国防省附属「星園・癒しの館」・外伝
 
テニス少女・遠征 第17章
「いち、に、いち、に…」
 班長役の号令に合わせて、岩口基地の中を隊列が進んでいく。テニス少女たちが前に、新入隊員たちが後ろに固ま
った二列縦隊だ。
 行進が通る道沿いのあちこちに、その日の任務がない隊員たちが集まって、見物していた。その人数は、かなりの数
になる。慰問試合の期間中は、特に緊急を要しない通常業務は休みになっている。
「おっ!」
「すごいなぁ…」
 行進する慰安嬢の姿を見て、隊員たちが思わず声をあげた。
 身体にピッタリとフィットした紺色のスクール水着は、彼女たちの身体のラインをくっきりと浮き立たせている。
「おううっ!」
 少女たちが近くに来ると、男たちは思わず身を乗り出した。口々に、感動と興奮の唸り声が発せられる。
 身体のラインどころではない。胸は乳房の形までの映し出し、頂点がツンと生地を押し上げている。下半身の薄い布
地は、太腿にぴっちりと食い込みながら官能的なVラインを描き、かすかな恥丘の盛り上がりがはっきり見てとれる。水
着が深く食い込んで、股間からお尻にかけての割れ目は、全裸でいる以上に強調されていた。
「このエロさ…」
「ヤバイぞ!」
 見物している隊員たちの目はギラギラと輝いて、スクール水着を舐めるように見つめている。そして、この夢のような
一時が、たとえ一秒でもいいから長く続いてほしいと願っている。
(こんな格好…、何も着ていないのと同じだわ…)
 一方、美奈はこみあげてくる恥辱と怒りを必死で抑えていた。目元や頬骨のあたりが、紅く染まっている。
 明るい屋外で、男たちの好奇の視線を浴びながら、身体のラインそのままの水着姿を晒すのは、やはり恥ずかしか
った。これまで、もっと恥ずかしい思いもしてきたが、けっして慣れることはない。
 美奈の隣を歩く千春が、深いため息を漏らした。今朝、帰ってきてから、ずっと様子がおかしい彼女は、今も何か物
思いに沈んでいるようだ。
「あれ、有岡美奈だろ!」
「さすが、いい身体してるな」
 男たちの粘っこい視線を浴びて、美奈はキュッと口元を強く結んだ。
 後輩たちの手前、平気そうにふるまっていても、この慰問試合は身体的にも精神的にもきつかった。ともすれば、二
日間の疲労が、忍耐力のたがを外してしまいそうになる。その度に、美奈は冴子の言葉を思い出していた。
(クールに、冷静に、それが正確な判断を支えるコツ…)
「聞いてくれよ、俺さ、有岡美奈にチ×ポをしゃぶってもらったんだ」
「何言ってんだ。俺はオ××コに入れたよ。気持ちよかったぜ」
 男たちの卑猥な会話や、興奮した声が自然と耳に入ってくる。耳をふさぎたくなるのを我慢して、美奈は行進を続け
た。
「縦隊、右へ進め!」
 班長の号令に、美奈の表情が曇った。
(だめっ、早すぎるわ…)
 行進中は、何があっても、号令の通りにしか動けない。班長の命令がないと勝手に進行方向を変えてはいけないの
だ。しかも、曲がる時は常に90度に曲がらなくてはならない。ところが、班長役は新入隊員が交代でやっているため、
命令がうまく出せず、ここに来るまでにも、右と左を間違えたり、号令が遅れて壁にぶちあたったりした。確かに前方は
緩やかなカーブになっているのだが、今ここで曲がると、道をそれて、見物人とぶつかってしまう。
 案の定、隊列は道から外れて、慰安嬢たちに卑猥な視線を向けている男たちの群に向かって行った。
「おっ、なんだ!」
「こっちへ来るのか?」
 自分たちの方に近づいてくる水着姿の少女たちに、集まった隊員たちの顔が卑猥にほころんだ。
「あっ、まっすぐ、いや、左…」
 班長は軽いパニック状態で、すでに訳がわからなくなっていた。今、班長役をやっているのは、西田という名の小柄な
青年で、何をするにも不器用なところがあり、上官や先輩からはもちろん、同期の新兵たちからも侮られ、バカにされて
いる。
 そうこうしているうちに、隊列は見物人の列に突っ込んでいく。
 列の先頭を歩いていた美奈の前に、数人の隊員が立ちはだかった。
「おっと、危ない!」
 そう言うと、男の一人が前進してきた美奈の身体を抱き止めた。ここぞとばかりにギュッと抱きしめると、周りにいた男
たちが一斉に手を伸ばし、美奈の身体を、水着の上からいやらしく撫でまわした。
「…あっ、いやっ…」
 左右から伸びた手が双乳を揉みしだく。美奈が身をくねらせ、逃れようとする。ポニーテールの髪が揺れて甘い香りを
放ち、さらに男の欲望をあおった。
「ほんと、すげえ身体だよ。おまえ」
「筋肉質なのに、オッパイやお尻は柔らかいんだな」
 隆起全体をたっぷりこねまわされ、卑猥な言葉が投げかけられる。美奈を抱いていた男の手がスクール水着の股間
をずらし、陰裂に指を走らせる。円を描いてお尻を愛撫していた別の男の手が、アヌスのあたりをまさぐった。
「こんなスケスケの水着着て、挑発してるくせに」
「どうせ、ヤリマンなんだろ。身体ぐらい触らせろよ」
 抵抗しようとすると、屈辱的な言葉が投げつけられた。
 美奈に続いてやってきた部員たちも、次々と男たちに取り囲まれ、思い思いに身体を弄られている。
「きゃあッ、いやです…許してください!」
 寄ってたかって嬲れられる恐怖に、秋穂が泣き声に近い悲鳴をあげた。見ると、水着の中にも何本もの手が入ってい
る。
「だめっ、ダメです…、ああ、助けてぇ」
 恭子の水着は引っ張られ、今にも剥ぎ取られそうになっていた。後輩たちの悲鳴に混じって、男たちの卑猥な笑い声
が聞こえる。美奈の柳眉が逆立った。
「おい、早く道に戻らないと、女子たちが犯されちまうぞ!」
 乾に怒鳴りつけられて、西田はますます舞い上がり、適切な指示を出せないまま、オロオロしている。その様子を見
て、見物していた隊員たちは、大笑いしていた。

「全体、止まれっ!」
 乾の声が響く。
 羞恥の行進がなおも1時間近く続いた後、美奈たちが連れて来られたのは、基地内に作られた訓練用のフィールドだ
った。ここにも、多くの見物人が集まっている。
「これから、匍匐前進訓練を行う」
 説明を受けた後、男女交互に四列縦隊となり、4人1組で200メートルの匍匐前進を行う。
 美奈の後ろに並んだのは、堀江だった。
 昨夜のパーティでの強制的に筆おろしをさせられたことは、彼の中で屈託になっていた。危うくトラウマになるところ
を、最後の美奈の一言で救われたのだが、素直に彼女に接することができなくなっていた。
 今朝、自分たちの訓練に美奈たちが合流することを知った時は心からうれしかったのに、美奈が微笑みかけてくれた
のを無視してしまった。
 そして、今、目の前に美奈がいる。
 堀江は目を見張った。染み一つない背中は白くなめらかで、濃紺の布地に包まれたヒップは、ふくよかな丸みを帯び
ている。そのくせ、ウエストは蜂のように見事にくびれ、むしゃぶりつきたくなるような後ろ姿だ。
 いけないものを見たように、堀江は一度視線を逸らしたが、再びソッと頭をめぐらせた。やはり、どうしても視線を向け
ずにはいられないのだ。
「スタート!」
 乾の号令がかかる。匍匐前進には5段階があり、徐々に体勢が低くなっていく。第一と第二は、身体を低くして膝と腕
で進んでいく姿勢だ。
「第三匍匐っ!」
 乾の号令で、全員が体勢を低くし、四つん這いの姿勢をとる。
 目の前を進んでいた美奈が四つん這いになった。突き出された丸い臀部に、堀江は思わず息を呑む。
 美奈が前進するたび、紺色の布地に包まれたヒップがキュッ、キュッと張りつめ、形の良さがいやというほど強調され
る。後ろからそれを追う堀江は、股間が熱くなるのを感じ、目のやり場に困った。
「第四匍匐っ!」
 伏せた状態から両肘を交互に支点にして前に出し、足と膝で体を推進する。一般的に匍匐前進と聞いて、頭に浮か
ぶあの姿勢だ。
 見ると、地面との摩擦で、前進する美奈のお尻が徐々にはみ出してくる。動きに合わせて、薄い生地が割れ目にくっ
きり食い込んでいる。なんとも悩ましい眺めだった。
「第五匍匐っ!」
 美奈が両腕を前に伸ばし、うつ伏せに地面にピタッと貼りつくような姿勢になると、両足をカエルのように曲げて進み
始めた。
 すでにお尻の3分の1くらいが水着からこぼれ出て、股間には布地がこれ以上ないほど食い込んでいる。大きく開か
れた内股の白さがまぶしい。
 自ら封印していた美奈に対する淫らな想いが、堀江の中でムクムクと頭をもたげてきた。
(今度は、ちゃんとセックスしてみたい…)
 そう思った途端、勃起したペニスが地面で擦られ、前進するのが辛くなってきた。思わず腰を浮かしたその時、頭に
ガンという衝撃があった。
「頭が高い!」
 助教の沼田が、彼の頭を蹴ったのだった。
(あっ、これは…)
 地面に這い蹲るようにして進む美奈の前に、泥濘が広がっている。コースに作られた一種の障害物であり、ここを通
らなければならないらしい。
 美奈は、心配そうに振り返った。
 案の定、彼女のすぐ斜め後ろを進んでいた恭子の表情が、強ばっている。潔癖性の彼女にとっては、泥の中を這い
回るのは、耐えられない苦痛のはずだ。
「恭子、ファイト!」
 美奈が声をかけると、恭子はぎごちなく笑って頷いた。
「行くわよ…」
 そう言って、思い切って進んだ美奈の顔に、褐色をした泥水が跳ね上がった。
「おお…」
 見物している隊員たちから、声が漏れた。
 泥水で褐色に染まった水着が、弾けるようなヒップの形をそのまま現わしている。肌の色も同じ色の泥で汚されてい
た。それが、泥濘の中でうねりを見せる様子は、なぜか、妙にエロチックな眺めで、彼らを卑猥な気分にさせた。
 恭子ほどではないにしても、汚れるのが嫌いな年頃の少女たちだ。泥だらけになってゴールした顔は、一様に情けな
そうな表情になっている。
 そんな彼女たちに、助教の二人がホースで水を浴びせた。
 きれいになるのはいいのだが、水を吸った水着は身体にぴったりと貼りつき、生地が透けてしまっている。



(いいぞっ、すごいセクシーだ!)
 ゴール地点に立ったカメラマンの鈴木が、ファインダーをのぞき込み、夢中でシャッターを切った。撮影対象は、もち
ろん有岡美奈だ。
 薄いスクール水着の生地は、水に濡れて、乳房の形を生々しいほど浮かび上がらせ、乳輪がまでが透けて見えてい
た。水温で冷やされた乳首が堅くなって、ポツリポツリと浮き出ている。
 匍匐前進によってハイレグ気味になっている水着から、圧倒的な美しさの脚線が伸びている。もはや、大陰唇の形さ
え手にとるようにわかる縦裂は、鈴木の股間を熱くさせた。もし陰毛を剃っていなければ、クッキリと映ったことだろう。
(かなり、傑作がたまったよな…)
 なおもシャッターを切りながら、鈴木は大いに満足していた。
 写真の中から出来の良いものを選んで3つセットを作る。一つは、実行委員の松倉に渡し、一つは自分のコレクショ
ンにする。これは、生涯の宝物になりそうだ。
 そして、三つ目は美奈に渡す約束だった。
「館には内緒にしたいの、だから、ここに送って」
 そう言って、告げられた送付先を鈴木は、しっかり覚え込んだ。宛先は「東京都港区…、小野寺樹里」となっていた。

 午前中の最後は、防衛隊名物の10マイル走である。重い装備をつけて、16キロの道のりをランニングするのだ。
 少女たちはスクール水着の上から、装備を身につけた。
「重い…」
 ずっしりした背嚢を担いで、千花が思わず声を上げた。
「いいか、一人の落伍者もなく、ゴールするんだぞっ!」
 乾の声が響き、再び基地の中を二列縦隊で走っていく。
 2日間の過酷な慰安のあとで、確かに体力的にはきつかったが、10マイル走は美奈たちにとって、特に辛い訓練と
いうわけではなかった。何しろ、ほとんどが一流のプレイヤーや高校テニスの頂点を目指して、厳しい練習を積んでき
たテニス少女たちである。
 むしろ、先に音を上げたのは、徴兵組だった。その多くは、高校や大学を出たばかりで、つい最近まで普通の生活を
送っていたのだ。
「みんなで、一緒に、ゴール、するぞっ!」
 ふらふらになってきた新兵たちに、乾がかけ声を掛けた。声を出し続けることで、体力、精神力の限界に挑むのだ。
「がんばりましょう!」
 美奈が声をかけると、他の部員たちも近くにいた隊員たちに声をかける。苦しげな隊員たちの表情に、一瞬笑顔が戻
った。
「みんなで、一緒に、ゴール、するぞっ!」
 新兵もテニス少女も声を合わせて、かけ声とともに基地の中を駆けて行った。
 あと1キロを残す地点で、乾は隊列を止めた。
「大城、中西、前に出ろ!」
 朋美と一緒に呼ばれたのは、新兵の中でも、特に体格の良い男だった。二人を向かい合わせに立たせると、乾は大
城の首に、朋美の両腕を回させた。
「そのまま、抱きかかえろ!」
 乾に命じられて、大城は朋美の身体を抱き上げた。朋美の両脚が男の腰に回される。彼女たちが身につけているも
のは、薄いスクール水着一枚だけだ。そうして抱き上げると、ムチムチと柔らかな肉の感触が伝わってくる。大城は、股
間がムクムクを膨らんでくるのを感じた。
 乾は、朋美の水着の股間部分の布を横にずらし、指先で秘孔を突いた。
「あっ…」
 朋美が戸惑いを含んだ喘ぎ声を漏らす。乾の指が小突起をまさぐり、割れ目を指でなぞると、その部分が潤いを見せ
た。
「よし、チ×ポを出せ!」
 首筋にしがみつく朋美の身体を片手で支えながら、大城はスボンのチャックを下ろした。堅くなった肉棒がブルンと飛
び出す。
 乾に命じられるまま、大城は勃起した陰茎を掴むと、その先端部を朋美の膣口にあてがった。
「あ…、あ…」
 朋美が身悶えした次の瞬間、ズンとくる衝撃があった。大城に抱き上げられた格好のまま、勃起した肉棒で貫かれた
のだ。
「いいか、全員こうして、女子を抱き抱えろ!」
 乾の指示で、隊員たちがテニス部員たちとペアになり、駅弁スタイルでつながっていく。彼女たちの重量を加えて、残
りの1キロを走らせるつもりなのだ。
 美奈と組になったのは、行進の班長役でしくじりを見せた西田だった。彼は、なかなか陰茎を露出することができず、
もじもじしている。
「有岡、西田のチ×ポを出してやれ!」
 西田が逃れようとすると、沼田の怒声が飛んだ。
「じっとしてろ!」
 美奈がしなやかな指づかいで、ズボンのチャックを下ろした。
「いや、あの…」
 西田は慌てて手で股間を隠し、口ごもる。
「チ×ポを見せろ!」
 再び怒気をはらんだ乾の声が飛ぶ。
 露わになった西田の陰茎は、すっぽり皮に包まれていた。館の教育内容には、医学的なものも含まれている。美奈
は、そこで「包茎」という名称を知った。
「見てみろ、あいつすっぽり皮被ってるぜ」
 見物していた隊員の一人が大きな声を出した。隊員たちの笑い声が起きて、西田は気の毒なぐらい真っ赤になった。
 美奈は眉をひそめた。
 館に来る隊員の中には、新兵教育と称し、軍隊生活に慣れない新人を連れて来る者がいる。「いい思いをさせてやろ
う」という親切心から後輩を連れてくる者もいるが、嫌がる新人に、無理やり女に挑ませて、失敗すれば笑い物にしよう
という者も少なくなかった。そのことで、心に深刻な傷を負う若者もいる。ましてや包茎だということになると、いじめの対
象になることすらあると聞いた。
 屈辱のため唇を噛んでうつむいている西田を見て、美奈の心が固まった。
「ちょっとだけ、我慢してくださいね…」
 そう言いながら近づいてくる美奈を見て、西田が慌てて視線を逸らした。その表情はふてくされたようになっている。
「オチ×チ×、私に舐めさせてくださいね」
 男の自尊心を傷つけないよう、甘い声でおねだりしてみせると、美奈はダランと垂れ下がった陰茎を握り、優しくしご
き始めた。
「うっ…」
 西田が苦痛に耐えるような声を漏らす。みるみる肉棒が堅く、大きくなっていった。皮の先端がめくれて、鈴口が少し
のぞいている。美奈は、その部分を舌先で小刻みに刺激しながら、ときおり唾液を垂らし、それをローションがわりに、
舌と指で優しく皮を剥いていく。
「ああ…」
 快感の吐息を漏らしながら、西田は、腰のあたりでひざまずく美奈に視線を向けた。長い睫毛にきりりとした目元が印
象的な、非の打ち所のない美少女だ。その柔らかく濡れた唇が、今は自分の陰茎に触れている。
(こんな綺麗な子に、隅々まで舐められるなんて、恥ずかしい…)
 すっぽり皮を被っていた陰茎は痛みすら感じさせず、いつの間にか彼女の口内で剥かれ、亀頭が露出していた。そ
れを美奈は、愛おしそうに音を立ててしゃぶる。あまりの気持ち良さに、西田は全身をブルッと震わせた。
(こんな子が…、みんなが憧れる有岡美奈が、しゃぶってくれてるんだ!)
 その思いは、男としての支配欲を満たし、西田のプライドを回復させていった。
「気持ちいいですか?」
 上目遣いに尋ねると、カリ首に捲りあげられた皮の隙間を舌先で丁寧に舐めていく。そのあと、美奈は唇で陰茎全体
を挟むように、根元から先端までゆっくり往復して、愛撫した。肉棒がますます膨れ上がる。
 すっかり勃起すると、美奈は立ち上がって、自ら水着の股間部分をずらした。彼女に導かれるように、西田が中腰に
なり、先端をそこに当てた。
「ああっ…」
 亀頭が体内に入ってくる。美奈は西田の首に両手を回し、その胸にしっかり縋りついた。西田が全身の力を使って、
美奈の身体を抱き上げる。
「ううっ…」
 からみつく肉襞を押し広げて、柔らかい内部に潜り込んだ感触に、危うく西田は射精しそうになり、必死で堪えた。
「よし、ラスト1キロいくぞっ!」
「はいっ!」
 一斉に返事をして、隊員たちが駆けだした。西田もよろよろとふらつきながらも、必死で走り出した。美奈は振り落とさ
れないよう、反射的に男の胸にしがみついく。
「みんなで、一緒に…」
「あン…」
「ゴール…、するぞ…」
「はぁあっ、ああっ…」
 かけ声の中に、少女たちの喘ぎ声が混じる。結合した性器が自然と擦れあい、お互いの性感を刺激していくのだ。セ
ックスしながら、ランニングをしているようなものである。
「あッ、ああぁ…」
 駆け足のテンポにあわせて、女子たちの身体はリズミカルに突かれ続ける。それにあわせて、喘ぎ声がビブラートす
る。
「あ、あ、あ…」
 西田の怒張は、一歩ごとに美奈の秘孔の中で角度を変えた。突かれる場所がその度にかわり、性感が膣内に広が
っていく。美奈の身体が小刻みにわなないた。
「抜けたら、また、入れてから走るんだぞ!」
 乾の命令が飛ぶ。
 西田の腕が美奈を支えきれなくなり、その身体が次第にずり落ちそうになってくる。何とか体勢を維持しようと、西田
が勢いをつけて、美奈の肉体を揺すり上げた。
「あはんっ!」
 ポニーテールを括る赤いリボンが跳ね上がった。激しく突かれる格好になり、西田に抱かれた美奈の身体が弓なりに
反った。同時に秘孔が、男の怒張を締め上げる。
「うっ、出るっ…」
 とたんに、西田の陰茎が暴発してしまった。美奈の膣内に精液が放たれる。つい最近、入隊検査を受けた新兵たち
が中出しすることに、石堂が許可を与えていたのだ。
「もう一度勃起させて、入れるんだ」
 美奈の身体を下ろし、呆然と立ちすくむ西田に、乾が指示をする。肉棒は力を失い、再び皮に包まれていた。ゴール
はまだまだ先だ。
「じゃあ、もう一度…」
 美奈は地面に両膝をついた。
「ごめん、お願いするよ…」
 肩で大きく息をしながら、西田がポツリと呟いた。
「はい…」
 優しい笑みを浮かべると、美奈は愛液と精液がべっとり付着したペニスに舌を絡めるようにして、しゃぶり始めた。ク
チュクチュと音をたてて吸うと、尿道に残った精液が、口中に青い臭いをもたらした。

「…ここ数カ月間は、文教省に用意していただいた訓練施設でトレーニングをしていました。施設名や場所は、ノーコメ
ントとさせていただきます」
 冴子は表情一つ変えずにそう答えた。記者会見場に設置されたカメラが、その顔を映し出す。「クールビューティ」の
呼び名にふさわしい、硬質の美しさだ。
「有岡、井上、中西の3選手が欠場ということで、那珂選手に期待がかかりますね」
「本当は彼女たちも交えて、試合を戦いたかったのですが、仕方ありません」
「3人から、連絡はあるのですか?」
「メールでやりとりをしています。有岡さん、井上さんは例の事件の後、更生プログラムを受け、今は愛国心を学ぶため
に、横木市にある『星園癒しの館』に入所しています。中西さんは、お家の事情だそうですが、たまたま、二人と一緒に
館にいます。みんなとても元気です」
 記者と冴子のやりとりを聞きながら、樹里は、何とも言えない違和感を感じていた。
 それは、他の記者たちにはわからなかっただろう。テニス専門のフリージャーナリストとして、十年近く彼女たちを追っ
てきた樹里だからこそ、感じ取れたのだ。
 冴子は自分がこの場にいることを知っている。そして、彼女が伝えたいのは、その違和感なのだと、樹里は確信して
いた。
 樹里は思いきって手をあげ、冴子に質問した。
「那珂選手はトランプ占いが趣味だとお聞きしました。試合を前にして、何か占いましたか?」
 冴子は少し考えた後、こう答えた。
「スペードのクイーンが出たのですが、ハートもクラブもダイヤも出ません。それで少し心配なのですが、自分の力を信
じてガンバルしかありません」
 樹里は確信した。トランプの4枚のクイーンは、美奈たち4人を示している。彼女たち4人は一緒にいて、身柄を拘束
されていた。そして、何らかの理由で冴子だけが、外に出ることができたのだ。
(それはそうとして…、私に何ができるだろう…)
 フリーのスポーツ・ジャーナリストに過ぎない樹里は、与えられた宿題を前に、深く考え込んだ。



 
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