしてもらったらいいかわからなかったも
ので…」
 さらにくどくどと弁解しようとする隊員に、冴子がニッコリ笑って言う。
「私たちのテニスは、性欲をかきたて、性欲を満たしてもらうためのテニスです。」
「えっ?」
 何か聞き間違えたのかと思い、隊員たちが一様に冴子を見る。冴子に促されて、キャプテンの美奈が説明した。
「期間中はエッチなことをいっぱいしましょう。私たちを見て、触って、いっぱいオナニーしてください。そして、スッキリし
て訓練に励み、来るべき海外派遣に備えてください。それが、今回の慰問試合の目的です。」
 あの有岡美奈の口から出たとは思えない言葉に、隊員たちは一瞬声を失った。もし、ここに来て最初にこんな言葉を
聞いても、早熟な都会の少女が田舎者の自分たちをからかっていると思ったことだろう。しかし、今日半日、ここで見聞
きしたことから考えると、美奈はからかっているわけではないことが理解できた。
「撮影も自由に行ってください。巷では盗撮とか言って撮影に規制をかけていますが、思う存分、好きなときに好きなだ
け、写真を撮っていただいて構いません。声を掛けてくだされば、お好きなポーズでお応えします。」
 そう言いながら、朋美がラケットをもてあそぶ。ラケットに目をやり、隊員はあっけにとられた。そのグリップの形は男
性器そっくりだった。清楚で上品な顔立ちの朋美が、擬似男根に細い指をからめる姿は淫靡そのものだ。朋美は隊員
たちにいたずらっぽくほほ笑むと、ラケットを持ち上げ、グリップの先端にぺろりと舌を這わせた。
「こういうふうにしましょう。」
 そう言いながら、冴子が計画を手直ししていく。オナニー、フェラチオ、クンニリングス…、性戯を表す露骨な言葉が
次々に書き込まれていく。もちろん、事前に決められたとおりに直していっているだけなのだが、何も知らない岩口基地
の隊員たちは、自分たちからエッチな慰問を提案する美少女たちに目を白黒させている。
「ここ、素股じゃなく、セックスにしない?私、オ××コにオチ×チ×入れて欲しいわ。」
 美奈が潤んだ目で隊員たちを見て言う。これも事前の指示どおり言わされており、目が潤んでいるのは悔し涙のせい
なのだが、むろん、隊員たちはそんなことは知らない。
「だめよ。慰問行事でのセックスは禁止だって言ったでしょ。美奈ったら、ホントに好き者ね。我慢できないんなら、自由
時間に、好きなだけセックスしてもらいなさいよ。」
 冴子が冷たく言い放つ。
(…冴子ったら、そんな言い方しなくても…)
 美奈は一瞬、恨めしそうな視線を冴子に向けた。演技だとわかっていても、思わずムカッとする言い方だ。それでなく
ても、淫らな台詞を口にし、痴女のような仕草をさせられるのは耐えられないぐらいの屈辱だったし、初対面の青年た
ちに自分がそんな女だと思われるのは、精神的な拷問であった。しかし、冴子の方は平然とした様子で、スケジュール
表の手直しを続けている。
「いちおう、セックスしたらあかんことになってるんですけど、個人的な贈り物として、みなさん1人につき1箱、コンドーム
をさし上げます。夜は自由時間になってますから、きっとお役に立つと思います。」
 緊張した空気を和ませるように、千春がおっとりした関西弁で言った。言いながら、ラケットのグリップを、わざと隊員
たちに見えるようにして、股間に押し当てている。
 つまり、ここは「そういう施設」であり、彼女たちは「そういう女の子」なのだ。美奈たちを見る男たちの視線が、憧れを
含んだものから、卑猥でねっとりしたものに変わっていた。当初はチラチラ遠慮がちに見ていたものが、今やスコートの
裾からのぞくスラリとした脚や、ウエアの胸の膨らみを嘗めるように見つめている。
「慰問試合前は、最低3日はオナニーを控えておいてくださいね。」
 美奈がはにかんだ笑顔を浮かべて、そう言った。
「…はい…」
 隊員たちは思わず、上ずった声で返事をした。
 最初は純粋にテニスを楽しもうと考えていた。むさ苦しい男ばかりの基地に、若い女の子が来てくれるだけでも華や
いでイイかという気持ちもあった。メンバーを聞いた時も、トッププレイヤー同士の白熱した試合とか、テニスの初歩練
習にボールやラケットを使った遊びみたいなゲームぐらいしか思い浮かばなかった。しかし…。
 来るべき慰問試合について想像するだけで、隊員たちの股間は熱くなり、ムクムクと膨らんでいくのだった。



 
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