国防省附属「星園・癒しの館」・外伝
 
テニス少女・遠征 第16章

 幼さを残した顔立ちの美少女が、精液にまみれた男の陰茎を口に咥えた。それは、たった今まで彼女の生殖器の中
に入っていた肉棒だ。
 少女は男根を唇で挟むようにして、根元から先端までゆっくり往復させ、丁寧に清めていった。幹の裏側だけでなく、
側面へも、柔らかく濡れた舌がチロチロすべっていく。
 男は満足そうに目を瞑っていた。
「いかがですか?」
 ノックの音がして、部屋に入ってきた石堂が尋ねると、男が上機嫌で答えた。
「素晴らしいですな、可愛らしい女子高生とセックスした後、こんなことまでしてもらえるとは…」
 答えたのは、岩口基地から今週、フサインに派兵される部隊の司令官で、階級は大佐であった。
「身体の方は、いかがでしたか?」
 そう言う石堂の手が、少女の股間に伸びる。男の物をきれいにお掃除フェラする一方で、彼女自身は膣口から漏れ
る精液を拭うことすら許されていない。
「ああ、気持ちよく中に出させてもらいました。締め付け具合も良かったし、ヒダがよく絡みついて、なかなかの優れもの
でしたよ…」
 大佐が卑猥な笑みを浮かべた。
「よかったわね、井上さん。あなたのオ××コ、褒めていただいたわよ」
 そう言いながら、石堂は性交の名残りでグチョグチョになっているクレヴァスに指を差し入れてかき回し、肉襞をまさぐ
った。溢れ出た精液が、太股に伝わっていく。



「出立を前に、母国の良い思い出ができました。こんな可愛らしい乙女達に体を捧げられて、奮い立たない男はいな
い。部下たちも、これで死を恐れずに戦ってくれるでしょう」
 千春は亀頭の先端に口づけするようにして、鈴口を吸った。尿道に溜まっていた精液が口の中に流れ込む。頬を窄
め、音を立てて怒張を吸い上げる顔が、可憐な顔立ちに妖艶な印象を添える。
「しかし、誰が考えたのか、実に画期的で見事な制度ですな」
「そのお言葉を伝えれば、上司もきっと喜ぶと思います」
 社交辞令でそう答えたものの、石堂の脳裏には、つまらなそうに冷笑する男の顔が浮かぶだけだ。諸藤宗光の興味
の対象は、館を運営すること自体であり、利用者の評価など、まったく気にかけていない。
「しかし、大丈夫ですかな、柔道場の子たちは。今夜だけで、もう何十人もの相手をしているのでしょう?」
「ご安心ください。二、三日徹夜でセックスしたぐらい、なんでもありません。鍛え方が違います」
 屈辱的な会話を聞きながら、千春が舌を出し、亀頭の先に触れた。精液が滲む溝を、丸めた舌先でほじるように突つ
く。最後の一滴まで嘗め取ろうとしているようだ。
「もともとトップアスリートとして高い身体能力を持っていた子たちですが、館に移籍してからは、独自のカリキュラムによ
る肉体・精神両面での教育と、医学的知見に基づく実技トレーニングにより、男性の性欲処理に最適な身体になってい
るのです」
「ほう、そうですか…」
 大佐がズボンを穿きながら、改めて好奇心に満ちた視線を千春に投げる。珍しい玩具を見るような、普段であれば、
屈辱のあまり身体が震えそうな眼差しだ。
 しかし、今、千春の心はここにはなかった。彼女の脳裏に渦巻くのは、得意げな顔でトーナメント参加の記者会見をす
る冴子、そして、憲兵に拘束される森島の姿だった。
 反応を失ったかのような千春の姿に、石堂が眉を顰める。
「そうよね?井上さん!」
「うぐっ…」
 石堂に敏感な肉芽を弄られて、千春が呻き声を漏らす。石堂は千春のGスポットを探り当てると、人差し指と中指で
猛烈に擦り上げ、同時に左手でクリトリスをつまんだ。「あっ…あぁっ…あぁぁん!」
 千春が身体を痙攣させた。
「それに、彼女たちの限界を探ることも、実はこの慰問試合のテーマなのですよ」
 石堂はそう語ると、妖艶な笑みを浮かべた。

 柔道場のテニス部員たちは全員、死んだように眠っていた。澱んだ空気には、ムッとする精臭が立ちこめている。最
後のグループを柔道場から送り出した後は、みんな汚れた体操服を着るのがやっとで、シャワーを浴びる気力すらな
かった。そのまま、失神するように寝入ってしまったのだ。
「起床っ!」
 突然、平沼の声が柔道場に響いた。彼を先頭に石堂、松川、良宏が現れた。
 身体が鉛のように重かったが、ダラダラした動作は許されない。疲れが残った身体に鞭打って、少女たちは、教員た
ちの前に整列した。
 続いて、柔道場に基地幹部や実行委員の面々、司令部の若手士官らがゾロゾロと入ってきた。最後に、疲れた表情
の千春が、富士に伴われて姿を現す。
 真っ赤に泣き腫らした千春の目を見て、美奈が心配そうな表情を向けた。しかし、千春はそれに気づくこともなく、視
線が宙をさまよっている。その様子は、心の糸が切れてしまったかに見える。
「大丈夫ですか?」
 ふらふらした足取りで部員たちの列に戻った千春に、仁美が声をかけた。しかし、千春の方は、力のない笑顔で頷く
だけだった。
「さあ、朝の検査よ。服を脱ぎなさい」
 当然のことのように、石堂が命じる。
 少女たちの間に躊躇いが走る。数十人の男が向き合うように並んで、彼女たちを見つめているのだ。
「早くしろ!」
 平沼の怒鳴り声に下級生たちが身をすくめる中、美奈が思い切りよく体操服を脱いだ。
 理想的な形をした乳房が露わになった。膨らみは柔らな曲線を描き、裾野から腹にかけて産毛が朝日に照らされ白く
輝いている。あちこちについたキスマークが、昨夜の陵辱の激しさを物語っていた。
「さあ、私たちも…」
 美奈だけに恥ずかしい思いはさせられないと、朋美が声をかけた。他の部員たちも次々に体操服を、そして、ブルマ
を脱いでいく。次々に現れる可憐な裸体に、男たちの目は釘付けになっていた。
 部員たちが脱いだブルマと体操服を、平沼と良宏が回収していく。
「それでは、本橋准将からご挨拶をいただきます」
 慰問試合実行委員長の松倉に促され、本橋が、全裸で並ぶテニス部員たちを前に喋り始めた。
「みなさん方においで頂いて、たいへん光栄でした。昼間の試合、昨夜の慰安、ともに素晴らしく、基地にいる隊員たち
にとって、たいへん良いリフレッシュになりました。同時に、これから戦場に向かう者にとっては、これ以上ない餞になっ
たと思います」
 そこまで言って、本橋は少女たちを見渡した。胸の膨らみや、丸いお尻が露わになり、なめらかな白い肌がキラキラ
輝いて見える。花も恥じらう年頃の娘がずらりと並んで、瑞々しい裸体を晒しているのは、まさに壮観だった。しかも、み
んなとびっきりの美少女だ。
「本日は、当基地で実施されている訓練に、隊員たちとともに参加していただこうと考えています。最終日となりますが、
最後まで、隊員たちの愛国心と闘争心を呼び起こす役割を果たしていただけるよう、心からお願いします」
「よろしく、お願いしますっ!」
 テニス部員たちが一斉に声を揃え、深々と一糸乱れぬお辞儀をした。その統制の取れた動きに、本橋は感動を覚
え、思わず敬礼で答える。
「よし、回れ右、両手を床につけ!」
 平沼の号令とともに、少女たちは男たちに背中を向けた。
「おおっ!」
 男たちのどよめきの中、両足を肩幅に開くと、両手を床につけてお尻をつき出す。
 松川は、香奈枝に近づき、桃のようなお尻を見つめた。開いた股の間から、きれいに剃られた大陰唇の膨らみが見
えた。
 いきなり、松川の手が股間に潜り込み、二本の指をクレヴァスに滑り込ませる。
「あんっ…」
 香奈枝が声を漏らして腰を揺すった。松川は陰裂から引き抜いた指を鼻の下に持っていき、匂いを嗅ぐと、彼女の頬
で指先を拭った。
「…シャワーも浴びずに寝たんだな」
 指摘された香奈枝が真っ赤になる。
「松倉少尉、防衛隊入隊にあたっては、女子隊員であっても、肛門、陰部の検査があるのでしょう?」
 石堂が松倉に尋ねた。
「ええ、入隊条件に『肛門、女性生殖器(乳房を含む)の疾患がないこと』が定められていますからね。時代によっては
問診だけにしたり、診断書で替えていた時期もありましたが、有事体制になってからは、男女問わず、きちんと実施す
るようになっています」
「では、体験入隊の手始めに、みなさんでこの子たちの陰部と肛門をしっかり検査してやってください」
「えっ、いいんですか?」
 そう言いながらも、松倉の表情が輝き、好色な笑みが広がっていく。
「なあに、館でも毎日、陰部や肛門の検査を実施しています。こいつら、慣れたもんですよ」
 松川があざ笑うように言った。
 司令部所属の三沢は、ヒップをつきだした朋美の前に立った。まぶしいくらい白くて丸い臀部。腰がよく張り、背中か
らお尻に至るラインは、優美で魅惑に満ちている。
 思わず手を伸ばし、掌で撫で回すと、プリプリと張りがあって、弾力のある手応えが返ってくる。
 初日の歓迎会でこそ少し気後れを見せていた三沢だったが、初日はジムでのエクササイズ、懇親会では「竿取りゲー
ム」に参加し、昨夜は同僚たちと一緒に柔道場を訪問して、すでに10人近い少女の身体を味わっている。
 周りを見ると、他の男たちも、思い思いに美少女たちの肉体をまさぐっていた。すでに3日目となり、彼らも「慰安嬢」と
いう存在をすっかり理解するようになったのだ。
 三沢は、尻を愛撫する手にぐっと力を込めた。尻肉の間に埋まったアヌスの襞の一本一本までが丸見えになる。
「…あうん…」
 右手の人差し指を入れて肛門をまさぐると、朋美が艶めかしく腰をくねらせた。アナルの下で性器がひくひくと蠢いて
いる。
「くぅっ…うっ!」
 三沢の太腿の間から手がもぐり込む。指先が濡れた割れ目をなぞり、花びらをネチネチと弄っていく。
「ああ…あぁぁ」
 朋美が背中を反らせて艶やかな髪を揺らし、やるせない甘え声を漏らしながら、腰をうねらせる。
「いやあ、ホント、松倉や岡田には感謝しないとな…」
 隣にいた川嶋が上機嫌でそう言い、おもむろに恭子の尻たぶを掴む、恭子が思わずお尻を引っ込めた途端、石堂の
叱責が飛んだ。
 川嶋はお尻の滑らかな肌触りを堪能し、内腿からヒップにかけてを何度も何度も撫でさすった。股間に手を入れ、亀
裂に指を走らせ、陰唇の弾力を思う存分楽しむ。
 同僚の松倉たちが実行委員会の中心だったこともあって、今回の慰問試合を最も満喫したのは、彼ら基地に配属さ
れた若手士官たちだった。
 松川の視線が美奈に向かった。さすがの彼女も、今朝は少しやつれた顔をしている。それが、むしろ色っぽく見えて、
男心をゾクゾクさせた。
「さあ、次は前だ。脚を開いてオ××コを検査してもらえ」
 松川が美奈に声をかける。
 美奈が一瞬、躊躇いを見せた。何人もの男に犯され、まだ挿入の感触が残る秘所を検査されるなど、まともな神経で
受け入れられるものではない。
 それでも美奈は自らその場に座り、Mの字に脚を開いた。彼女の前には、岡田が立っていた。
「オ××コの検査、お願いします…」
「…よ、よし…」
 そう言うと、岡田は美奈の陰部をのぞき込んだ。
「隅々まで、調べてください…」
 決まりどおりそう言うと、美奈は潤んだ目を閉じた。
 陵辱の名残を残した亀裂が、すでにぱっくりと口を開いていた。中出しは禁止されていたために、精液こそ見られな
かったが、指先で開くと、彼女自身の分泌液が襞に溜まり、ヌラヌラとぬめ光っている。花弁はめくれて、少し赤くなって
いた。
「どうですか、男とやりまくったオ××コは?いやらしくヌメってるでしょう」
 一緒にのぞき込んでいた松川がそう言い、岡田に触診を促す。
 岡田の指が小陰唇を摘んで軽く引っ張り、クリトリスを剥きだしにした。膣前庭を指先でなぞり、サーモンピンクの穴を
ほじる。
「ああっ…、ううっ…、あううっ…」
 敏感な部分を弄られる度に、美奈が腰を反らせて声をあげ、M字に開いた内腿をピクピクとひきつらせる。
 岡田は誘われるように、膣口に指を挿入した。粘膜は愛液を湛え、驚くほどに濡れていた。
「はああっ、ああん…」
 指を出し入れすると、美奈は股間を開いたまま、腰をよじらせて声をあげる。凛々しい美貌を首筋まで染め上げ、ポ
ニーテールの髪を波打つようにうねらせる。指の動きに合わせて、秘所からピチャピチャという音がたちのぼってくる。
館に来てからの日々は、彼女の身体を、男の愛撫に反応しやすい、性感豊かなものに変えていた。
 その反応が、男の欲情をこれ以上なく煽りたてた。岡田のズボンの中で、肉棒が痛いほど堅くなっていた。
「もしよかったら、挿入しても構いませんよ」
 松川の悪魔の囁きが響く。美奈が、ハッとした表情で松川を見た。まさか、朝一番から、ここでセックスさせられるとは
思っていなかったのだ。
「えっ…、今、ここで…」
「そう、今、ここで」
 躊躇を見せる岡田に、松川が、さも当然のことのように頷いて見せる。
 普段の岡田なら、人前で女と交わることなど考えもしなかっただろう。しかし、禁欲生活の中に、魅惑的な肉体を持っ
て飛び込んできた美少女たちとの、爛れたようなイベントの数々が、彼の理性を狂わせていた。
「よし!」
 そう言うと、岡田は美奈の手を引いて柔道場の片隅に連れて行った。
 壁に向かって立たされた美奈は、壁に手をつき、双臀を突き出した。
「あんっ…」
 やがて背後から、狭まった肉路を押しあけられていく拡張感が襲ってくる。肉棒が粘膜を擦りつつ、奥まで貫いてく
る。
「あぁ…」
 美奈は壁に手をついたまま、身を捩って喘いだ。
 男の両腕が伸びて、豊かな胸の膨らみを裾野から持ち上げた。釣り鐘型の胸がプルンと弾む。柔らかさを確かめる
ように膨らみをなぞった後、男は乳房を鷲掴みにして、こね回すように揉み始めた。
「あっ、あっ、ああぁ…」
 胸を揉まれるたび、自然と美奈の腰がくねる。
「それっ、それっ、それっ…」
 男が腰を振り、体の中がかき回される。愛と呼べるものもなく、女陰をペニスでガンガン突きまくられる野獣のような
行為だ。
「気持ちいい、気持ちいいぞっ!」
 男が叫び声をあげ、胎内になま暖かい液体が流れ込むのを感じた。
「ううぅ…」
 漏れそうになる声を、美奈は必死で押し殺す。それは快感ではなかった。セックス奴隷として扱われていることへの言
いようのない屈辱が、グッと胸に詰まったのだ。
 美奈といえども、ティーンの少女に過ぎない。気丈にふるまっていても、過酷すぎる運命に心が折れそうになるのを、
ギリギリのところで懸命に堪えているのだ。
 今は壁に向かって立っているため、幸い、後輩からも松川たちからも、自分の顔は見えないだろう。そう思った途端、
美奈の目尻から涙の滴がこぼれ落ちた。
「よかったな、有岡。朝からセックスできて」
 背後で松川の嘲笑が聞こえた。ちょうどその時、石堂が声をかけた。
「さあ、体験入隊で着る服を渡します。3分以内に着替えて整列!」
 石堂に促されて、良宏が衣類ケースを開けた。

「左っ、右っ、左っ、右っ!」
 朝日の中をテニス部員たちが一列縦隊になり、号令に合わせて足並みを揃え、基地の中を移動していく。
「おおっ…」
 それを目にした隊員から思わず声があがる。顔に浮かぶのは、まずは驚き、そして、好色な笑みであった。
 少女たちは全員、スクール水着を着ているのだ。
 色は紺色、形も普通のスクール水着だが、スタイルが良く、美少女揃いの部員たちが着ると、体のラインがくっきり出
て、なんとも言えないエロチシズムを醸し出していた。
 しかも、当然のように布地は薄く、パッドは入っていない。胸に貼りついた布地が艶めかしくカーブを描き、胸の双丘
にポチポチと乳首の存在がわかった。股間にもぴっちり食い込んで、恥丘の柔らかな膨らみが浮き出ている。後ろから
見ると、ムッチリしたヒップの肉感がはっきりわかり、男なら誰もが思わず目を向けてしまう姿だった。
「恭子、お前のマ×コ、気持ちよかったぜ」
 緑色の作業服のようなものを着た隊員が、卑猥な笑いを浮かべて声をかけてきた。昨夜の体育館で、恭子の身体を
陵辱した男だ。体位を変えて何度も交わり、時間切れになっても名残惜しそうに、彼女の乳房を弄っていた。
 見ると、他の隊員たちも、目の保養とばかりに少女たちを凝視し、卑猥な会話を交わして笑いあっている。もはや遠
慮会釈ないという感じだ。
(恥ずかしい、こんな格好…)
 乳房の形が浮き出た胸に視線を落とし、恭子の頬が熱くなった。濃紺だと言うのに、乳輪の影まで透けて見えそう
だ。食い込んだ股間もアンダーヘアーがない分、恥丘の盛り上がりが、手に取るようにわかる。
 水着の意味がない、これでは全裸と同じ、いや、全裸よりも恥ずかしい格好だ。見ないようにしていても、男たちのい
やらしい目つきを想像してしまい、いっそう恥辱感が増す。
 じわりと涙が滲む。体力的にもかなりきつかった。昨晩の疲れがまだ取れていないうえ、何十人もの相手をした股間
は、まだヒリヒリして、何かが挟まっているような違和感があって歩きにくい。よく見ると、他のみんなも辛そうな表情を見
せている。
(もうイヤっ、耐えられない…)
 そう叫びそうになる声を、恭子は危ういところでグッと飲み込んだ。
 列の先頭で胸を張り、元気に腕を振って進む美奈の姿が見えたのだ。お尻のあたりが濡れてるのは、朝、若い将校
に中出しされた精液が、逆流して布地を汚しているのだろう。
 体力的にも精神的にも一番きついはずなのに、毅然と前を見て進む美奈は、どんな格好をしていても、美しく、輝いて
見えた。
「誇りを失わなければ、心まで汚されることはない」
 美奈の言っていた言葉が脳裏を過ぎる。
(そうですよね、有岡先輩…)
 恵聖学園の直接の後輩である自分こそが、尊敬する彼女を支えていくのだ。恭子は改めて心に誓い、前を向いて歩
き始めた。

 男たちの好色な視線を浴びながら、テニス部員たちは、小さなグラウンドに出た。
 グラウンドでは、若い隊員たちが銃のような物を担いで訓練していた。美奈たちは、最近徴兵されてきた隊員たちと
合流し、一緒に訓練を受けることになったのだ。
 美奈は、そこに堀江の姿を見つけた。堀江も気づいたらしく、チラチラと美奈の方を見ている。
 しかし、美奈が優しい笑顔を送った途端、堀江はスッと目を逸らしてしまった。昨夜の「強制筆下ろし」が彼の男として
のプライドを傷つけてしまったのだろう。美奈は、少し哀しげな表情でため息をついた。
「いけね、いけね、遅刻しちゃった…」
 ドタバタした足取りでやってきたのは鈴木だ。防衛隊の装備ではなく、自慢の撮影機材を抱え、慰問試合の最終日を
しっかり記録しようと張り切っている。
 ファインダー越しに美奈を見つめるその表情が、夢見るようにとろけた。憧れの体を抱いた感触が甦り、昨夜の出来
事が夢ではないと何度も自分の中で反芻する。
「整列!」
 かけ声にあわせて、テニス部員たちは3列に並んだ。その後ろに新入隊員たちが2列に並ぶ。訓練に参加するの
は、総勢約50名だ。
 列の斜め後ろから一人の隊員が歩いてきて、参加者たちの前に背中を向けて直立したかと思うと、無駄のない素早
い動作で、回れ右をした。それだけで、場の空気が張りつめる。
「乾軍曹である!今日一日、貴様らの教官を務める!」
 「気を付け」の姿勢のまま、まっすぐ前を見据えて大きな声で自己紹介したのは、30歳代の体育教師を思わせる男。
昨日、森島と交代する前に美奈の対戦相手となった乾だった。その他に「助教」と呼ばれる隊員が二人付く。
「沼田伍長である!」
「あっ…」
 思わず明穂が声をあげた。沼田と名乗った助教は、昨夜のあの海坊主だ。
「いい格好だ、似合ってるじゃないか」
 明穂の姿を見つけて、沼田が近づいてきた。胸に鼻息が当たるのがわかる、巨体を曲げて、至近距離からじっくりと
明穂の双乳を観察しているのだ。
「きゃっ!」
 いきなりお尻を撫でられて、明穂が声をあげる。
「ケツの穴も気持ちよかったぜ、またハメさせてくれよ」
 沼田の笑い声に、明穂の足がガクガクと震えた。
「あの…、体験入隊ではどんな事をするのでしょう」
 美奈を補佐しようと決意を新たにした恭子が、部員たちの思いを代表して、乾に尋ねた。
「話しかけられたとき以外、口を開くな!」
 頭越しに怒鳴られ、恭子は体をビクッと震わせて黙り込んだ。
「返事はどうした!返事が遅い!」
「ハ、ハイ…」
「ふざけてるのか!聞こえんぞ」
 乾が怒鳴りつけると、助教の一人がニヤニヤ笑いながら言った。
「お前、昨日の晩は、マ×コに太いのをハメられて、大きな声を出してたじゃないか」
 藤川伍長と名乗った助教は昨夜、仲間の数人と一緒に恭子を輪姦して楽しんだ男だ。
「チ×ポをハメられてると思って声をだせ!このヤリマン!」
 乾が恭子の目の前に立って、大声で怒鳴った。
「ハイ!!」
 半分裏返った声で恭子が返事をした。恐怖と言うよりは、理不尽に対する怒りで、その目が涙目になる。
「いいか、ここでは、絶対に視線を逸らさず、相手の目をまっすぐ見るのがルールだ。胸を張って全身を緊張させ、相手
の目を睨みつけて、腹から大声を出す」
「ハイ!!」
 全員が精一杯の大声で、返事をした。
「わかったら、こいつが無駄口をきいた罰として、お前ら全員に対して体力練成を与える!今日一日、きさまらは全員、
連帯責任だぞ」
 乾がそう言うと、助教たちが腕立て伏せのやり方を教える。「腕立て伏せ、用意!」という号令がかかったら、気を付
け」の姿勢から「いち!に!」の声とともに腕立て伏せの体勢に移行する。そして、「に」の号令で足を伸ばす。
「腕立て伏せ、用意!」
 乾が号令をかけた。
「いーち、にー…」
 腕立て伏せが始まった。
「…ご、ごめん…、みんな…」
 はからずも原因を作ってしまった恭子が、苦しげ謝罪する。自分の未熟さを思い知り、思わず涙がこみ上げた。
 隊列の間を通って、腕立て伏せの様子を監視していた乾の足が止まった。
(やっぱり、素晴らしい…)
 視線の先にいるのは美奈だ。
 水着で腕立ての姿勢をとると、脚がすらりと長くて抜群のプロポーションをしていることがよくわかる。すべすべして艶
やかな肩のライン、水着から覗く白い背中、キュッと引き締まったヒップが欲望をそそる。身体の動きにあわせて、ポニ
ーテールの黒髪が揺れるのも甘美な眺めだ。
(今日一日が、楽しみだな…)
 乾が満足げな表情で頷いた。
「ごじゅうい…ち、五十二…」
 回数が重なるにつれて、全員のピッチが落ちてきた。すっかり息があがって、かけ声も絞り出すような声に変わってい
く。スタミナ不足が課題だった千花など、細い腕がわなわなと震えだして、いかにも苦しそうだ。
 腕立て伏せは結局、100回続いた。さすがのテニス少女たちも、新入隊員も途中で膝をついて、肩で息をしている。
 そんな中、100回きっちりと腕立て伏せをこなし、スックと立ち上がる美奈の姿があった。
 乾が視線を向けると、弾き返すような強い視線が返ってきた。ハッとした乾は、思わず目を逸らした。それは、彼が防
衛隊に入ってから初めての経験だった。



 
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