聖処女真璃亜1 好色と覚醒のエチュード
 
第2章 変容
 
「ただいま。」
 真璃亜が玄関に入ると、男物の黒い革靴が玄関にあった。
「あっ、お父さん、帰ってきたの!」
 弾む声をあげてリビングに駆け込むと、ソファに腰掛けた父章人の日焼けした顔があった。
「『お帰り』かな、それとも、『ただいま』と言うべきかな?」
 章人は眼鏡の奥から悪戯っぽい瞳を輝かせてそう言うと、コーヒーカップを片手にニッコリ微笑んだ。長身でハンサ
ム、青年といっていい若々しさを感じさせながら、四十五歳という年齢相応の落ち着きと貫禄も兼ね備えている。真璃
亜の友達の中でも、家に遊びに来て章人に会うと、スターに会ったかのようにキャアキャア言う娘が多い。もちろん、真
璃亜の自慢の父親だ。
「お父さん、メソポタミアはどうだった?」
 真璃亜は着替えもせずに、セーラー服のまま父の隣に座り、勢い込んで尋ねる。
 章人は名門聖修大学で考古学を教えており、オリエント文明の研究では若手のホープとして世界の注目を集める存
在である。この半年、彼はユニセフの要請で、戦闘行為が一段落した中東に、文化財の調査と保護のために派遣され
ていたのだった。父の影響で、古代史に興味を持つようになった真璃亜は、この半年間、彼の帰国とその報告を楽し
みに待っていたのだった。
「実は、すごい発見があったんだ!」
 つぶらな瞳をキラキラさせて聞いている娘の前で、章人は興奮を隠せない様子で語り始めた。
「オアシス地帯にあった古い倉庫、民兵の隠れ家になっていた所が、米軍の空爆を受けたんだがね。その地下から、こ
れまで発見されなかった遺跡がみつかったんだ。どうやら神殿の跡らしいんだが、紀元前5000年頃に遡る可能性が
あるんだ。」
「すごい、世界史を書き換える発見になるかもしれないじゃない!」
 真璃亜が驚きの声をあげた。チグリス、ユーフラテスの二つの河に挟まれたメソポタミアの地に、都市国家が成立し
たのは紀元前4000年期の後半だと言われている。しかし、章人らが調査している遺跡は、さらに1000年も遡るとい
うのだ。
「そうだよ、もう少し詳しく調べてみなくちゃわからないんだがね。しかも、そこにすごい宝物が眠っていたんだ。」
「宝物?」
「黄金の箱なんだ。宝石か何かを入れていたようなんだが、デザインも洗練されていて、見るからに神々しい。調査団で
は、神殿のご神体だったかもしれないと見ているんだが、空爆で少し破損してしまっているんだ。いや、空爆を受けてあ
の程度の破損で済んでいるのは奇跡と言っていいと思うんだがね。それで、お父さんの研究室で修復と調査をすること
になってね。」
「…ってことは、研究室に持って帰ってるの?凄い、見てみたいわ!」
「何を騒いでるの?」
 そう言いながら、夕食の支度をしていた母の杏奈がキッチンから出てきた。四十歳という年齢を感じさせないたおや
かな美人。章人とは似合いのカップルだ。この美男美女の娘である真璃亜が、周囲の目を引く美少女なのも、当然と
言えば当然のことである。
「メソポタミアの黄金の箱を、お父さんの研究室に持って帰ってるんだって。見たいよねえ、お母さん!」
「お父さんに無理を言っちゃダメよ。おもちゃじゃないんだから。」
 たしなめる杏奈を、章人が笑顔で制した。
「いや、見るだけなら構わないよ。どうせ、一般公開も予定しているんだ。それに、明日は土曜日だから、ちょうど都合
がいい。お母さんと二人でお父さんの研究室に来てごらん。黄金の箱を見せてあげるよ。」
「やったあ!」
 真璃亜は小躍りして喜ぶ。杏奈は笑いを含みながら、わざとらしくしかめっ面をして見せる。
「あらあら、お父さんったら、真璃亜には甘いこと。さあ、真璃亜、ご飯にしますから、着替えていらっしゃい。」
「はーい!」
 そう返事をして、真璃亜が自分の部屋に入った時、プルルル…と電話が鳴った。架けてきたのは、立花聖羅だった。
「ねえ…、いま、いい…」
「うん、いいけど…、聖羅ちゃん、具合悪いの?」
 真璃亜は思わずそう尋ねた。聖羅の声が熱に浮かされたようでもあり、どことなく苦しそうだったからだ。
「ちがう…、わ…、大丈夫よ。それより、ちょっと、相談したいことがあるの…。」
 真璃亜の頭に今朝の数学の授業のことが浮かんだ。クラスメートの前でお漏らしするという、年頃の女の子には耐え
難い恥辱を経験した聖羅のことが心配になる。それに、明日茂の様子からも、単に性格の悪い教師が生徒を虐めたと
いうこと以上に、何か深い事情がありそうな感じもした。
「いいよ。今、どこ?これから行こうか?」
「ううん…。ゆっくり話したいから…、明日、学校に来てくれるかな…」
「いいよ。何時?」
「お昼の2時に…」
 章人の研究室から学校まではそう遠くない、朝から黄金の箱を見せてもらって、家族でお昼ご飯を食べてから行って
も、十分間に合うだろう。
「うん。わかった。」
「ありがとう…、くうっ…、じゃあ、お願いね…」
 聖羅が痛みに耐えるような声でそう言い、プツリと電話は切れた。何となく胸騒ぎを覚えながら、真璃亜はベッドに腰
をかけ、置いてあったぬいぐるみを手元に寄せると、小首を傾げて考え込んだ。
 
「よし、それでいい。」
 聖羅の手から携帯電話を取りあげて、明日茂はニンマリ笑みを浮かべた。聖羅は彼の部屋の床に横たわり、正常位
のスタイルで秘所を貫かれたまま電話をしていたのだ。
「生意気な娘には、教師に逆らったら、どうなるか教えてやらないとな…」
 そう言うと、明日茂はズンと腰を突き上げた。
「あぁ、あうん…」
 それに合わせて、聖羅が電話の間ずっと我慢していた喘ぎ声を上げる。
 全裸の彼女の体は、すでに乳房といわず腹といわず、明日茂が放出した青臭い粘液でベットリと汚されている。男は
すでに十回以上射精しており、その都度、彼女の体に白く濁った体液をふりまくのだった。
「どうだ、気持ちいいだろう…」
 明日茂は激しく腰を送出しながら、胸にこぼした精液を塗りたくるようにして、プリプリした聖羅の乳房を揉み上げる。
指先は、ヌルヌルしたザーメンをローションがわりに、サクランボのような乳首を転がしている。
「はうぅ…、ああぁ…」
 聖羅は、もう自分ではどうにもならないぐらいに全身が燃え上がってくるのを感じ、より強い快感を得ようと、無我夢中
で腰を揺さぶった。
「うっ、出るぞっ!」
 ピストン運動をしていた明日茂が呻き声をあげ、登り詰める直前で聖羅の膣から陰茎を抜いた。勢いよく発射された
粘液が少女の愛らしい顔にビュッ、ビュッと何度もかかる。
「ほら、生顔面シャワーだぜ。」
「ううっ…」
 顔中を白濁の粘液にまみれさせた聖羅が苦しそうにあえぐ。長い睫にも男の粘液が張り付き、目も開けられない。
「う、ううむ…」
 明日茂は精液を絞り出すようにした後、複雑な表情を浮かべて呻いた。いつもなら、これだけやればさすがの彼も満
足して、男根はしぼみ、女の体に触れるのもおっくうになるのだったが、今日はどうしても性欲がおさまらない。むしろ、
射精すればするほど、体の奥から性欲が燃え上がり、ペニスは固く勃起していくのだ。
「次は、しゃぶってもらおうか。」
 鼻の穴も精液でふさがれて、呼吸することもままならない聖羅が口を開いた途端、明日茂は、全く衰える様子を見せ
ない肉棒を突っ込んだ。
「いいか。今度は口に出すからな…。しっかり全部、飲み込めよ。」
 そう言う明日茂の声は、凌辱を楽しんでいるというよりは、不安をはらみ、何かに追い立てられているかのような切羽
詰まったものであった。
 
 その日の深夜。場所は、聖修大学オリエント文明研究室。
 厳重に戸締まりがされ、誰も入れないはずの保管庫に、セーラー服姿のスラリとした少女の姿があった。
 非常灯だけが点灯する暗い部屋の中で、少女の姿は青白い光に包まれて、ボウッと浮かび上がっている。長い髪、
彫りの深い、ギリシア彫刻を思わせる美少女…、それは統治百合だった。
「あったわ…」
 そう呟くと、百合はガラスケースの中に大事に納められた物に近づいた。見事な細工が施された黄金の箱。しかし、
残念なことに蓋は幾つもの破片になって、横のケースに並べられている。
「使えるといいけど…」
 そう言いながら、百合はガラスケースにスッと手をかざした。途端に、箱が百合を包んでいるのと同じ青白い不思議な
光を帯び、ボウッと闇の中に浮かぶ。
「良かった。どうやら、霊力は衰えていないようね。物理的に修復されれば、十分役に立ちそうだわ。」
 安心したように言うと、百合は手のひらから小さな金のかけらを取りだし、箱の下に転がした。
「これで、完全に修復できるはず…」
 そう呟いて、百合は彫刻のようなアルカイックスマイルを浮かべた。次の瞬間、彼女の姿は消え、保管庫のどこにも
見あたらなくなった。
 
 ファッションヘルス嬢の美帆は、シックスナインの姿勢で、ベッドに仰向けに寝ころんでいる客の固く屹立した肉棒をし
ごき、ピンク色の舌でそれを舐めあげた。店で一番と言われるテクニックを駆使しても、男のそれは一向に満足した様
子を見せず、天を指して勃起したまま、血管を浮き立たせている。
「もっと気入れてやれよ。お前もいい気持ちにしてやるからさ。」
 男はそう言うと、淫らな赤い口を開けた美帆の秘孔の中に指を挿入し、ぐちゃぐちゃと掻き回しながら、折りたたまれ
た肉層の中の淫芽を舌先で円を描くように舐め回す。
「ふぐっうぅぅ…」
 美帆は官能の芽をつまみ出されて、肉棒にふさがれた口からくぐもった声を洩らした。とうとう、五度目の絶頂を迎え
てしまいそうだ。
 肉芽を揉みこんでいる男の指使いが一層のねちっこさと激しさを増す。身体の奥から湧き起こってくる甘美な衝動
が、背筋を這い昇り、美帆の全身に激しい電撃となって襲いかかってくる。
「あ、あぁぁ…、も、もう…だめ…」
 美帆は男の陰根を愛撫する余裕すらなくし、身体をのけぞらせて全身を硬直させた。淫孔をなぶる指をしっかりと食
い締め、絶頂の証を伝える。
「よし、約束どおり、オ××コさせてもらうぞ。」
「ダメ…、お客さん、お店のきまりで、ホンバンはダメなの…」
「何を言ってる。五回イクまでに俺の精液を搾り取れなけりゃあ、セックスさせると言っただろう。」
 そう言うと、男は美帆を力ずくでベッドに押し倒し、人並み外れた巨根を彼女の陰部に押し当てる。
「ダメッ、ダメだったらぁ…」
 美帆は本気で拒否しているというよりは、誘い、焦らすように身をよじった。男に弄られて、彼女の方も体が燃え上が
り、我慢できなくなっている。同時に、男がセックスするのなら、やらせたうえで、おもいっきり金をむしり取ってやろうと
の商売女のしたたかな計算もあった。
(ちゃんとコンドームさせなくちゃ…)
 美帆がそう思った時、ふいに男の囁きが耳に響いた。
「夢を見せてやろう…、至上の快楽を…」
 それは自分を組み敷いている男の喉から発せられたというよりは、どこか遠い所から響いてくる風のような、暗い不
気味な声だった。不安になって開けた彼女の目に男の顔が映る。
「ヒッ!あ、あああ!」
 これ以上開きようのないぐらい目を見開き、声にならない声をあげて、美帆の全身がガタガタ震える。その表情は、こ
れ以上ない恐怖に無惨に歪んだ。
「キャァァァーッ!」
 激しい悲鳴を上げると同時に、彼女は、自分の胎内に異物が有無を言わさぬ力で押し入ってくるのを感じた。
 


 
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